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2009年05月31日

ホットな5月でした

 5月最後の週末・・全国的にお天気はあまり良くありませんでした。月の初めは大型連休でおでかけしていたぶん、昨日と今日は家でのんびりという方が多かったかもしれませんね。

 インフルエンザに煩わされた1か月でした。先週はやっと季節性インフルエンザの発生がなくなり、一息つきました。新型インフルエンザも全国的に下火になりつつありますし、当地ではこれまで発生がありませんでした。

 そう思っていたところ、新潟市で新型インフルエンザ患者の発生が初めて確認されました。一昨日アメリカから成田空港に到着した方ですが、機内ですでに発熱。機内検疫を受けたけれど“簡易検査”で陰性。そのままスルーし、相乗りタクシーなどで新潟市内の自宅に戻ってきたのだそうです。

 昨夜テレビを見ていたらニュース速報で流されました。とうとう新潟でも・・。今のところ接触は限定的であり、地域全体に流行に発展する可能性はきわめて低いようです。じっさい、学校の休校などは予定されていません。

 いっとき大騒ぎをしていた新型インフルエンザは、ニュース番組で取り上げられない日もでてきました。やっと冷静になってきたのだと思うのですが、まったく無関心になってもらっても困ります。頭の片隅にはたえず置いておきたいものです。

 今回、日本が初めて体験した新型インフルエンザ流行の第一波・・ここから何を学び、次に必ずやってくる第二波に備えるか、そこが大切です。以前、弱毒型であったことが幸いであり、よい予行演習になったと書いたのですが、もしかしたら逆になっているかも。

 どうせ弱毒型だから、どうせ空騒ぎになるだけだから、どうせ国の言うとおりにしたってはやるのだから・・。そんな気持ちをもたれたとしたら逆効果。秋以降に予想されている大規模な流行に、きちんと対応することができなくなってしまいます。そして、もし強毒性の鳥由来新型インフルエンザという“本命”が現れたら・・。足をすくわれかねません。

 いろいろとホットな5月でしたが、6月はどうなるでしょうか。クールに過ごせることを願っています。

PS この方の経過をみても、「機内検疫」がどれくらい意味があるか、ますます疑問になります。簡易検査は基本的には季節性インフルエンザの検出キットであり、新型インフルエンザのウイルスが正確に反応するか、公式に確かめられてはいません。発症から間がないと、すでに発熱などの症状が出ていても「陰性」となってしまうこともあります。見逃すことは実は多いわけですから、むしろ中途半端な検査はしない方が良いのでは。新型インフルエンザを疑わせる症状があれば、それなりの対応をすべきです。

投稿者 tsukada : 23:35

2009年05月30日

私はJIROH

 偶然というものはやっぱりあるのですね。時々不思議なことに出会います・・もっともそんなにしょっちゅうはありません。毎日のようにあれば、それは偶然とはいえないでしょうし。

 で、何が偶然かというと、お酒の「JINRO」にまつわる話です。韓国の焼酎で、漢字では「真露」と書きます。以前から気になり、一度のんでみようと思い、先日買っておきました。

 今夜は冷蔵庫を開けたときにそれを見つけ、初めて飲んでみました。焼酎は飲み慣れていないので、こんな味なのかと思いながらチビチビと口にしていました。

 テレビを見ながら、いつものように夕刊を開いたところ、そのJINROのを見つけたのです! 正確にはJINROのテレビCMについての記事。「もう死語になった“飲みニケーション”が、ラップの組み合わせで復活」という内容です。

 私が生まれて初めて飲んだJINRO・・その5分後にJINROについての新聞記事に出会うなんて、できすぎた偶然ですね。(これが作り話だったらしらけるでしょうが、ホントの話です)

 CMのことは知っていました。私も気になっていました。といっても私にとっては“飲みニケーション”は関係がなく、商品名が問題。

 私の名前「じろう」と似ていませんか。「N」をとれば私そのもの。テレビでこのCMが流れるたびに、どこかから自分を呼んでいるような気になっていたのです。(いつもは末尾にHを加えて、ちょっとカッコづけていますが)

 ちなみに私は今52歳。でも昔の友達からはまだ「じろちゃん」と呼ばれています(^_^;)

PS 初体験のJINRO・・焼酎を飲み慣れていないのか、私好みではないかも。アルコールが25度というのは、けっこうきついですね。しだいに意識が薄れてきました↓↓

投稿者 tsukada : 23:29

今週の感染症情報

○ウイルス性胃腸炎
○水ぼうそう
△溶連菌感染症↓
×インフルエンザ↓
×おたふく
×麻疹
×風疹
--------------

 胃腸炎の発生がまだ多い一週間でした。脱水になり、点滴治療を受ける子どもたちが目立ちました。

 季節性インフルエンザは今週の発生はゼロ。昨年12月から半年間もの間、連続して流行していましたが、ようやく終息でしょう。新型インフルエンザの発生も心配されていたので、今月はインフルエンザに振り回されました。

 痘は同じ程度にまだ発生しています。

 先週は多かった溶連菌感染症は、今週は減少しています。

投稿者 tsukada : 13:25

2009年05月29日

「やさいのようせい」

 当院待合室で展示をしている「ゆめいろ人形」が、このほど新しくなりました。地元の人形作家・小野裕子さんのオリジナルの作品で、当院のために特別に作っていただいています。

 どの作品にも、とてもかわいい子どもたちがたくさん。先生のイマジネーションが手の中で、新しい生命(いのち)となって、形になり、生み出されるのでしょう。

 今回のテーマは「野菜のようせい」。どうも夜な夜な、楽しいパーティーをしているようですよ。

 お近くの方はぜひ見に来てください。でも・・きづかれないよう、こっそりとお願いしますね。

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 夜中のキッチンは大にぎわいです。
 大きくなったモヤシのお姉さんが素敵なダンスを踊ります。
 さあ楽しいおしゃべり始めましょう。
 朝日がそっと覗き見するまでね。

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 出演:もやし/かぼちゃ/とまと/じゃがいも/なす/ぴーまん/こしょう/にんにく/ぶろっこりー/いちご/さやえんどう

投稿者 tsukada : 20:23

2009年05月27日

終息?

 このところずっとインフルエンザに振り回されてきました。季節性インフルエンザが春になってもずっと流行が続いていましたし、新型インフルエンザも国内のどこで、いつ発生がおきても不思議ではない状況でした。

 当院では先週まで季節性インフルエンザの患者さんを確認していましたが、今週はまだ見かけていません。どうやらやっと終息したようです。全国的にも同じ傾向のようですが、いくつかの県ではまだしぶとく発生しているとか。

 こんなにダラダラとインフルエンザ患者さんを見続けたのははじめての経験。インフルエンザは冬の感染症だと思っていましたが、その“常識”はもう通用しないのですね。

 5月に入って国内での流行が問題になっていた新型インフルエンザも下火に向かっているようです。関西での発生数は少なくなっていますし、関東での発生は散発的に、地域全体の流行にはいたっていません。

 終息したとは言えませんが、その脅威からはひとまず逃れることができたような気持ちです。

 「新型インフルエンザの流行が拡大中なので注意を」と呼びかけるポスターを医院入り口に掲げていましたが、本日、それを取り外しました。いざというときには保健所や市役所に連絡をしてほしいとするチラシも配布していましたが、それもいったん終わりにしました。

 もちろん油断大敵。もう手洗いもうがいをしなくても大丈夫、という意味ではありません。差し迫った危機はなくなったにせよ、日頃からの注意は必要です。

 新型インフルエンザはこのまま夏場にはいったん消えるかもしれませんが、秋以降はまた出現することでしょう。寒い冬に向かって、大流行になることも心配です。

 もしかしたら、そこに本命が加わるかも・・鳥由来の新型インフルエンザです。これは多臓器をおかす強毒性。豚由来の新型インフルエンザとは比較にならない事態になることでしょう。

