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2009年02月28日

感染症情報

○インフルエンザ
○ウイルス性胃腸炎↑
△溶連菌感染症↑
△水ぼうそう↓
×おたふく
×麻疹
×風疹
--------------

 インフルエンザ発生数は今週は50名。先週が42名で、やや増加しました。2月上旬から順調に下火に向かっていましたが、終息までもうしばらくかかりそうです。引き続き注意をお願いします。

 ウイルス性胃腸炎(嘔吐下痢症)が49名、インフルエンザとほぼ同じ程度に発生しています。例年、春先は多くなるので、注意を。

 水痘は減少し、溶連菌は若干増加しています。

※今日から3月8日までは「子ども予防接種週間」。受け忘れたものがないか、母子手帳を開いて確認して下さい。おたふく、水痘などの任意接種もぜひ受けて下さい。

投稿者 tsukada : 19:33

2009年02月27日

2月は・・

 明日で2月が終わります。一年で最も短い月・・仕事をしている上では、困ったものです。

 月末にはいろんな仕事があります。職員にお給料を払い、業者への支払いもあります。毎月発行している「通信」も月末に作ることにしています。

 いつもの月では、こういった“雑用”は1週間ほどで順に行っていけばよいのですが、2月は違います。1月や3月などより3日は短いのです、短期集中でこなさなくてはいけません。

 今年はさらに月末が土曜だということも関係しています。週末は銀行がお休みなので、支払いは今日まで。そしてその手続きは昨日の木曜が実質的な締め切りです。

 そんなこんなで、慌ただしい一週間を過ごしていました。インフルエンザの流行が下火に向かい、外来の混雑がさほどではなかったことが幸いでした。

 ほんとうに2月というのは、困った月です。私の誕生月だというのに・・それだからよけい?

投稿者 tsukada : 18:15

2009年02月25日

病児保育は新しいステージに

 ローカルな話で恐縮ですが、お付き合い下さい。当院がある新潟県上越市のことです。

 昨日、上越市は来年度予算案を発表しました。厳しい財政の中で、なかなか思い切った政策を実現することは難しいのでしょう。

 そんな中でも、子育てに関係するものがありました。一つは通院医療費助成の拡大です。通院(外来)の医療費は現在は小学校入学前までです。1回530円の自己負担をのぞいた残りを助成しています(5回以上は負担なし)。それを小学校卒業までに拡大をします・・ただし、全ての子どもたちが対象ではありません。所得の少ない家庭や、医療費負担が大きな患者さんだけです。

 財政難であることは分かるのですが、せっかく拡充するのですから、“格差”をつけずに実施してほしいものです。来年度はもう仕方ありますが、できるだけ早く、制限をなくすことを願っています。

 もう一つあります。「病児保育事業」が新たに始まります。これまで市が行っていたのは「病後児保育事業」・・病気の回復期のお子さんだけが対象で、2つの施設を市が運営しています。そこに加えて「急性期の病気をしているお子さん」も対象にする事業をスタートする、というものです。

 この「院長ブログ」をいつもお読みいただいている方や、当院のことをご存じの方にとっては、もしかしたら混乱してきたのではないでしょうか。塚田こども医院には「わたぼうし病児保育室」が併設してあり、すでに上越市には病児保育は実施されている。新規事業というのはおかしいのではないか・・。

 現在はわたぼうし病児保育室は民間が行っているし、市などからの補助は全く受けていません。運営費の一部は利用者からいただいていますが(1日2,000円)、大半は医院からの持ち出しで行っています。そんな状態を2001年の開設から続けてきました。

 来年度からは、市が「病児保育」を実施しますが、実際の事業は委託をして行います。医師会を通して市内の医療機関に受託の希望をとっていますが、当院だけが手をあげたと聞いています。

 この予算案が議会で承認されれば、4月からは上越市の事業としてわたぼうし病児保育室を運営することになります。保護者のご負担はこれまでと同じですが、医院からの持ち出しは軽減することになるでしょう(それでもゼロにはなりませんが)。

 そして、公的な事業として病児保育が位置づけられることになります。これは実はとても大きな意味合いをもっています。子育て支援の事業として、行政が責任をもち、市民サービスの一つとして実施されることになるからです。

