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2013年05月16日

成人に風疹ワクチンを!

 風疹の流行がさらに拡がり、全国で大きな問題になっています。確実な予防策はただ1つ・・ワクチンです。2回のワクチン接種を受けることで、風疹から守ることができます。

 今の子どもたちは生後1歳と、小学校入学前の2回、予防接種を受ける制度ができています(麻疹・風疹混合ワクチンなので、麻疹からも守られます)。接種率もそうとう高くなっているものと思います。

 問題は成人です。今回の流行でも患者さんの大半は20〜40歳代方。さらにその大部分は男性の方です。この年代の方々への予防接種はきちんと実施されておらず、免疫をもっていない方が少なくないためです。

 以前は中学生の女子のみが対象でした(1977〜1994年)。つまり男子は対象外。さらに当時は1回の接種でしたので、接種を受けたあとに十分な免疫ができていなかったり、その後次第に免疫の状態が低下している女性の方も少なくないでしょう。

 その後は男女とも接種を受けるようになりましたが、当時は副作用を心配する風潮が強く、接種率はさほど高くはありませんでした。

 ご承知のとおり、風疹は妊娠初期の女性がかかると問題になります。胎児の障害が起きる可能性が高いからです(先天性風疹症候群=主に目、耳、心臓に奇形が生じる)。

 風疹から妊婦を守り、そして次の世代の子どもたちを守るためにしなくてはいけないこと・・それは直ちに予防接種を必要な方々に行うことです。それも成人が対象です(妊娠中は接種ができません)。

 昨日、新潟県知事が公費補助の方針を発表しました。県内の市町村が独自に事業を行う際に、その一部を県が支出するというものです。

 これだけ騒がれているのに、残念ながら新潟県では成人への予防接種を事業化しているところはありません。県も、みずから接種を行うというわけではありません。昨日の方針を受けて、これから市町村が対応していくことになるのでしょうが、でも遅いという印象はぬぐえません。

 そして国は何をしているの? もともと過去の予防接種制度が不十分であったことが、現在の流行をもたらしている要因です。とうぜん国の出番です。法律の改正が必要なら国会を動かしてすればいい。これだけ社会問題になっているのだから、必要性はきちんと認識されるでしょう。

 こういった非常事態のときには、国が主体になって機動的に対応することが必要です。それをしないでいるというのは、よく分かりません。本気で今の風疹流行を終息させようと思っていないのではないか、そんな疑いももってしまいます。

 とはいえ、市町村の責務も重大です。住民のために、しっかり取り組んでほしいものです。

 成人の予防接種は必要! あとはいつ始めるか。いつやりますか?・・今でしょ!!

投稿者 tsukada : 2013年05月16日 20:00