 そんな意味でもこれからは「長期戦」で臨む必要があります。何がおきているかを把握しながら、クールに対応していくことにしましょう。

投稿者 tsukada : 19:33

2009年05月24日

今日の成果

 暑いと感じる日も多くなり、ストーブを焚くこともほとんどなくなりました。薪ストーブ大好き人間にとってはさびしい限りです。

 そろそろ次のシーズンに向けての準備を始めました。お休みの今日、たっぷり時間をかけて薪割りをしました。

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 以前は手作業で割っていましたが、今では機械だより。エンジン駆動の薪割り機のおかげで、太い丸太も割ることができるようになりました。

 これから夏と秋の2シーズン乾燥させれば、冬には燃えやすい良い薪になることでしょう。薪割りで汗をかきながら、もう寒くなるのが待ち遠しい私でした。

投稿者 tsukada : 18:20

2009年05月23日

今週の感染症情報

○ウイルス性胃腸炎↑
○溶連菌感染症↑↑
○水ぼうそう
△インフルエンザ↓
△プール熱
×おたふく
×麻疹
×風疹
--------------
 
 胃腸炎と溶連菌感染症がさらに増加。いずれも冬場に多く、夏には少ないとされていますが、もうしばらくは要注意。

 季節性インフルエンザは発生数が順調に減少。まだいくつかの学校での発生がありますが、ようやく終息に近づきました。

   ・・・・・

 新型インフルエンザについてはさかんに報道されています。関西ではすでに流行になり、首都圏でも散発的に発生しています。今後日本のどこで、いつ発生してもおかしくない状況です。

 症状は季節性インフルエンザと同じ程度と言われていますので、それほど怖がることはないようです。日頃から手洗いなどを習慣づけてください。

 もし熱、咳、くしゃみなどの症状があるときにはマスクの着用を。マスクは自分がかからないようにする予防効果はあまりありませんが、他人に感染させないためには必要です。

投稿者 tsukada : 20:03

2009年05月22日

中高年パワー

 新型インフルエンザについては毎日、多くのことが報道されています。今日はその中でも興味のあるものを見つけました。

 それは「1957年以前に生まれた人は、新型インフルエンザに対する免疫をもっているようだ」という内容です(アメリカCDCの発表)。

 メキシコやアメリカなどでの患者は若い人たちに多く、高齢者は少ないことが分かっています。日本でも今のところ高校生が中心です(日本の場合は、行動パターンの特異性によるものかもしれませんが)。

 以前から新型のインフルエンザが発生すると高齢者が重症化しやすいから心配だと言われていましたが、今回の豚由来の新型インフルエンザではそれがあてはまっていません。

 同じH1N1型のインフルエンザが「スペイン風邪」として流行していました。そこに「アジア風邪」が1957以降流行するようになり、それまでのスペイン風邪は地球上から姿を消していきました。

 つまり、1957以前に生まれた人たちはすでにスペイン風邪の“洗礼”を受けていて、免疫を持っている・・それが今回の新型インフルエンザに対する免疫になっている、というものです。

 1957年というと昭和32年。私の生まれた年であります。現在51歳または52歳以上の方には「朗報」といえるでしょう。

 もし日本で大流行となったさいには、医療関係者も感染する可能性が少なくありません。若いお医者さんや看護師さんがかかって、さらに重症になってしまっては大変。ここは中高年の出番!

 世の中の中高年諸君。歳をとるのもあながち悪いことではなかったですね。安心してくらして下さい。そして「中高年パワー」を結集して、新型インフルエンザに立ち向かっていきましょう!!

投稿者 tsukada : 23:59

新潟日報にも紹介されました

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PDFファイルはこちらです

投稿者 tsukada : 14:04

2009年05月21日

あなたは専門家?

 今日も新たな地域で、新しい新型インフルエンザの患者さんが確認されました。こんご首都圏でも流行がはじまり、ほかに地域への拡大していくおそれは十分にあります。

 兵庫県や大阪府の流行の様子はすでに「まん延期」といえる状態。新型インフルエンザ患者は特定の医療機関だけが担当し、甘受はすべて入院させるという政府の方針は、すでに“時代遅れ”となっています。

 検査についても、疑わしい患者についてはすべて遺伝子検査をし、確定させるという方針をまだ曲げてはいないようです。現場で何がおきているか、分かっていないのでしょうね。マスコミの質問に「WHOに人数を報告しなくてはいけないから」と厚生労働省の担当者が答えたというのですから、あきれます。木を見て森を見ず。

 それだけの労力と検査キット、そして予算があるのなら、今後発生しそうな地域にまわした方がよっぽど有効でしょう。兵庫県や大阪府がサンプル調査に切り替えようとしていますが、現実に即した対応がどうしてできないのでしょう。

 学校、幼稚園、保育園の休校(休園)の処置についても同じです。同じ市町村の中で一人でも患者発生があったら一斉に休みにする・・政府が自分で決めたマニュアルを、なんとしてでも守ろうとしていることに怒りすら覚えます。アメリカでは流行が始まった当初は休校するようにという指示をだしていますが、新型インフルエンザの性質がしだいに分かってきたため、その必要はないと、方針を変更しています。わずか数日で方向転換です。

 日本の対応のまずさが目立っています。水際作戦と称して、検疫を強化しましたが、時間稼ぎはできたのでしょうが、でも素通りしていた患者さんはいました。むしろ国内体制の整備が遅れたために、関西での大きな流行につながった可能性もあります。

 検疫については、WHOなどの専門機関は、かなり早い段階から「流行を防ぐことはできない」として否定的でした。それよりも、いずれおきる国内の流行に対応するように求めていました。日本があえてその方針を採用しなかったわけは何だったのでしょう。

 ついでに、あの検疫官の服装や防護のための道具についても批判があります。ものものしい格好をしているのは、新型インフルエンザから検疫官を守ろうとしてのこと。でも、もともとそれほどの重装備をする必要のあるウイルスではなかったようです。さらに、あの格好で仕事をしている中で、一人でも患者がいた場合には、それ以降に接触した人たちは「検疫官を通して感染が拡がる」可能性があります。

 そうならないようにするには、乗客一人ひとりに対して、ガウンなどはすべて使いすてにしなくてはいけません。使い回しの結果は、検疫をしなければおきなかった新たな感染を人工的におこしてしまうことにもなりかねません。検疫官をまもるための検疫体制?

 おかしいことは山ほどあります。マスクもそうです。患者がほかの人に移さない効果は一定の範囲であります。だから、熱をだしていたり、咳をしていたりしたらマスクを着用するよう指導することは意味のあることです。

 しかし、感染を予防する効果はさほどありません。普通の方々にマスク着用をうながしているのは、気分的な効果以外にはほとんど意味のないことです。

 どうも日本の対応が医学的に正しくなかったり、非科学的であったり、あるいは変更の時期が遅れていきがちなのは、対応している人たちが専門家ではないからです。桝添大臣は連日記者会見をしていますが、彼は政治学者であり医師ではありません。厚生労働省の中には医師が「医系技官」として働いていて、具体的な対策を作っていますが、彼らも医療の現場を十分に知っているわけではありません。感染症対策のトレーニングを受けた専門家というのも、ほとんどいないようです。

 政治家や官僚が必要になる場面もあるでしょう。しかし、感染症対策の陣頭指揮ができるのは専門家です。役人や政治家は、自分たちのすべきことと「してはいけないこと」、あるいは「まかせるべきこと」とわきまえるべきなのです。

 新型インフルエンザ対策を見直すと大臣は言っています。今週中にするそうです。強毒性新型インフルエンザを想定して作られた対策は、より柔軟なものになるでしょう。でも、そのスピード感のなさが問題なのです。役所が対応するからこうなってしまいます。もっと専門家チームに、具体的なことをまかせる体制にはならないものでしょうか。

 こんなことをやっていると、役所がつくったマニュアルを、役所のために後生大事に守り抜くことだけが危機管理の目的になってしまうのではないかなどと思ってしまいます。そんな思いが杞憂であることを、ぜひ証明してください。

投稿者 tsukada : 23:59

2009年05月20日

保育園は休園したら・・

 今日は日差しが強く、夏を思わせるようなお天気でした。外にいると汗ばむほど。春からいっきょに季節は進んでいるようです。

 午後休診を利用して、嘱託医をしている小学校や保育園で子どもたちの健診をしてきました。元気な子どもたちの姿を見ると、こちらも元気になるものです。

 健診をしながら、こんな子どもたちの間でもし新型インフルエンザが流行したらいったいどうなるだろう、と不安になりました。弱毒であり、普通の季節性インフルエンザと同じ程度の症状だと言われていますが、それでも流行が始まったら影響はけっして小さくないでしょう。

