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2013年11月28日

いよいよ胃腸炎の季節か

 市から連絡が入りました。市内のある保育園で感染性胃腸炎の発生が多くなり、その園を明日と明後日、登園自粛の措置をとる、ということでした。

 確かに外来でみていても、嘔吐や下痢の症状の子が増えています。「胃腸炎」と思われるケースもあります。

 それでも例年よりはまだ少なめ。昨年は11月に大流行。週あたりで100名近くの患者さんが来院していました。

 今年は今月は週あたり10名前後。昨年に比べればまだ少ないようです。

 もちろん、油断は禁物。秋の終わりから冬にかけて、ノロウイルスによる胃腸炎が流行するのは、毎年のことです。今年は秋がさっさと通り過ぎてしまい、もう冬に入ってしまいました。なので、いつはやり始めてもおかしくありません。

 昨年は学校給食で食中毒もおきてしまいました。当地では11月30日と12月1日に、上杉謙信公にちなんだ「川渡り餅(かわたりもち)」を食べる習慣があります。出兵の時に、元気づけのために兵士に配られたという故事からきています。市内の菓子屋さんが総出で作ります。

 子どもたちも大好きなお餅で、学校給食でも提供されるのですが・・昨年は、1つの菓子店で作られた川渡り餅にノロウイルスが付着。それを食べたいくつかの小学校の子どもたちや職員が、嘔吐や下痢をおこしてしまった、というものです。

 ちょうど胃腸炎が流行している時だったので、当初は学校での通常の流行かと思っていたのですが、そうではありませんでした。教育委員会が、特定の学校でのも多発し、それらに共通しているのが、その菓子店の川渡り餅だと気づいたのでした。

 数百人の患者さんがでましたが、みな軽くすんだようですし、1週間以内には平常通りの学校生活に戻ったのは、不幸中の幸いだったかもしれません。

 この川渡り餅は、団子状の白い餅をあんこでくるんで作ります。加工前の食材はそれぞれ加熱されますが、それからは熱は通しません。なので、あんこをつける段階でノロウイルスが付着すると、そのまま(そして増殖して)人の口に入ることになります。

 昨年は冗談半分に、次からは「焼き川渡り餅」にしなきゃね、って言っていましたが、それではもはや川渡り餅ではありません。上杉謙信公が悲しがります(?)。

 さて、今年は学校給食でどんな扱いになるかな・・そう思ってカレンダーを見たら、今年はその2日間が土日でした。つまり学校給食には登場せず。

 加熱するわけにもいかず、でも長い「伝統」をやめるわけのもいかず、きっと教育委員会では困ったことでしょうね。でもカレンダーが助けてくれました。

 来年はきっとほとぼりが冷めているでしょう。でも、やっぱり衛生管理にはくれぐれも注意して下さいね!

投稿者 tsukada : 2013年11月28日 19:26