塚田こども医院/ヘルス・レター 107
子どもたちは裸ん坊になって、お風呂に入るのが大好きです。でも、風邪をひいたりしているときに、入れてあげたいけれど、どうすればいいか、迷ってしまうこともあると思います。そんなときの入浴法を考えてみましょう。
熱が高く、つらそうな時や、寒気(さむけ)やだるさが強いときなど、体調がとても悪いようなときには、やはり入浴はやめて下さい。
微熱で、本人の具合も良いようなら、軽く入っていいかと思います。長く入ると疲れてきますので、短時間にすませるのがコツ。そして、そのあとは早く休ませて下さい。
■咳や鼻水のあるとき
子どもにとって、多少の風邪症状はよくあること。やはり元気がよく、食欲なども普通ならぜひ入浴させてあげたいと思います。入り方は、いつもより手短にしてみて下さい。
■下痢のとき
おしりが汚れていることが多いと思いますので、できれば入浴し、おしりを清潔に洗って下さい。吐き気があるなど、具合が悪いようなときには、臀部浴といってお尻だけ洗ってあげるといいです。
とくに赤ちゃんは一日お尻を洗わないだけですぐにおむつかぶれになってしまいます。女の子では、外陰部炎になってしまうこともあり、局所を清潔にすることはとても大切です。
■夏の入浴
暑い季節は汗や汚れで皮膚が不潔になりやすいものです。子どもの皮膚はもともと弱いので、簡単にとびひ(伝染性膿痂疹)といった感染症をおこしてしまうこともあります。それを防ぐためには、入浴はかかせません。
一方で、夏場は暖まる必要はないわけですから、短時間にすませることで、多少体調が悪いときでも、それほど無理なく入浴することができます。あるいは、シャワーだけでもずいぶんと違ってきます。
石けんは汚れを落とすためには必要です。石けんを使って、皮膚をすべすべのきれいな状態にしておいてあげて下さい。
■冬の入浴
冬場はそれほど汗をかきませんので、入浴の必要性は夏場ほどではないでしょう。また気温が低いので、体調の悪いときにはあまり無理をしないで下さい。
入浴できないときには、お尻など、汚れているところだけの部分浴をして下さい。
■皮膚の病気のあるとき
入浴の目的のひとつは皮膚の清潔です。ほとんどの皮膚の病気は、汗やあか、そしてよごれがついているとよけいに悪くなります。
夏場のとびひ(伝染性膿痂疹)もそうです。あまりに皮膚の状態が悪いと入浴を制限されることもあるようですが、皮膚を不潔にしておいてよいはずはありません。他の子と一緒に入浴ができなかったり、浴槽につかることができなくても、その子だけで入ったり、シャワーを浴びたりして皮膚を清潔にするようにして下さい。(昼間にもシャワーを使っておくことも必要です)
アトピー性皮膚炎でも、皮膚の汚れは症状を悪化させます。とくに夏場では、昼間にシャワーを浴びるだけでそうとう良い効果があるとされています。もちろん夜の入浴も大切です。
冬によくみられるしもやけは凍傷の軽いものです。寒さのために皮膚の血液の流れが悪くなってできます。予防のためにも、治療のためにも、皮膚を温めることはとても大切です。毎日の入浴を欠かさないで下さい。
■洗髪の裏技(?)
入浴とともに洗髪をどうすればいいか、尋ねられることもよくあります。
普通は入浴のときに洗髪しますが、先に体を濡らしてしまうと、洗髪の最中に体が冷えてきてしまいます。とくに冬場はそのために、また風邪をひいたり、悪くしたりしがちです。
そこで妙案を! 順序を逆にするようにお話ししています。つまり服をきたまま、体を濡らす前に先に洗髪をしてみてください。体が濡れていないので、洗髪の途中で体が冷えることもないでしょう。濡れた衣服はそのまま洗濯機へ。
大きな子ではシャンプードレッサーでの洗髪もいいでしょう。
【参考】 日本人の入浴は、深めの浴槽にたっぷりとお湯をはり、そこでじっくり過ごすという方法です。いわば温泉的な入浴法で、大人にとっては一日の疲れをとるには心地よいですね。でも、子どもにとってはそこまでゆっくり入る必要はありません。皮膚を清潔にすることが、入浴の主な目的だと考えて下さい。
また住環境も今はずいぶんと良くなり、冬でのそれほど寒くはなくなっています。お風呂に入って温まらないと眠れないなどということも、もう昔の話になってきていますね。