 国内でもっとも早く流行の始まった兵庫県や大阪府では、拡大防止のために学校などを休みにしました。その中には保育園も含まれていますので、親御さんは対応に苦慮されていることと思います。(今日からは滋賀県の一部でも始まりました。)

 教育施設である学校や幼稚園とちがって、保育園は福祉施設です。「保育に欠ける子どもたちを、保護者の代わりに保育する」のがその役割。親御さんはみな仕事をもっていたりしています。

 天災や事故で園が使えなかったり、命にかかわるような感染症が発生しているというのであれば、保育園も休園することは仕方ないかもしれません。しかし、今回は「弱毒性のインフルエンザ」です。実際に園やその周囲で発生しているわけではないのに、1週間ものあいだ休みにするというのは、いささか乱暴すぎないでしょうか。

 そしてそれが突然始まるというのも、困ったものです。相手がウイルスですから仕方ないのかもしれませんが、急に園を閉鎖するといわれて、働いている親御さんがスムーズに対応できると思う方がおかしいですよ。

 私もわたぼうし病児保育室という保育施設を運営しています。もし行政から休園するように要請があったらどのように対処すべきか、悩んでいます。法的には「福祉施設」ですし、さらに公立でもなく、自治体の認可を受けているわけではないので、必ず従わなければいけない立場ではありません。基本は「無認可」の民営施設です。

 そして何よりも、子どもが急に病気になったときに親御さんがお仕事を休めず、子どもも親も困った状況におちいることを回避するための“セーフティー・ネット”としての働きを担うために作り、これまで運営してきました。8年ほどの歴史の中で、一人もお断りすることなく、依頼を受けた子どもたちをすべてお預かりしてきました。累計でのべ1万人ほどになります。

 もちろん新型インフルエンザにかかったお子さんをお預かりすることは、当面はありません。(いずれ季節性インフルエンザと同じ扱いでかまわないという状況になれば、対象になるでしょう)。でも、地域で新型インフルエンザが発生したり、流行しているという状況だというだけでは、わたぼうし病児保育室を閉鎖する理由にはならないと、今は考えています。

 ただし、保育体制をきちんと維持することには困難もあるでしょう。保育士が勤務できないかもしれません。医院の職員も休む人が多くなれば、医療機関としての機能することも不可能になってしまいます。

 さらに、もしかしたら保育の希望が殺到するかもしれません。一般の保育園や幼稚園が休むことになったとき、病児のための保育施設ではありますが、「わたぼうし」がふつうにお子さんを受け入れていることが伝えられると、無理に子どもを病気にして(?)預けたいと思う親御さんが、いないとも限りません。

 どんな状況になるかはその時になってみないと分からないのですが、でも、親御さんが困った時にお役にたちたいと思い、いろいろな子育て支援を実施してきました。その基本的な考え方は、新型インフルエンザ流行という事態が進行しても貫きたいと思っています。

 いや、そんな大変な時だからこと、当院や「わたぼうし」の出番です。そんな時こそ、みんなに元気になってもらえるよう、きちんと仕事をしていきたいと、今は考えています。(でも実際にどうなるやら・・)

投稿者 tsukada : 23:59

2009年05月19日

訃報

 頼近美津子さんが亡くなられたというニュースを知り、とても驚きました。ネットでの記事を最初に見たときには信じられず、固まっていました。そして、寒気をおぼえるほどの衝撃でした。

 元NHKアナウンサーで、ご自身もピアノをひかれますし、音楽にとても興味をお持ちでした。クラシック演奏会のプロデュースをされ、活躍されていました。

 数年前に食道ガンが見つかり、闘病中だとも知りませんでした。まだ53歳。とても若くていらっしゃいます。今これを書いていても、まだ現実のことではないような感覚です。

 頼近さんとは2度ほど、当地で開かれたコンサートのあとの懇親会でご一緒させていただきました。お酒が入っていたこともあり、人見知りの私ですが、とても楽しくお話させていただいたことを、今でもよく覚えています。

 面識もなく、クラシック音楽にはまったく知識のない私の相手をして下さいました。頼近さんのお人柄の良さがよく分かります。

 最初の時に「正露丸」ことが話題になりました。どうしてそんな話が出たのかは分かりません(音楽については何も話題がないので、むりやり自分の“本業”にもっていたのかもしれません)。でもその「正露丸」が、私たちの距離を縮めてくれたようです。

 今では「正露丸」と書きますが、昔は「征露丸」と書いていました。「露」というのは国の名前でロシア(露西亜)のことです。昔、日本がロシアと戦った日露戦争のこと、この薬は誕生しました。

 戦場となったは湿地の多いところで、アメーバ赤痢などがおきやすく、兵士が胃腸を悪くすることが多かったのだそうです。兵士の健康状態は戦況に影響します。そこで活躍したのが、強力な下痢止めである「正露丸」・・いや「征露丸」だったのです。

 「ロシアを征伐する」というのが名前の由来です。今でも売られているパッケージを見ると、会社のマークがラッパになっているのにお気づきでしょうか。あれは「進軍ラッパ」なのです。

 そんな「征露丸」が威力を発揮し、兵士たちが健康を取り戻して、日露先生に勝つことができた、と言われています。しかし、第二次世界大戦後に事情が変わりました。ロシアを征伐するというのはまずい、ということで、漢字を変えて「正しいロシア」という正反対の意味の名前に変更した、というのがオチです。

 そんな話を、頼近さんはとてもおもしろがって聞いて下さいました。地方の仕事のあとの打ち上げですから、楽団の人たち以外にあまり知っている人はおらず、出かけたりすることもできないので、ほどほどに付き合ってくれたのかもしれませんが。

 そして2回目にお会いしたとき(また懇親会の席ですが)、私のことを覚えていて下さいました。「正露丸の先生でしたね」と(^^;)

 その後は直接お会いすることもありませんでした。でも音楽の番組や雑誌の対談などでご活躍されているのを、時々拝見し、そのたびに「正露丸」のエピソードを思い出して、一人でニヤニヤしていたものでした。

 その頼近さんの突然の訃報に接して、今日は呆然としていました。まだまだお若く、これからもっと多くのお仕事をされ、音楽を通して私たちに夢や希望を与えて下さることができたはずなのに。

 すてきな笑顔にもうお会いすることができなくなったんですね。ただただ残念です。でも、一番無念な思いをされていたのは、ご本人でしょう。

 頼近さんはもう旅立たれてしまいました。先に亡くなられたご主人とずっと一緒に過ごせることになるのかもしれませんね。

 これからは彼の地で、お好きな音楽をいっぱいお聞きになって、ゆっくりとお過ごし下さい。ご冥福をお祈りいたします。合掌。

投稿者 tsukada : 23:59

ラジオ出演

 今日の日中、ラジオ番組に“生出演”しました。新潟放送(BSN)の番組で、電話でインタビューにこたえるという形でした。

 話題は病児保育について。上越市が今年度から病児保育事業を開始し、当院のわたぼうし病児保育室が受託することに決まったわけですが、その経緯などについて聞かせてほしい、ということでした。

 時間は10分ほど。本番の数分前に電話が放送局とつながり、ほとんど打ち合わせなしのぶっつけ本番。けっこう緊張しました。終わったあと、どっと疲れが体中から吹き出てくるような感じを覚えました。

 パーソナリティーの方も子育て中のママさん(違ってたらごめんなさい)。今の日本では子育ての負担が母親に過重にかかっていること、そして母親のためにも子育て支援が大切だということなどについては、とてもよく分かってもらえていました。とても話がしやすかったです。

 このコーナーは「困ったことはプロに聞け」というもので、今日は「子育て支援のプロ」として私を紹介してくださいました。途中では、今話題になっている新型インフルエンザはどうするのか、といった質問が“想定外”に飛び出してきたりはしましたが、言いたいことをちゃんと言わせてもらえました。

