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2010年05月14日

ニセ医者(1)

 先日逮捕されたニセ医者のことが気になっています。宮城県のある県立病院に、循環器内科の医師として勤務しようとした女性が、実は医師の資格をもっていないことが分かり、警察に捕まったというものです。

 この犯人・・関西のある病院に勤めていると話したそうですが、その病院には患者として通院していたのだとか。経歴などは詳しくわかりませんが、医療関係の仕事に就いていたわけではなさそうです。つまり「医者らしい知識」は皆無に等しい。

 いったいこの女性は何がしたかったのか、理解に苦しんでいます。実際に医師として勤務したわけではありませんが、ばれなければ診療をすることになったはず。その時に、どうすれば医者らしく振る舞えると思ったのでしょう。

 循環器内科というと心臓の病気を扱います。診察技術はそうとう高度。心電図、レントゲンなどは読めないといけない。ここまではそれでも何とかなるかも。患者さんと話をし、形だけ聴診器をあてれば「医者らしく見える」でしょう。心電図やレントゲンは技師が検査してくれますし、だいたいの心電図にはコンピューターが内蔵され、自動で解析し、結果をプリントアウトしてくれます。レントゲンもながめているだけで格好はつきます。

 しかしそれ以上のことになると、まず無理でしょう。超音波検査で心臓の様子を見るなんて、不可能。心臓カテーテル検査に至っては、それがなんであるかも知らないでしょうし、もし知らないのに行おうとしたら、患者さんを傷つけ、危険にさらすことになります。

 そんなふうに考えると、この人はいったい何のために医者だと名乗って県立病院に就職しようとしたのか、皆目分かりません。何もできないことがわかっているのに、そして早晩発覚してしまうのも目に見えているのに・・。

 医者の仕事を甘く見た? 本当は仕事に就くつもりがなく、その前に逃げ出すつもりだった?

 気にする必要はないのでしょうが、でも気になっています。

投稿者 tsukada : 2010年05月14日 23:59