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2009年07月31日

まだ梅雨です

 7月も今日で終わりです。当地では梅雨がまだあけていません。

 夕方医院に残って仕事をしていましたが、外が真っ暗になり、雷が鳴り出しました。そして大降りの雨。

 こんなお天気なので、夏気分(?)にはまだなれないでいます。

 日照不足や低温のために、農作物に悪い影響が出始めています。野菜の収穫量が減って、価格が高くなってきているようです。

 お米の生育が悪くなるようなら大変です。新型インフルエンザの流行といっしょに、お米不足も私たちにおそいかかってくるかもしれませんね。困ったことです。

投稿者 tsukada : 21:51

2009年07月29日

JCV15周年記念誌より

 当院がずっと支援してきたJCV「世界の子どもにワクチンを-日本委員会」が設立から15周年を迎えました。

 それを機会に記念誌が作られました。その中に、私も少しだけ書いたのでご覧下さい。(以下は記念誌からほんの少しの抜粋です)

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ワクチンさんへ

 あなたたちは私たちを病気から守ってくれているですよね。心強い味方です。ほんとうにありがとうございます。

 世界中で活躍していますね。ワクチンのことがニュースにならない日はないくらい。新型インフルエンザがパンデミック(世界規模の大流行)になったから、もうすぐあなたの新しい仲間が誕生することでしょう。

 でも心配なことがあります。せっかくワクチンがあるのに、それを使ってもらえない子どもたちがいるということ・・。

 経済的に恵まれない国や地方に生まれたというだけで、病気になっても仕方ないなんてことはないですよね。むしろそういった子どもたちこそ、病気から守ってあげなくてはいけないのに。

 世界中の子どもたちを助けようと、JCVの人たちは頑張ってきました。「世界の子どもにワクチンを」という名前を、もっと多くの人たちに知ってもらえるといいな。そうすれば、ワクチンさんにもっと活躍してもらえますね。
 
 これからも頼りにしていますよ。よろしくね、ワクチンさん!

             塚田こども医院院長・塚田次郎

投稿者 tsukada : 12:03

2009年07月28日

祇園の祭り

 上越祭りは後半に入りました。直江津地区では各町内で御輿や屋台の引き回しをしています。

 まだ梅雨があけておらず、お天気を心配しながらのお祭りになっています。でも今日は晴れ間も見えてきました。

 医院の近くにもお神輿などがやってきます。子どもたちも元気よく参加していました。

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 わたぼうし病児保育室からは外の様子がよく見られます。熱を出したりして具合の悪い子どもたちをお預かりしていますので、屋外に出すわけにはいきませんが、部屋の中でもいっしょになって「わっしょい、わっしょい」とかけ声をかけていました。少しはお祭り気分を感じてもらえたようですよ。

投稿者 tsukada : 11:29

2009年07月27日

蓮祭り

 市内の高田城跡公園では「蓮祭り」が行われています。お城の周りに作られたお堀に、蓮が大量に植えられています。その規模は「東洋一」と言われているそうです。

 昨日は愛犬と一緒に、その蓮祭りを見てきました・・わんちゃんにとっては、ふつうに散歩しただけでしょうが。

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 今年もお堀の水面いっぱいに、蓮が花を咲かせています。梅雨がまだあけていませんが、その分、長く咲き続けてくれそうです。(いつもの年はお盆過ぎには咲かなくなります)

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 公園の中には噴水もあります。暑い日は涼を楽しんで下さい。

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投稿者 tsukada : 17:44

2009年07月26日

夏祭り

 西日本ではめちゃくちゃな豪雨になっています。死傷者も少なくないようです。被災された方々に、心よりお見舞い申し上げます。

 新潟もまだ梅雨明けがあけていません。当地(上越市)では夏祭りが始まり、今日は花火大会。開催はしているのですが、お天気のことを心配しながらのお祭りになりました。

 実はお祭りが始まっていることに気づきませんでした。数年前までは最初の日にもう一つの花火大会があり、それも我が家のすぐそばで行われていました。意識せず(?)お祭りの始まりを体で感じることができたというしだいです。それがスポンサーが集まらないということで中止になり、今では個人的にはとても寂しいお祭りになってしまいました。

 この土地に生まれ、この土地に育ち、この土地で子育てをし、今もこの土地で仕事をし、生きている私としては、土地の祭りすら関心がなくなってしまったことは、もしかしたら何かの危険信号なのかも。

 もし自己弁護することを許していただけるようであれば・・先週は当地で3人目の新型インフルエンザ患者が確認され、当院での対応もすべて見直すことになりました。先月から計画している「隔離棟」の設計図ができ、建築許可もおりたところです。そんな慌ただしさの中で、日常を忘れてしまっていた、ということでしょうか。

 もっとも私にとっては、ばたばたした小児科医療の最前線が「日常」です。きっと周りからは異様に見られていることでしょうね。

投稿者 tsukada : 23:07

2009年07月25日

今週の感染症情報

○マイコプラズマ
△水ぼうそう
△溶連菌感染症
△ウイルス性胃腸炎
×インフルエンザ
×おたふく
×麻疹
×風疹

 --------------

 マイコプラズマ感染症はまだ目立っています。咳が強く、ときに喘息発作を誘発します。

 胃腸炎などは少なめ。他にも大きな流行はおきていません。

 ・・・・

 新型インフルエンザが今週も上越市内で確認されました。渡航歴のない小学生で、どうも隠れた感染拡大が少しずつおきているようです。

 保健所の指導により、熱、咳などのある方は院内ではマスクを着用してもらっています。私たち職員も診療中はマスクをしています。

 夏場ですが、患者発生はこのまま続くようです。ご注意下さい。

投稿者 tsukada : 12:54

2009年07月24日

苦しい〜

 新型インフルエンザの発生が拡大していることを受けて、昨日から診療中はマスクを着けています。診療している患者さんの中で、万一新型インフルエンザがいても、私自身が罹患することを防ぐための対応です。