 当院で行ってきた子育て支援について、こんなふうにマスコミも取り上げてくださるようになったことを、とてもうれしく思っています。こんなふうにポジティブに思ってくださる方がいることを知ると、もっとがんばっちゃおうかな、なんて気持ちにもなります(おだてられると木にのぼっちゃう性格?)。

 パーソナリティーの石塚さん、お相手をしていただき、ありがとうございました。お疲れ様でした。

投稿者 tsukada : 23:30

2009年05月18日

一挙に拡大

 新型インフルエンザの流行が、国内で一挙に始まり、拡大しています。先週末からはまるで押し寄せる嵐のようです。

 患者数は今日はすでに100名を超えました。毎日その数が増えています。いや、ニュースをときどき見ていると数時間でしたたっていなくてもカウンターはどんどん進んでいました。

 新型インフルエンザとして遺伝子レベルまで確実に確認された患者数が公式発表されています。実数はその数倍かそれ以上いることは容易に想像できます。ある専門家は、日本でもすでに数千人の規模になっていると言っています。

 ちなみにアメリカ合衆国では数年人の患者が確認されていますが、CDC(疾病管理センター)は10人を超えていると推測しているのだとか。少なくとも米国では、流行の仕方も、政府や人々の認識の仕方も“普通のインフルエンザ”になりつつあるようです。

 日本では今兵庫県や大阪府が大変な状況になっています。感染拡大を防止するために、ここ1週間、学校や保育園・幼稚園などを休みにさせました。修学旅行も中止。お祭りなどもイベントもなくなりました。

 子どもたちなどの集団で感染が拡大していくことは確かですが、では今回の対策でどれくらい効果があるのか・・。流行の仕方は弱まるかとは思いますが、でも生活がどうなのでしょう。

 「健康のためなら死んでもいい」という名言(迷言?)がありますが、「新型インフルエンザが拡がらないためなら、生活がなりたたなくてもいい」とはなりませんか。

 今や日本のどこでも流行が始まってもおかしくありません。日本中で学校や園を休みになるのでしょうか。杓子定規なマニュアルの運用は問題でしょう。

 医療面でもそうです。当面は新型インフルエンザの診療は「発熱外来」や「特定医療機関」に限り、一般の病医院では診てはいけないことになっています。でもいずれは普通に新型インフルエンザの患者さんが受診することになるでしょう。

 建前通りにはいかないものです。実態に即した対策に転換させなければ、何のための方策か分からなくなります。

 いずれにせよ今週いっぱいは関西では学校などの休みが続きます。本当に大変なことだと思いますが、まずは堪え忍んでください。

投稿者 tsukada : 23:59

ご注意下さい!

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投稿者 tsukada : 20:53

地元新聞に紹介されました

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PDFファイルはこちら

投稿者 tsukada : 20:17

2009年05月17日

写真でご紹介します

 わたぼうし病児保育室の前で行いました。市職員の方が朝からテントも持ち込んで万全の準備。

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 上越市の村山副市長さんからご挨拶をいただきました(市長さんの代理です)。

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 山岸・市議会議長さんからもお言葉をいただきました。

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 私(院長)もちゃんとご挨拶。今回の事業を受託します。市の偉い方々を前に、ちょっと緊張しています。

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 日々の病児保育を担当する、わたぼうし病児保育室の保育士一同が紹介されました。

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 事業のスタートを記念して、アプローチの看板をリニューアル。子どもたちもいっしょになって、その除幕式も行いました。看板の上に大きな虹をかけました。きれいでしょ!

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 式典が終わり、子どもたちと記念写真。やっと院長に笑顔が(^^;)

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 メディアからのインタビューもありましたよ。

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投稿者 tsukada : 14:11

2009年05月16日

上越市病児保育事業オープニング・セレモニー

 上越市の「病児保育事業」がいよいよ始まります。今日はそのオープニング・セレモニーが、委託を受ける当院「わたぼうし病児保育室」の前で行われました。

 副市長さん(市長さんの代理)、市議会議長さんをはじめ、議員の方々、医師会の代表の方などにご参加いだだき、無事終了することができました。

 子どもたちにもいっしょにお祝いをしてもらいました。そんな様子はまた後日お伝えしたいと思います。

 来週よりこの事業が始まります。ようやくここまでやって来れたと思うと、感慨深いものがあります。

 でも、今は終着点ではありません。新たなスタートをきる中間点。これまで以上にパワーアップして、もっと地域の親御さんたちのために、そして何よりも子どもたちのために頑張っていきたいと思っているところです。

 今日のオープニング・セレモニーでは、私も受託者として挨拶をさせていただきました。その内容をご紹介いたします。(原稿は作りましたが、何も見ずにお話ししたので、この通りではありますが、参考までにお読み下さい)

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 このたび上越市の「病児保育事業」を受託することになりました。大変に光栄に存じますとともに、責任の重さを実感しているところです。これからは上越市の方々とともに、さらに子育て支援が充実し、より子育てしやすい上越市になるように努力していく所存です。どうぞよろしくお願いいたします。

 私は1990年に塚田こども医院を開業しました。日々の診療の中で子どもが病気になり、登園や登校できないときの負担が共働きの親御さんや片親のご家庭にとってとても重いことを知りました。

 子どもたちはどうしても病気をするものです。しかも急におとずれます。しかし、大人は仕事を急に休むことはそう簡単ではありません。急な病気で登園できない子どもたちをお預かりする場所が必要。そして、それができるのは小児科医しかいない。

 そんな思いから作ったのが「わたぼうし病児保育室」です。2001年6月のことです。利用者数はしだいに増え、ここ数年は年にのべ2,000人近く、1日あたり平均で8人の子どもたちをお預かりしています。8年間ではのべ10,000人ほどになりました。

 当施設では決して断らないことをポリシーとしています。子どもの急な病気で苦労されている親御さんを必ず手助けする・・その方針は当初より変わっていません。

 わたぼうし病児保育室を始めてから、一つ勘違いしていたことに気づきました。病気になったということはアンハッピーですが、わたぼうし病児保育室にいることでハッピーに過ごしている、ということです。

 きょうだいが利用し、その様子を聞いて、いつかは自分も利用したいと思っている。そして利用できるとき(それは病気をしたときですが)「あこがれのわたぼうし」に行けると、とても喜んだ、という話を聞いたことがあります。

 病児保育室は親御さんの代わりを務めることはできませんが、いつもの保育園や幼稚園などの代わりはできます。子どもたちは病気になって辛い思いをし、園に行けずに悲しい思いをしている・・そんな子どもたちの心をささえ、明るく過ごさせてくれる病児保育室という場所、そして保育士という存在はとても大きな意味をもつのだと思います。

 これからもこの病児保育事業が親御さんのために、そして子どもたちのためにより良いものになるよう努力して参ります。どうぞよろしくお願いいたします。

投稿者 tsukada : 20:08

今週の感染症情報

○ウイルス性胃腸炎↑
○水ぼうそう↑
○溶連菌感染症↑
△インフルエンザ↓
×おたふく
×麻疹
×風疹
--------------

 季節性インフルエンザはやっと下火になってきました。この時期に流行するのはきわめてまれなこと。ようやく終息しそうです。

 胃腸炎はまた増加。これも夏場には少なくなるはずなのですが・・。

 水痘も増加、ワクチン接種で予防できます(任意接種)。

 溶連菌感染症も多くなりました。咽頭痛が強く、抗生剤による治療が必要です。

  ・・・・・

 本日の報道によると新型インフルエンザの国内での発生(流行)がおきたようです。神戸市内の学校などは向こう1週間休みなります。

 今後各地でこのような事態がおきる可能性があります。行政からの連絡などに十分注意していて下さい。

 日頃からの手洗いやうがいなども丁寧に行っていてください。

投稿者 tsukada : 13:34

2009年05月15日

あした天気にな〜れ

 明日(16日)のお天気ga
気になっています。晴れてくれるといいな。

 上越市では今年度より「病児保育事業」を始めます。すでに“実績”のある当院の「わたぼうし病児保育室」がその委託を受けることになったことは、この「院長ブログ」でも何度かお話ししています。

