« ☆メリー・クリスマス(2) | メイン | 年賀の挨拶 »

2016年12月25日

火の用心

161225_122136.jpg

 先日、近隣の糸魚川市で大規模な火災が起きてしまいました。150棟もの家屋が焼失したとのことです。

 被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。また皆様と、地域の一日も早い復興を心よりお祈りしております。

 今回、これほど大きな火災になったのは、当日強風だったことが関係しています。風速20メートルを超える南風が一日中吹き荒れていました。さらに、列島の山を越すことで、より乾燥し高温になるという「フェーン現象」も起きていました。

 中華料理店の不注意で発生した失火が、あれだけの惨禍になってしまったことに、驚愕しました。当日、当市も同じくらいの強風が吹いていましたが、テレビから放映されるリアルタイムの映像を見ながら、怖いという思いを抱いていました。

 さらに、家屋がひしめいているという町並みも関係していました。燃えやすい、燃え移りやすい、さらに消火しにくい・・。歴史のある街なのですから、仕方ないことなのですが。

 私が小児期を過ごした町もそうでした。数十軒が連なる長屋の一角に住んでいました。「雁木(がんぎ)」というアーケード状の軒先が長く続いている町です。隣の家とは壁1枚を共有。屋根裏は隣につながっています。

 子どものころ、近隣の町内で火事を経験しました。それも一度や二度ではありません。そして、ひとたび火がでると、隣近所の何軒かが焼失することも知りました。子ども心に、火事が怖いだけではなく、その火が我が家まで飲み込まないか、不安で震えていました。

 同じような造りの町が全国に多数あります。今回の糸魚川大火と同じことが、他でもいつ起きても不思議ではない状況です。

 でも、そんな「構造的欠陥」をもった町並みを根本的に変えることはなかなかできないですね。それができればいいけれど、まず不可能でしょう。

 ではどうすればいいのか・・火事を起こさないという、当たり前のことをするのみです。火事を出さない、出したとしても初期消火につとめ、大きな火事にしない。

 それが原則ではあるのですが、「火の用心」といつも言っていますよね。標語をくり返していると、言葉だけが上滑りして、内容が伴わないこともでてきます。

 「火事をだしてもかまわない」って、誰だって思っていません。「火事を出してはいけない」、そう思っています。でも、実行できていない時もあります。

 こんな言い方をしては問題があるとは思いますが、「火事は出しても、大火にならないように」という発想も必要なのではないでしょうか。

 今回は南からの強風が、小さな火事を大火にしてしまいました。風の強い日には火を扱わない。あるいは、十分に注意する。そんなメッセージを拡げてはいかがでしょう。

 私は自宅では薪ストーブを、職場では薪ボイラーを扱っています。糸魚川大火のあった日は、どちらも稼働していません。フェーン現象のために気温が高くなるという予報があったためもありますが、やはり強風が怖かったからです。

 どちらもそれなりに設備をしてあるので、煙突から火の粉が飛んでいくなどということは起きないはずです。でも「はず」であって、絶対にないとは言えません。不測の事態(よく言う「想定外」)が、もしかしたら起きるかもしれません。

 幼少期に近くでの火事を体験し、強い風が吹いてくると、その時の恐怖感や不安感がよみがえってきます。だから安全に火を扱おうと、いつも思っています。

 これからは「風の強い日に火事をだすな!」という声かけをしてはどうでしょうか。火事は防げないかもしれないけれど、大火は防げるのではないか、と思います。

※写真は、今日近くのスーパーマーケットで、消防署の方からいただいたものです。いつもはスルーしてしまうこともありますが、今日はちゃんといただいてきました。お忙しい中、お疲れさまです。どなた様も、本当に火の用心を!!

投稿者 tsukada : 2016年12月25日 12:49