塚田こども医院/ヘルス・レター 106
当院ではしだいに漢方薬も使うようになりました。いわゆる西洋薬だけでは治療が不充分なときなどに意外に役に立つものがあります。漢方薬は長く飲んでから効くと思われがちですが、即効性のある薬も少なくありません。
当院で採用している漢方薬をご紹介します。
■当院で採用している主な漢方薬
●黄耆建中湯 おうぎけんちゅうとう
これも小建中湯と同じく虚弱体質を改善する働きがあり、病後の回復のためにも使います。●葛根湯 かっこんとう
感冒など。熱のでる病気の初期に使用し、寒気をとり、発汗を促します。漢方薬の代表的存在。●甘麦大棗湯 かんばくたいそうとう
夜泣き。赤ちゃんで困っているときに使うと、ときに著効します。●香蘇散 こうそさん
感冒など。上記の2つは胃の弱い人には使いにくいのですが、こちらはそういった方でも安心。●五苓散 ごれいさん
胃腸炎など。冬場に多い嘔吐下痢症などで、吐き気や下痢に効果があります。●柴胡桂枝湯 さいこけいしとう
感冒、肺炎などの熱性疾患などで、急性期を過ぎてもまだ頭痛、寒気、関節痛、食欲不振、吐き気などがあるときに使います。●小建中湯 しょうけんちゅうとう
虚弱体質の改善のために使いますが、夜尿にも効果があります。●小青竜湯 しょうせいりゅうとう
鼻炎など。水のような鼻汁をよく抑えてくれます。眠くならないのも長所。●消風散 しょうふうさん
アトピー性皮膚炎など。皮膚の分泌物が多く、痒みの強いときに使います。●治頭瘡一方 ぢづそういっぽう
とくに乳幼児の頭や顔の湿疹で、分泌物の多いときや、痒みのある時に使います。●当帰芍薬散 とうきしゃくやくさん
体を温める働きがあり、冷え性、更年期障害に効果があります(主に大人の薬)。●排膿散及湯 はいのうさんきゅうとう
赤みや腫れを伴った皮膚の化膿症、瘍(よう)、面疔(めんちょう)などに使います。●白虎加人参湯 びゃっこかにんじんとう
諸種の熱性疾患や皮膚疾患で、のどの渇きやほてりがあるときに使います。●防風通聖散 ぼうふうつうしょうさん
便秘の治療のために使います(主に大人の薬)。●補中益気湯 ほちゅうえっきとう
夏やせなど。体力の消耗している虚弱体質の方で、とくに夏場や病後の体力増強に効果があります。●麻黄湯 まおうとう
感冒など。寒気や頭痛を抑え、風邪などの初期に使います。乳児の鼻づまりに著効。●麻黄附子細辛湯 まおうぶしさいしんとう
感冒など。初期の寒気、だるさなどに効果抜群。当院ではこれのみカプセル剤を採用。●抑肝散 よくかんさん
虚弱な体質で、神経が高ぶる神経症、不眠症、夜泣き、疳症(かんしょう)などに効果があります。●六味丸 ろくみがん
体の水分分布の偏りを治す働きがあり、子どもでは夜尿症に使います。
■漢方薬の「美味しい」飲み方
漢方薬は煎じて作られた薬ですから、熱を加えたり、電子レンジを使っても問題ありません。当院で実際に行ってみた工夫です。
●お湯で溶かしただけではザラザラ感が残りますが、電子レンジに15秒ほどかけて下さい。漢方特有の臭いも飛び、飲みやすくなります。
●1包を10〜20mlの水と2〜3gの砂糖で溶かすと飲みやすくなります。また、ほうじ茶、麦茶などで溶かすのもいいですね。
●ヤクルト、プリン、ヨーグルトなどに混ぜてもいいです。2、3分すると粒が消えて飲みやすく(食べやすく?)なります。ご家庭で、いろいろと工夫してみて下さい。
【参考】 現在日本では保険で使える漢方薬が数百種類あります。いわゆる西洋薬が万能ではなく、病気や症状によっては漢方薬の方が優れています。当院でも、西洋薬では効果が不充分な場合を中心に漢方薬による治療も工夫しています。採用品もさらに増えていく予定です。