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2009年07月06日

2つの講演会

 新型インフルエンザについてニュースになることが、このところ少なくなってきました。大騒ぎせず、冷静に対応しているとしたら、それは良いことです。でも、関心がなくなり、必要な情報が伝わらなくなっているとしたら、それは問題でしょう。

 アメリカでは確認された患者数が3,000名を超えています。アメリカは当初よりサンプル調査です。さらに、日本のように発熱くらいでは医療機関にかからず(かかることができず、と言ったほうがいいかも)、自己判断で薬局の市販薬ですませているようです。そのため、本当の患者数は報告数の数倍以上だとずっと言われています。

 アメリカCDC(疾病予防管理センター)のコメントでは、新型インフルエンザ患者はすでに100万人以上いると推測しています。ものすごい数です。すでに普通にまん延している状態です。

 日本では確認された患者数は1,000名を超えました。日本は途中までは新型インフルエンザの疑われた患者さんはすべてPCR検査をし、“白黒”をはっきりさせていました。しかし、先月後半から全数調査をやめています。それでも、毎日数十名ずつ患者数が増えています。やはり本当の患者数はそうとう多いと考えるべきでしょう。

 今冬を迎えている南半球では大流行。おそらく北半球でも数ヶ月後には、やはり大流行になると推測するのが正しいかと思います。

 世間では何だか忘れられようとしている(?)新型インフルエンザですが、私は心配です。肝っ玉が小さいからかも。あるいは心配症なのかもしれませんが、何らかの対応をしていないと気が気ではありません。

 先週は新型インフルエンザについて講演会を2つ受けました(3つ目もあったのですが、これは講師の都合で延期なりました)。いずれも大学の教授でしたが、それぞれの専門の立場から、これまで分かってきたこと、今後の見通し、そして何をすればいいかを教えていただきました。

 といっても一つの“正解”があるわけではありません。相手はウイルスという生き物。そして私たちが初めて経験する生物。何がおきるか分かりません。その時々で、正しい知識のもと、考えを巡らせながら、うまく対応していければいいなと考えています。

 お二人の講師が共通してお話されていたのは、恐れる必要はないかもしれないが、けっして侮るな、ということ。相手を知り、見くびることなく、適切に対応していくことが必要です。

 当院では「隔離棟」を新築し、新型インフルエンザが流行してもある程度は対応できるようにしようと考えています。それに加えて、どのように診療をすすめればいいか、といったソフトの面でも、これからしっかりと詰めていこうと思っています。

 先週の2つの講演から、対応策のヒントをつかむことができました。診療をしながら、こういった研修会に参加するのは大変ですが(もう歳?)、でも得るものも大きいようです。

投稿者 tsukada : 2009年07月06日 19:57