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2013年08月25日

薪は地域を救う・・かも

 昨日、遠く岩手県からお客さんをお迎えしました。当院の薪ボイラーシステムの見学のためです。

 震災後の復興のために、さまざまな努力をされているようです。その1つにエネルギー源の確保があります。

 寒い地域なので、暖房や給湯のために多額の費用がかかっているとのこと。これまでは灯油や重油などのいわゆる「化石燃料」に頼ってきました。

 その購入代金がそうとう高額になることは想像にかたくありません。さらにこのところの経済状況が、価格をさらに高くしています・・いわゆる「アベノミクス」です。

 円安により、輸出には利益がでるけれど、輸入価格がどんどん高くなっています。私たちの日々の暮らしにも悪い結果が出始めています。

 少なくとも円安については一部の大企業にしかメリットがないのは明らか。そんなアベノミクスを推し進める意味がよく分かりません。自国の通貨価値が「高く」なることを嫌い、「安く」することに一生懸命になるなんて、日本を外国に売ることになるのじゃないのかな、などと思ってしまいます。

 経済政策の議論は別にしても、地域の経済がさらに疲弊してくるのは確かです。そこで考えたのが、地元のエネルギー源を使うことで、より安く熱源を確保し、さらに地域でお金を使うことで、地域の経済を良い方向にまわそうということだそうです。

 確かに。重油も灯油をいくら買っても、その大半は産油国と大手商社に流れるだけ。地元でお金が使われることはなさそうです。

 漁業ができなくなり、林業で生計をたてようとする方も多いとか。船の舵をチェーンソーに持ち替えたのだそうです。有り余るほどの森林資源から薪を作り、それを売ることができれば、個人の経済も、地域の経済も潤うことができるはず。

 今回の見学も、そんな経過で多く作られることになった薪を効率的に熱エネルギーに変換するボイラーシステムを探してる中で行われることになりました。

 当院で使っている薪ボイラーはチェコ製です。ATMOSという会社の製品です。自然エネルギーの活用では世界で最先端を行くヨーロッパで、すでに定評のある薪ストーブを作り続けています。非常に高い熱効率を実現し、価格もさほど高くはないようです。

 しかしまだ日本での稼働実績がさほどありません。もしかしたら10か所もないかも・・。今回、岩手の方々が導入を考えた機種ではありますが、設置している様子を見てみたい、というのが依頼の趣旨でした。

 専門の方だけあって、ボイラーそのものだけではなく、貯湯タンクのこと、配管の状況など、子細に見て行かれました。いろいろと質問もいただいたのですが、きちんと答えられないこともあり、失礼いたしました。

 せっかくなので、こちらからもいろんなことを教えていただきました。とくに薪のことは、適切な乾燥方法や期間など、とても役にたちました。

 さて、岩手の地で新しい薪によるエネルギーシステムが始まろうとしています。少しでもそのお役に立てることができたなら、薪を愛する人間の一人としてこれほど嬉しいことはありません。

 ぜひ薪ボイラーシステムが成功することを、そして地域の復興することを、遠くの地から見守っていきます。それが日本中のエネルギー革命につながっていくことを、心から願っています。

投稿者 tsukada : 2013年08月25日 18:28