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2019年02月20日

子育てに優しい施策

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 上越市の新年度の予算案が公表されました。注目すべきことがあります。妊産婦医療費の無料化です。

 今年度から乳幼児の医療費は、窓口負担のない完全無料化が実施されています(昨年9月より)。次には、妊産婦の医療費を完全無料化するとのこと。

 頑張りますね!

 妊娠中の方の医療費をめぐっては、昨年トラブルがありました。妊婦さんの診療はより丁寧に行う必要があるので、診療報酬の診察料に加算が設けられました。昨年4月のことです。

 その分、窓口での本人負担が増えることになったわけですが、それに納得がいかないという意見が寄せられるようになりました。より良い医療を提供するためにはそれ相当のコストは必要だと思うのですが。

 中には「妊婦税だ」と言った的外れな批判もありました。

 例えば乳幼児の診察料は、加算があり、大人より高く設定されています。それをもって「子ども税だ」などと騒ぐことはないですよね。一方で、親御さんの負担を軽減する必要もあるので、自治体レベルで医療費助成の制度が作られています。

 この負担軽減は国はやっていません。むしろ、以前は乳幼児医療費助成をしている自治体に対して、地方交付税を減額するという「報復」をしていました。さすがにこれは、今ではなくなりましたが。

 今回の妊産婦加算も乳幼児の場合と同じ構造があります。国の制度として、医療の充実を図ろうとしたけれど、患者さんの負担を軽減する策を講じていません。そこに制度設計の問題があることに気づいて欲しいです。

 上越市が新年度から実施しようとしている妊産婦医療費の無料化が、国の制度のあり方に一石を投じてくれることを願っています。

 まずは、予算化しようとしている上越市に対して、敬意を表したいと思います。

投稿者 tsukada : 2019年02月20日 12:10