 保健所からは職員全員が一日中マスクを着用するように求められました。もしマスクをせずに新型インフルエンザの患者さんを診療したら「濃厚接触者」と見なされるとのこと。マスクの効果がどれくらいあるか不明ですが、そこまで言われれば従わないわけにはいきません。

 もちろん医療関係者が患者になったら、来院されたほかの人たちに移してしまう可能性があります。とくに医者が患者になってしまったら、診療がストップ。多くの患者さんに迷惑をかけることになります。そしてそれが新型インフルエンザが大流行している中であれば・・大混乱になってしまうかもしれません。

 マスクを着けるようになって2日。まだ始まったばかりですが、実のところ、マスク着用をずっと続けることになるかと思うと、ちょっと気が思いです。息苦しいんです。

 私たちが着けているのは「サージカルマスク」と呼ばれるもの。外科医が手術のときに使える程度の基準で作れられています。強毒性のウイルスであれば、さらに上の基準の「N95」というマスクが必要です。そこまでではないけれど、一般に売られているマスクよりは空気の通る穴が小さくなっています。

 そのサージカルマスクを診療中はずっと着けています。けっこうきついですね。酸欠状態になるわけでもないし、必要な空気は吸えているはずです。でも意識して呼吸をしている、って感じです。

 早くこんな思いをしなくてすむようになるといいなと思います。たった2日でもうネをあげている院長です(-_-)

投稿者 tsukada : 23:59

2009年07月23日

「わたぼうし広場」より

 先日行われた「わたぼうし広場」の様子を写真でお伝えします(7月18日)。

 とても多くの方にご参加いただき、楽しく過ごすことができました。保育士の手作りおもちゃもご覧下さい。

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投稿者 tsukada : 17:05

新型インフルエンザへの新しい対応

 昨日、市内で3例目の新型インフルエンザ患者さんが確認されました。保健所からの指導もあり、当院では次のように対応いたします。

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来院の方へのお願い

  《新型インフルエンザ発生のための対応》

 上越市内では先週末、海外からの帰国者に新型インフルエンザ患者の発生がありました。あらたに海外渡航歴のない10歳代女性(小学生)も新型インフルエンザであることが確認されました。当地域でも流行が拡がっている可能性があり、十分な注意が必要です。
 当院では保健所からの指導にもとづき、次のように対応いたします。

1.発熱、咳、鼻水などの症状のある方はマスクを着用するなど、ほかの方にうつらないように配慮して下さい。
2.手洗い、うがいなども励行して下さい。玄関などに消毒用アルコールを用意しています。
3.海外渡航歴のある方(1週間以内)、周囲に新型インフルエンザ患者が発生しているなど、新型インフルエンザが疑われる方は受付でお話し下さい。必要に応じて隔離室などにご案内します。
4.職員は必要に応じてマスクを着用しています。検体採取などのときには、感染が拡がらないような対応をさせていただきます。
5.流行がさらに拡がってくる場合には、診察時間を分けるなどの対応をとることを検討しています。

 新型インフルエンザ流行が不必要に拡大しないよう、みなさんのご協力をよろしくお願いいたします。

投稿者 tsukada : 16:17

2009年07月22日

日食に感動

 見ました! 世紀の天体ショー、日食を。世の中が大騒ぎしている皆既日食ではありませんが、部分日食も感動モノでしたよ。

 朝はまだ曇っていましたが、午前の途中から厚い雲がとれてきました。11時くらいだったでしょうか、診療の途中を失礼して、外に出て、そして見上げてみました。

 失敗して感光してしまい、真っ黒になったレントゲン・フィルムがあったので、それをフィルターにして太陽を見てみると・・まん丸い太陽が“三日月”になっていました。

 新潟では太陽の下の方を、右から左に月が横切るような形で日食が進みました。最大では7割ほどの太陽が隠れたようです。けっこうしっかりした日食でした。

 その感動もみんなで分かち合おう!ということで、職員にも代わり代わり見てもらい、ちょうど来院されていた患者さんや親御さんにも声をかけて、みんなに見てもらいました。通りがかりの近くの方にもね。

 みんなにも本当に感動してもらいました。「今日具合が悪くなって受診して良かった」とか、「今日仕事に来ていて良かった」なんて声もありましたよ。

 日本中で「皆既日食」のことだけが大きく話題になっていたので、勘違いしていました。日本中で「日食」が見られました。部分日食だってすごいんだよ、ってもっと言ってくれればよかったのに。

 それに皆既日食が6分ほどだということも繰り返し言っていましたが、それもミスリードしていたようです。2時間ほどという、とても長い時間、日食を見ることができたのです。

 こんなことならもっとちゃんと準備しておけば良かったな。写真も撮りたかったな・・なんて気持ちにもなりました。

 次に日本で皆既日食が見られるのは26年先だとか。2035年。私は78歳になっています。ぜひ次は皆既日食を見てみたいですね。それまで元気にしていられるかな。それもちょっと心配です。

 部分日食はときどきあるみたいですので、それまでの間、部分日食を楽しんでいようかな。それに天体のことも、ちょっと関心がもてました。老化防止のために、少し勉強してみようかな・・。

 実はもう天文学についての雑誌や本を買ってきています。気が早いのが私のとりえ。「そして熱しやすく冷めやすい」という日本人の血がしっかり流れているのも、私です(-_-)

投稿者 tsukada : 23:59

2009年07月21日

明日は日食

 先週末に当地でも新型インフルエンザ患者さんの発生があり、緊張しましたが、今日は心配される方はおられず、ひとまずほっとしたところ。でも全国的にはじわりじわりと患者数が増加中。気をつけながら診療のあたりたいと思います。

 連休のニュースでは夏休みに入った子どもたちの話題などがよく取り上げられていたようです。でもここ新潟では、もう少し1学期が続くようです。今週金曜(24日)あたりが終業式というところが多いようですね。

 当地の梅雨開けはまだです。今年は少し遅いのかも。今日もときおり強い雨が降っていました。

 報道では西日本、とくに山口県などで猛烈な大雨になり、大きな災害がおきているようです。被災された方にお見舞い申し上げます。

 明日は日食が日本でも見られます。皆既日食になるのは南の方のごく一部ですが、日本のどこからも部分日食は見られるとのこと。少ないところでも50%ほどは欠けるそうです。

 天文学ファンではなくても、“世紀の大イベント”に心躍らせている方も多いことでしょう。子どもたちもみな楽しみでしょうね。

 でもお天気が心配。新潟は晴れるという話もありますが、全国的には雨や曇りが多いようです。さて、どうなるでしょうか。

 もし日食が見られるようでも・・決してそのまま太陽を見ないようにして下さいね。サングラスや黒い下敷きなども危険。必ず専用の観察用眼鏡をして下さい。

 あるいは、紙にピンホール(小さな穴)をあけ、もう一枚の紙に日光をあて、それを間接的に見るようにして下さい。くれぐれも事故のないように、お願いしますね!

