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2011年02月28日

さようなら、2月

 今日で2月が終わり。一年で一番短い月でした。

 でももしかしたら私たち小児科医にとっては一年で一番長く感じる月なのかもしれません。インフルエンザが大流行することが多いからです。

 今年も2月に入ってから大きな流行になり、現在はゆっくりと減少中。終息はまだ先ですが、薄日がさしてきたように感じています。

 雪国にとっても2月はもっとも厳しい季節ですが、今冬は1月の方が大変でした。もう少しで春の到来です。

 個人的には2月は大切な月。なぜなら・・私が生まれた月だから。寒い季節に生まれ、早生まれのハンディを持ちながら育ってきました(だからひねくれ者になった?)。

 そんな思いの深い2月をあとにして、明日からは3月。年度の最終月に入ります。来月も何かと慌ただしく過すことになりそうです。

投稿者 tsukada : 23:59

2011年02月27日

もう一つの事故処理

 私は以前にも何度か交通事故に出くわしていて、救護することがありました。

 昨年も自動車での帰宅中、交差点を自転車で渡る途中で自動車にぶつけられるという事故に出会いました。交差点の少し前から渋滞になっていて、現場にさしかかった時にはまだ救急車を到着しておらず、その方は道路上に投げ出されたままでした。

 近寄っている人も見られなかったので、私は自動車を歩道上に乗り上げて停車し、すぐに駆け寄りました。頭を打っている可能性があったので、首を守るためにその場から動かすことをせず、その方のそばについていて、救急隊の到着を待ちました。

 ちょうど帰宅時間帯だったからか、看護師の方がお二人、私たちに声をかけていただきました。見た目には大きなケガもなく、意識もハッキリしているので、私だけで大丈夫と応えると、その方々は渋滞になっている交通の整理をして下さいました。

 こんな時にボランティアで、自主的に対応してもらえるなんて、嬉しいです。きっとプロとしての倫理観も高い方々なのでしょう。

 私も自分から進んで現場で救護したわけですが、実は少しだけヘンなことを心配していました。私の様子を周りの人たちが見たらどう思うだろうか、と。

 多少目立つ私の自動車が近くにあり、路上で倒れた方の隣に私がいる・・きっと私を加害者だと勘違いする人もいたことでしょうね。

 でもそんなことを気にして、すべきこと(できること)をしない・・そのことの方が恥ずかしいこと。そう気を取り直して、その場で救急車の到着を待っていました。

 以前、実際に同じような場面で加害者だと間違われたことがあります。病院勤務をしていた時のこと。目の前で引き逃げ交通事故が起きました。高校生が数名、なぎ倒され、転んでいました。大きなケガではなかったこともあり、また勤務する病院のすぐ近くだったので、私の自家用車に乗せて救急外来を受診させました。

 その時の主治医にはちゃんと説明したはずなのに、あとになって私がひいたのかと思っていたと分かりました。誤解はとれたのですが、でも後味の悪い思いがしたものです。

 数年前のこと、やはり帰宅時にオートバイの自損事故を目撃しました。工事中で車線変更を示す矢印の看板が道路の中央に置いてあり、オートバイの方はそれに気づかず、ぶつかり、転倒してしまいました。そのままでは二重事故になってしまうので、すぐに駆け寄り、歩道まで移動するのを手伝いました。

 打撲だけだったようで、本人は救急車は呼ばなくても良いとのこと。代わりに迎えに来るよう電話をしてほしいと頼まれ、事情を電話で伝えて現場をあとにしました。

 電話の相手の方は彼女だったようで、翌日、診察の結果報告(やはり軽い打撲だけでした)をかねて、お二人そろって医院までご挨拶に来られました。当たり前のことをしたまでですので、かえって恐縮したしだいです。

 でもそうやって自分のしたことが感謝されていると分かると嬉しいものですね。また必要があれば手助けをしてあげたいという気持ちになります。

 ところで・・事故のてん末やおケガがされた方のことを教えてもらったことは、このオートバイの方だけだったように記憶しています。事務的でかまいませんので、救急隊か警察の方、あるいは事故の当事者の方、お忙しいとは思いますが、一言教えていただけると、私の心の中での「事故処理」も終了するのですが・・。

投稿者 tsukada : 16:01

交通事故の救護

 先日のこと。朝早く市内を運転していた時に交通事故を目撃しました。

 交差点で右折しようとしたところ、歩行者が横断歩道を右手前から向こう側に渡ろうとしているのが見えたので一時停止。しかし道路に出たところでうずくまり、渡りそうになかったので、私は右折したあとに自動車を道路の左に停めました。

