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2012年09月17日

さようなら、電話予約

 当院で長らく働いていた「電話自動予約システム」は15日で終了しました。平成7年から使用していましたので、14年ほど使っていました。

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 これは完全に電源を落とす直前の写真。管理用の画面で、私たち職員は毎日この画面を見ながら仕事をしていました。

 今では予約した上での診療は当たり前のようになりましたが、以前はそうではありませんでした。とくに急性疾患の多い小児科は予約診療は不可能と長く考えられていました。

 確かに先々「何月何日に受診する」と予定するのは、経過の長い慢性疾患でない限りは無理です。急に熱を出したり、咳が出始めたり、下痢をしたりといった急に始まる病気が多いのが子どもたち。

 でも、当日の予約をとれるようにすれば診療もスムーズにいくはず。そして待ち時間が少なくてすむはず。そう考えていました。

 このシステムが発売されたことを知り、メーカーの方に説明をしてもらったのですが、開発のコンセプトは翌日以降の予約とり。小児科向きではないとのことでしたし、小児科で導入しているところはまだないというお話でした。

 そこでいくつかの工夫をしてもらい、当日の診療のみを、当日の朝から予約とりができるようにしてもらいました。そうすれば小児科でも十分に使えるし、患者さんにとっても画期的なシステムになるはずとの見通しがありました。

 そして導入・・結果は正解でした。当院受診の患者さんの半数以上はこの予約システムを使い、時間帯の指定を受けて、予約時間にやってこられます。待ち時間は大幅に改善されましたし、外来や待合室の混乱もそうとう軽減されました。予約をとらずに来院される方も、結果としてスムーズに診療を受けられるようにもなりました。

 当院が前例になって、その後全国の小児科でも導入が進んだと、後日メーカーの方からお聞きしました。ほかの小児科の診察券を見たことがあるのですが、その裏に書かれている予約方法の説明文は当院と同じでした。同じメーカーを使っているのですから当たり前かもしれませんが、実はそれは私が書いたもの。分かりやすく工夫したのですが、それをちゃっかり使っているなんて、ちょっと複雑な気持ちでしたよ。

 そんな電話予約システムですが、ここ半年ほどですっかり事情が変わりました。今年4月から始めたネット予約が順調で、ほとんど利用がなくなりました。ネット予約は前日からとれるようにしていますが、それだけではなく、やはりネットが当たり前の社会になったようです。

 ネット予約は昨年秋のインフルエンザ予防接種の予約受付をしたのが始まりです。その後、全ての予防接種や健診を予約できるようにし、さらに診療予約も。そして1年ほどで、当院のすべての予約を担うまでになりました。

 時代は変わるものなのですね。わずか数年で状況はガラッと変わっていきます。そんな社会の変化にやっとの思いでついているつもりなのですが・・。これから先、いったい何がおきるのでしょうか。もっと革新的なシステムができるのでしょうか? だんだんついていけなくなりそうですが・・。

 ともあれ、電話予約システムは当院では終わりになりました。長い間、お世話になりました。

投稿者 tsukada : 2012年09月17日 23:59