蕁麻疹と多形滲出性紅斑

3歳の娘の事で相談です。10日程前、突然足に虫刺されのような赤い発疹がではじめました。余り痒がることもなかったので市販の塗り薬を塗って様子を見ることにしました。それから2日後、足の発疹が引いたと思ったら、お腹・背中部分に地図でも書いたかのような蕁麻疹らしきものが出ていたので、慌てて近所の小児科へ連れて行きました。診察の結果「蕁麻疹」だという事でアレルギ−を抑える内服薬とかゆみ止めの塗り薬を処方されて帰宅しました。それから3日ほどしても症状は良くならず、消えたなあと思うとまた違う場所にでてくるといった感じで、発疹の形も「三日月」「ド−ナツ型」と様々で、また受診しました。すると蕁麻疹ではなく「ウイルス」によるもので、はっきり聞き取れなっかたのですが「たけいしこうはん」か「たかいしこうはん」という病名だと言われました。今も症状は変わっていません。はっきりした病名と原因を教えて欲しいのですが・・。よろしくお願いします。(新潟県・Nさん)

お話にでてきたのは「多形滲出性紅斑」だと思います。
これは、何かのアレルギーで皮膚や粘膜がいたむ病気です。
きっかけとしては、薬剤のアレルギー、ウイルス感染などですが、原因が分からないことが多いようです。
皮膚の症状は蕁麻疹のような発疹ですが、病名にもあるように、形は様々であり、ひどくなると皮膚に水疱ができたり、目や口の中の粘膜もベロベロといたんできます。
(薬剤の副作用として生じていて、程度のひどいものは「スティーブンス・ジョンソン症候群」として最近よく問題にされます。)

蕁麻疹が長引いていたり、ひどくなってくると、この多形滲出性紅斑との差異が問題になります。
あるいは、一続きのものなのかもしれません。
治療も同じようなお薬を使いますが、多形滲出性紅斑で程度のひどいときには、入院させてただいて強い治療が必要になってきます。

お子さんの場合には、さほど程度が強いわけではなさそうですので、このまま外来での治療を続けていくことでよいのではないかと思います。

なお、以上の意見は診察をせずにお話ししていますので、見当違いのところがあるかもしれません。
詳しいことは、主治医の先生よりまたお聞きになって下さい。

2001.9.4

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塚田こども医院Q&A2001年9月