 歩行者は道路上にいるので、そのままでは危険。起き上がる様子が見られなかったので、駆け寄ろうとドアを開けようとした時・・前方から赤い自動車が走ってきました。すでに信号が変わっていたので、この自動車にとっては青信号で交差点に入ることになります

 まだ薄暗い時間帯。その方は白いジャンパーとズボンを着ていたので、私にも大きなゴミ袋が道路上にあるかのようにも見えました。もしかしたら・・

 そんな直感が当たってしまいました。対向車が減速することなく私の隣を走り抜け、次の瞬間、ドンとい鈍くて大きな音がしました。

 すぐに駆け寄りましたが、幸い命には別条なく、その場で起き上がり、会話が普通にできる状態。左腕がダラリとしていて骨折していたかもしれません。顔は流血があり、良く見ると頭皮が大きく裂けていました。

 119番をし、救急車が来るまでその方を介抱。お話はできたので、事情を少し聞くことができました。

 80歳ほどの方で毎日ジョッギングしているそうです。その時は横断歩道に入ったところで足がもつれて、そのまま立てない状態になってしまったそうです。

 加害車両の運転手もすぐに戻ってきたので、その方にも落ち着かせながら、私が見た事故の状況を伝えました。

 数分で救急車が到着し、救急隊の方に被害者の方の状態と事故の状況説明をして、病院へ搬送されるのを見送りました。

 その後やや遅れてやってきた警察の方にも同じように説明し、現場を離れました。

 被害者の方はおそらく頭を自動車の来る方向に向けてうずくまったのでしょう。そこに自動車のバンパーがぶつかったのだと思います。ほんの少しでもずれていたら脳挫傷などで即死すること可能性もありました。

 不運なことが重なって事故に会われたわけですが、事故の程度からは不幸中の幸いと言えるかもしれません。

 ぶつかった瞬間は見ていないのですが、ぶつかった時の衝撃音は聞いています。直前に事故に会うことも予想したので、その時耳にした音は恐怖感とともに脳裏に残っています。

 もし私がもう少し早くこの方の所の駆け寄ることができていれば、事故にはならずにすんだでしょう。それまでの時間はなくても、何らかの手段で対向車に危険を知らせることができていたら・・

 今から時間をさかのぼって、事故を回避することは不可能なわけですが、でもそんな気持ちも時々心をよぎってきます。

 その後この方の容態がどうだったか、連絡などもないので分かりませんが、便りなきは良い知らせなのでしょう。(このような時、必ず氏名などを伝えるようにしています。事故処理や救護に関わったわけですので、多少は私にも責任があるかもしれません。医者だというだけで、ケガをされた方は少しは安心できるでしょうから)

 この方のおケガが軽くすむことを願っています。また、このような事故はいつでも起きる可能性があり、私も運転手の一人としてより注意深く運転するよう、心がけようと思いました。

 ちなみに私の運転免許証はずっとゴールドです。先日更新しましたが、引き続きゴールドの免許証をいただきました。それでも慢心は危険。いつも安全運転で行きます!

投稿者 tsukada : 15:16

2011年02月26日

今週の感染症情報

○インフルエンザ↓
○溶連菌感染症↑
○おたふく↑
○水ぼうそう↑
○胃腸炎↓
○マイコプラズマ
×麻疹
×風疹
-------------
インフルエンザ流行はゆっくりと下火に向かっています。
現在はA型(おそらくは新型)のみの発生。
春先にB型が流行しやすいのですが、このまま流行せずに終わるかもしれません。
終息までしばらく注意をしていて下さい。

溶連菌感染症、おたふくかぜ、水ぼうそうが逆に増加。
インフルエンザと交代しそうです。

胃腸炎は少しの発生でした。

感染症ではありませんが、花粉症が心配な気候になっています。
今春のスギ花粉の飛散量はとても多いようです。
花粉症の方は早めに準備をお願いします。

投稿者 tsukada : 12:50

2011年02月25日

久しぶりに雪

 このところ春めいた陽気が続いていましたが、今日は朝から雨。そして夜には雪になってきました。

 帰宅時、自動運転の消雪パイプからは地下水が流れていました。半月ぶりくらいの風景です。

 もっとも気温の高い日が続いていたので、路面温度は高く、雪が積もる心配はなさそうです。

 もう少しで2月が終わります。1月は大雪でしたが、今月は雪の日が少なく、今夜のような雪景色が珍しいと感じるほど。さて今年の冬はどうだったのでしょう。大雪の冬? 短い冬? 平均すれば平年並みの冬?

