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2010年06月18日

魚の大量死

 新潟市の水族館「マリンピア日本海」で、大量の魚が死んでしまうという事故(事件?)がおきました。最大の水槽に、消毒のため(?)薬剤を入れたところ、7000匹ほどの魚が死亡したというものです。

 ニュースでその映像がながれていましたが、ふだんは海水魚が群れをなしたりしながら泳いでいる水槽が、ほとんとカラの状態。死んだ魚が水底に沈み、それを袋に詰めている様子や、死骸が山積みになったトラックの荷台なども映されていました。

 水槽内を消毒するために「次亜塩素酸ナトリウム」を入れたのが、魚を大量死させた原因だそうです。とっても考えられない事態です。

 私も医院で2個の水槽に熱帯魚を飼っています。水槽内の掃除や水交換については、素人の私でさえ(素人だから?)慎重に行います。水道水を使いますが、その中のカルキ(塩素)を薬液で中和してからゆっくり水槽内に入れていきます。小さい魚だけに、温度や水質の変化には敏感ですから。

 次亜塩素酸ナトリウムは広く使われている消毒剤(殺菌剤)です。家庭のキッチン用では「ハイター」という商品名が有名ですが、医療現場でもノロウイルス対策で大いに活躍しています(ノロウイルスはアルコールでは消毒できないため)。

 使用時はそうとうに薄めて使います。特有の臭いがあり、調理器具などに使用したあとは、さらに水で流したり、日光にあてたりしていることも多いです。

 通常は水槽内には使わないはずの次亜塩素酸ナトリウムを、どうして投入してしまったのか。イルカなどの水槽では使用しているということで、その延長で安易に、何も考えもせず使ったようです。

 水族館の飼育員・・魚を世話するプロが、こんな程度のことをしてしまうのかと思うと、あきれます。死んだ(殺された)魚たちが、死んでも死にきれないでしょう。

 水族館で仕事をしている人が、魚のことを大切にしていなかった・・そんなふうも思えてきます。残念でなりません。

投稿者 tsukada : 2010年06月18日 23:59