投稿者 tsukada : 23:59

2009年07月19日

夏山での遭難

 北海道大雪山系で大きな遭難事故がおきました。悪天候の中で遭難し、10名もの方が亡くなりました。死因は皆さんが凍死。中高年向きのツアーだったとのことで、亡くなった方は大半が60歳台でした。

 当日は北海道を低気圧が通過し、猛烈な風雨にさらされ、まるで冬山のような状況だったとか。さらにいろいろな要素が加わり、最悪の事態になったようです・・旅行会社が企画したツアーで、現地で初めて会う方が大半。ガイド3名中2名は初めてのコース。比較的年齢の高い方が多かった。日程に余裕がなかった(予備日を作っていなかった)。本格的な冬山用の装備は求めていなかった。

 自然が大好き、山歩きが大好き・・そんな方々が参加されたのでしょう。きっと体力にも自信があったのかもしれません。でも、やっぱり自然は脅威になることもあります。事故に遭われた方のことをとやかく言うのはしのびないのですが、でもどこかに間違いがあったのではないでしょうか。

 この事故のニュースを聞いて思い出されるのが『八甲田山死の彷徨』という小説です(新田次郎著)。明治35年(1902)1月23日に青森県で実際におきた事故をもとに描かれています。

 冬山での訓練のため、弘前の第31連隊が冬の八甲田山を踏破する行軍訓練に出発。210名の参加者が雪道で迷い、最終的に199名が亡くなったというものです。その原因は厳しい気象条件のほか、稚拙な装備(換えの手袋すら持っていなかった)、指揮系統の混乱、情報不足などがあげられています。

 今回起きた北海道での悲劇とは違う部分も多くあります。季節は片や夏で、片や冬。民間人と軍人。中高年と青壮年。参加者のことをお互いがほとんど知らない団体と、規律のしっかりしている軍隊。近代装備が可能だった人たちと、最初から貧しい装備しかできなかった人たち。

 そんな違いはあるけれど、荒れ狂った自然の中で放り出されれば、最悪の事態になってしまうのは同じです。十分な事前の準備がなかったのも同じ。登山や行軍に困難な状況が出てきたとき、それをきちんと認識し、中止したり引き返したり、すぐに救助を求めるという慎重さがなかったのも同じ。

 片はレジャー、そして片や練習。命をかけてまでしなくてはいけないものではありません。結果として多くの方の命が粗末に失われたことを、深い悲しみとともに憤りを感じます。

 同じようなことが今後おきないよう、しっかりと教訓にしてほしいものです。それでなければ、失われた魂が救われることはないように思います。

投稿者 tsukada : 19:44

2009年07月18日

今週の感染症情報

○マイコプラズマ
△水ぼうそう
△溶連菌感染症
△ウイルス性胃腸炎
×インフルエンザ
×おたふく
×麻疹
×風疹

 --------------

 大きな流行は今週もおきていません。マイコプラズマ感染症がやや目立つ程度。

 暑いためにあせも(汗疹)、とびひ(伝染性膿痂疹)などの皮膚のトラブルが増えてきました。

 ・・・・

 新型インフルエンザの患者さんが上越市内で初めて確認されました。患者さんは40代主婦とその娘の幼児の2人です。

 6月30日からフィリッピン旅行に出かけ、今月10日に成田空港に帰国。成田市内のホテルに1泊したあと、自家用車で帰宅しました。12日に母親に咳などの症状があらわれ、15日までに2人に発熱をし、その後受診した医療機関でインフルエンザAと診断され、17日にPCR検査で新型インフルエンザと確認されました。

 旅行に同行していた夫は症状がなく、検査でも新型インフルエンザには罹患していないことが確認されています。

 お二人とも抗インフルエンザ薬であるタミフルを服用しながら自宅で療養して、快方に向かっているとのことです。

 上越市と保健所では、患者さんの行動が限定的で、周囲に拡大させる可能性は少なく、学校・園やイベントの休業や中止は必要ないとしています。

 新型インフルエンザは夏場でも日本中で少しずつ感染が拡がっています。秋以降には大流行になることでしょう。
 
 日ごろから手洗いやうがいを励行し、体調の悪いときにはマスクをし、咳やくしゃみを他のひとにかけないように配慮していて下さい。

投稿者 tsukada : 17:49

2009年07月17日

患者発生!

 夜になって新しいニュースが飛び込んできました。当院のある新潟県上越市で初めての新型インフルエンザ患者が発生したという報道です。

 フィリッピンから帰国した母子2人が発熱などの症状があり、16日市内の医療機関を受診。いずれの方も簡易検査でインフルエンザA型陽性であり、その後のPCR検査で新型インフルエンザであると確認されました。すでにタミフルを処方され、快方に向かっているそうです。

 夫には症状がなく、検査でも陰性。また帰国後の行動調査などからは、他に濃厚接触者はいないと見られ、保健所や市では、今後感染が拡大する可能性は低いとしています。

 市からは、保育園・幼稚園・学校などの休園(休校)や、イベントの中止など、特別な対策はもとめないとの連絡が入っています。

 実は当院では、併設しているわたぼうし病児保育室の「わたぼうし広場」というイベントを明日予定しています。通常の病児保育ではなく、健康な子どもたちが対象の行事です。もしも感染が拡大する心配があれば中止する必要がありますが、今回は予定通り開催をいたします。