 私たちの病児保育が、新しいステージに到達します。補助金をいただけるだけではなく、私たちのこれまでの努力や思いが報われることになるのだと思います。

 昨日の予算案発表は、そんな意味合いを持ったものでもありました。

投稿者 tsukada : 21:30

2009年02月24日

藤田健次さんのこと

 以前、藤田健次さんからいただいた絵はがきです。

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 藤田さんの版画には郷愁があります。青森の大地に根ざし、人々の生活の中にあるものを題材にしています。郷土で長く伝承されている民話や遊びもテーマです。子どもたちの描かれているものが多いのも特徴かもしれません。

 そして、その版画の中からは温もりが伝わってきます。子どもたちへの優しいまなざしを感じることもできます。

 青森の版画家というと棟方志功さんが有名です。みちのくの国には創作意欲をかき立てるものが豊かにあるのでしょうね。

 藤田さんはご自身の体験を『看護婦のオヤジがんばる』という本にまとめて出版しました。私もこの本に感銘を受け、失礼とは思いながら手紙をさしあげた、というのが最初のきっかけです。

 藤田さんからは丁寧なご返事をいただいたり、時には本物の版画をいただいたりしたこともあります。そして本が好評だったので、その続編が作られました。その『続・看護婦のオヤジがんばる』の中に、当時栃木県で“看護婦のオヤジ”の一人だった私のことを取り上げてくださいました(本の中では“Tさん”になっています)。

 私が新潟県にもどり、小児科医になり、病院の勤務医になり、そして開業医として歩んできたその間もずっと、私を応援してくれました(私はそう思っています)。

 時々いただく絵はがきやお手紙では、いつも癒され、勇気をいただいてきました。私からは何もしていないのに、そんなことはおかまいなく、とても良くしていただきました。

 昨日のNHKテレビの中に映っている藤田さんを拝見し、思っていたとおりの優しくて、懐の大きな方だというのがよく分かりました。笑顔とユーモアも忘れず、周囲の人たちを明るくし、ハッピーにしてくれます。

 まだ藤田さんには直接お目にかかったことはないのですが、いつかどこかで出会うことができればいいな。その時にはどんなお話をするのだろう。私はきっと照れて、何も言えないかも。・・そんな空想も、また楽しんでいます。

投稿者 tsukada : 18:15

2月は・・

 今月は私の誕生月。満52歳になりました!

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 職員からは今年も素敵なお花を頂戴しました。さっそく玄関に飾らせていただきました。

 半世紀と2年間生きていたことになります。振り返ってみると、短かったともいえますし、けっこう長いものだとも思います。

 自分がいくつまで生きられるのか、分かりませんが、「人生百年」だとすると・・中間点を折り返して復路を走り出したあたり。これまでの半生と同じくらいの長さを生きることができるかもしれません(できないかもしれませんが)。

 でもまだまだやりたいこと、やらなくてはいけないことがたくさんあります。そろそろ“初老”ともいわれかねない年齢です。体力、知力、そして気力をさらにアップさせて、これからも小児医療の第一線で仕事をしていきたいと願っています。

 小児科は子どもたちがパワーをもらえます。そのためか、他の科の先生方よりも気持ちも体も若いような印象があります。私もせいぜい“若作り”をしながら、子どもたちと一緒に歩んでいきます。

 この院長ブログも、まだまだ続けていきますよ!

投稿者 tsukada : 18:05

もうすぐおひな様

 医院の中もおひな様の飾りをだしてみました。

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 これは確か昨年買った物。一番にぎやかですし、お気に入り。ただ・・一つ一つは小さいので、手が届かないところに置いてあります(診察室のファイルボックスの上)。子どもたちには見えにくいかもしれませんね。

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 スティッチは今年の新作です。毎年少しずつ増えてきました。

投稿者 tsukada : 08:31

2009年02月23日

版画家・藤田健二さん

 今日のNHKテレビで、じつに懐かしい方をお見かけしました。版画家の藤田健次さんです。

 それは『鶴瓶の家族に乾杯』の一シーン。俳優の前田吟さんが青森にすむ藤田さんに会いにいくという設定でした。

 この番組を見られた方は分かったと思いますが、かつて藤田さん原作の映画に主演として出演したのが前田さん。藤田さんが自分のことを書いた本がベースになっていて、前田さんは藤田さんの役を演じたのでした。