 春の訪れが例年より早いことは確かでしょう。花粉症の発生もきっと早いことでしょう。どうぞご注意を。

投稿者 tsukada : 21:39

2011年02月24日

残念な国

 公費無料化された3つのワクチンについて、もう少し話をしようと思います。

 決まっていることは来年3月までということ。あと一年ちょっとで、今の制度はなくなります。その後がどうなるか・・続くのか、なくなるのか、決まってはいません。

 もし継続されないとしたら・・子宮頸がん予防ワクチンについてはとりあえず心配していません。今回は4学年分が対象になっていますので、数年ほどブランクができても再開すれば取り戻せる(追いつける?)可能性があります。

 しかし乳幼児の髄膜炎を予防する2つのワクチンは事情が違います。生後2か月から始まりますし、年齢が小さいほど病気を予防する必要があります。

 もし来年4月から公費無料の制度がなくなったら・・来年から生まれてくる子どもたちは、また細菌性髄膜炎に無防備な状態に逆戻りしてしまいます。

 すでに接種が始まっている子どもたちに対しても、最後の4回目の接種を公費ではなく、親御さんの負担で受けてもらうことになるかもしれません。いや、正確には現在決まっていることからは、そうだと説明しなくてはいけないでしょう。

 先日、これらのワクチンについての説明書を作るとき、私は間違った説明を書いてしまいました。「公費無料化になった」と書いたからです。

 正しくは「来年3月末までの公費無料化が決まった」と書くべきでした。手放しで喜んでしまったようで、考えが浅かったです。問題の本質を見逃していたことを恥ずかしく思います。

 一方でこんな中途半端で、先々のことを見据えず、場当たり的で、人気取りのような政策しか考えられないこの国が残念です。

投稿者 tsukada : 23:59

2011年02月22日

始まったばかりなのに・・

 3つのワクチンが公費無料化されました(市によって多少の対応が違いますが)。そして、始まったばかりの無料化が来年4月には終わるかもしれません。

 そもそもこれはきちんとした制度ではありません。先に政府の補正予算で約1千億円の枠が作られ、どのワクチンを無料化するかはあとで決まったというのです(長い歴史があるおたふくかぜや水ぼうそうワクチンが入らなかったのは、単に予算の都合だけ)。

 この予算措置は今年度と来年度のみ。つまり来年3月末までしかありません。その後のことは何も決まっていません。

 無料化が始まる時には厚労省は「法定接種を前提にする」というような説明をしていました。でもリップサービスだったようです。法律改正が必要だというのに、ちっとも進んでいません。

 日程を考えてみましょう。来年4月(再来年度)に実施するためには、来年度中に予算化する必要があります。年末には予算案が作られますので、法律改正はどんなに遅くとも今年の秋がデッドライン・・やっぱり厳しいですね。

 仮に厚労省の中でスムーズに作業が進んだとしても、国会がすんなり通るとは思えません。政府そのものが続くか分からない状況。国民生活に関わる重要な法律であっても放置される可能性が大です。困ったものです。

 来年4月以降も無料化が続くためには、当面は予算措置を継続することが現実的でしょう。厚労省がしっかりと予算を獲得すればできること。

 厚労省が積極的に動き、財務省が首を縦に振るためには、国民の中から無料化継続を求める世論が盛り上がることが決め手になります。医療関係者はもちろんのこと、親御さん方が声を大にして無料化の存続を求めていきましょう。

 始まったばかりの無料化ですが、何もしなければあと1年1か月ほどで終わってしまいます。そんなことはさせたくありません。子どもたちのために頑張っていきたいと思っているところです。

投稿者 tsukada : 21:08

2011年02月21日

春間近

 今日の新潟はとっても良いお天気でした。太陽の光がしっかり差し込み、まるで春のよう。

 主な道路からは雪が消えています。道路脇や歩道も雪の山がなくなり、スッキリしてきました。

 夜には月と星が出ています。キレイな星空をみあげていると、つい先日までの厚くて暗い雲に覆われていたのが、もうずいぶん以前のことだったように思えてきます。

 春までもう少し。インフルエンザの流行は峠を越え、次第に下火になってきています(といっても終息はまだ先、まだご用心を)。花粉症もチラホラでてきているのも、春間近だからなのでしょう。

 一年で一番厳しく、短い2月もあと1週間ほど。何とかここまでやって来れたなという気持ちもあります。

 春の訪れが本当に待ち遠しいですね。

投稿者 tsukada : 23:59

2011年02月19日

今週の感染症情報

◎インフルエンザ↓
○溶連菌感染症↓
○胃腸炎
○おたふく↑
○水ぼうそう↑
○マイコプラズマ
△RS細気管支炎
×麻疹
×風疹
-------------
インフルエンザ流行は2月上旬を峠として、今は下火になりつつあります。
当院の患者発生数は2週間前が113名、今週は69名に減少。
このまま終息に向かってくれることでしょう。
もうしばらく注意をしていて下さい。

