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2011年07月17日

かわいそうな人

 菅総理は思いついたらすぐに行動しないと気が済まないようです。自分の気持ちや思いを自身の心の中で確かめたり、より良いものになるよう周囲と意見交換などしながら調整していくなどということができないようですね。

 それは今日の毎日新聞の、海江田経産相へのインタビュー記事を読んでの感想です。

 先日(13日)菅総理は突然記者会見をし、日本はこれから原発に頼らなくてもすむ社会を目指すと高らかに宣言?しました。その行為があまりに浅はかなので、論評にもあたいしないと思ってこの院長ブログにも取り上げていませんでした。

 海江田氏はインタビューの中で、総理からは40〜50分前に電話連絡があったと話しています。日本のエネルギー政策を大転換しようという趣旨の記者会見です。それなりに内閣や政府の中で議論をし、作り上げた方針なのかとも思ったのですが・・そうではありませんでした。

 似た光景を思い出しました。総理が浜岡原発を停止させると記者会見した時、それを中部電力社長に伝えたのが、やはり記者会見の数十分前だったことです。電話一本ということも同じでした。

 困った方です。あなたは確かに今は総理大臣の肩書きを持っています。でも自分がこの国の全てを決められると思っているのなら、大いなる間違いと言わざるをえません。

 日本は議員内閣制。国民が国会議員を選び、その議員たちが首相をえらびます。間接民主制と言われる日本の総理大臣は、最初から足かせをはいているのであり、何をしても許されるという訳ではありません。

 自分の発する言葉は総理大臣としての発言。100%公人としてのものであり、個人として思うことを言っても全て公的なものになります。わざわざ記者を集めて会見するのですから、私的な発言ではありえません。

 翌日になって事態の重大さに気づいたのか、あれは個人としての発言だとか、希望を話しただけだとか、本人も周りも火消しに走っている様は、見苦しいです。だったら最初から記者会見しなければいい。

 それにしても、こんな大切な内容を重要な関係者へも電話連絡で済ませるということが、よく分かりません。もう誰も信用していないということなのでしょうか。

 こんなことばかりしているから、ますます信用されなくなり、頼られなくなる・・総理大臣としても、個人としてもかわいそうな方です。

投稿者 tsukada : 2011年07月17日 23:59