 『看護婦のオヤジがんばる』という名前の本と、同じ名前の映画。藤田さんご自身は職業安定所(ハローワーク)に勤めながら、看護師の奥さんを支える、という実話です。

 看護婦さんの勤務はけっこう大変で、とくに病棟勤務では夜勤があるために、家族の負担は大きなものがあります。家族が支えなければ、看護婦としての仕事はなかなかできない。その頑張るオヤジたちにもエールを!というストーリーです(もしかしたら違ってたかもしれませんが、私はそう思っていました)。

 今から30年ほど前の映画です。実に久しぶりの再会。藤田さんの家にあがり、昔話に花を咲かせていたようです。

 藤田さんは公務員をするかたわら、そして“看護婦のオヤジ”として頑張りながら、版画の制作を続けていました。当時から地元ではそうとう有名な版画家だと聞いていました。今では職安の所長を最後に退職されたあとは、版画にすべての力を集中させているようです。

 私は藤田さんと親交があります。映画ができる前からのお付き合いです。藤田さんからは毎年、年賀状をいただきます。ずいぶん前になりますが、大きな版画をいただいたこともあります。

 そんな藤田さんに、今日会えた偶然にとても驚き、そして感謝しています。

 藤田さんと私がどうつながっているのか・・不思議ですよね。それはまた明日お話ししましょう。

投稿者 tsukada : 23:58

2009年02月21日

今週の感染症情報

○インフルエンザ↓
○ウイルス性胃腸炎↑
○水ぼうそう
△溶連菌感染症
△マイコプラズマ
×おたふく
×麻疹
×風疹
--------------

 インフルエンザ流行は1月末〜2月上旬をピークに、その後発生数は減少傾向。今週は42名と、ピーク時の1/4ほどになりました。(1月26日からの1週間で157名が最高)

 これは全国的な傾向とも一致しています。完全な終息まではもう少しかかるでしょう。

 ウイルス性胃腸炎(嘔吐下痢症)が目立っています。春先まで流行が続きそうです。

 今週は真冬の厳しい気候でした。体調に気をつけて過ごして下さい。

投稿者 tsukada : 12:50

2009年02月20日

人生の舵

 もう大臣を辞任して「過去の人」となった中川氏のことを、これ以上あれこれ言うのはやめます。誰のせいでもない、「身から出たサビ」で進退が決まったのですから。

 でもまだ「現在の人」が残っています。その人たちの責任は、だれがどうとったのでしょう。まだ誰もとっていないように思います。

 まずは麻生首相。大臣として任命した責任は大きなものがあります。大臣として適任ではなかったにもかかわらず、彼に重要閣僚を任せたのは問題でした。どう責任をとるのでしょう。(もともと政治家としても適任とはいえませんが)

 周囲にいた役人や秘書などもどうだったのでしょう。彼の飲酒癖を助長させてはいなかったでしょうか。見て見ぬ振りをする・・そんな態度をとっていなかったでしょうか。もしそうだったとしたら、そして黙認していたことを今でも認めず、反省することができないのなら、その人たちは行政や政治の世界にいるべきではありません。

 新聞やテレビといったマスコミも問題でしょう。彼が「酔いどれ会見」を開いたあと、過去のトラブルなど、どんどん出てきます。つまり今まで知っていたのですね。ならば、なぜ今まで放置していたのでしょう。

 「権力の横暴をチェックする」「政治や行政の不正をただす」といった社会の浄化機能を、マスコミは担っているはずです。臭い物があるとしっていて、その正体も分かっているのに、そのままフタをしておく。トラブルになって初めてフタをあける。

 そして、「永田町では周知の事実」とまで言う。知っていたのなら、なぜその時に問題にしないのか。もっと小さなトラブルの時に、それを取り除く努力をすることって、マスコミにとっては「美味しい仕事」ではないのでしょうね。

 大きな事件がおきたときに、「そら見たことか・・」といって大騒ぎする。法的に間違っているわけではないでしょうが、社会倫理などという大きなテーマを常にとりあげ、社会に警告を発しているマスコミとしては、いささか問題ありといわざるをえません。

 さらに・・あの飲酒会見の前に、ローマでいっしょに酒を飲んでいた記者がいたというのですから驚きです。仕事として政府要人に随行し、重要な会議について取材するのが彼らの役割です。

 確かに気心が知れていないと、情報を流してくれない、といったこともあるでしょう。でも記者は「お友達」ではありません。飲食をともにすることで、逆に間違った情報をもらったり、情報操作の片棒を活がされたりすることもあるかもしれない。そんなリスクがあるのだということを、記者としての教育を受ける中で教えていないのでしょうか。

