塚田こども医院/ヘルス・レター 513
食物アレルギーは小児科診療の中ではよくみかけるものです。程度の軽いものから、死に至るかもしれない重篤なものまで様々です。
この病気のことをきちんと理解し、軽いうちに早く治してあげることがとても重要です。
■IgE抗体が関係
食物アレルギーがある人は、原因となる食物中に含まれるたんぱく質などが腸から吸収され、血液中を流れていって体中でアレルギー反応をひきおこします。その主な場所は皮膚(アトピー性皮膚炎、じんましんなど)、呼吸器の粘膜(喉頭浮腫、気管支喘息など)、鼻や目の粘膜(アレルギー性鼻炎・結膜炎)などです。
それぞれの場所では、アレルギーの原因物質に対してIgE抗体が結びつくことをきっかけに、強い「アレルギーの嵐」がおきています。
症状の中でもっとも激しい反応がアナフィラキシーです。ショック症状をおこして血圧低下や呼吸困難をおこし、ときには死に至ることもあります。ぜったい避けたい事態です。
■食物アレルギーによってひきおこされる症状
1 皮膚粘膜症状
皮膚症状:かゆみ、じんま疹、むくみ、発赤、湿疹
粘膜症状:結膜充血、かゆみ、涙目、眼瞼のむくみ2 消化器症状:吐き気、腹痛、嘔吐、下痢、体重増加不良
3 上気道症状:口の中のかゆみ・違和感、はれ、喉頭浮腫、くしゃみ、鼻水、鼻づまり
4 下気道症状:咳、喘鳴、呼吸困難
5 全身性症状:アナフィラキシー症状(頻脈、血圧低下、ぐったり、意識障害)
■アナフィラキシーの典型的症状
初期症状:口の中の違和感、口唇のしびれ、手足のしびれ、気分不快、吐き気、腹痛、じんま疹など
中等度の症状:のどの詰まった感じ、胸が苦しい、めまい、嘔吐、全身のじんま疹、喘鳴
強い症状:呼吸困難、血圧低下、意識障害
■特殊なアナフィラキシー
非常にまれですが、特定の食物を摂取したあとに運動をすると、じんましんから始まって急激にショック症状をおこすことがあります。「食物依存性運動誘発アナフィラキシー」と呼んでいます。
どの食物でもおこることがありますが、とくに小麦や魚介類が多いようです。
例えば学校の給食後にすぐにサッカーなどの運動をした場合におきることがあります。じんましんが最初の症状であることが多いようです。
食物アレルギーを持っている子は、食事後は激しい運動を控える、じんましんが現れたときにはすぐに運動を中止し、保健室などへ連れて行ってもらい休憩をとるようにさせて下さい。
じんましんに加えて、喉頭浮腫(かすれ声になり、喉を苦しそうにする)や喘鳴(ゼーゼーという呼吸音)がしだしたら緊急事態と考え、救急車で病院に搬送してください。