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2018年12月08日

インフルエンザ流行開始(個人的見解)

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 当院のインフルエンザ患者を初めて確認したのは先週月曜日。それ以来、徐々に増加中。患者数は先週が15人、今週は29人とほぼ倍増しています。

 なので、少なくとも当院のある上越地域ではインフルエンザの流行が、先週から始まりました。どうぞくれぐれもご注意下さい。

 でもこれは「個人的見解」です。

 公式には県が決めることになっていますが、なぜかまだ発表がありません。先週のデータを基にした今週の感染症情報でも、インフルエンザに触れることもなし。当院の患者数はちゃんと報告しているのに、スルーされました。

 県内でインフルエンザ発生が目立つのは、上越地域くらい。他はまだあまり発生がありません。所によってはゼロのところもあります。そんな凸凹がある中で全県を平均化すれば、まだ少数の発生ということになってしまいます。

 でも、局所的に流行がすでに発生しているのだから、そこに注目し、注意を促すべきです。それでなくとも1週間遅れの情報分析なのですから。

 ということで、当院の私見でありますが、ここにインフルエンザ注意報を発令いたします!

 ところで、今回の当地での流行の発端は、現場での判断ミスが関係していると考えています。

 3週間前に、ある中学で十数人のインフルエンザ患者発生が起きています。その次の週末に、剣道部の新人戦があり、ここで他の学校の生徒たちに伝染していきました。

 先週前半の患者さんは皆剣道部所属で、新人戦参加者。次にそこからクラス内や家庭内でさらに患者発生が次々に起きていきました。

 発端の中学できちんとした対処がなされていれば、今回の流行はおきなかったか、少なくとももっと小規模で済んだ可能性があります。

 学級・学年閉鎖もすべきだったかもしれません。少なくとも週末の部活動や、対外試合参加は自粛すべきでした。

 結果論だと言われるかもしれませんが、感染症流行のコントロールは時間との勝負です。中学や教育委員会といった現場に、危機管理の対応能力が十分にあるのか、疑わざるをえません。

 これから本格的な冬。インフルエンザをはじめ、色々な感染症が流行してくることでしょう。的確に、そしてスピーディーに対応してほしいものです。

 そのためには、何かに基準があって、それだけを判断基準にするような硬直的な姿勢ではいけないと思います。大局を見据えながら、臨機応変に対応すること・・

 まあ、お役所仕事では一番難しいことなのでしょうね。困った社会です。

 (写真は当院の週単位患者発生数。感染性胃腸炎も増加が目立っています)

投稿者 tsukada : 2018年12月08日 23:31