 当初の報道では、中川氏の行動を詳しくは報じていません。でも、すでにその段階で、周囲にいた「仲良し記者」たちは、彼が今回もまた深酒をし、昼からアルコールを飲んでいたという、具体的な事実に基づいた重要な情報を持っていたことになります。情報の根拠は、自分たち記者の行動ですから、間違えようがありません。

 でも、それを本社に報じるのは、さぞためらわれたことでしょう。もしつぶさに事実経過を伝えたとしても、東京の本社でもやはり逡巡したことでしょう。どちらに問題があったのかは分かりませんが(おそらく両方なのでしょう)、けっきょく記者もいっしょになって現地で酒を飲んでいた、などという報道はされていません。

 テレビの中で、報道に携わる人たちが、こういった不祥事を声高(こわだか)に非難しています。でも、ほんとうにそんな態度をとれるのか、疑問にも思います。自分はちゃんとしているの? 記者やスタッフはどう? 会社は社会的責任をきちんと果たし、モラルある行いができているの?

 悪いことをした人を擁護するつもりはありません。私も弱い人間だから同じことをしてしまうかもしれない、などと自己擁護するつもりでいっているのではありません。

 他の人や組織にモラルを求めるのと同じように、自らもモラルをもつよう、ふだんから努力する必要がある、という話をしたいのです。もちろん、それは私も例外ではありません・・そうしようと思っています。でも十分出来ているかというと、自信はありません。まだまだです。

 齢(よわい)50数歳。人生の半分はもう過ぎましたが、これからも「方向」だけはしっかりと舵をきっていきたいと願っています。

投稿者 tsukada : 23:59

2009年02月18日

治療のすすめ

 件(くだん)の中川氏が財務大臣を辞任しました。「続投」→「予算成立後に辞任」→「即日辞任」ところころ変わる姿は、“酔いどれ会見”と並んで見苦しいものでした。

 麻生総理の責任もますます大きなものになりました。ほとんど病人のような方に重要な閣僚をまかせ、事件をおこしたあとの対処も不適切。これ以上、日本の政治を安心してまかせることは無理でしょう。ご自身の進退を考えるところまで来ているのだと思います。

 中川氏はおそらくアルコール依存症なのでしょう。直接診察をしているわけではないので、断言はできませんが、マスコミなどの情報からは十分に推測できます。

 アルコール依存症のチェックリストをみてみましょう(CAGEによるチェック)。
1 あなたは今までに、自分の酒量を減らさなければいけないと感じたことがありますか?
2 あなたは今までに、周囲の人に自分の飲酒について批判されて困ったことがありますか?
3 あなたは今までに、自分の飲酒についてよくないと感じたり、罪悪感をもったことがありますか?
4 あなたは今までに、朝酒や迎え酒を飲んだことがありますか?

 本人がどう感じているかは分かりませんが、飲酒によってトラブルをおこし、それが周囲からたびたび批判されています。勤務中でも飲酒している(とくに大きな会議の前に)という証言もあります。やはり「アルコール依存症」は十分に疑われるところです。

 飲酒を始めると、自分でその量をコントロールできず、過量摂取(深酒)になってしまうのでしょう。そして、アルコールの力を借りないと重大な意志決定やできなかったり、行動を起こせなくなっているのでしょう。

 自身が病気であることを認めるのはなかなかできません。辛いでしょうが、自分の病状を見つめて、それを認め、そこから始めて下さい。

 中川さん、あなたのいるべき場所は政治の世界ではもうありません。アルコール依存症の専門病院へどうぞ。そしてしっかりと治療を受けて下さい。

 アルコール依存症はしだいに増えてきましたし、ストレスの多い現在社会ではますます問題になる病気です。「アルコール依存症から見事に立ち直った政治家」として、もう一度デビューされることを祈っています。きっと国民の注目を集めると思います。

投稿者 tsukada : 21:52

2009年02月17日

漢方薬のすすめ

 「中川財務大臣問題」では風邪薬がずいぶんと話題になりました。「抗ヒスタミン剤」などという名前も登場しました。

 抗ヒスタミン剤は鼻水や皮膚の痒みをとめる働きがあります。一般的な風邪薬にはだいたい入っていますし、アトピー性皮膚炎やじんま疹などの皮膚疾患でも大切な薬です。アレルギー性鼻炎や結膜炎(花粉症も含む)でも主な症状を抑える効果があります。