溶連菌感染症はやや減少、おたふくと水ぼうそうは若干増加しました。
RSウイルスによる細気管支炎も少しずつ発生。
いずれもこのまま流行が続くことでしょう。

乳幼児の髄膜炎を予防する2つのワクチンが公費無料化されました。
対象者へは市から案内が行きますので、この機会を利用してぜひ受けて下さい。

投稿者 tsukada : 13:05

2011年02月17日

新駅の名称は?

 建設中の北陸新幹線をめぐって、当地では片付いていない大きな問題がまだあります。その一つは上越市に作られる駅の名称です。

 上越市内の新駅ですから「上越駅」となるのが普通でしょう。でもこの名前には異論・反論・疑問が山とでていて、まだ決着をみていません。まだ仮称扱いです。

 その最たるものは新幹線の名称とのミスマッチです。すでに開業している上越新幹線は上越市を通っていません。「上越駅」に決まれば、それは北陸新幹線の駅であって、上越新幹線の駅ではありません。

 今でも多くの誤解があるのに、混乱すること間違いないでしょう。何とも悩ましいです。

 それぞれの「上越」にはそもそも問題を持っています。「上越市」は今から40年ほど前、高田市と直江津市が合併して誕生しました。対等合併ということで新市の名称を、当地の地域名「上越」が使われました。

 ちなみに新潟県は昔は越後と呼ばれていましたが、いくつかの地域にわける際には、京都に近い方から「上越」「中越(長岡市など)」「下越(新潟市など)」という名称が使われています(もう一つ「佐渡」もあります)。

 この地域名は県内でのローカルルールのようなもので、県外の方にはなじみがないと思います。

 新市誕生の時にはすでに国鉄には「上越線」がありましたが、これは上州(群馬県)と越後を結ぶということで付けらました。「上越新幹線」以前から、上越市には上越線が走っていないという問題が存在していました。

 「井の中の蛙(かわず)」なのでしょうか、この地域では当たり前のことが全国では全く通じないのだということが分からないようです。あるいは、何となく分かるけれど問題を正面から見つめ、将来どんな展開になるか予測することができないのか・・

 あんまり大きな声では言えませんが、当地では今でも市の名称に何がいいのか、時々話題になっています。自分の市の名前に疑問をもつ方が多いためです。

 新幹線の新駅の名前がなかなか決まらないのは、そんなバックグランドがあるからです。隣り合う自治体が綱引きをして一つに決まらず、2つの市名をくっつけるなんてことがあるようですが、「上越駅」に決まらないのは上越市自体の問題が原因のようです。

 市名についても、駅名についてもいろんな案がでていて、一向にまとまる様子がありません。何とかしなくてはという思いが私にもあります。そこで、私から提案・・

 「北陸市」と「北陸駅」です! さあどうでしょう。北陸新幹線ができ、上越市が北陸地方の入り口になります。その地位(?)にふさわしい名前でしょ。

 何よりも、北陸市に行くためには北陸新幹線に乗れば良いことに。何とシンプルでしょう。

 どなたか、こんな提案をしてみていただけないでしょうか。もし採用されたら、金一封でも頂戴できると嬉しいですよ。

投稿者 tsukada : 23:32

2011年02月16日

幻の「長岡ルート新幹線」

 新潟県の来年度予算案が発表されましたが、その中に新幹線建設の地元負担金を計上しないということで、当地では大きなニュースになっています。

 すでに開業している長野新幹線を延長して、富山県を通り石川県金沢市まで行くのが北陸新幹線。2014年度の開業をめざして建設中です。

 この北陸新幹線は新潟県の一部を通過します。県内には上越市と糸魚川市に2つの駅ができるのですが、新潟県知事が問題にしているのは新潟県がただの通過点になってしまうのではないかという危惧があるからです。

 北陸新幹線の目的は、その名前の通り北陸地方のために作られています。石川県や富山県の人たちが東京により早く行くためというのが一番の目的。

 当初は別ルートも検討されていました。上越新幹線の長岡から北陸地方を結ぶ案です。東京までの時間を比べて、最終的に長野新幹線を延長するコースに決まりました。

 実は問題の根底は、この選択を間違えていたということです。長野ルートではなく長岡ルートを選ぶべきだったのです。私はそう思っています。

 なぜなら・・長野ルートでは日本海側を縦断する鉄道交通がなくなるからです。新幹線ができると在来線は廃止されるので、特急などで北陸地方から新潟県を通り東北地方へ行くことはできなくなります。

