塚田こども医院/ヘルス・レター 614
現在市町村ではワクチンの副作用を心配して、積極的には日本脳炎の予防接種をおすすめしていません。しかし、このまま日本脳炎に対して「無防備」でいることも心配です。
子どもたちを日本脳炎から守るためには、やはりワクチン接種は必要です。
より副作用の少ないワクチンが新しく発売され、1期については公費で使用できるようになりました。(2期については、公費では従来のワクチンのみ)
当院ではひきつづき日本脳炎の予防接種を行っています。2種類のワクチンとも在庫がございます。対象のお子さんはぜひ受けるようにして下さい。
日本脳炎は、今では少なくなった病気ですが、東南アジアでは、まだまだ流行があり、こわがられています。もしかかったら、とても重い病気ですので、子どものうちにきちんと免疫をつけておいてほしいと思います。
3歳になったら、忘れずに予防接種を受けましょう。(3歳で2回、4歳で1回受けるのが標準です。)
■病気とワクチンについて
日本脳炎は、ウイルスによる病気で、ブタの中で増えたウイルスを蚊が運んで人に感染させます。もしかかると、高熱、頭痛、嘔吐(おうと)、意識障害、けいれんなどをおこし、死亡率も高いものです。
日本では、西日本を中心に、夏場に数十人の患者がでているだけですが、これは、蚊が少なくなったことや、積極的な予防接種で免疫を持っている人がふえたためと考えられています。
しかし、新潟県でも、少ない年でも50%、多い年は80%以上のブタが日本脳炎ウイルスに感染しています。また、東南アジアではまだまだ多発している地域があり、予防接種できちんと免疫をつけておく必要があります。
3歳になったら、できれば夏前に予防接種を受けておきましょう。(法定の予防接種は、一年中いつでも受けることができます。)
■ワクチンについて
■予防接種法による定期接種です。
■1期 生後6か月〜90か月(7歳半)未満
・初回接種の標準は3歳、1〜4週の間隔で2回
・追加は初回完了後おおむね1年経過後1回(標準は4歳)
■2期 9〜12歳以下(標準は9歳) <従来のワクチンのみ>
※接種量:3歳未満0.25ml、3歳以上0.5ml
■接種上の注意
■【全てのワクチンに共通】予防接種の副作用として、ごくまれに、注射の直後に急に具合の悪くなることもあります(アナフィラキシー・ショック)。15分〜30分は、医院の中で休んでいて下さい。(その場で適切な処置をすれば、最悪の事態はさけられます。)
■注射したところは、適度にもんでください。
■今日は激しい運動は避けてください。(入浴はかまいません。)
■接種したあと、丸1日以内に熱をだすことがときにあります。
■注射したところが、赤くなったり、はれたりすることがありますが、そのままにしておいて、1週間ぐらいでおさまります。(はれの程度が強いときは、受診してください。)
■1年目に2回、2年目に1回の注射が必要です。
■日本脳炎ワクチンは、不活化してあるワクチンです。ほかの予防接種は、1週間以上たってから受けてください。
■参 考
日本脳炎ワクチン接種後に急性散在性脳脊髄炎(ADEM)という副作用が生じることがあるという理由で、厚生労働省の指示により自治体は積極的には予防接種を勧めないことになっています(平成17年〜)。
21年6月より新しいワクチン(乾燥細胞培養日本脳炎ワクチン、ジェービックV)が発売されました。より副作用が少ないとされています。当面は生産量が少ないため、1期のうち2回の接種について使うように指示がでています。
2期のお子さんについては公費では従来のワクチンのみ接種できます。
※急性散在性脳脊髄炎(ADEM):ワクチン接種後1〜2週間後に生じることがある、神経系統の異常。早期に発見し、適切に治療を受ければ通常は重症になることはありません。従来の日本脳炎ワクチンでは100万回に1回ほど生じています。新しいワクチンではさらに約10分の1になると言われています。