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2010年04月23日

NHKでも報道(3)

 先週の話なので、もう旧聞になってしまいました。タイムリーではなく申し訳ありません。

 NHKのローカルニュース(新潟県内)で病児保育のことが2日にわたり特集され、その1回では当院のわたぼうし病児保育室の取り組みが紹介されました。

 NHKが本格的に病児保育についての放送をしたのは、当地では初めてのこと。女性の就業をささえ、社会のセーフティーネットであることがしっかり知られるようになったからなのだと思います。

 しかしまだ大多数の方に認知していただいているという状態ではありません。特集を組むにあたってもいろんな議論があったようにも聞いています。

 思い起こすことがあります。数年前に同じNHK新潟放送局のディレクターが当院に来られました。病児保育について関心があり、とくに当院の実践を取り上げたい。できれば全国放送の番組の中で・・。

 打ち合わせを続けていましたが、最終的には企画はボツになったようです。当時はまだあまり知られておらず、取り上げ方が難しいという理由だったように聞いています(知られていないからこそメディアは積極的に放送すべきでしょう、という突っ込みはしませんでしたが)。

 あるいは・・邪推ですが、一民間企業のことを放送することが「公共放送」であるNHKの方針に反する、などという意見があったのかもしれません。(同じようなことを、ある公共的な団体からさかんに言われたことがあるもので、「被害妄想」なのでしょうが)

 いずれにせよ、今回は違いました。病児保育という子育て支援策が広く知られるようになり、その意義についても十分に認められるようになりました。実績もたっぷりとあります。これからの社会にとって、なくてはならないものになりました。そんな状況が、NHKの放送を後押ししたのでしょう。

 特集の最後に取材した記者の方が語ってくださいました。「病児保育は医療関係者の善意で成り立っている。少子化が進んで労働力人口が減っていく中で、病児保育は安心して子育てをしながら働くという意味で社会のセーフティーネットと言える。だからこそこの病児保育を医療関係者などの善意にまかせるのではなく、しっかりとした医療制度、あるいは社会保障制度として確立することが必要だ」

 これほどハッキリ言って下さったのは、私の知る限り初めてのことです。嬉しいです。現状をみつめ、今後のありようを考えると、当然の結論でしょう。

 さてこれでまた私たちに課題が与えられました。病児保育を運営するものとして、次に何をしていけばいいか、じっくり考えていきたいと思っています。

投稿者 tsukada : 2010年04月23日 23:59