 新潟県は日本海に沿って長細いのですが、今は北陸線、信越線などを使って行き来できます。ところが北陸新幹線が開業すると、例えば上越市から新潟市に行くのにはいったん北陸新幹線上りで群馬県高崎市まで行き、上越新幹線下りに乗り換えて新潟市に向かうことになります。富山県や石川県から北に向うのも同じです。

 「長岡ルート」であれば現在の在来線と同じ道程です。県内や北陸地方との間の利便性は確保されますし、日本海側を縦断する長距離のルートも残っています。いずれ新潟市から北に向かう新幹線が整備されれば、東海道新幹線と東北新幹線を日本海側で大きく結ぶことができます(北陸新幹線は石川県から先に伸ばすことは決定ずみ)。

 東京までのわずかな時間の違いに惑わされ、大きな見地から新幹線整備計画を作ることができない・・ここにも日本の政治の貧さを感じてしまいます。

 かつてこの「長岡ルート」を描いた政治家がいました。田中角栄です。彼が主導して上越新幹線を作った時にはそんな構想を持っていました。実際に新幹線長岡駅には北陸地方への分岐をするためのホームが作られているということです。「ゼロ番線」と呼ばれ、線路も敷かれず、現在は使われず、そして将来も使われることはなさそうです。

 私は上越市民ですので、北陸新幹線の開業は直接関係があります。東京に行くのはきっと便利がよくなるでしょう(知事が心配することが現実になり、新潟県内での停車が少なければそうは言えませんが)。

 しかし在来線廃止によって隣の市に行くのも不便になり、県都である新潟市へは恐ろしいほど時間、料金ともかかることになるでしょう。どうしてそのことを問題にしないのか、不思議ですし、不可解です。

 知事が地元負担金拒否を公言しましたが、もう一度原点にある問題を見直してほしいと思います。

 個人的には・・北陸新幹線の開業が大幅に遅れても、その間は在来線が生きているので構わないかなとも思っています。在来線のあり方をきちんと決め、従来の交通網がズタズタにならないよう、もう一つの「整備」をするための時間稼ぎになるかもしれません。

 もっとも、頼みの知事にそんな問題意識があるのか、はなはだ疑問です。結局は新幹線の県内停車を多くするための戦術なのだろうな、って思っていますが、どうでしょう。

投稿者 tsukada : 22:37

2011年02月15日

お知らせ

子宮頸がん予防ワクチン(サーバリックス)の公費無料化が始まりました。たびたびお話ししているように、市町村が実施する事業なので、実施時期などが少しずつ違っています。

当地(新潟県上越市、妙高市)では来月から実施されます。中学1年〜高校1年の女子が対象(これは全国共通)。

当院ではお子さんや親御さんの利便性を考えて、毎月最終土曜日の午後にサーバリックス専用外来を設けることにしました(月によって日が変わることもあります)。

他の日に接種を受けていただくこともできます。ご希望の日にちをご連絡ください。

詳しくは医院までお問い合わせ下さい。

投稿者 tsukada : 23:59

2011年02月14日

インフルエンザ流行予測

 インフルエンザ流行はもしかしたら峠を越えたかもしれません。先々週が最多で、先週から若干の減少に転じ、きっと今週からは順調に少なくてなっていきそうな気がします。

 外来の様子からそんな感じがします。臨床医の勘というか肌感覚というか第六感というか。けっこう当たるんですよ。

 毎週厚生労働省はインフルエンザ患者数を発表し、流行の様子を伝えています。全国の医療機関の一部から報告される患者数を集計して作られる資料です。

 当院も選ばれていて、月曜から次の日曜までの一週間分を月曜に保健所に連絡。都道府県ごとにまとめられたあと、厚生労働省で全国の集計が完成します。

 したがってどうしても時間差が生じます。1週間から2週間ほど遅れた情報が流され、使われています。

 政府のさまざまな統計の中では早いようなのですが、それでも限界があります。

 さて一方の私の感触は、全国的なものでもありませんし、きちんとした数字でもありませんが、でもリアルタイムだという意味では他の追随を許しません(当たり前ですが)。

 そんな小児科医の語る感染症情報・・多少はお役に立てているでしょうか。

投稿者 tsukada : 23:17

2011年02月13日

スキー発祥100周年

 日本にスキーが紹介されて、今年は100周年になるそうです。そのスキー発祥の地は、ここ上越市高田。私の生地ですし、今住んでいるところです。

 明治時代、高田には陸軍があり、オーストリアから軍事指導を受けた際にスキーの技術も教えられたのだそうです。

 市街地のすぐ近くに金谷山という小さな山がありますが、ここがその舞台。指導者のレルヒ少佐を記念して今でも大きな銅像が立っています。

 信じられないかもしれませんが、私の子ども時代にはこの金谷山も会場にして冬の国体が開催されていました。確か30メートル級だったと思いますが、当時にしては珍しいジャンプ台もありました(すでに取り壊されていますが)。

