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2009年07月17日

新型インフルエンザ用ワクチン(1):効果

 新型インフルエンザ対策の一つとして注目を浴びているのが「ワクチン」です。あらかじめ予防接種を受けていると、新型インフルエンザが流行してもかからないか、かかっても軽くすむはず、と。

 しかしこのワクチンは、実はいろんな問題をもっています。まずはその効果・・これから製造が始まるわけで、これまで新型インフルエンザ用のワクチン接種を受けた方は誰もいません。とうぜんですが、その効果が確かめられたわけではありません。

 季節性インフルエンザについてはこれまで接種が行われています。効果があるので、毎年ワクチンが作られています。しかし、その効果がすべての方に十分に現れるということではありません。

 ワクチン接種を受けると抗体ができるはずなのですが、そのでき方は個人差があります。インフルエンザ・ウイルスはその形をどんどん変えているので、ワクチンを作るために選定した〝株〟があわないと、効果はおちてしまいます。

 いろんなことが重なって、現在行っている注射によるワクチンには限界があるようなのです。ウイルスの侵入口になる鼻や喉の粘膜に免疫をつけるというワクチン(鼻に噴霧するワクチン)が開発されたのも、こういった経過があるからです。(このワクチンはすでにアメリカなどで実用化されていて、いずれ日本でも使われることになるでしょう。効果も期待できますし、何より注射ではないので、痛がらせずにできるのが魅力!)

 新型インフルエンザのワクチンが製造され、実際に使われるようになるのは11月とか12月くらいから、と言われています。そこから接種を始めるわけですので、効果があるのかどうか、どの程度の効果なのか、どんな人にとって接種する利益があるのか、などは、その後に検討し、しだいにハッキリしてくるでしょう。

 もしかしたらものすごくよく効くワクチンで、すべての方に接種してもらうと、新型インフルエンザの流行がパタッととまる、ということがあるかもしれません。逆に、全く効果がなく、接種をするだけ無駄だということになるかもしれません。

 効果の点でどうかという最も基本的なことが全く分かっていません。

投稿者 tsukada : 2009年07月17日 18:53