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2015年04月02日

さようなら紙カルテ

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 当院は開業からそろそろ25年になります。この間に当院に受診された方は3万人を超えています。

 5年半前に電子カルテを導入。今ではすべての受診者情報はデジタル化され、コンピューターに保存されています。端末を操作すれば、必要な情報に瞬時にアクセスできるようになりました。

 当然のことながら、電子化される前は紙のカルテでした。事務員が表紙を作り、診察の記録や処方を毎回記入していました。一日に数百人分記載したこともあります。

 ボールペンを使うのですが、腱鞘炎になりそうなくらいハードな仕事。持つ部分を太くしている「ドクター・グリップ」というボールペンは、手放すことができませんでした。

 病名などはハンコを使います。スタンプが黒いと紙面が汚いので(それでなくても汚い字なので)、青いスタンプを使っていました。外来が終わるころは手が真っ青になっていましたが、もう懐かしい話になりました。

 開業当初からのカルテは全て保存していましたが、法律上の保存期間も過ぎたので、思い切って廃棄することにしました。

 昨日はその作業。まずは医院3階部分(屋根裏)に収納していた紙カルテを地上に降ろすのに一苦労。そして、専門の廃棄業者に引き渡しました。

 3トントラックの荷台がいっぱい。その膨大な量に、改めて驚きました。20年分の汗と涙の結晶(?)。ときどきこぼしたコーヒーのしみもついてました。

 紙カルテはアナログで手書き。それなりに良さもあるのですが、でももう戻れない世界です。

 山積みになった紙カルテを見て、頑張っていたな、って思いが少し。自分の分身がなくなったような、さみしい思いも少しあります。

 でも、3トンもの重量を3階に載せていて、建物はさぞ重かったでしょうね。身軽になったのが、一番良かったかも。私も肩の荷が下りました。

投稿者 tsukada : 2015年04月02日 16:30