 小学校から高校まで体育授業にスキーが取り入れられていました。中学校の時には週3回ほどの体育授業を一回にまとめて、午後から金谷山に現地集合し、スキー授業を受けていました。

 この地にとっては、スキーは古くからの風習のようなもの。風土とも言えるかも。

 もちろん私もスキーができます。高度な技術はありませんが、一応滑って、曲がって、止まって、時に転んで・・。

 でも正直にお話すると、この地域ではスキーが好きではない人が少なくありません。私が勝手にそう思っているだけかもしれませんが、子どもの頃はむしろ嫌いでした。

 雪降る寒い中、わざわざ雪山まで重いスキー板を担いで行くのがイヤでした。着ているジャンパーは次第に濡れてきて、寒さが厳しくなります。手袋もグショグショに。

 授業では雪山をスキー板をはいて、自力で登っていきます。滑り降りる時は気持ちいいのですが、その何倍もの時間と労力をかけて登って行かなくてはいけません。スキーが嫌いになるわけがご理解いただけるでしょうか。

 私の子どもたちもここ高田で育ちましたが、彼ら(彼女ら)はスキーを楽しめたようです。板もウエアなども格段に良くなっていました。きっと技術も優れたものになっていたのでしょう。

 スキー場は整備され、リフトに乗って山頂に登り、あとは滑り降りるだけ。楽しくないはずがありませんね。

 そんな昔話はさておき、昨日から当地ではスキー発祥100周年記念のレルヒ祭が開かれています。市民こぞって楽しんでいることでしょう・・私のような若干の例外を除いて。

 ちなみに私は今は仕事中。県の小児救急医療電話相談のアドバイザーで、携帯電話を持って待機中です。自宅でできるのでさほど負担はありませんが、アルコールは控えていますよ。

 明日からまた厳しい一週間が始まります。インフルエンザが一日でも早く終息することを願いながら、頑張ります。

投稿者 tsukada : 20:06

2011年02月12日

今週の感染症情報

◎インフルエンザ
○溶連菌感染症
○胃腸炎
○おたふく↓
○マイコプラズマ
△RS細気管支炎↑
△水ぼうそう
△りんご病
×麻疹
×風疹
-------------
インフルエンザが大きな流行になりました。
県内にも「警報」が発令されています。
当院では先週よりは若干減少しているようで、峠を越えた可能性もあります。
しかし引き続き警戒は必要です。

現在はA型が主ですが、少数ながらB型インフルエンザの発生もあります。
のちのB型の流行がおきるかもしれません。

溶連菌感染症や胃腸炎も引き続き流行しています。

RSウイルスによる細気管支炎も目立つようになりました。
乳幼児がかかるととても咳が強く、ときに喘鳴や呼吸困難をおこすことがあります。
保育園などの集団生活で感染しあうことが多いです。

投稿者 tsukada : 15:25

2011年02月11日

インフルエンザ診療の最前線

 東京や大阪などで雪が降っているそうです。雪がないのが当たり前の所ですから、少しの降雪でもさぞ大変なことでしょう。

 滑って転んだり、ブレーキがきかず交通事故になったりしがち。どうぞ注意をしていて下さい。

 インフルエンザはどうでしょう。当地ではまだまだ流行中。警報も出されています。

 今日は祝日で医院は休診ですが、休日診療所で終日勤務してきました。地域全体から急病の方などが来られますが、こんなに忙しかったのは、もしかしたら私にとって初めてだったかも。

 今日は医師3名の体制で、子どもの内科患者は私が一手に引き受けました(逆にいえば、大人の患者さんは他の先生が診てくれたということですが)。得意分野(というよりそれしかできないのですが)の診療ですからスムーズに進められましたが、それでも昼休みを除いてずっと診察室にいました。まるでいつもの自分の外来のよう。

 大半はインフルエンザか、インフルエンザを心配して来られた患者さん。昨夜や今朝から発熱し、急いで来院されました。

 迅速検査を行い、陽性の患者さんにはタミフルやリレンザといった抗インフルエンザ薬を処方。すぐに使用してもらいました。

 こんなふうに発症のごく初期に、そしてスムーズに必要な医療を受けられるのは、世界の中でも限られた国だけ。新型インフルエンザの被害が日本では極端に少なくてすんだのは、ちゃんとした理由のあることなのです。

 いろいろと批判のある日本の医療ですが(私もしょっちゅう文句を言っていますが)、世界に類を見ないほどの優れた分野もあります。そんなことも少し知っていてください。

 そして、国民の健康と命を守るためにオーバーワークになりながらも頑張っている医療者のことも、ぜひ知ってほしいと思います。

 明日は普通に外来診療です。飛び石連休の真ん中、そして半日のみ。何よりインフルエンザ大流行・・。

 明日もまた頑張ります!

