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2009年07月17日

新型インフルエンザ用ワクチン(2):副作用

 新型インフルエンザ用ワクチンでもう一つ問題なのは、安全性が十分には確認されていない、ということです。同じように、誰にも使ったことのないワクチンです。何がおきるかを完全に予想することはできません。

 季節性インフルエンザのワクチンと同じ製法を用いることになっていますので、ある程度の安全性は確保されるでしょう。しかし、やはり完璧ではありません。

 ワクチンを含めてどんな医薬品も、安全性を確認するために動物実験を行い、人間に使用する際にも最初は健康な成人に対して行ってみます。それで大丈夫であれば、高齢者や子どもたちへも使用できるよう、しだいに対象を拡げていきます。

 日常的に使っている薬やワクチンは、そんなステップを踏んでいるのです。新型インフルエンザ・ワクチンが、こういったプロセスを経ないで、いきなり多くの国民に使われることになることにはどうしても不安があります。

 新型インフルエンザ・ワクチンについてはまだまだ分からないことがたくさんあります。効果という「利益」と、副作用という「不利益」をそれぞれきちんと見極めながら、丁寧に判断していかなくてはいけません。

 もしも新型インフルエンザが強毒性であり、多数の方の命を奪うことになるようであれば、そして効果が少しでも期待できるのであれば、広く接種を勧めることになるでしょう。その時には副作用のことは、多少は目をつぶってもらうことになります。

 一方で、新型インフルエンザが今のまま弱毒性であり、ワクチンの効果もさほど期待できないのであれば、ワクチン接種を積極的に行う意味合いは薄れます。副作用も無視できなくなるでしょう。

 そのバランスをどうとるか・・それは医学者の責任で判断させてもらいたい。すくなくとも、専門機関(厚生労働省ではない)や公衆衛生の専門医の意見を十分に尊重したうえで決定されなくてはいけません。

投稿者 tsukada : 2009年07月17日 20:00