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2018年04月04日

時代錯誤

 仰天のニュースが飛び込んできました。大相撲の地方巡業で、土俵上で挨拶中に倒れた市長の救急対応をしている中、「女性の方は土俵から降りて下さい」と何度もアナウンスが流れたというものです。
 
 女性に助けられて、何か問題があるのですか。まずは人命救助が最優先でしょ。最悪!

 救命に関わる医療者に性別は関係ありません。男性でも、女性でも、そこに居合わせた人がまず救命処置を行うのが、もっとも効果の高い救命処置になります。

 この時の映像を見ましたが、当初、市長さんを取り囲んでいる人たち(男性)は何もしていません。手をこまねいて見ているだけのよう。そこに2人の女性が加わり、周りの男性をかき分けて動けるスペースを造り、うち1人の女性が胸部圧迫による蘇生処置を開始しました。

 その後、さらに2人の女性が土俵上にあがり、救急処置に加わろうとした時に、件(くだん)のアナウンスが流されました。しかし女性達は胸部マッサージを続けていました。とっさに救命処置を始めたことも立派ですが、妨害するようなアナウンスにも負けずに処置を継続したことも、立派でした。

 この場にこの女性達が居なかったら、そして処置をしてもらわなかったら、どんな事態になっていたでしょう。発すべきは感謝の言葉です。

 アナウンスするのであれば、「救命処置に関わる人以外は土俵から降りて下さい」とか、「場内にお医者さんはいませんか?」でしょう。

 そもそも女性をどう思っているのでしょう。医師の3割は女性。看護師は女性が大半。医療は女性のパワーがなければ成り立ちません。

 さらに、憲法に定める男女平等の思想が相撲界で無視されていることが問題です。「女人禁制」というのが伝統だということですが、理論的にそれが正しいとする根拠はありません。たんなる慣習です。

 伝統だとされているものも、悪しきものなら変えましょう。良い伝統は維持しましょう。そんな中から次の伝統ができていくはず。

 ところで、土俵が神聖だというのなら、なぜみんな土足のまま上がるのですか? 男性だって、だめでしょう。せめて裸足になってあがるべきでは。

 この際、土俵上に上がるのは力士と行司のみに限定してはどうですか。それ以外の方は土俵の隣にお立ち台を作って、そこで挨拶したりすればいい。

 そうすれば、相撲界の言っている「伝統」と、男女平等という「理念」を両立できるように思いますが、どうでしょう。採用しませんか?

投稿者 tsukada : 2018年04月04日 22:46