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2010年11月23日

緊張感のない日本

 みんなが予想していたとおり、法務大臣は「自発的に」辞任しました。本人はまだ未練があったように話をしていますし、事実上の更迭(こうてつ)であることは明らかですが、でも建前は違うようですね。

 自分で決断し、何があってもすべての責任を引き受ける・・そんな度量が首相には感じられません。自分が選んだ大臣が、その資質にもとる発言をしているのですから、幕引きは自分ですべきでしょう。

 形式上は辞任とすることで首相は自らの立場を守ったつもりなのでしょうが、逆に、とるべき責任をとらないでいることを明らかにしています。皮肉なものです。

 それでもまだ何とかなっているのは、日本だからなのでしょう。そのぬるさが日本の良いところでもあるのでしょうが。

 日本に一番近い朝鮮半島では、砲弾が飛び、戦争直前かと思えるような緊張状態になりました。韓国人兵士に死者がでて、民間人にも負傷者がでるなど、北朝鮮は本気で武力行使をしています。政権移譲の途中なので、北朝鮮もいろいろなシナリオを描き、周囲の反応を確かめているのでしょう。

 それに対して日本の首相は・・情報の収集に努めると言っただけ。ちょっとそれは違うでしょ。事務方が言う言葉ですよ。

 北朝鮮に対して毅然とした態度で、いけないことはいけないとハッキリ言わなくちゃ。情報はすでにメディアが伝えていますし、北朝鮮は韓国側を攻撃したことを認めています(先に仕掛けたのは韓国だと言っていますが)。当然、北朝鮮を非難する強いメッセージを期待していたのですが・・。

 北朝鮮にとっては、日本は相手にするほどの国ではないという、誤ったメッセージを暗に伝えたことになるでしょう。日本を直接相手にする必要はなく、米国を動かせばあとは何とでもなるだろうと思わせたに違いありません。

 菅首相・・あなたはいったい何をしたいのですか? 日本をどうしたいのですか? 眠そうに話をするのはポーズだと思っていたのですが、もしかしたら本当にそうなの? 政治にも興味がないので、さえない顔になっているの?

 緊張の走る朝鮮列島の隣で、緊張感のない国=日本の現状を憂います。

投稿者 tsukada : 2010年11月23日 23:50