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2009年07月03日

発作のトリプル要因

 今夜は大雨。やっぱり梅雨らしいお天気です。そのためか、喘息発作を起こしている子どもたちが少なくありません。

 喘息は「気象病」だとも言われるとおり、天候が大いに影響します。とくに急にお天気が悪くなる時に発作になってしまうようです。

 春先の“春一番”がふくとき、梅雨時で急に雨になるとき、そして秋口の秋雨前線が発達したり台風が通過したりするとき・・喘息の発作をおこしやすい「3大シーズン」です。

 昨日は診療時間の終了間際に大きな発作をおこして駆け込んできた子どもがいました。それも2人! いそいで吸入と点滴をし、ある程度良くなってから帰宅してもらいました。

 2人とも小学生で、同じ程度の強さの発作。幼児期はときどき発作をおこしていましたが、最近はずっと具合が良かったというのも同じ。発作をおこした状況、外来にとびこんできた時間、そして治療内容まで同じでした。

 もう一つ偶然がかさなっていました。血液検査をしたら、2人とも「マイコプラズマ感染症」をおこしていました。マイコプラズマは気管支の粘膜を荒らす働きが強く、気管支炎や肺炎をおこします。もしかかると、とても強く咳が出ますし、長引くこともあります(ときには数ヶ月続きます)。

 もともと喘息の体質があったところに、梅雨という気象条件、そしてマイコプラズマの流行という悪条件が一挙に重なっておきた発作だったようです。こんなこともあるんだな、と思いながら、時間外の処置に付き合っていました。

 さてさて梅雨はまだしばらく続きます。体調に気をつけてお過ごし下さい。

投稿者 tsukada : 2009年07月03日 23:59