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2013年01月29日

インフレっていいこと?

 安倍政権は「経済再建」をめざし、そのために日本経済をインフレーションにするいう。それは本当にいいことなの?

 近年の日本はデフレーションで、物価が下落しています。会社を経営する立場からは、作った物の値段がさがり、利益が減少することを意味するわけですから、良いこととは思わないでしょう。

 でも消費者の立場ではどうでしょう。売られている物が、以前より安く買えるわけですから、ラッキーです。給与所得が増えない中で、日用品の購入価格が下がることは、実施的な賃上げも意味します。

 日本のデフレ率は年間で約1%だそうです。安倍政権はインフレ目標を2%としました。さしひき3%分の物価上昇です。単年度ではさほど気にならないかもしれませんが、それが数年間続いたら・・賃金の上昇が伴わなければ、生活に与える影響は少なくないでしょう。

 1年で2%のインフレが続くとすると、物価上昇は5年で10%、10年で22%に(指数的に増えていきます)。もっと続くとすると、20年で49%と約1.5倍に。35年では100%になり、ちょうど2倍です。

 先々のことを心配していても仕方ないかもしれませんが、でも「5年後には物価を1割上昇」という政策はずいぶんと乱暴なのではないでしょうか。

 ここ数年で消費税が2倍に引き上げられることが決まっています。収入をあげる政策をとらない限り、国民生活はますます困窮するのは目に見えています。

 国民のことを考えたら、物価上昇を抑えることこそ、必要な政策なのではないかと思うのですが、いかがでしょう。

 「円安政策」についても、同じ懸念があります。日本はこれまで「円高」でした。アメリカやヨーロッパの経済が破綻しかけている中にあって、日本の通貨は高く買われてきた、ということです。円に対する強い信頼が円高になってきたと言ってもいいと思います。

 一方で円高だと輸出産業が赤字になり、経営が成り立たないという問題も生じます。そのために円安にしよう、というのが今の政府の方針です。

 しかし、円高であれば、日本は海外からより安く買うことができます。消費者にとっても、多くの企業にとっても、より少ないコストで購入できるわけですから、良いことのはずです。

 日本は原油を大量に輸入しています。その価格が上昇していますが、円高のためにその上昇分がある程度抑えらています。もし円安になれば、ガソリンや灯油の値段はますます高騰するでしょう。火力発電の費用は増加し、電気料金はさらに値上げされるでしょう。

 日本の総生産の85%は内需だそうです。輸出は15%・・きっとそのほとんどは大企業。そのために円安へ誘導しようとするのは、日本全体に利益になるとは思えません。

 円安とは円が売られている状態。日本の通貨が、その価値を減じていることです。どうして円高を悪くいい、円安を歓迎するのか、理解ができません。

 ということで、安倍政権がかかげる「強い経済」・・陽のあたる部分だけではなく、陰になる部分にもしっかりとした政策を作っていかなければ、道を間違うことになりかねません。

 首相が自信たっぷりに話をすると、よけいに心配事が増えてきます。

投稿者 tsukada : 2013年01月29日 16:37