 年度当初からのスタートにはなりませんでしたが、来週月曜(5月18日)にオープンすることになり、その準備に忙しくしているところです。

 市の公的な事業ですし、税金をいただいて行いますので、手続きなど、今まで経験したことのないようなものがいろいろとあります。相手が“お役所”ということで、気を使うこともたくさんあります。

 そして明日、そのオープニング・セレモニーが予定されているのです。わたぼうし病児保育室で午前10時から30分ほど、市の幹部や担当の方(市長さんが来られるのかな?)といっしょに行います。

 ちょうどわたぼうし病児保育室の「お楽しみ会」(2か月に1回行っている行事で、ふだんは病気の時しか使わないけれど、健康なときに保育士といっしょに楽しんでもらうよう企画しています)にあたるので、きっと大勢の子どもたちや親御さんも参加してくれることでしょう。

 マスコミなどにも声をかけていますので、明日はそうとうの人数があつまりそう。室内では入りきれないので、保育室前の芝生や駐車場を使って屋外でやろうと考えています。

 新しい事業のスタートを祝って、わたぼうし病児保育室のアプローチに設置してある看板をさらにグレードアップします。そのお披露目もしたいので、ぜひ外でセレモニーをおこないたいと思っているところです。

 なので・・「あした天気にな〜れ」。手元もiPodからは福山雅治さんもそう歌ってくれています(*^_^*)

 ところで明日の午前中は普通に診療しています。セレモニーには私(院長)も出席しますので、10時ころから30分ほど診療を中断することになってしまいますので、どうぞ御了承下さい。

投稿者 tsukada : 07:09

2009年05月13日

健診のおまけ

 春は園や学校の健診シーズン。私もいくつかの嘱託医をしていますので、出かけることが多い季節です。

 休診にしている水曜午後は、そんな“外回り”の仕事にあてています。今までは1週に1つの施設の健診をしていたのですが、日程がきつくなってきたので今年は一度に2つの園をまわってくることにしました。

 今日担当したところは、それぞれが比較的に大きな保育園。あわせて200人以上の園児の健診をいっきょに行いました。やっぱりちょっとハードでした・・。

 全員の診察をしますが、聴診器で心臓の音や呼吸の様子は必ずチェックします。診察室ではないところで行うので、周囲の音が入ってきたり、子どもたちの話し声が聞こえたりと、あまり良い条件ではありません(もっとも小児科の外来もそんなに静寂ではないので、慣れていますが)。

 そして何より大人数。最後まで集中力を切らずに診察するのは、けっこう疲れるものです。聴診器をあてている耳も、だんだんと痛くなってきますし。

 でも、子どもたちの診察をしているのは楽しいですよ。年長さんや年中さんくらいになると、ちゃんと挨拶をしてくれます。「○○組の△△です、よろしくおねがいします」「ありがとうございました」。そんな元気な声をかけてもらうと、ついうれしくなります。

 私からは最後に「大丈夫だよ」「よくできたね」などと簡単に言葉をかけています。もっと簡単に「オーケー」ですませちゃうこともありますが。

 今日は今までにはないパターンができました。診察の最後に子どもたちと、手と手をあわせて“タッチ”したのです。楽しかったな!

 私はだいたいいつも、“さようなら”という意味で、手を軽くあげてバイバイをしているようなのです(あんまり意識していませんでしたが)。ある子どもが帰ろうとしたとき、私の手を見つけて、また私のほうに振り向き、タッチをしてくれました。

 面白かったので、そのあとからも手をだしていると、多くの子どもたちがタッチをしてかえって行きました。自分の前の子どもたちの診察の様子をみているのでしょうね。最後にはタッチをするものだと思ったのかもしれません。中には、私がタッチの準備をしていないと、待っている子もいました。

 子どもたちとのほんのちょっとすごす時間ですが、心のふれあいもできたような気持ちになりました。小児科医って、こんなことがあるからやめられません。

投稿者 tsukada : 23:59

2009年05月12日

わたぼうし病児保育室から

 上越市では今年度「病児保育事業」をスタートさせます。多少手続きに時間がかかっていましたが、いよいよ来週(18日)より実施です。

 以前からこの「院長ブログ」でもお伝えしている通り、当院に併設している「わたぼうし病児保育室」が市の委託を受けて事業を行います。これまではいわば「私的」なものでしたが、これからは「公的」なものとなります。

 院内の掲示も、市の事業開始を受けて作り替えました。

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 いつもながら保育士さんたちの、渾身の手作りです。なかなか良くできていて、感心させられます。

投稿者 tsukada : 15:33

インフルエンザ対策

 新型インフルエンザの国内発生も時間の問題かと思います。このまま日本だけがいつまでも流行しない、などということはないでしょう。

 今いわれていることは、これからの夏場はいったん影を潜め、秋以降に一挙に流行するのではないか、と。そうなると、従来のインフルエンザの流行と重なることになり、大変な状況になってしまうかもしれません。

 幸いなことに、今回の“新型”は弱毒性なので、おそらく通常のインフルエンザ対策をしていけばいいようです(まだ実際に日本で流行していないので、本当のところは分かりませんが)。すでにそうとうの流行があるアメリカ合衆国では、もし新型インフルエンザ患者が発生しても、学校を休ませる必要はない、というように、対策も緩和しています。

 現在の段階では日本では新型インフルエンザが出たら、一般の医療機関では対応しないことになっています。保健所や市町村が“振り分け係”となって(電話で相談)、疑いがある方は新型インフルエンザに対応できる設備とスタッフをもった病院が診療します。

 しかし、いずれ流行が拡がれば一般の医療機関にも新型インフルエンザの患者さんが来ることは十分に予想されます。そこでまた他の患者さんに感染を拡げてしまう可能性があります。

 お互いに気をつけていただくしかありません。当院では以前から玄関に使い捨てマスクを用意し、咳やくしゃみが出ている子はできるだけ着用するよう呼びかけてきました。

 今回はあらたに手指消毒用にアルコール消毒薬を設置しました。手洗いをこまめに、丁寧に行うことは、新型インフルエンザの予防だけではない、一般的な感染症予防のために役に立つからです。

2009051201.jpg

 大型連休が終わり、季節性インフルエンザの発生がやっと少なくなってきました。終息がやっと見えてきたようです。

 でも気を許すことなく、日頃からの対応をきちんとしていこうと思っています。

投稿者 tsukada : 15:32

2009年05月11日

日本はどう変わる?

 民主党の小沢氏が党の代表を辞任しました。秘書の逮捕から、政治資金のあり方についての不信や批判の声が国民の中にわき起こっていました。辞任すべきとの声に抗しきれなくなったということなのでしょう。

 確かに今回の検察の捜査については批判があります。企業からの政治家や政治団体への金の流れそのものははっきりしています。裏金を作って“闇資金”を渡していたわけではありません。虚偽記載ではあるかもしれないけれど、形式的な意味合いが強いのでしょう。

 一方では政権党のある政治家に裏金が流れているのではないか、と指摘されています。もしそのようなことがあれば、虚偽記載とはくらべものにならないほど悪質だといえます。

 もちろん、企業からの献金そのものに問題の根本があります。企業のために動いてほしいと考えているから政治家や政治団体に金を渡しているわけです。いやそうではない、純粋に政治家を応援したいためだ・・などと経営者が言えば、株主の利益にならないとして株主から訴えられる可能性もあります。

 その議論は今後必要ですが、いずれにせよ企業からの資金提供をオープンにして行うか、裏にまわってこっそり行うかでは全く意味が違います。

 小沢氏は秘書の逮捕直後の記者会見では検察を強く批判していました。民主党からは“国策捜査”ではないか、といった声も上がっていました。政権奪取をめざしている第2政党の代表の追い落としをねらった、あるいは民主党そのものをつぶしにきた、と思ったのも当然なのかもしれません。

 小沢代表の辞任によって民主党がどうなるでしょうか。全党が一丸となって、政権をとれる党にパワーアップしていくでしょうか。逆に強いリーダーが去って、さらに弱体化してしまうでしょうか。(もしそうなったら、検察の思うツボ?)