 ご参加いただくお子さんや親御さんには、発熱などの症状がないことを確認し、手洗いやうがいなどの対応を徹底するように努めます。ご理解とご協力をよろしくお願いいたします。

投稿者 tsukada : 20:15

新型インフルエンザ用ワクチン(3):政治

 新型インフルエンザ・ワクチンをどのように導入するかは、医学的にとても高度な判断が必要です。しかし実際はどうも政治的に判断されつつあるようで、心配しています。

 先日(10日)桝添厚生労働大臣が、新型インフルエンザの接種対象を5,300万人とすると発表しました。財源や接種の体制を作るのは行政の仕事ですから、それくらいの規模になることを想定して仕事をすることは悪いことではありません。でも、先に接種する方針が決まり、接種対象が決まるものではないはずです。

 さらに、国内で製造できるワクチンの量が当初の見通しより少なくなり(来春までに3,000万人ほど)、不足分の1,500万〜2,000万人分は海外から輸入する計画だ、というのです。これには驚きました。

 世界中で、ワクチン製造に余裕があり、輸出もできるという国があるということがまず信じられません。仮に余裕があっても、そう簡単には輸出しないでしょう。

 自国民を新型インフルエンザから守るというのは、危機管理対策の基本。日本でそれができないというのは、それは日本政府の問題です(日本では通常のインフルエンザ・ワクチンの製造量が激減した経過があります)。

 それでも日本が輸入しようとしたら・・お金で〝買い付けた〟と世界中から非難されることでしょう。もしかかったときの抗インフルエンザ薬(タミフルなど)が備蓄され、必要であればすぐに受診ができるでしょう(パニックにはなるかもしれませんが)。薬もなく、医療事情の悪い発展途上国こそ、ワクチン接種が必要だとも考えられます。その資金を日本が援助するというのであれば、日本への評価は高まるでしょうが・・。

 桝添さん、あなたは政治家であり、医療の専門家ではありません。政策の立案にあたっては、もっと思慮深く、専門家の意見も十分に聞き入れてください。

 一説では総理大臣を目指しているのだとか。それだけの器があるのかどうか、心配です。・・もっとも、もし自由民主党の総裁になれたとしても、「野党」の党首で終わることになりそうですが。

投稿者 tsukada : 20:08

新型インフルエンザ用ワクチン(2):副作用

 新型インフルエンザ用ワクチンでもう一つ問題なのは、安全性が十分には確認されていない、ということです。同じように、誰にも使ったことのないワクチンです。何がおきるかを完全に予想することはできません。

 季節性インフルエンザのワクチンと同じ製法を用いることになっていますので、ある程度の安全性は確保されるでしょう。しかし、やはり完璧ではありません。

 ワクチンを含めてどんな医薬品も、安全性を確認するために動物実験を行い、人間に使用する際にも最初は健康な成人に対して行ってみます。それで大丈夫であれば、高齢者や子どもたちへも使用できるよう、しだいに対象を拡げていきます。

 日常的に使っている薬やワクチンは、そんなステップを踏んでいるのです。新型インフルエンザ・ワクチンが、こういったプロセスを経ないで、いきなり多くの国民に使われることになることにはどうしても不安があります。

 新型インフルエンザ・ワクチンについてはまだまだ分からないことがたくさんあります。効果という「利益」と、副作用という「不利益」をそれぞれきちんと見極めながら、丁寧に判断していかなくてはいけません。

 もしも新型インフルエンザが強毒性であり、多数の方の命を奪うことになるようであれば、そして効果が少しでも期待できるのであれば、広く接種を勧めることになるでしょう。その時には副作用のことは、多少は目をつぶってもらうことになります。

 一方で、新型インフルエンザが今のまま弱毒性であり、ワクチンの効果もさほど期待できないのであれば、ワクチン接種を積極的に行う意味合いは薄れます。副作用も無視できなくなるでしょう。

 そのバランスをどうとるか・・それは医学者の責任で判断させてもらいたい。すくなくとも、専門機関(厚生労働省ではない)や公衆衛生の専門医の意見を十分に尊重したうえで決定されなくてはいけません。

投稿者 tsukada : 20:00

新型インフルエンザ用ワクチン(1):効果

 新型インフルエンザ対策の一つとして注目を浴びているのが「ワクチン」です。あらかじめ予防接種を受けていると、新型インフルエンザが流行してもかからないか、かかっても軽くすむはず、と。

 しかしこのワクチンは、実はいろんな問題をもっています。まずはその効果・・これから製造が始まるわけで、これまで新型インフルエンザ用のワクチン接種を受けた方は誰もいません。とうぜんですが、その効果が確かめられたわけではありません。

 季節性インフルエンザについてはこれまで接種が行われています。効果があるので、毎年ワクチンが作られています。しかし、その効果がすべての方に十分に現れるということではありません。

 ワクチン接種を受けると抗体ができるはずなのですが、そのでき方は個人差があります。インフルエンザ・ウイルスはその形をどんどん変えているので、ワクチンを作るために選定した〝株〟があわないと、効果はおちてしまいます。

 いろんなことが重なって、現在行っている注射によるワクチンには限界があるようなのです。ウイルスの侵入口になる鼻や喉の粘膜に免疫をつけるというワクチン(鼻に噴霧するワクチン)が開発されたのも、こういった経過があるからです。(このワクチンはすでにアメリカなどで実用化されていて、いずれ日本でも使われることになるでしょう。効果も期待できますし、何より注射ではないので、痛がらせずにできるのが魅力!)

