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2015年08月06日

核廃絶に向けて

 話がめちゃくちゃになっています。

 政府は、日本の後方支援(戦闘している軍隊への物資の補給)として「弾薬」はOKだが、「武器」はNOという基準があるそうです。弾薬を輸送するのもどうかなと思いますが・・

 手榴弾は武器ではなく弾薬なのでOKと。これだけでも頭をひねってしまいますが、ミサイルもそれだけでは武器ではないのだそうです。さらに、核爆弾を装備したミサイルも、単なる弾薬なのだとか。

 手榴弾も、ミサイルも、そのままですぐに人を殺傷できる・・これを武器と呼ばずして何と呼ぶのでしょう。核爆弾がただの弾薬だなどと、どこをついたらそんな考えができるのでしょう。信じられません。

 でも、日本には非核三原則があるから、実際に核爆弾を運搬することは「政策的に」ありえないのだとか。あえて法律に、それを排除するように書き込む必要もないと言っています。本当ですか?

 「非核三原則」・・日本は核兵器を「持たず、作らず、持ち込ませず」を国是とするという政府の方針です。それが「絵に描いた餅」であることも周知の事実です。確かに日本では作ってはいませんが、日本にはすでに持ち込まれています。

 アメリカ軍は核武装をしていますが、その軍艦が日本に寄港する時、外国で核兵器を降ろして「手ぶら」でやってくることは、ありえません。実際に日本政府が、アメリカの軍艦に核兵器が搭載されていないことを確認したことはありません。ただ、日本には非核三原則があり、アメリカはそれを承知しているのだから、核兵器を持ちこむことはないはず、という理屈なのだそうです。

 すでに非核三原則も形骸化しているにも関わらず、その原則があるから核弾頭の運搬はしない、と言われても、にわかに信じることはできません。それも現場の自衛隊の判断に任せるのだそうです。

 非核三原則は政府の政策ではありますが、法律的裏付けはありません。憲法の解釈まで180度変えてしまおうとする権力者にとって、政府の方針を変更することなど、簡単至極でしょう。

 今回の「平和法案」に、核兵器などを運搬する弾薬から除外する、と明記することを、政府は拒否しました。いつか核爆弾の運搬をするかもしれません。それは、この先、日本が核兵器による戦争に関わることもありえるということです。

 今日は広島に,人類初の原爆が落ちてから70年の日。日本中で、世界中で、核兵器のない世界を願う祈りが行われいます。

 世界でただ一つの被ばく国である日本が、アメリカの核戦力の中に組み込まれ、核戦争を支えることになってしまうかもしれない。そんなことを考えると、これまでの核廃絶の運動は何だったのかと思ってしまいます。

 核廃絶はただちにはできなくても、その方向に進むよう、力を尽くさなくてはいけません。今の政府の動きは、それに逆行すること。何としてもやめさせないといけない。

 ヒロシマの日にあたって、改めてそんなことを考えていました。

投稿者 tsukada : 2015年08月06日 16:09