塚田こども医院/ヘルス・レター 622

小児用肺炎球菌の予防接種(プレベナー)


 乳幼児の細菌性髄膜炎を予防するためにヒブワクチンとともに使えることになったのが、この小児用肺炎球菌ワクチンです。いずれも幼い子どもたちの命を守るとても大切なワクチンです。

 22年度途中から公費による無料化が実現されました(年齢制限などあり)。ぜひご利用下さい。

病気とワクチンについて

 肺炎球菌は子どもたちの鼻やのどにいることの多い細菌です。通常はひっそりとしていますが、体力がおちたときなどに、ほかの場所に入り込んで大きな病気をおこすことがあります。

 細菌性髄膜炎はその一つ。髄膜炎とは、脳や脊髄(せきずい)という重要な神経を包んでいる髄膜に細菌やウイルスが感染しておきる病気。発熱、嘔吐、頭痛、不機嫌、けいれんなどの初期症状から始まり、ときに重篤になることもありますし、重い後遺症も心配です。もしかかってしまうと治療がとても難しい感染症です。

 細菌性髄膜炎の中で半数以上占めているのがb型インフルエンザ菌(ヒブ)で、2番目に多いのがこの肺炎球菌です(約20%)。肺炎球菌による髄膜炎はより重症になり、死亡率や後遺症を残す率が高いと言われています。

 また肺炎球菌は小さな子どもたちに菌血症(血液中に細菌が入り込む病気)、肺炎、中耳炎などをおこすことがあります。

 小児用肺炎球菌ワクチン(プレベナー)はこういった肺炎球菌による病気を予防するために作られました。すでにアメリカでは2000年から使用されるなど、世界の40か国以上で定期接種として子どもたちへの接種が行われています。日本では2010年2月に発売。22年度途中より市町村の事業として無料化されました(年齢制限などがあります)。

 ヒブワクチンとともにこの肺炎球菌ワクチンを接種することにより、乳幼児の細菌性髄膜炎はそうとう程度予防できるものと期待されます。接種時期は三種混合ワクチン(DPT)やヒブワクチンとの同時接種が適しています。

 副作用は接種当日などに微熱がでることや、接種部位が腫れやすいということが主で、重い障害はほとんどないとされています。

※高齢者などを対象とした肺炎球菌ワクチン(ニューモバックス)がすでにありますが、乳幼児への効果はありません。小児用肺炎球菌ワクチンとは別のワクチンと考えて下さい。

ワクチンについて

任意接種です。

生後2か月〜9歳以下が対象

<標準>生後2か月〜7か月未満・・合計4回
 初回は4週以上の間隔で3回(3回目は12か月未満に完了する)
 追加は3回目接種後60日以上おいて1回(標準は12〜15か月)

<標準的に接種できなかった方>
○7か月以上12か月未満・・合計3回
 初回は4週以上の間隔で2回
 追加は2回目接種後60日以上おいて1回
○12か月以上24か月未満・・合計2回
 60日以上おいて2回の接種
○24か月以上9歳以下
 1回の接種

※公費無料化は市町村によって内容が異なりますので、市町村からの案内に従って接種を受けて下さい。

接種上の注意

【全てのワクチンに共通】予防接種の副作用として、ごくまれに、注射の直後に急に具合の悪くなることもあります(アナフィラキシー・ショック)。15分〜30分は、医院の中で休んでいて下さい。(その場で適切な処置をすれば、最悪の事態はさけられます。)

注射したところは、適度にもんでください。

今日は激しい運動は避け、普通の生活をしていて下さい(入浴はかまいません)。

接種したあと、当日や翌日などに熱をだすことがときにありますが、ほとんどはそのままでおさまります

注射したところが、赤くなったり、はれたりすることがありますが、そのままでも数日でおさまります。

接種の間隔

このワクチンは不活化してあるワクチンです。ほかの予防接種は、1週間以上(接種の翌日から次の接種日の前日まで6日以上)たってから受けて下さい。

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