 新型インフルエンザのワクチンが製造され、実際に使われるようになるのは11月とか12月くらいから、と言われています。そこから接種を始めるわけですので、効果があるのかどうか、どの程度の効果なのか、どんな人にとって接種する利益があるのか、などは、その後に検討し、しだいにハッキリしてくるでしょう。

 もしかしたらものすごくよく効くワクチンで、すべての方に接種してもらうと、新型インフルエンザの流行がパタッととまる、ということがあるかもしれません。逆に、全く効果がなく、接種をするだけ無駄だということになるかもしれません。

 効果の点でどうかという最も基本的なことが全く分かっていません。

投稿者 tsukada : 18:53

明日は「わたぼうし広場」

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投稿者 tsukada : 17:21

2009年07月16日

炎上中

 昨日の猛暑日につづいて、今日も暑い日でした。昨日は最高気温が36.7度。今日はそれより下がり30度ちょっとだったようですが、それでも真夏日。梅雨明け前のたっぷり湿気をおびた空気が、体にまつわりついてきます。

 政治の世界もまた暑いようです。同じ自民党の中で、いまさら総理を変えようとか、そのままで総選挙につきすすもうとか・・。政治家は選挙がからむと燃えるのが習性のようですね。

 でもそんな混乱を見させられている私たちはとっくに気持ちが冷え切っています。誰が党首になり、総理大臣になっても、自民党が大敗し、政権を失うのは分かっているのですから。

 自民党が下野(げや)するのは良いことだと思います、自民党自身にとっても。日本をどんな国にしたいのか、すべきなのか・・初心にかえって見直すチャンスが訪れるのですから。

 そんなことでもない限り、世のこと、国のこと、そして世界のことを考え、論じることもないでしょう。もっとも、野党になっても無理なのかもしれません・・親の七光りで政治家をしているだけの方がおおいようですから。

投稿者 tsukada : 22:49

2009年07月15日

ここ数か月が勝負

 昨日の保健所との会議では、新型インフルエンザが引き起こすであろうパンデミックへの対応も協議されました。

 保健所の方がこれまでの対応を説明し(当地ではこれまでに患者発生がなく、電話相談が主な仕事だったとのこと)、国の新しい指針についての解説もしていただきました。

 国の対応策は内科など、大人の患者が主な対象のような印象があります。すくなくとも小さな子どもたちについて、あるいは小児科について詳しく書いたものがありません。

 指針には「患者:原則として外出を自粛し、自宅で療養。健康観察。」とあります。また「基礎疾患を有する者等:早期から抗インフルエンザウイルス薬を投与・・」ともあります。

 健康な小児が新型インフルエンザに感染した場合には、この指針に従えば、医療機関を受診するべきではなく(外出ができないのですから)、抗インフルエンザ薬(タミフルなど)も使うべきではない、ということになります。

 これは受け入れがたいでしょう。子どもが熱を出しても、新型インフルエンザらしい場合には家でそのまま休んでいてほしいと言っても、無理です。通常の季節性インフルエンザであっても、おそらくほとんどの子どもたちが受診をし、その大部分が簡易検査キットを使って検査を受け、インフルエンザと診断されれば抗インフルエンザ薬を使用しているのが実態です。

 季節性インフルエンザでは行われている医療を、新型インフルエンザの場合には行わない、ということを、親御さんが容易に受け入れるとはとても思えません。

 仮にその方針通りに行おうとしても、インフルエンザであるかどうかを推測することを親御さんに求めることは難しそうです。子どもが熱とだしたけれど、扁桃炎のようだから受診する・・いや、インフルエンザのようだから受診しない・・そんな判断はなかなかできないでしょう。

 診察をする私たち小児科医も難しい判断をせまられます。インフルエンザであるかどうかも、実は発熱から間がないと簡単にはできません。検査キットで陽性になるのは、発症から半日、あるいは丸一日ほど過ぎてからという場合が少なくないからです。

 そして決定的な問題・・それは季節性インフルエンザなのか、新型インフルエンザなのかを知る手段をもっていないということです。

 簡易キットでA型が陽性にでると、これまでは保健所に連絡して、さらにより詳しいPCR検査を行ってもらっていました。結果が判明するのは多少の日数が必要ですから、リアルタイムに診療できるわけではありませんが、それでも知ることができました。

 今後は「全数把握はしない」というのが国の方針。そうなると、通常の外来診療では「インフルエンザ」であるかどうか、までしか分かりません。そして、インフルエンザ患者はすべて同一の対応をすることになります(それしかできません)。

 結果として、やはり新型インフルエンザに限った特別な診療体制を作ることは、理論的にも実際的にも不可能だというのが、私たち小児科医の今の考え方です。

 そんなことを保健所の方にお話ししました。地域ごとの特性もあり、実際にそくした指針や行動計画を策定すること、そしてそれを急いで行うことがとても重要だという点は、きっとご理解いただけたのではないかと思います。

 保健所の方は、おそらくこの10月くらいにはパンデミックが当地域でも始まるだろう・・そんな見通しのもとに自分たちは仕事をしている、とおっしゃっていました。あと4か月もありません! それを聞いて、当院での対応をもっとスピードアップしていかなくては、とも思ったしだいです。

投稿者 tsukada : 17:35

猛暑日

 暑い!! 午後から市の乳幼児健診があり、出かけてきましたが、外はとにかく暑かったです。

 自動車のメーターには「39.5度」の表示が! これは路面温度をしめしていますが、ほとんどアスファルトが溶けそうな温度。車内のエアコンもなかなか冷えず、暑い中を運転してきました。

 もちろん健診の仕事はきちんとやってきましたが、いつもより疲れた感じ・・それも暑さが関係しているのでしょうね。

 医院に戻ってきて、エアコンの良く効いた部屋で休憩。冷えたアイスコーヒーを飲んで、また元気が復活です。

 今ほどネット上のニュースを見たら、当地は正午に36.3度になっていたとのこと。午後はもっと高くなっていたことでしょう。猛暑日の一日です。

 実は新潟はまだ梅雨が開けていません。それなのにこの猛暑・・こんな日がこれから毎日のように続くかと思うと、気が重くなりますね。

 外で作業をされている方々もたくさんおられました。園芸屋さん、道路工事の方、建設関係の方・・本当に暑いのにご苦労さんまでした。みなさん、熱中症には十分気をつけていて下さいね。

