塚田こども医院/ヘルス・レター 222
喉頭はのどから少し入ったところ。呼吸のために空気が出入りする入り口にあたります。
声帯もあるために、この付近の炎症が強くなるととてもつらい症状になります。
冬場にときどき見られる感染症ですし、早めに対応しなければいけないので、注意をしていて下さい。
■クループとは
風邪などから始まることが多いのですが、声帯や喉頭の炎症が強い状態がクループの発作です。
のどがとても痛そうな咳(犬の遠吠えのような咳、オットセイの声のような咳)になったり、声がかすれたり、出にくくなります。
程度が強くなると、息を吸いづらくなり、息を吸うときにゼーゼーとした音(吸気性喘鳴)がしてきます。さらに程度が強いと、呼吸が苦しくなり、窒息する場合もまれにあります。
夜間に増悪する傾向がありますが、数日で良くなっていきます。
■治療
喉頭の炎症を取るような薬を使います。呼吸困難が強いときには入院が必要にもなります。
■家庭で気をつけること
加湿:湯気をたてる、加湿器を使う、洗濯物を干すなど、工夫して室内の湿度を高めにするようにして下さい。
水分:脱水になるとますます具合が悪くなります。少しずつ飲み物をとらせて下さい。
食べ物:食べられるようならどうぞ。あまり多く食べると咳き込んだときに吐くこともありますので、ほどほどに。
入浴:具合が悪くなければ、軽く入っても大丈夫です。
■こんなときはもう一度診察を
1. 息苦しそうになったとき
2. 強い咳で眠れないとき
3. 水分をほとんどとろうとしないとき
4. 熱が高いとき病医院から戻ったときは軽くなっていても、夜またひどくなることもあります。息が苦しそうなときは、そのまま家で見ているのは無理かもしれません。主治医に連絡をとって、対処の方法を相談して下さい。
■(一口メモ)真性と仮性クループ
急性喉頭炎をおこす代表的な感染症はジフテリアで、「真性クループ」と呼ばれています。ジフテリアにかかると急激に喉頭が閉鎖し、呼吸困難から窒息にいたることのある怖い感染症です。かつては子どもの死亡原因でそうとう大きな比重をしめていました。
現在は、予防接種(DPT三種混合)によってジフテリアはまずなくなったと考えて良いでしょう。
今見かけるクループは、その他のウイルスなどによっておきるもので、症状はジフテリアほどではありません。
ジフテリアと区別するために「仮性クループ」と名付けられましたが、ジフテリアがなくなった現在では、単に「クループ」と呼ばれています。