 ただし問題なのは眠気が出やすいこと。個人差もあるようですが、子どもたちに使っても眠気が強いために減量したり、中止したりすることもあります。大人ではさらに副作用が起きやすく、服用中は自動車の運転などをしないようにお願いしています。

 アルコールと併用すると、眠気は半端ではありません。“ろれつが回らない”だけではなく、意識が低下してしまうこともあります。

 もし彼が風邪薬の副作用で「居眠り会見」を行ったのだとしたら・・今後は抗ヒスタミン剤の説明文書に「重要な会議などの前には飲まないこと」あるいは「飲んだら会議などには出席しないこと」と書かなくてはいけないのかも・・。

 眠気がでない薬は、とくに大人では必要になります。アレルギーの治療薬には、抗ヒスタミン作用を少なくして眠気がほとんどでないものもすでに発売されています(商品名「アレグラ」など)。でも風邪の一般的な薬ではないために、臨床現場では鼻炎症状に効く薬がなかなかないのが実際です。

 そんな時にとても有効なのが「漢方薬」。眠気がでないのが大きな利点です。けっこうよく効くものが多いんですよ。

 鼻水を抑える働きがあるものがあります(「小青竜湯(しょうせいりゅうとう)」など)。皮膚の痒みをおさえる働きがあるものもあります(「消風散(しょうふうさん)」や「治頭瘡一方(ぢづそういっぽう)」など)。

 風邪やインフルエンザの初期症状である寒気やだるさを軽減させる漢方もあります(「麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)」、「麻黄湯(まおうとう)」、「葛根湯(かっこんとう)」など)。こんな働きは、実は“西洋薬”にはないものなので、とてもありがたい薬です。

 漢方薬というと、長く飲んでいて次第に効果が現れてくる、というイメージがあります。確かに「体質改善」のために長期に服用するものもありますが、本当は即効性がある薬も多いのです。先にあげた感冒に使う薬はまさにそう。

 胃腸炎のときに使う「五苓散(ごれいさん)」も同じで、一回分飲むだけで、吐き気がそうとう軽減されることがよくあります。(私もこの薬で何度も助けられました)

 ということで、眠気の出ない風邪薬が漢方薬にはあります。ぜひ中川さんに薬を処方するときには、漢方薬にしてあげて下さい。

 ・・もっとも、もうすぐ辞任するので、もう関係ないかもしれませんが。

投稿者 tsukada : 18:40

辞任

 中川蔵相が辞任することになりました。先日の国際会議後の記者会見でみせた醜態がその原因です。

 当然だという受け止め方が大半でしょう。飲酒のためか、薬の副作用なのかは定かではありませんが、いずれにせよ、彼が日本の政治をつかさどるには値しないことをしっかり証明してくれました。

 それでもまだ「予算案が衆議院を通過してから辞任する」と言っているのは、何ともみっともない。悪あがきはもうやめましょう。

 今日は病院を受診したそうです。医師からは「疲労がたまっている」「抗ヒスタミン薬の副作用」という診断(?)を引き出したとか。

 今の彼を診察すればそういう結論になるでしょう。でも問題は、当日のこと。その場で飲酒していたのか、何の薬をどれくらい飲んだかは、時間が経過すれば分かりません。

 今日となっては呼気にアルコールがでるわけでもなく(そのあとも飲酒していれば別ですが・・まさか、昨夜も飲酒していたなどということはないでしょう)、血液検査でも「痕跡」すらでないでしょう。

 酒や薬についてはすべて自己申告。主治医はそんな一方的な情報しかないわけですから、そこで下される「診断」は客観性がなく、医学的に正しいとはとてもいえないものです。

 「疲労がたまっている」というのも医学的に説明するのは難しいです。疲れている・・それは表情をみればある程度分かります。でも、ハッキリさせる検査はありません(私が知らないだけ?)。客観的に評価できないのですから、これも自己申告にならざるをえません。

 その疲労がいつからたまっているのかも分かりません。彼の態度が国民からこれだけ厳しく追求されれば、そりゃあ疲れてくるでしょう。今日の彼をみて「疲労がたまっている」と診断できたとしても、それがいつから始まり、どれほどのものかを明示することはできないのです。

