塚田こども医院/ヘルス・レター 616

おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)の予防接種


おたふくかぜは、髄膜炎(ずいまくえん)や難聴をおこすことがあり、ワクチンで予防しておくことをおすすめします。

おたふくかぜの予防接種は、市町村でおこなう法定接種にははいっていません。そのため、保護者の方の負担でおこなわれています(任意接種)。

おたふくかぜとワクチンについて

おたふくかぜ(流行性耳下腺炎、ムンプス)は、おたふくかぜウイルスによっておきる感染症です。

最も目立つ症状は、唾液を作る耳下腺の腫れ(はれ)ですが、それ以外にも様々な症状がおこります。一番問題になるのは難聴です。通常は片側の耳だけですが、内耳の聴神経が壊されてしまいます。この難聴には有効な治療法がなく、永続的なものです。頻度もおたふく患者の数百人〜数千人に一人の割合とされていて、そうとう多いものです。

また、髄膜炎も合併症として問題になります。これはおたふくかぜウイルスが中枢神経(脳、脊髄)の中に入り込みやすいためにおきる合併症です。おたふくかぜにかかった子どもたちの1〜3%におきるといわれています。

また、成人男性がかかると、睾丸炎(こうがんえん)などがおきることもあり、こわがられています(約30%)。成人女性も卵巣炎をおこすことがあります(約7%)。いずれも通常は片側だけですが、その側の生殖能力は失われます。

おたふくかぜワクチンの副作用には、軽い耳下腺炎の腫れや、髄膜炎症状のおきることがありますが、いずれも程度は軽く、後遺症などをおこすことはまずありません。

おたふくかぜは軽い病気と思われていますが、できれば保育園・幼稚園にあがるまえに受けておられるといいと思います。また、大人の方も、まだかかったことがないようでしたら、ワクチン接種を受けることをおすすめしています。(かかったことがあるかどうかを抗体検査で調べることもできますが、必須ではありません。)

※欧米でははしか(麻疹)、風疹、おたふくかぜの3種混合(MMR)ワクチンが一般的で、さらに小児期に2回接種し、確実に免疫をつけるようにしています。

ワクチンについて

任意接種です(法定接種はありません)。

1歳以上。

接種上の注意

【全てのワクチンに共通】予防接種の副作用として、ごくまれに、注射の直後に急に具合の悪くなることもあります(アナフィラキシー・ショック)。15分〜30分は、医院の中で休んでいて下さい。(その場で適切な処置をすれば、最悪の事態はさけられます。)

今日は激しい運動は避けてください。入浴はかまいません。

注射したところが赤くなったり、はれたりすることはほとんどありません。

2週間ほどして、ときに熱をだしたり、軽く耳下腺が腫れることもあります。

2〜3週間後に、まれに髄膜炎をおこすことがあります。高熱、頭痛、嘔吐などの症状がでたら、診察を受けて下さい。(通常は軽くすみ、後遺症なく治っています。)

おたふくかぜワクチンは、弱毒化してある生ワクチンです。ほかの予防接種は、4週間以上たってから受けてください。