塚田こども医院/ヘルス・レター 516
アトピー性皮膚炎は子どものアレルギー病の代表。乳児期に始まることが多く、痒みが強いために、親御さんの心配もそうとうでしょう。適切な対処をすることで、早く改善させることができます。
しかし、対処の仕方が間違えていたり、誤った知識のためにかえってこじれてしまうことも少なくありません。
■アトピー性皮膚炎とは・・
アレルギーが根本にあって、痒みを伴う湿疹が全身のいたるところにおき、それが慢性であるものをいいます。
アレルギーは乳児では食物が多く、年齢が大きくなるにしたがってダニや室内塵などに対しても反応するようになります。
痒みのためにひっかき傷をつくり、それがますます皮膚の状態を悪化させます。また皮膚が温かくなると痒みが強くなりますので、涼しくしておくことも必要です。痒みを上手におさえることは、アトピー性皮膚炎治療の基本になります。
長くかかるのも仕方のないこと。お子さんにあった上手な方法をいっしょに考えながら、治療をすすめていきましょう。
■アトピー性皮膚炎の治療
1 原因除去:ダニ(環境改善)、食物(除去食)
2 外用薬:ステロイド剤、非ステロイド剤、免疫抑制剤(プロトピック)、保湿剤、抗ヒスタミン剤
3 内服:抗アレルギー剤、抗ヒスタミン剤(かゆみ止め)、漢方薬
4 スキンケア:清潔、保湿
5 悪化因子除去
■悪化因子(例)
・皮膚の汚れ、汗
・皮膚の乾燥
・食物
・外用薬、内服薬
・洗剤
・ストレス
・生活リズム
・民間療法
■悪化食物(例)
・豆類:チョコレート、ココア、コーヒー、ピーナッツ
・発酵食品:チーズ、ヨーグルト、しょう油、味噌、ぬか漬け、ビール、日本酒
・餅米食物:お餅、だんご、おかき、あられ
■アトピー性皮膚炎と感染症
アトピー性皮膚炎のお子さんは皮膚の働きが弱くなっているので、いろいろなトラブルをおこしがちです。
夏場に多くなるのがとびひ(伝染性膿痂疹)。ブドウ球菌などによる皮膚の細菌症で、もしかかると皮膚の清潔とともに、抗生物質などを使って治療する必要があります。
水いぼ(伝染性軟属腫)も皮膚の弱い子どもたちにできやすいウイルスの病気で、とくにアトピー性皮膚炎ではひどくなりがちです。
その他、単純性疱疹ウイルスが感染をおこすと水ぼうそう(水痘)のように全身に発疹ができることもあります(カポジ水痘様発疹症)。
いずれの感染症も、ふだん使っているステロイド外用剤は症状を悪化させることが多いため、もしもかかったときには丁寧に治療をしていく必要があります。