 彼は辞任を表明した記者会見で、入院するとも語りました。「そんなに具合が悪いのなら仕事ができないのではないか」という記者の質問に対しては、「入院していた方が休むことができ、仕事に集中できる」という旨を語っています。あきれるばかりの自己中心的な発言です。

 ときに病院は政治家の避難場所になります。隠れ蓑といったほうがいいかも。そんな自分勝手は政治家に振り回される医療機関や医者は、いい迷惑です。(時にはグルになっている、なんてこともあるようですが)

 一番振り回され、迷惑しているのは国民ですよね。即時辞任。あるいは罷免。・・国民に明確に説明できる政治家としての責務は、これしかないと思いますが、いかがでしょう。

投稿者 tsukada : 18:15

2009年02月16日

こんなことをしている時ですか!

 中川財務大臣がやってくれました。イタリアで国際会議(G7)のあとの記者会見で、しどろもどろの姿を日本人にだけではなく、世界に“発信”しました。

 記者からの質問に受け答えすることができず、発言もろれつが回らなかったり、意味不明のものも。目は真っ赤で、視点があわず、居眠りしている場面も映像から見て取れます。

 本人は風邪薬を多めに飲んだからだと弁解していますが、本当のそう? どうみても酔っぱらっているようにしか見えませんよ。

 確かに風邪薬を飲むと眠くなります。とくに鼻水を止める薬(抗ヒスタミン剤)には眠気という副作用があるものです(咳止めにもあります)。だから通常量を飲むときにも、自動車の運転を避けるなど、不意の眠気に注意するようお願いしています。

 それを多めに飲んだというのですから、眠気はそうとうなのでしょう。でも、やっぱりウソっぽい。多めに飲むってことを、普通はしませんよね。風邪薬を多く飲んだから、風邪がより早く、きちんと治る、なんてことはありませんし、一般の方もそれが常識でしょう。

 そもそも風邪をひいていたのですか? 一国の大臣が重要な国際会議に出席するのですから、体調の管理は本人がしていなくても、周囲が気をつけているはずですよね。随行の医師はいないかもしれませんが、イタリアの大使館には、何かあったらすぐ手当をしてくれる顧問医がいるでしょう。自分勝手に風邪薬を、それも多めに飲むという状況が、まずおきないのではないかと思います。

 もし風邪薬を飲んだとしても、それはいつ? こういった薬の作用や副作用は数時間程度で消えていきます。会議の前に飲んだのであれば、会議後の会見で眠気がまだ強く残っていることもないでしょう。まして、往きの飛行機の中で飲んだというのが本当なら、とても副作用としての眠気が続いているとは思えません。

 マスコミではそうとう飲酒していたのではないか、という推測が流れています。本人も、量は少ないけれど酒を飲んだことを認めています。もともと飲酒癖のある方だそうで、以前から週刊誌などで、深酒で翌日の仕事に影響を与えていたなどとかかれている方です。

 そうであれば、周囲はどうしてきちんと見てあげられなかったのか。会議の前後にはお酒はダメなのだと、きつく釘をさせておかなくてはいけなかった(まるで子どものようだけれど)。

 そして、あの状態で記者会見しようとしたら、止めるのが普通なのでは。歩く姿もフラフラで、ほとんど酩酊状態。きっと酒臭かったことでしょう。

 飲酒のためではなくても、とても人前に出てこれる状態ではなかったわけですから、そのまま“断行”させてしまうのは、正しい判断だったとはいえないでしょうね。

 記者の人たちのことも、実は気になっています。明らかに大臣の様子がおかしいわけですから、それについての質問やらつっこみをしてもいいはずです。「大臣はお具合が悪いのですから?」「お酒を飲んでいませんか?」

 そんな質問をするのも、世界の恥さらしかな。大人のふるまいをしていたのかもしれません。大臣に情けをかけて、あえて質問しなかった・・(その割には、そのあとでニュースなどでさかんに取り上げていますが)

 小渕恵三氏が総理大臣をしていた時の話です。彼は首相在任中に脳出血を起こし、亡くなりました。その前兆が見られていたというのです。記者から質問された際に、マイクを向けられなからしばらくの間、無言で立ちすくんでいました。言葉が出てこなかったようなのです。

 さかのぼって見直すと、どうもその頃から病気が始まっていたのではないか。まだ大きな症状がでないうちに脳血管などに異常がないかどうかを調べ、必要であれば早めに治療するなど、「早期発見・早期治療」ができれば、脳卒中をおこし、そのまま帰らぬ人になるという悲劇は避けられたかもしれません。