 私自身もかつてこの「院長ブログ」で、小沢氏の政治手法を批判し、辞任すべきだと述べたことがあります。その通りになったわけですが、それによって政治体制が変わらず、官僚機構も生きながらえる(検察も官僚組織の一つ)ことになったら、それもまた問題です。

 まずは誰が民主党の代表になり、どんな党にまとめあげていくのか、注視していたいと思います。それによって、もしかしたら日本の政治がかわるチャンスになるかもしれないからです。(逆に言えば、ちっとも政治が変わらないという結果になるかもしれませんが)

投稿者 tsukada : 23:58

2009年05月10日

流行させないためにできること

 日本に帰国してきた方に新型インフルエンザが発生し、機内で半径2メートル以内にいた人たちが隔離されています。10日間ほどは発症してこないか、健康チェックをするためですし、もし発症したらその方からさらに感染を拡げるのを防ぐためです。

 ホテルに“軟禁”状態。一人ずつ個室に入り、他の人との接触はできません。食事は大きな食堂でとるようですが、その際も隣の人とは十分に離れているそうです。廊下を歩く程度はできるのだそうですが、その際はマスク着用。もちろん他の人がいない時だけ。そして物に触れないように注意されているそうです。

 今は健康状態に問題のない方ばかり。高校生も含まれています。そんな状態に置かれたら、精神的にまいってしまいそうです。どうしてこんなことをされなければいけないのかと、疑問に思ったり、怒りの感情もでていることでしょう。

 今日の昼のニュース(NHKラジオ)で、隔離されているある外国人の方からお話を聞くことができたということで、さきほど書いたような様子を教えてくれました。でもその方は「とくに不安や不満はない」とおっしゃっていたということです。

 「ホテルにいるのも仕方のないこと。新型インフルエンザを流行させないようにするために、今私ができることはこうしてホテルにとどまっていることだけですから」。そんなふうなことも話しておられたというのです。

 きっと記者は、不自由な生活をおくっていることに対してネガティブな感想を期待していたのではないでしょうか。それが逆にポジティブな意見を返されて、戸惑っている様子が見えるようでした。(私の勝手な想像ですが)

 私はラジオを聞きながら、おもわず拍手を送りました。そんなふうに考えてくれる人がいるのが、とても嬉しかったからです。

 自己を犠牲にしてまでも他人を大切にし、愛する心をお持ちのようです。外国の方なのですが、日本人をとても大切に思ってくださっています。何よりクールです。

 良い意味での宗教心があるのかもしれません。博愛主義、無報酬の愛。日本人にはなかなか言えない言葉ですし、できない考え方です。

 ホテル住まいを余儀なくされている方に連絡がとれる人がおられましたら、ぜひ伝えてください。精一杯応援し、見守っていますよ、と。

 こんな話こそ、ぜひ「エチカ」や「イイ話」に加えてください。私が自信をもって推薦します。

投稿者 tsukada : 19:19

「狂犬病」3話

 昨日は面白い日でした。「狂犬病」について、3回も話題にのぼったのです。

 第1話は患者さんからの電話。数日前に犬に噛まれたが、狂犬病のことが心配。近くに保健所で獣医さん(?)に相談したところ、当院でワクチン接種をうけるように勧められたとのことでした。

 確かに当院は珍しく狂犬病ワクチンを扱っています。もちろん人に対するワクチンです。「珍しく」というのは、日本ではほとんど行われていないから。新潟県内では3つの医療機関が狂犬病ワクチンの接種を行っています(うち1つは検疫所なので、病医院は2つだけ)。

 しかし当院でもほとんど狂犬病ワクチンの接種は行っていません。なぜなら、日本の国内では狂犬病の発症はまず心配ないからです。第二次世界大戦のあと、狂犬病対策を徹底したために(飼い犬の予防接種と、野犬の捕獲、検疫の強化など)狂犬病を撲滅することができました。

 今後、外国から入ってくる可能性もありますので、これから先も絶対に大丈夫とは言えませんが、少なくとも現時点では犬に噛まれても狂犬病になる可能性はないと思ってもかまいません。ワクチン接種をきちんと受けている飼い犬はもちろん、野犬などでもそうです。

 もっとも犬に噛まれると狂犬病にはならなくても、傷から雑菌が入って化膿することがあります。すぐに傷を流水と石けんであらい、その後医療機関を受診し、アルコールで消毒するなどの処置をきちんと受けて下さい。傷が深くて大きくても、化膿することを防ぐためにすぐには縫合しないのが原則です。(噛まれた傷は犬だけではなく、他の動物でも同じ対処が必要です。人間の歯も例外ではありません)

 電話ではそんなお話をたっぷりとして、ご心配を解消してもらいました。

 第2話は、かかりつけの獣医さんのところで。我が家のワンちゃんに狂犬病の予防接種をしてもらいに出かけました。体調のチェックをし、狂犬病ワクチンと「8種混合ワクチン」の接種をしてもらいました。

 その時に、狂犬病の話がでて、日本では50年ほどは患者発生がないことなどを教えてもらいました。さきほど私の電話での説明も間違いがないことを、専門の獣医さんからお墨付きをもらえたようです。

 代わりにといってはおかしいですが、今問題になっている「新型インフルエンザ」のことをいろいろとお話ししてきました。ウイルスのこと、今の対応のこと、今後の見通しなど。

 ワンちゃんそっちのけでずいぶん長く話し込んでいました。収穫の多い受診でした(^^)/

 そして第3話がまだあります。レンタルしてきたDVDの中に出てきたのです、狂犬病が。アメリカのTVドラマのシリーズです(タイトルを言うとネタバレになってしまうので、内緒にしておきます)。診断がなかなかつかず、ナゾが多い患者さんなのですが、最後に狂犬病だということが分かったというものです。

 狂犬病はもし発症すると死亡率はほぼ100%。これまで生還した患者さんは世界で数名だけなのだそうです。とても怖い感染症。有効な治療法はまだ見つかっていません。世界では毎年5万人以上の方が、狂犬病のために命を落としています。

 日本では狂犬病の発生はないと書きましたが、実は心配なこともおきています。予防接種を受けていない飼い犬が増えてきているとのこと。今の良い状況があるのは犬の予防接種をきちんとしているから。もし今後、接種率が低下してしまえば、日本でも狂犬病が発生することも十分に考えられます。

 決められたワクチン接種をきちんと受けてもらうことの重要さは、犬も人間も同じなんだな、と思ったものでした。

投稿者 tsukada : 18:41

2009年05月09日

新型インフルエンザは必ず流行します

 とうとう日本でも新型インフルエンザ患者が確認されました。昨日カナダから帰国した高校生と引率の先生の3人。成田空港で患者であることが分かりました。

 今日は朝からこのニュースが繰り返し大きく取り上げられています。新聞は号外がでたようですし、夕刊の1面トップの大きな記事になっています。

 患者さんは今のところ比較的軽くすんでいるようです。ブタ由来の新型インフルエンザ・ウイルスが“弱毒”だということですので、普通の生活に戻るまでにそれほどかからないことでしょう。

 今回確認された患者さんから二次的に感染することも心配です。「濃厚接触者」についてはここ10日は“隔離”され、新型インフルエンザを発症してこないかどうかの確認がされます。長い期間“幽閉”されるわけですので、この方々にとっては大変ですが、日本に新型インフルエンザを持ち込まないために、どうぞご協力下さい。

 今回は外国で感染してきたので、本当は「国内発生例」ではありません。何とかこのまませき止められればいいのに、と多くの方が思っておられるでしょう。私もできればそう願いたいのですが、それはとても無理なこと。

 実は政府も、今の“水際作戦”が完全だとは考えていません。むしろ、国内発生は必ずある、そして流行もするものとしています。問題はその時期だけなのです。

 では今行っている検疫は必要ないことなのでしょうか。そうではありません。その意味合いは「国内に持ち込ませない」ためではなく、「持ち込む時期が少しでも遅れるように」するためなのです。

 検疫を全くしなければ、たちまち日本に新型インフルエンザ・ウイルスが入り込み、患者発生があいつぐでしょう。問題になるのは、新型インフルエンザを迎え撃つ体制ができているかどうか、です。