投稿者 tsukada : 22:10

2011年02月09日

ワクチン無料化

 3つのワクチンの公費無料化がいよいよ始まりました。乳幼児の髄膜炎を予防するヒブワクチンと肺炎球菌ワクチン(プレベナー)、そして成人女性の子宮頸がん予防ワクチン(サーバリックス)です。

 いずれも最近日本に導入されたワクチンですが、海外では以前から使われていて、その予防効果はしっかりとしています。これまでは任意接種であるために全額自己負担。けっこう高額になるために、やはり受ける方は少なかったです。

 本来ならば国が法律などの整備をきちんと行い、法定接種として行うべきものですが、それを待っていたのではいつになるか分からない・・そんな事情を国自体が認めた結果、当面は市町村が無料化の事業を行うことになりました。

 今年度と来年度、国が半額を負担、残りを市町村が財政拠出して無料化が行われます。したがって全国一律ではなく、住む自治体によってその内容が少しずつ異なるというおかしな事態も生じています。

 当地域でも隣り合う2つの市で一部の予防接種の対象年齢が異なるため、小児科の窓口では混乱も生じています。これから本格的に接種が進むと、トラブルがおきるかもしれません。十分に注意しながら、対応していかなくてはと気を引き締めています。

 そうはいっても、公費無料化が始まったことは良いこと。日本の予防接種体制が大きく一歩進んだことになります。子どもたちを病気から守りたいと思うのは親御さんの強い願い。その気持ちにきちんと応えられるよう、小児科医院として精一杯仕事をしていきたいと思っています。

投稿者 tsukada : 20:20

2011年02月07日

今週こそ!

 新しい一週間が始まりました。先週は不幸な出来事が続きましたが、今週はどうなるでしょう。

 一週間の初日である昨日・・すでに嬉しいことがおきています。新しいパソコンが届いたのです。

 金曜の夕方に壊れましたが、修理は断念。その場で注文したのですが、翌日に発送してくれました。電話先では翌営業日の月曜に発送し、火曜か水曜に到着予定と説明していたので、少々驚きました。

 電話口で、仕事に必要なので一日でも早くほしい、モノがあるのなら受け取りに行ってもいいぐらいの気持ちだと伝えたのが、営業マンの心を動かしたのでしょうか。

 パソコンが届いてもすぐに使えるわけではありません。データやソフトの移行作業があります。

 以前のパソコンは動かないので、そこからデータなどは取りだせません。役立ったのがバックアップ用の装置です。自動的にバックアップをしてくれているので、パソコンがクラッシュする直前のデータも復元できました。

 作業は数時間かかりましたが、最初の設定をしただけで、あとは待っているだけ・・首を長くしながら。コーヒーを飲みながら。途中にはガソリンスタンドに行って給油と洗車までしてきました。

 そしてデータ移行が完了し、立ち上がってみると、ほとんど以前のパソコンそのもの。画面が大きくなり(24インチから27インチに)、解像度がアップしてはいますが、まるで以前から私の隣にいたかのよう。

 診察室の窓際に新しいパソコンを設置し、通信状態や他の機器との接続を確認して、全てが元どおりで、問題なく動いてくれました。感激です。

 昔は(といっても10年も前の話ではありません)データの移行作業は大変でした。設定も全部やり直し。そもそもバックアップを完璧に作っておくことはありませんでした。

 そんな記憶があるので、今回のトラブルにあった時、ゾッとしました。しかし実際にやってみるととてもスムーズ。ずいぶん進歩したものですね。

 それにしても、もしバックアップ装置をつけていなければ、やはり大変なことになっていました。ちゃんと安全策は講じておくものですね。

 そんなことがあって一週間がスタートしました。先行きは明るい?

 でも今日の外来をみる限り、インフルエンザの流行はさらに拡大しています。私も個人的に忙しく、今日は夜間診療、11日の祝日は休日診療があります。

 そんな中でもしっかり仕事をしていきたいと思っています。体力は何とか持つでしょう。インフルエンザにかからないようにしなっくっちゃ。

投稿者 tsukada : 22:13

2011年02月05日

突然死?

