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2017年08月08日

熱中症に注意を

 先日、仙台で起きた「事故」です。

「車内で熱中症?3歳児死亡 祖父母宅の駐車場 仙台(河北新報8月3日付)

 2日午後2時25分ごろ、仙台市泉区加茂3丁目、嘱託職員竹井稔夫さん(70)方で、竹井さんの妻で無職真理子さん(67)から「自宅駐車場の車の中で孫の男児がぐったりしている」と119番があった。男児は搬送先の病院で約1時間後に死亡が確認された。目立った外傷はなく、熱中症とみられる。
 死亡したのは竹井さんの長男の会社役員智宏さん(42)=仙台市泉区南光台4丁目=の次男で幼稚園児誠人(まさと)ちゃん(3)。
 宮城県警泉署によると、誠人ちゃんは2日午前8時20分ごろ、自宅に迎えに来た真理子さんの運転する乗用車で泉区の幼稚園に向かった。真理子さんは別の用事のため幼稚園に送らず、約30分後に帰宅。誠人ちゃんを後部座席のチャイルドシートに残したままにしたという。
 発見時、誠人ちゃんに意識はなく、車は窓が閉められ、施錠されていた。同署は司法解剖して死因を調べるとともに、過失致死の疑いもあるとみて家族から事情を聴いている。
 仙台管区気象台によると、2日の仙台市内は最高気温25.9度。7月中旬並みの暑さだった。」

 車の中に忘れられた幼児。暑い中、車に閉じ込められ、数時間。ことの顛末は明らかです。

 もちろん第一の原因は送り迎えをしていた祖母の不注意(過失)ですが、でもどうして幼稚園は連絡しなかったのだろうと不思議に思います。

 園に来るべき子が連絡なく欠席しているわけだから、確認の連絡をしなくてはいけないでしょう。で、普通の園ではやっているのだと思います。。

 自宅に電話を1本かけていたら、この子の命を救えたはずです。園の対応に不満を覚えます。

 私自身も保育施設の責任者です。毎日多くのお子さんを病児保育室にお預かりしています。在園中に事故にあわないように注意するのはもちろんですが、登園・降園の途中にも一定の責任があります。

 このように、予約してあるのに来園しない場合は、きちんと連絡をとるように保育士に指示しています。キャンセルはけっこうですが、ちゃんと連絡を入れてもらわないと。具合が良くなり登園できた、父母などが休みをとれて家庭でみれることになった、などといったキャンセルの理由は歓迎すべきことですが、それを私たちに伝えてもらわないと。

 病児保育は預かるお子さんが毎日変わります。日替わりです。保育士の朝一番の仕事は、利用者の確認です。前日すでに予約しているお子さん以外に、ネットや留守電を通しての利用申込みもあります。そして、その全てのお子さんを心を込めて保育をします。

 いったん予約をしたら、このシステムに乗っています。キャンセルしてもらうのは一向にかまいませんが、でも、連絡を入れてほしいという事情も、分かっていただけることでしょう。

 もし連絡のないキャンセルは、事故など不測の事態も懸念されます。交通事故にあったのかもしれないし、お子さんの容態が急変したなどといったことがあったのかもしれません。施設側としては、そのへんの事情をしっかり把握しておきたいと思います。

 実際にこのような事故は過去にも起きています。数年前のこと、お子さんを登園させるはずのパパが、お子さんを乗せていることを失念。そのまま夕方まで普通に仕事していて、気づいた時(夕方)はすでに亡くなっていたというものです。このパパが病院の勤務医だったので、よけいに記憶に残っています。私も仕事のことに集中していると、大切なことも忘れてしまうことがあるかも。

 この時にも思ったのが、保育園からの連絡です。無断で欠席したら、そのままにしておいていいのかな。いつもそんな保育をしているの? いい加減な保育園なの?

 失った命は帰ってきません。今回の事故にいたった原因の1つに保育園側の対応があった(と私は思っています)。その点を変えていくようにしないと、また同じような事故が起こりうることです。

 なお、わたぼうし病児保育室と自宅との行き来の間は、施設の管理下であり、事故などの際には当院が入っている事故保険の対象になります。何かありましたら、ご連絡下さい。

投稿者 tsukada : 2017年08月08日 17:26