 いきなり流行が始まればパニックになりかねません。新型インフルエンザを診療することのできる病院をきちんと用意することも難しいでしょう。患者さんが一般の医療機関を次々と訪れるようになると、通常の医療活動ができなくなります。それどころか、病医院でどんどんと感染を拡大させていくことになります。

 一般の方の生活面でも問題になります。国内流行時にはおそらく学校は臨時休業になるでしょう。仕事もできれば休んで自宅待機するように指示が出されます。休みたくなくても、子どもが発症すれば親御さんは休まざるをえなくなります。

 買い物などもなかなかできなくなるので、あらかじめ食料など、生活に必要な物品を用意しておかなくてはいけません。そのためにも「時間」が必要なのです。

 繰り返しますが、新型インフルエンザは日本でも必ず患者が発生し、そして流行します。今行っている手だては、その時期を遅らせる方策です。

 今回新型インフルエンザにかかった高校に対しては、マスコミなどでやり玉にあげられています。確かに感染予防の対策が十分ではなかったようですし、症状がでてからの対応は適切ではなかったでしょう。でもこんな状況には医療従事者でもきちんと対応できないでしょう。学校や教員を責めるのは酷です。

 いずれ流行する・・そのために何をしていなくてはいけないか。政府も、医療機関も、一般の方も冷静に考え、必要な対策をきちんと準備していく必要があります。今回の“水際作戦”はその時間稼ぎをしてくれているという意味で、十分に成功していると思います。

投稿者 tsukada : 23:13

今週の感染症情報

○ウイルス性胃腸炎
○インフルエンザ↓
○水ぼうそう↑
△溶連菌感染症
×おたふく
×麻疹
×風疹
--------------

 大型連休が終わり、普通の生活に戻りました。

 “季節外れ”のインフルエンザ流行は、やっと減少傾向。終息まであと一歩というところでしょう。

 胃腸炎は引き続き流行中。水痘の発生が多くなりました。伝染力が強いので注意が必要です。

   ・・・・・

 新型インフルエンザが日本でも発生しました。カナダからの帰国者で、国内での感染ではありません。

 今のところ“水際作戦”がうまくいっていますが、いずれは国内でも発生することでしょう。普段から手洗いやうがいをこまめに行うなど、注意をしていて下さい。

投稿者 tsukada : 14:00

2009年05月08日

1,000円乗り放題

 春の大型連休が終わり、昨日からはまた普通の生活に戻ってきました。まだインフルエンザが流行していますし、新型インフルエンザも心配。本当に“普通の生活”に戻るのは、まだ先かもしれません。

 連休中は日本各地で高速道路が大渋滞。今年は列車での移動から、自家用車にシフトしたようです。

 その原因は「1,000円ポッキリ」の高速料金です。地方路線ならどこまで利用しても1,000円が上限。高いと言われている日本の高速道路が、こんなに安くなっていいの?と思うほどの値下げです。

 私も1回利用しました。新潟市までの片道150キロほどを往復。本来なら6,000円台の料金が2,000円ですみました。1/3ほどになったのですから、“安さ”を実感できました。

 でもこれでいいのかな?と思います。景気対策だと言っていますが、経済の物流を担っているトラックは“恩恵”を受けません。連休中の渋滞が猛烈だったために、かえって仕事にならなかったという話も聞きました。

 日曜・祝日のみというのもどうなんでしょうか。やはり仕事で高速道路を使っている人や会社のことは頭にないのでしょうね。

 ETC搭載車に限るというのも世の中の反感をかっています。普通に料金を支払っている人も値下げの対象にすることに、どれほどの問題があろうというのでしょう。

 実はETCの普及が目的だった・・とか、ETCの業者のためにやった政策だ・・とか言われているのも、ある意味では仕方のないことかもしれません。

 温暖化対策を政府は大きな政策目標に掲げてきたはず。電車などの公共交通を使わず、マイカーでたくさんでかける方がずっとお得だとする今回の高禄料金割引は、まったく矛盾しているのでは。

 昨年春にガソリン価格がめちゃくちゃ上昇したときに、それに対して有効な手だてをできずにいた与党からは、みんなが自動車に乗らなくなればエコになるからいいことだ、といった発言がありました。ぜひその方から、今回の政策をエコの観点からどう位置づけるのか、お聞きしたいものです。

 その場しのぎで“条件反射”で発言していることが良く分かります。もともと政治家の言っていることを最初からまともに受け取ってはいけないのでしょうね。

 一歩譲って高速料金の値下げが経済に良い影響を与えるとしたら、民主党が主張している「高速料金無料化」に対してはどう考えているのかについても、ぜひ教えて欲しい。こちらの方が物流コストを直ちに下げることになり、より経済効果は大きなものがあるでしょう。

 ETCを付けているかどうかも関係がない。そもそもETCがいらくなっちゃう。

 高速道路の建設費もそうとう安くなるはずです。現在は料金所が必要なので、インターチェンジ付近を大きく、複雑に作る必要があります。ところが完全無料化になれば、料金所は不要。インターチェンジは立体交差せず、簡単に作ることができます。場所ももっと多くできるので、利用者はさらに使いやすくなるでしょう。

 もっとも、タダになると渋滞がひどくならないか、心配です。“1,000円ポッキリ”でもこれだけの渋滞が起きてしまうのですから。(民主党の方にぜひお聞きしたいとかねてより思っています)

 来年春まで5,000億円の国費を投入して行われている高速道路料金のプライスダウンですが、どう考えても“愚策”にしか思えません。コツコツとおこなっている温暖化対策も、これでずいぶんとチャラになってしまいました。

 何より、「安ければいい」といった安易な考え方が国民の間に広まってしまったことが一番大きな悪影響かもしれません。なかなか軌道修正はできないでしょう。

投稿者 tsukada : 23:30

2009年05月06日

ベッキー大好き

 タレントのベッキーさんの姿をよくテレビで見かけます。いろんな番組をもっているようですし、CMも多い。売れっ子ですね。

 いつも明るく元気! それが彼女のウリのようです。芸として作っているわけではなく、本当に心の中からそのようです。

 ベッキーの一日を追ったドキュメント(?)も見たことがあります。朝早くから仕事が入っていても、一日中慌ただしくしていても、その表情は変わりません。いつもニコニコと、笑顔が消えることはありませんでした。

 仕事がすべて終わったあと、一人で手帳に向かい、一日の反省を書いている姿には驚きました。挨拶をもっときちんとするべきだった、などと気づいたことを書いていきます。

 芸人はネタ帳をもっていて、そこに思いついたことを書き連ねていることが多いようです。ベッキーは自分の立ち位置を確認し、次の自分を作っていくために、このノートは活躍しているのでしょうね。そんな意味では彼女にとっての「ネタ帳」なのかもしれません。

 ちなみに私も“ネタ帳”を作っています。このブログにとりあげる内容、毎月発行している「こども通信」の題材、あるいはFM放送や有線放送で取り上げる話題などを、必ず持ち歩いているシステム・手帳にメモっています。(とても他人にお見せできる書き方ではありませんが)

 ベッキーのことは雑誌でもよく取り上げられます。「週刊朝日」の最新号は、彼女の明るい笑顔が表紙を飾っていて、つい買ってしまいました。おじさんにも大人気ですよ。

 紹介のページにこんなことが書いてありました・・

 「『忙しい』という言葉は、心を亡くすと書くから使いません。私にとっては『充実』。好きなお仕事がたくさんできるなんて、最高です」

 なるほど、そうだよね。外来が混んで忙しくなると、つい愚痴がでてきそうになる自分を反省。若い子に教えられました。

 明日は春の大型連休があけて初めての外来日。季節性のインフルエンザがまだ流行していますし、もしかしたら新型インフルエンザも・・。忙しくなりそうです。

 いや「忙しい」という言葉は使っちゃいけないんですね。きっと充実した一日になるでしょう。大好きな診療という仕事が一日中できるのですから(^^;)

投稿者 tsukada : 23:35

2009年05月05日

子どものいない社会

 「こどもの日」の今日、恒例の発表がありました。子どもたちの数です。各新聞の1面にその数字は載っています。14歳以下の子どもたちは1,714万人だそうです。

 日本の人口の13.4%で、その比率は28年連続で減少。1950年には35.4%で、約60年で22ポイントの激しい減少。このままのスピードでは20年ほど日本は子ども人口がゼロになってしまう!?