 長くて厳しい1週間でした。週末の大雪、月曜朝の大停電、そしてインフルエンザ大流行。こんな時こそ小児科医の出番・・そう言い聞かせて、ない力を振り絞りながら頑張ってきました。

 そんな私をカウンターパンチが襲いました。それは金曜の夕方、私のメインで使っているパソコンのクラッシュです。

 いろんな仕事にパソコンを使っています。このHPの製作、メールのやりとり、各種「通信」の作成、いろんな印刷物や掲示物の作成・・。パソコンがなければ私の仕事は成り立たないくらいになっています。

 午後も普通にパソコンを使っていました。夕方使おうとするとフリーズしています。ときどきあるのですが、いくつものソフトを立ち上げていると、お互いに悪さをするのか、うまく動かなくなります。そんな時はそのソフトを強制終了すれば、また使えるようになるのがいつものこと。

 でも今回は違いました。強制終了ができず、画面はフリーズしたまま。それでもまだ「最悪の事態」とは思っていませんでした。パソコンの電源を落として、再度オンにすれば大丈夫だろう・・作業中の文書が失われるくらいで、大きな問題ではない・。

 残念ながら、事態は深刻でした。スイッチを入れても、マシンが起動しません。画面の中央に、起動用の入るが見つからないというアイコンが点滅するだけ。

 このパソコンはすでに故障を抱えています。内蔵のDVDプレーヤーが壊れていて、外部にプレーヤーを付けて使っていました。こんな時に、パソコンについていた初期DVDを使って起動するというワザのあることは知っていましたが、それもできない状態。

 メーカーのサポートに電話し、他の方法も試してみたのですが、やはり動かず。サドン・デス(突然死)したパソコンを前にして、打つ手なし。

 修理に出せばきっと直るでしょうが、2週間ほどは使えません。その間、必要な仕事が十分にできなくなります。費用もけっこうしますし、それなりに使ったパソコンですから、また別なところが故障するかもしれません。

 苦渋の決断・・新しいパソコンを買うことにしました。予定外の痛い出費。それもまた私の心を曇らせてくれました。

投稿者 tsukada : 23:59

今週の感染症情報

◎インフルエンザ↑
○溶連菌感染症
○おたふく
○胃腸炎
○マイコプラズマ
△水ぼうそう
△りんご病
△RS細気管支炎
×麻疹
×風疹
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インフルエンザ流行が地域全体に拡大しています。
当初は小学生が主でしたが、家庭を通じて乳幼児や大人の方も罹患。
今週はさらに患者数が増えています。
引き続き警戒をしていてください。

日ごろから手洗い、うがい、マスクなどの励行を。
食事や睡眠にも気をつけて、体調管理をお願いします。
熱や咳があるときにはマスクをし、他の方にうつさないようにしましょう(咳エチケット)。

溶連菌感染症や胃腸炎も引き続き流行しています。

投稿者 tsukada : 13:29

2011年02月02日

雪国にもたまに晴れの日

 雪国にも今日はたっぷり太陽の温かい光が降り注いでいました。こんな日は実に久しぶり。もしかしたらもう春?

 夜、空を見上げたら満天の星空。ここが雪国だって一瞬忘れそうでした。

 でもこんな夜は冷え込みが厳しいもの。きっと明日の朝は足元が氷っていることでしょう。

 そして、また雪が降り始めるかも。ここが雪国だと思い知らせてくれるでしょう。

 本当に春がやってくるのはあとどれくらいだろう。まだまだガマンの日々が続きますね。

☆毎月発行している「こども通信」はやっと出来上がりました。HP上にアップしてありますので、どうぞお読みください。

投稿者 tsukada : 23:50

2011年02月01日

2月です

 今日から2月。一年で一番短かく、しかしおそらく一番厳しい月でしょう。

 大雪で大変な思いをしている方も多いことでしょう。2月さえ乗り越えれば、あとは春です。めげずに一緒に頑張りましょう。

 昨日の「院長ブログ」に書きましたが、1月最後の日は大停電で始まりました。大雪、インフルエンザ流行など、混沌とした状況です。

 そのために診療以外の仕事は滞りがちです。毎月発行している各種「通信」も月初めに間に合いませんでした。

 きっといないとは思いますが、もしも「通信」を待ち望んでいる方がおられましたら、本当に申し訳ありません。明日には配信、アップロードできると思います。今しばらくお待ちを。

投稿者 tsukada : 23:52