塚田こども医院/ヘルス・レター 614
<2011/05/24改訂>
日本脳炎は、今では少なくなった病気ですが、東南アジアでは、まだまだ流行があり、こわがられています。もしかかったら、とても重い病気ですので、子どものうちにきちんと免疫をつけておいてほしいと思います。
一時期予防接種のできない時期がありましたが、すでに新しいワクチンで全面的に再開されています(2011年4月より)。
これまでに接種を受けられなかった方を対象に、7歳半〜9歳未満、13歳〜20歳未満の方にも接種できるようになりました(2011年5月20日より)。
■病気とワクチンについて
日本脳炎は、ウイルスによる病気で、ブタの中で増えたウイルスを蚊が運んで人に感染させます。もしかかると、高熱、頭痛、嘔吐(おうと)、意識障害、けいれんなどをおこし、死亡率も高いものです。
日本では、西日本を中心に、夏場に数十人の患者がでているだけですが、これは、蚊が少なくなったことや、積極的な予防接種で免疫を持っている人がふえたためと考えられています。
しかし、新潟県でも、少ない年でも50%、多い年は80%以上のブタが日本脳炎ウイルスに感染しています。また、東南アジアではまだまだ多発している地域があり、予防接種できちんと免疫をつけておく必要があります。
3歳になったら、できれば夏前に予防接種を受けておきましょう。(法定の予防接種は、一年中いつでも受けることができます。)
■ワクチンについて
■予防接種法による定期接種です。
■1期 生後6か月〜90か月(7歳半)未満
初回接種の標準は3歳、1〜4週の間隔で2回
追加は初回完了後おおむね1年経過後1回(標準は4歳)■2期 9〜12歳以下(標準は9歳)
※7歳半〜9歳未満、13歳〜20歳未満についても対象になりました(平成23年5月20日より。ただし積極的勧奨を差し控えた平成7年6月1日〜19年4月1日生まれの方)。
※1回目と2回目の接種間隔が著しくあいている場合には、1期追加を1〜4週間で行います。
※接種量:3歳未満0.25ml、3歳以上0.5ml
■接種上の注意
■【全てのワクチンに共通】予防接種の副作用として、ごくまれに、注射の直後に急に具合の悪くなることもあります(アナフィラキシー・ショック)。15分〜30分は、医院の中で休んでいて下さい。(その場で適切な処置をすれば、最悪の事態はさけられます。)
■注射したところは、適度にもんでください。
■今日は激しい運動は避けてください。(入浴はかまいません。)
■接種したあと、丸1日以内に熱をだすことがときにあります。
■注射したところが、赤くなったり、はれたりすることがありますが、そのままにしておいて、1週間ぐらいでおさまります。(はれの程度が強いときは、受診してください。)
■1年目に2回、2年目に1回の注射が必要です。
■接種の間隔
■このワクチンは不活化してあるワクチンです。ほかの予防接種は、1週間以上(接種の翌日から次の接種日の前日まで6日以上)たってから受けて下さい。
■参 考(1)
日本脳炎ワクチン接種後に急性散在性脳脊髄炎(ADEM)という副作用が生じることがあるという理由で、厚生労働省の指示により自治体は積極的には予防接種を勧めないことになっていました(平成17年〜)。
21年6月により副作用の少ない新しいワクチン(乾燥細胞培養日本脳炎ワクチン、ジェービックV)が発売され、接種が再開されました。
これまでワクチンの生産量がまだ少ないために接種の対象者が限定されていましたが、現在は必要な子どもたち全てに受けていただけるようになりました(平成23年4月〜)。
また、実質的に中断していた間に接種できず、規定の年齢をこえてしまった方のために、厚生労働省では「7歳半〜9歳未満」と「13歳〜20歳未満」の方々に接種できるように法整備の準備をしているとのことです。
※急性散在性脳脊髄炎(ADEM):ワクチン接種後1〜2週間後に生じることがある神経系統の異常。早期に発見し、適切に治療を受ければ通常は重症になることはありません。接種後に体の動かし方がおかしいなどと思われるときにはすぐに連絡をしてください。
■参 考(2)
これまで定期接種の対象者になっていなかった7歳半から9歳未満の者と、13歳以上20歳未満の者(但し積極的勧奨の差し控えの影響を受けた平成7年6月1日〜平成19年4月1日生まれの者)に対しても定期の予防接種が可能になりました(2011/05/20より)。
以下は厚生労働省のパンフレットから抜粋です。
保護者の皆様へご案内
「日本脳炎の予防接種を受けましょう」今年度は、通常の3歳・4歳のお子様に加えて、小 学3年生・小学4年生のお子様にも、日本脳炎の予 防接種のご案内を行っています。
小学3年生・小学4年生のお子様がいらっしゃる保護者の方は、母子健康手帳を確認し、日本脳炎の1期接種が不足している場合は接種を受けましょう。
○日本脳炎の予防接種後に重い病気になった事例があったことをきっかけに、平成17年度から平成21年度まで、日本脳炎の予防接種のご案内を行いませんでした。
○その後、新たなワクチンが開発され、現在は日本脳炎の予防接種を通常通り受けられるようになっています。
○平成7〜18年度に生まれた方は、日本脳炎の予防接種が不十分になっていることがあります。特に平成13~ 18年度生まれ(「年中」相当〜小学4年生)のお子様は、 1期接種が終わっていないことがあります。
○これらのお子様には、平成23年度から順次接種のご案内を行います。平成23年度は小学3年生・4年生のお子様にご案内を行い、それ以下の年齢のお子様には、平成24年度以降にご案内を行います。
○小学3年生・小学4年生のお子様へのご案内の方法などは市町村ごとに異なっていますので、不明の場合は市町村にご確認ください。
○ご案内の対象となっていない場合でも、平成7年6月1日〜平成19年4月1日生まれで、1期・2期の接種が終わっていないお子様は、20歳未満までの間、接種を受けることができますので、希望する方は市町村にお問い合わせください。