 正確さには欠ける数字ですが、日本の少子化傾向がそうとうなものだというのが実感してもらえるでしょう。

 それにしてもどうしてこうも子どもたちの数が少なくなったのでしょう。

 コウノトリが赤ちゃんを運んでくる時に、日本は安心して任せられないと思っているのでしょうか。ほかに国にお願いした方が、幸せに育っていくと思っているのでしょうね。

 確かに日本では子育ては大変そうです。産婦人科医が少なくなり、安心して産めるような状況ではなくなっています。小児科医も足りずに、子育てに不安があります。

 何より、子育て支援の制度や政策が貧困です。父親は仕事ばかりで家庭をかえりみず、社会全体にも子育てをともにしていくという環境が十分整っているとはいえません。いきおい子育ては母親だけが抱え込むことになってしまいます。

 これではコウノトリが日本を嫌うのは当然かもしれませんね。

 でも、せっかく日本を選んでくれた子どもたち・・これから豊かな大人に育っていってください。そのためにも本当に豊かな社会になるように、私たち大人が努力していかなくてはいけませんね。

 もちろん「豊か」というのは経済的な意味だけではありません。いくら今は不況だとはいえ、日本の経済はそれなりに豊か。これまでの経済的に成長してきましたが、少子化はいっそう進んできています。

 本当に豊かだというのは、心の面なのだと思います。そして、子どもたちを大切にすることは、すわなち今の日本を豊かにすることにつながるのだと思います。

投稿者 tsukada : 22:15

こどもの日

 大型連休は終盤になりました。残すところあと2日。

 今日は「こどもの日」。日中お天気も良くなり、近くの公園には多くの子どもたちが家族で遊びにきていました。

 我が家の“愛娘(まなむすめ)”は一足早くお散歩。人でにぎやかになる前に公園に出かけてきました。(本当はほかに犬がこないうちに)

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 1か月ほど前はサクラが咲き誇っていた園内は新緑が光り輝いています。ツツジをはじめとしていろんなお花が咲き出しました。

 夕方に少しだけ雨が降りましたが、おおむねよいお天気。明日もまた太陽のもと、ゆっくりと過ごせそうですね。

投稿者 tsukada : 14:16

2009年05月02日

大型連休スタート

 今日(5月2日)から連休が始まった方も多いのでしょうね。学校などもそう。6日までの5連休に入りました。

 当院はカレンダー通り。今日は午前中は診療し、午後からお休みです・・といっても、外来が終わって一段落したのは“お昼”と喚べる時間をもう過ぎていましたが。

 都会から地方への移動が始まりました。連休は“田舎”で過ごしたり、旅行に出かけるのでしょう。すでにそうとう混雑しているとニュースは伝えていました。

 例の“乗り放題1,000円ぽっきり”という高速料金の大幅プライスダウンがあるので、各地の高速道路は例年以上の利用だとか。ずいぶんと渋滞していたようです。ご苦労様です。

 交通事故もおきています。運転にはどうぞお気をつけ下さい。

 そして何よりも健康状態が心配です。新型インフルエンザはとりあえずは国内発生がないようですが、いつ、どこで、誰が発症してもおかしくない状態。油断はできません。

 従来からの季節性インフルエンザもそうとう流行しています。くれぐれもご用心を。

 事故なく、病気なく、楽しい大型連休をお過ごし下さいね!

投稿者 tsukada : 23:59

今週の感染症情報

○インフルエンザ↑
○ウイルス性胃腸炎
○溶連菌感染症↑
△水ぼうそう
×おたふく
×麻疹
×風疹
--------------

 インフルエンザ流行がとまりません。先週の42名からまた増加し、今週は66名。
2月後半〜3月と同じ程度の発生状況です。一日も早く終息に向かうといいですが、まだその見通しはたっていません。

 メキシコで発生した新型インフルエンザは、いつ日本に入ってきてもおかしくない状況です。日頃からの手洗い、うがいなどを徹底していて下さい。

 GW中ですが、できればあまり人混みにはいかないようにお願いします。

投稿者 tsukada : 13:43

2009年05月01日

弱毒が幸いです

 5月になりました。世の中GWというのに、連休気分にはなれないでいる方が多いことでしょう。インフルエンザ騒動が影響しています。

 当地ではまだ従来のインフルエンザが流行中。A型もB型も混在です。こんな“季節外れ”の流行を経験したことはありません。いったいどうしたというのでしょう。

 そして新型インフルエンザが、もしかしたら日本にも上陸し、患者発生が始まるかもしてないと状況。ニュースで逐一報道だれていますが、とても他人事ではありません。

 新型インフルエンザはすでに普通に人から人に感染を拡げる性質を獲得したようです。日本国内でもいずれ流行することは明らかです。現在空港などで“水際作戦”を展開していますが、それは日本への侵入を遅らせる効果があるだけ。完全に防ぐことはできません。

 メキシコではすでに3月ころから新型インフルエンザが流行していたとのこと。もしかしたら今までの間に日本にも持ち込まれていて、今私たちが目の前にしているインフルエンザ流行の一部が新型インフルエンザによるものかもしれない・・そんな推測もあります。

 今すでにそのようになってはいないとしても、いずれそうなる可能性は十分にあります。新型インフルエンザの毒性が通常のインフルエンザと同じ程度だとも言われていますので、従来のウイルスと混在していた場合には、それらを区別することは簡単にはできません。

 日本でも早ければ5月中、遅くても6月中には新型インフルエンザの流行が始まるのではないか、と個人的には思っています。その備えをしておかねければいけないでしょう。とくに“国民的行事”であるGW大型連休で、国内に新たに新型インフルエンザのウイルスが持ち込まれたり、“民族大移動”でごちゃまぜ状態になってしまうのではないか、と一人で危惧しています。

 政府の示したガイドラインでは、新型インフルエンザの治療は一般の医療機関では行うなとあります。地域の中で指定された特定の病院だけが受け持つと。ほんの少数の発生であればそれもできるかもしれませんが、流行が拡大すればとても対応できないでしょう。

 一般の方にとっても、もし発熱などの症状があっても、それが新型インフルエンザによるものかどうかを推測するのは簡単ではありません。いずれ人から人にどんどんと拡大していくのですから、海外への渡航歴もなく、どこで移ったかわからないのが普通だという状況になるでしょう。

 そうなれば、その人たちはかかりつけの医療機関を受診するのが自然の流れ。それを阻止することはできません。しかし、新型インフルエンザをきちんと治療できる医療機関は、まずないでしょう。私のところもそうです。

 新型インフルエンザといえども、従来からのインフルエンザと同じ程度の症状ですむのであれば、何とか診療できるかもしれません。検査キットや治療薬(タミフル、リレンザ)が十分に確保されれば、開業医でも対応できるかもしれません。

 しかし一挙に感染爆発といえる状態になれば、どれくらい機能できるか、自信がありません。職員も新型インフルエンザに罹患し、仕事につくことができなくなる可能性も十分にあります。家族で患者がでたということで休まなくてはならなくなるものもいるでしょう。学校などが休みになれば、子連れで出勤するなどということもできないでしょう。

 何より、医師である私が新型インフルエンザにかかってしまったら、当院の医療活動は一瞬にしてストップします。開業医は、毎日綱渡りをしながら診療をしているようなものなのです。

 これから起こりうることをいろいろと考えていくと、先が真っ暗になっていきます。幸いなことは、今回の新型インフルエンザが比較的に弱毒であることでしょう。うまく乗り越えることができれば、とても良い経験になります。なれならば、いずれ強毒性の鳥インフルエンザの流行がおきるからです。

 危機管理能力を高めておくためにも、今回の新型インフルエンザ流行は多大な貢献をしてくれることでしょう。“本番”を前にして、良い“練習”ができる・・そんなふうにも考えています。

 いろんな知恵をだしあいながら、新型インフルエンザにきちんと備えていきたいと思っています。でも、とりあえず必要なのは、現在流行している従来のインフルエンザ流行に対処すること。そして、明日の外来を乗り切るために十分な睡眠時間を確保すること、です。

投稿者 tsukada : 23:59