 そんなエピソードもあるので、あの中川大臣の様子を見て、大丈夫かな?と心配するような気持ちを、周囲も記者たちも持たなかったとしたら、それ自体が可哀想なことです。

 もしかして、日本に帰ってから“中川大臣辞任”“麻生内閣総辞職”などというシナリオを描いていたのかも。あとでしっかり追求しようとして、たっぷりカメラに撮っていたのだとしたら、記者たちもしたたかなところがあるものですね。

 そしてお付きの役人たちにも、そんな気持ちがあったのかもしれない・・なんて、本当に一方的な邪推(妄想?)もしてみたりしています。

 いずれにしても、今の日本はこんなことをしている状態ではありません。「100年に1度の大不況」で苦しんでいるのに、こんな醜態をさらす大臣をいただいているのは、あまりに情けないことです。きっぱりと次の大臣に変えてください。(それができないところに、今の政治家たちの罪深さがあるわけですが)

投稿者 tsukada : 23:59

やっぱり冬

 今日は冬型の天候が強まり、一面真っ白になりました。夕方までに20センチほどは降ったよう。

 週末は春のような温かさ。隣の糸魚川市では23.6度を記録するなど、ポカポカでした。それが一挙に真冬・・。

 雪国の自動車にはスコップや雪を落とすワイパーが必需品。でもこのところのお天気で、もういらないと思ってトランクから出していました。

 おかげで夕方自動車に乗るとき、フロントガラスを覆っていた雪のかたまりを払い落とすのに難儀。油断していました。

 道路も圧雪になり、走りにくくなっていました。近くの高速道路は何度となく通行止めになっていました。スリップ事故があちこちでおきたせいです。

 これが雪国の怖さ。一瞬にして表情を変えてきます。「暖冬少雪」だからと浮かれていたしっぺ返しなのでしょうか。

 でも雪が降ってくれたので、薪ストーブは気持ちよく焚くことができます。先日のように温かいと、火力の微調整がきかないので暑くなりすぎてしまうからです。

 帰宅後に自宅前の除雪のしました。もしかしたら今冬で初めてだったかもしれません。きれいに片付けられた乗り入れを見ると、すがすがしい気持ちになるものです。

 もっとも雪が降ったとはいえ、それほど多い量ではありません。消雪パイプと小さなブルドーザーを“完備”しているので、ものの10分もかからずに終了。汗をかくひまもありませんでした。

 これが今シーズン、最初で最大の寒波なのかも。あとは本当の春が来るのを待つだけなのでしょう。

投稿者 tsukada : 23:30

2009年02月14日

今週の感染症情報

◎インフルエンザ↓
○ウイルス性胃腸炎↑
○水ぼうそう
△溶連菌感染症
△マイコプラズマ
×おたふく
×麻疹
×風疹
--------------

 インフルエンザ発生数は今週は77名。2週間前の157名からほぼ半減し、峠は越えています。終息までもう数週間はかかると思いますので、引き続き注意をお願いします。

 ウイルス性胃腸炎が50名と増加、水痘も18名で多めでした。
 
 昨日は“春一番”がふき、スギ花粉の飛散も始まりそうです。花粉症の方は準備をお願いします。

投稿者 tsukada : 13:12

2009年02月13日

明日は・・

 明日は当院に併設されている「わたぼうし病児保育室」のおたのしみ会=にこにこ広場の日です。

2009021301.jpg

 いつもは具合の悪い時に利用してもらう病児保育室ですが、明日は元気な子どもたちにたくさん楽しんでもらえるよう準備をしています。

 お近くの方、どうぞいらっしゃって下さいね。

投稿者 tsukada : 18:52

2009年02月12日

嬉しい一枚

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 今日、外来を受診したお子さんからいただきました。私の顔を、よく見て描いてくれていますね。めがねもかけているし、髪も薄いし(T_T)

 病院に来るのは遊びにではありません。風邪を引いたり、なにか病気をしているから。だから病院のことをきらいになっても当たり前。医者の白衣姿を見るだけで泣き出す、なんてこともよくありますよね(私は白衣を着ていないけれど)。

 だから、こんなふうにわざわざ絵を描いて持ってきてくれるなんて、とても嬉しいです。お子さんの、私に対する思いを感じることができるからです。

 小児科医をやっていて良かったと思う瞬間でもあります。ありがとうね!