投稿者 tsukada : 16:32

2009年07月14日

麻疹ゼロをめざして

 今夜はある会議で保健所の方とお会いする機会がありました。テーマは2つ。1つは「麻疹対策」です。日本は世界で有数の(?)麻疹多発国で、対策の遅れは世界中から非難を浴びてきました。政府は重い腰をあげ、2010年までに日本から麻疹を排除するという目標をかかげて、やっと対策に本腰をいれるようになりました。

 当面は麻疹予防接種を小児期〜青年期までに2回は必ず受けてもらおうことになっています。麻疹ワクチンは1歳と小学校入学前1年間の2回接種を行っていますが(1期、2期)。昨年度からの5年間は、1回しかうけていない学童や生徒にも2回目の接種を行っています。中学1年(3期)か高校3年(4期)のいずれかで接種をしています。

 問題はその接種率。麻疹を制圧するには95%以上の子どもたちが確実に2回のワクチンを受けている必要があるといわれています。せっかく制度を作っても、誰も受けていないようであれば、これまでと変わりません。

 昨年度の当地域での接種率が報告されたのですが、1〜3期では目標を達成し、4期でももう少しでクリアするくらいになっています。全国的には8割台だといわれていますので、なかなかの成績。予防接種を担当している市役所が、繰り返し親御さんに案内をしたり、接種漏れのご家庭に個別に連絡をしたりした成果が現れているようです。

 もちろん私たち小児科医も健診などの機会を通して積極的に関わってきました。その“頑張り”も評価されてもいいだろうな、とも思った次第です。

 少し前までは、ワクチンは害がある、自然に病気になった方がいい、などと、もっともらしいことを言う小児科医もいましたし、マスコミもそれにすぐ迎合していたものです。今やワクチン接種によって麻疹を予防し、子どもたちの健康や命を守ることは当然のことととらえてもらえるようになりました。

 しかし麻疹が完全に制圧されたわけではありません。誰かの言葉ではありませんが、「麻疹患者が最後に一人になるまで徹底してワクチン接種を行っていく!」ことが必要です。まだまだ気をゆるめるわけにはいきませんね。

 今日の会議のもう一つのテーマが「新型インフルエンザ」。きっとこちらの方が重きがあったのでしょう。そして議論百出。私の血圧が上がったのも、実はこちらの方でした。

 そんな話題については、また明日報告しましょう。

投稿者 tsukada : 23:26

2009年07月11日

東京脱出

 所用で東京に出かけてきました。午前の外来が終わった後に出発し、夜にはまだトンポ帰り。新幹線などを使えば、はるか300キロ離れた田舎にいても簡単に日帰りができるようになりました。

 東京に着いたときよりも、夜になって帰るときの方が駅が混雑。それも元気いっぱい、これからが自分の時間だ!という様子の若者たちであふれ帰っていました。田舎ではとても考えられないことです。

 元気だということは、いいことでしょう、きっと。日本もまだまだ元気だということをしっかり感じて、今帰途についています。

 でも・・ちょっと疲れますね。やっぱり田舎暮らしの人間にはそれなりのペースがもうできています。いい歳をして、簡単には変えられそうにありません。

 行くときはちょっと東京に憧れて(?)ワクワクしながら出かけるのですが、すぐに“現実”に引き戻されます。それが私にとっては、ちょうどいいことなのでしょうね。

投稿者 tsukada : 20:51

今週の感染症情報

○マイコプラズマ
△ウイルス性胃腸炎
△水ぼうそう
△溶連菌感染症
×インフルエンザ
×おたふく
×麻疹
×風疹

 ・・・・

 マイコプラズマ感染症は目立ちますが、それ以外には大きな流行はありません。

 胃腸炎や溶連菌感染症はもともと夏には少ないので、このまま推移することでしょう。

 ・・・・

 新型インフルエンザの国内患者は2,000名を超えました。メディアでは騒がれなくなっていますが、毎日数十人ずつ増えていて“くすぶり状態”。今冬を迎えているオーストラリアなどでは大流行中。日本でも秋以降は一挙に流行する可能性が大です。

 普段から熱や咳などのでるときはマスクをするなど、感染予防に努めていてください。

投稿者 tsukada : 12:31

2009年07月10日

国内発生数

 昨日の院長ブログの追加です。新型インフルエンザの患者は、日本でも毎日数十人ずつ増えていると書きました。その根拠になるデータです。

2009071001.gif
   (国立感染症研究所・感染症情報センターのHPより)

 5月中旬に山が一つ(主に関西での高校生内のでの発生)。そのごはいったん下火になりましたが、6月中旬よりまた発生数が多くなり、6月末から7月のあたまは70-80人の発生が続いていました。

 ここ数日は発生が少なくなったかに見えますが、報告や集計の作業に日数がかかることを考えると、すでに2つめの山を越えた・・などとはいえないでしょう。

 きっとこのまま夏場も一定の患者発生が続くものと考えるべきかと思います。やはり日本でも新型インフルエンザは“普通によく見かける感染症”になりつつあるようです。

投稿者 tsukada : 08:55

2009年07月09日

新型インフルエンザ対策はゴーグルから

 新型インフルエンザの日本で確認された患者数は2,000名を超えました。補足されていない患者もそうとういるはずなので、実数は数千名にもなるかもしれません。

 夏場は発生が少なくなると言われていましたが、どうもそうではないようです。今でも毎日数十人ずつ増加しています。一挙に流行が拡大しているわけではなく、日本中に静かに、そして確実に拡がっています。

 日本とは季節が逆である南半球では新型インフルエンザが大流行中。季節性インフルエンザを混在しながらの流行ですが、州によってはインフルエンザの大半が新型だということです。少ない州でも半数は新型で占められています。

 日本でもどこかで、ドンと大流行が始まりそうです。徐々に患者数が増え、寒さなどの要因が加わると一挙に“燃え上がる”・・いや“爆発する”のかもしれません。

 そんな新型インフルエンザをどう迎え撃つべきかを考えています。一つの医院だけでできることは限られていますが、できることは何でもやっておこうと思っています。

 先週作ったのがこのめがね。私が診察や処置をするときに使います。

2009070901.jpg

 私はふだんでもめがねをかけていますので、ある程度は感染予防になっているはず(患者さんからの飛沫が直接、結膜に入り込むことを防いでくれている)。新型インフルエンザの患者さんの処置をするときには防護用のゴーグルをかけたほうがよいとされています。

