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2009年02月25日

病児保育は新しいステージに

 ローカルな話で恐縮ですが、お付き合い下さい。当院がある新潟県上越市のことです。

 昨日、上越市は来年度予算案を発表しました。厳しい財政の中で、なかなか思い切った政策を実現することは難しいのでしょう。

 そんな中でも、子育てに関係するものがありました。一つは通院医療費助成の拡大です。通院(外来)の医療費は現在は小学校入学前までです。1回530円の自己負担をのぞいた残りを助成しています(5回以上は負担なし)。それを小学校卒業までに拡大をします・・ただし、全ての子どもたちが対象ではありません。所得の少ない家庭や、医療費負担が大きな患者さんだけです。

 財政難であることは分かるのですが、せっかく拡充するのですから、“格差”をつけずに実施してほしいものです。来年度はもう仕方ありますが、できるだけ早く、制限をなくすことを願っています。

 もう一つあります。「病児保育事業」が新たに始まります。これまで市が行っていたのは「病後児保育事業」・・病気の回復期のお子さんだけが対象で、2つの施設を市が運営しています。そこに加えて「急性期の病気をしているお子さん」も対象にする事業をスタートする、というものです。

 この「院長ブログ」をいつもお読みいただいている方や、当院のことをご存じの方にとっては、もしかしたら混乱してきたのではないでしょうか。塚田こども医院には「わたぼうし病児保育室」が併設してあり、すでに上越市には病児保育は実施されている。新規事業というのはおかしいのではないか・・。

 現在はわたぼうし病児保育室は民間が行っているし、市などからの補助は全く受けていません。運営費の一部は利用者からいただいていますが(1日2,000円)、大半は医院からの持ち出しで行っています。そんな状態を2001年の開設から続けてきました。

 来年度からは、市が「病児保育」を実施しますが、実際の事業は委託をして行います。医師会を通して市内の医療機関に受託の希望をとっていますが、当院だけが手をあげたと聞いています。

 この予算案が議会で承認されれば、4月からは上越市の事業としてわたぼうし病児保育室を運営することになります。保護者のご負担はこれまでと同じですが、医院からの持ち出しは軽減することになるでしょう(それでもゼロにはなりませんが)。

 そして、公的な事業として病児保育が位置づけられることになります。これは実はとても大きな意味合いをもっています。子育て支援の事業として、行政が責任をもち、市民サービスの一つとして実施されることになるからです。

 私たちの病児保育が、新しいステージに到達します。補助金をいただけるだけではなく、私たちのこれまでの努力や思いが報われることになるのだと思います。

 昨日の予算案発表は、そんな意味合いを持ったものでもありました。

投稿者 tsukada : 2009年02月25日 21:30