塚田こども医院/ヘルス・レター 621

b型インフルエンザ菌の予防接種(ヒブワクチン)


 ヒブワクチンは乳幼児の細菌性髄膜炎を予防します。幼い子どもたちの命を守る大切なワクチンです。

 海外ではすでに100カ国以上で使われています。日本ではようやく2008年12月から使用できるようになりましたが、任意接種のために費用は自己負担です。一日も早く公費負担が実現されることが望まれます。

病気とワクチンについて

 乳幼児の髄膜炎(ずいまくえん)を予防する新しいワクチンが登場しました。「ヒブワクチン」です。

 髄膜炎とは、脳や脊髄(せきずい)という重要な神経を包んでいる髄膜に細菌やウイルスが感染しておきる病気。発熱、嘔吐、頭痛、不機嫌、けいれんなどの初期症状から始まり、ときに重篤になることもありますし、重い後遺症も心配です。もしかかってしまうと治療がとても難しい感染症です。

 細菌性髄膜炎の中で半数以上占めているのが「ヒブ(Hib)」(※)です。日本では年間に600人以上の乳幼児がかかっていると推測されています。そのうちで約5%(年間約30人)が死亡、約25%(年間約150人)が発育障害、聴力障害、てんかんなどの重い後遺症を残しています。

 副作用は接種部位が腫れやすいということが主で、重い障害はほとんどないとされています。

 接種時期は乳幼児に行っている三種混合ワクチン(DPT)との同時接種が適しています。さらに同じ細菌性髄膜炎をおこす肺炎球菌に対するワクチン(小児用肺炎球菌ワクチン、プレベナー)とともに接種することで、予防効果がより高まります。

 これから日本でも子どもたちを重い髄膜炎から守ってくれることが期待できます。しかし、現在はまだ任意接種のために、保護者の負担がとても大きいです。早急に予防接種法に定めるなど、公的な支援が求められています。

※「ヒブ(Hib)」は「b型インフルエンザ菌(Haemophilus influenza type b)」の略。“インフルエンザ”という名前が使われていますが、冬に流行する「インフルエンザ・ウイルス」とは全く別の細菌です。誤解しやすいために、当院では「ヒブワクチン」と呼んでいます。

ワクチンについて

任意接種です。

生後2か月〜5歳未満が対象

<標準>生後2か月〜7か月未満で接種を開始・・合計4回
 初回は4〜8週の間隔で3回(医師が必要と認める場合は3週間の間隔も可)
 追加は初回完了後おおむね1年おいて1回 

<標準的に接種できなかった方>
○接種開始が7か月以上12か月未満・・合計3回
 初回は4〜8週の間隔で2回(医師が必要と認める場合は3週間の間隔も可)
 追加は初回完了後おおむね1年おいて1回
○接種開始が1歳以上5歳未満
 1回の接種

接種上の注意

【全てのワクチンに共通】予防接種の副作用として、ごくまれに、注射の直後に急に具合の悪くなることもあります(アナフィラキシー・ショック)。15分〜30分は、医院の中で休んでいて下さい。(その場で適切な処置をすれば、最悪の事態はさけられます。)

注射したところは、適度にもんでください。

今日は激しい運動は避け、普通の生活をしていて下さい(入浴はかまいません)。

接種したあと、まれに丸1日以内に熱をだすことがときにありますが、ほとんどはそのままでおさまります。

注射したところが、赤くなったり、はれたりすることがありますが、そのままでも数日でおさまります。