 しかしゴーグルをしっかりかけると、なかなか仕事になりません。視野が遮られますし、顔も動かしづらい。その上、じきに曇ってきます。子どもたち相手の仕事をしているのに、マスクの上にさらにばかでかいゴーグルでは、子ども受けしそうにはありません。

 “強毒性”であれば仕方ありません。自分が不便でも、子どもたちに不評でもガマンしなくてはいけませんが、“弱毒性”なので完璧でなくてもいいかと思いました。

 眼鏡店にいって相談したところ、すすめてもらったのが“花粉症対策のめがね”。外から花粉が目にはいってきにくいように、めがねのフレームのまわりにカバーがついています。完全ではないまでも、ウイルスなどの飛沫がある程度は防げそうです。

 この“特殊めがね”のレンズを、近眼用の度付きレンズに変えてもらって仕上がったのが、この写真のゴーグルです。さほどいかめしい感じは与えませんし、仕事の上でもそれほど支障はありません。

 実に良いものを手に入れました。嬉しいですね。新型インフルエンザに限らず、伝染力の強い感染症の診療ではさっそく使いだしています。

 気になるお値段ですが、レンズを変えたのでずいぶんお高くなってしまいました。本体価格の約3倍。もし私が“めがね族”でなければ安く手にいれることができたのですが。余計なことをしたばかりに、余計な出費になってしまいました。

投稿者 tsukada : 15:31

2009年07月08日

ポール・スミスとマック

 私の好きなモノが2つ・・服のポール・スミスとパソコンのマック(マッキントッシュ)。それらが見事に融和した(?)写真が、この1枚です。

2009070801.jpg

 宣伝用にもらった葉書です。ずいぶん前、おそらく昨年でしょう、ときどき買い物をするショップから届きました。創業者のお名前がそのまま付いているブランドですし、ご本人もまだご健在のようです。(昨年2月5日の「院長ブログ」で取り上げました)

 いかにも英国!というような仕事部屋ですね・・って、誰が見ても分かりますよね。英国の国旗(ユニオンジャック)がテーブルの上いっぱいに拡げられているのですから。

 机の上にはパソコンが見えます。ずいぶん変わった形をしていますよね。これはアップル社のiMacというパソコンで、その第2世代です。本体がまん丸で、そこから細いアームが1本。その上にディスプレーが可動式に取り付けられています。当時としては(今でも?)とても斬新なデザインでした。

 パソコン歴約20年の私ですが、個人用に買ったすべてのパソコンはアップル社製。いわゆるマックです(ハンバーガーのマックではありません)。このiMacも気に入ったのですが、その前に出たiMacの第1世代がバリバリ動いていたので、購入する言い訳を作れず、やむなく断念した覚えがあります。

 ポール・スミスさんもマックのファンなのだな、と思ったら、とても嬉しくなりました。分野は違いますが、デザインという点ではきっと引き合うものがあるのでしょうね。

 そしてもっと驚きなのがiMacの本体に塗られた模様です。

2009070802.jpg

 印刷された絵葉書を拡大したので見えづらいのですが、お分かりいただけますか? ポール・スミス・ブランドではよく虹のような、鮮やかなストライプ柄を使っています。そのカラーが、このiMacに施されているのです。

 最近ショップの方から、この写真はポール・スミスさんご自身のお部屋なのだと教えて貰いました。アップル社は真っ白なiMac(第2世代)しか作っていませんでしたら(私の記憶ではそうです)、きっとポールさんがご自身でiMacにペインティングされたのでしょうね。

 やっぱりおしゃれな方です。そして、そんな方に見そめられたiMacもおしゃれなパソコンだということです。(そんな2つのブランドが大好きな私もおしゃれ・・って、言い過ぎですね。失礼いたしました)

投稿者 tsukada : 12:03

2009年07月07日

七夕(たなばた)

 今日は7月7日。七夕です。医院玄関の笹飾りには、今年も子どもたちの願い事が書かれた短冊がたくさん下げられています。

2009070701.jpg

 毎年不思議に思うのですが、七夕の願いは誰がかなえてくれるのかな? 織り姫と彦星が関係しているようですが、でも一年に一度だけ出会えるという忙しい(?)日なのに、他人のことなど構っていられないでしょうね。

 どうも今年はお天気が悪く、会えなかったようです。自分たちの願いもかなわないのですから、どうして“下界”の願い事に気をとめる余裕などありましょう。むしろ、いらいらがつのって、みんなの願いがかなわないようにジャマしようとしたりして・・。

 「願いはかなうものではなく、かなえるもの」・・そんな声がどこからか聞こえてきそうです。世の中、きびしいもの。なにごとも「自己責任」なのかもしれません。

投稿者 tsukada : 19:00

2009年07月06日

2つの講演会

 新型インフルエンザについてニュースになることが、このところ少なくなってきました。大騒ぎせず、冷静に対応しているとしたら、それは良いことです。でも、関心がなくなり、必要な情報が伝わらなくなっているとしたら、それは問題でしょう。

 アメリカでは確認された患者数が3,000名を超えています。アメリカは当初よりサンプル調査です。さらに、日本のように発熱くらいでは医療機関にかからず(かかることができず、と言ったほうがいいかも)、自己判断で薬局の市販薬ですませているようです。そのため、本当の患者数は報告数の数倍以上だとずっと言われています。

 アメリカCDC(疾病予防管理センター)のコメントでは、新型インフルエンザ患者はすでに100万人以上いると推測しています。ものすごい数です。すでに普通にまん延している状態です。

 日本では確認された患者数は1,000名を超えました。日本は途中までは新型インフルエンザの疑われた患者さんはすべてPCR検査をし、“白黒”をはっきりさせていました。しかし、先月後半から全数調査をやめています。それでも、毎日数十名ずつ患者数が増えています。やはり本当の患者数はそうとう多いと考えるべきでしょう。

 今冬を迎えている南半球では大流行。おそらく北半球でも数ヶ月後には、やはり大流行になると推測するのが正しいかと思います。

 世間では何だか忘れられようとしている(?)新型インフルエンザですが、私は心配です。肝っ玉が小さいからかも。あるいは心配症なのかもしれませんが、何らかの対応をしていないと気が気ではありません。

 先週は新型インフルエンザについて講演会を2つ受けました(3つ目もあったのですが、これは講師の都合で延期なりました)。いずれも大学の教授でしたが、それぞれの専門の立場から、これまで分かってきたこと、今後の見通し、そして何をすればいいかを教えていただきました。

 といっても一つの“正解”があるわけではありません。相手はウイルスという生き物。そして私たちが初めて経験する生物。何がおきるか分かりません。その時々で、正しい知識のもと、考えを巡らせながら、うまく対応していければいいなと考えています。

 お二人の講師が共通してお話されていたのは、恐れる必要はないかもしれないが、けっして侮るな、ということ。相手を知り、見くびることなく、適切に対応していくことが必要です。

 当院では「隔離棟」を新築し、新型インフルエンザが流行してもある程度は対応できるようにしようと考えています。それに加えて、どのように診療をすすめればいいか、といったソフトの面でも、これからしっかりと詰めていこうと思っています。

 先週の2つの講演から、対応策のヒントをつかむことができました。診療をしながら、こういった研修会に参加するのは大変ですが(もう歳?)、でも得るものも大きいようです。

投稿者 tsukada : 19:57

2009年07月05日

蓮が咲き始めました

 今朝、近くの公園を散歩しましたが、ずいぶん久しぶりだな、という気持ちがしました。平日はなかなか散歩にでれないし・・それに先週の日曜は休日診療所でお仕事していました。

 その前の日曜も何かしていたような・・どこで何をしていたということを、すぐに思い出せなくなっているのは歳のせい? それともアルツハイマー病だったりして。

 その高田公園では、お堀の蓮がずいぶんと葉を茂らせてした。今年の生育は順調ですね。中にはもう花を咲かせている蓮もあります。

2009070601.jpg

 例年よりも早く育っていますし、まんべんなく育っています。今年の蓮の花は、きっと見事に咲いてくれそうです。「地上の楽園」になるかも。楽しみにしていて下さい。

投稿者 tsukada : 19:02

2009年07月04日

今週の感染症情報

○マイコプラズマ
△水ぼうそう
△溶連菌感染症
△ウイルス性胃腸炎
×インフルエンザ
×おたふく
×麻疹
×風疹

--------------

 マイコプラズマ感染症がまだ流行しています。気管支粘膜をあらし、咳が強くなり、長びくのが特徴。
喘息の子は強い発作になることもあります。内服の抗生剤に効果があまりなく、点滴をすることが多いです。

 その他は少しずつの発生。水痘、溶連菌感染症などもあまり目立ってはいませんでした。

 ウイルス性胃腸炎(嘔吐下痢症)は少なくなりましたが、暑い時期は食中毒が心配。食品の衛生管理にも注意をお願いします。

投稿者 tsukada : 12:33

2009年07月03日

発作のトリプル要因

 今夜は大雨。やっぱり梅雨らしいお天気です。そのためか、喘息発作を起こしている子どもたちが少なくありません。

 喘息は「気象病」だとも言われるとおり、天候が大いに影響します。とくに急にお天気が悪くなる時に発作になってしまうようです。

 春先の“春一番”がふくとき、梅雨時で急に雨になるとき、そして秋口の秋雨前線が発達したり台風が通過したりするとき・・喘息の発作をおこしやすい「3大シーズン」です。

 昨日は診療時間の終了間際に大きな発作をおこして駆け込んできた子どもがいました。それも2人! いそいで吸入と点滴をし、ある程度良くなってから帰宅してもらいました。

 2人とも小学生で、同じ程度の強さの発作。幼児期はときどき発作をおこしていましたが、最近はずっと具合が良かったというのも同じ。発作をおこした状況、外来にとびこんできた時間、そして治療内容まで同じでした。

 もう一つ偶然がかさなっていました。血液検査をしたら、2人とも「マイコプラズマ感染症」をおこしていました。マイコプラズマは気管支の粘膜を荒らす働きが強く、気管支炎や肺炎をおこします。もしかかると、とても強く咳が出ますし、長引くこともあります(ときには数ヶ月続きます)。

 もともと喘息の体質があったところに、梅雨という気象条件、そしてマイコプラズマの流行という悪条件が一挙に重なっておきた発作だったようです。こんなこともあるんだな、と思いながら、時間外の処置に付き合っていました。

 さてさて梅雨はまだしばらく続きます。体調に気をつけてお過ごし下さい。

投稿者 tsukada : 23:59

2009年07月01日

7月です

 今日から7月。今年後半が始まりました。きっと次の秋か冬には新型インフルエンザが大流行することでしょう。そんな不安と心配をかかえながらのスタートです。

 各地で大雨の被害が出ているようです。やっぱり梅雨ですね。災害にも十分お気を付けてください。

 当地(新潟)では、今年の梅雨はあまり雨が降っていません。今日は雨が降っていましたし、夕方には一時強い雨になっていましたが、夜になったらまたやんでいます。

 湿度が高く、ムシムシとしたお天気はやっぱりイヤですね。早くカラッと晴れて欲しいです。

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 「こども通信」7月号を作りました。このHP内にアップしましたんで、どうぞお読み下さい。時節柄、新型インフルエンザがらみの話を書いています。

 その中で“注目の記事”が一つあります。新型インフルエンザへの対応として、当院がどう考え、何を決断したのか。ぜひご覧下さい。

 なお、メルマガとしても配信していますが、「まぐまぐ!」を通してお申し込みいただいた方にはまだお送りできていません。ちょうどきょうからメンテナンスのために配信できない状態になっているからです。数日で解消するようですので、しばらくお待ち下さい。(医院から直接配信している方にはすでに送信が完了しています。)

投稿者 tsukada : 21:22