投稿者 tsukada : 20:55

2009年02月11日

“発掘”の経過

 昨日アップした映像はごらんいただけたでしょうか。今から31年前、NHKの全国放送で実際に放送されたものです。

 「お宝」だと言っているのは、私だけ。皆さんにとってはただの古い映像ですよね。一人芝居(?)にお付き合いいただき、恐縮です。

 この映像を記録したCDが先週、私のもとに届きました。いま大学で仕事をしている後輩が送ってくれました。

 自治医大というのは、とてもユニークな大学です。昨日の院長ブログに書いたように、僻地で将来働くことを条件に医師を養成しています。卒業後は出身県に戻ります。

 医学部を卒業し、医師国家試験に合格すると「医師」となります。しかし、この段階できちんとした診療ができる者はだれもいません。その後の研修が必要です。

 少なくとも2年間は臨床研修は必須。外科系などではさらに専門的な研修を続けなければ、臨床医として働くことはできません。

 今日本では地方の医師が不足し、医療崩壊がおきているといわれています。政府もようやく医学部の定員を増やすなど、何らかの対応をせざるとえなくなってきています。

 自治医大は、その設立の時から、そして初めての卒業医師を世に送り出してから、ずっとこの問題に取り組んでいます。設立は昭和47年(1972年)、1期生の卒業は昭和53年(1978年)ですので、30数年の歴史があります。

 そんなユニークなシステムをもつ医大ですが、先例はありません。日本で初めての経験。当時は、先が全く見えていない中で、新しい道を模索していました。

 今でも自治医大のもつ問題は解決していません。日本に過疎地がなくなり、医師不足の地域がなくなったわけではないからです。いや、以前よりさらに困難な状況に、日本の医療は直面しています。

 自治医大の存在意義とは何か、日本の医療の中でどんな役割を果たしてきたか、これからどんな方向にすすめばいいか・・そんな問いかけを絶えず行っています。

 そういった動きの中で、私が写っている映像が見直されたのだそうです。卒業医師が抱える問題や、大学自体のもつ問題をはっきり言いきっている、ということで注目されたようです。

 しかしこの学生がだれなのかが、当初は分かりませんでした。私は今では地方の小児科開業医としてひっそり(?)過ごしています。卒業してから母校を訪れることもほとんどありません。私のことを知らなくて当然でしょう。

 最近自治医大の地域医療学講座に入った新潟県の後輩が、たまたま私のことを知っていて、“指名手配者”の面が割れた、という次第です。(彼は一昨年、天皇が自治医大を視察に来られたときに「天覧講義」をしているというすごい医者です)

 先月、彼に会ったときにこの話を聞き、とても嬉しかったです・・当時の映像が長い年月を経て、今また注目されたこと。そして話の内容が今でも色あせていないこと。

 私自身も学生時代は医療とはどうあるべきか、自分は医師となって何をすべきか、など真剣にかんがえていました。学生自治会の役員としても仕事もしましたし、医学生を中心に自主的な勉強会もしていました。

 たった1分ほどの映像が“評価”されただけですが、私の学生時代の営みの全てが評価されたように感じました。あるいは、私自身の存在が自治医大の歴史の中で認められた・・そんなふうにも感じました。(ここまでくると妄想かも)

 その場ですぐに「ぜひ送って下さい」とお願いしたのは言うまでもありません。私のわがままを聞いていただき、感謝です。もうすぐ52歳になりますが、良い誕生日プレゼントになりました。

 これからの人生にとって、心のよりどころになりそうな予感もあります。私のアイデンティティーがこんなふうに確立されていった、そんな“証拠”なのかもしれません。それを手に入れることができた私は、幸せ者です。

投稿者 tsukada : 23:29

2009年02月10日

お宝映像発掘

 私の学生時代を録画した映像が“発掘”されました。学生時代に学生集会で演説?をしている様子が映っています。

 私は自治医科大学の出身。医学生には入学金、授業料などの全てを貸与し、卒業後一定期間(ふつうは9年間)出身の都道府県で僻地勤務などの義務を果たすと、その返済が免除されます。

 私はその4期生。開学して4年目に入学しました。3年の最後で、初めての卒業生が誕生する段階になり、卒業後のことが大きな問題になってきました。

 私は学生自治会で、卒後対策を担当。卒業後の研修問題(十分な臨床研修を確保しなければ、腕の良い医者は育たない)、大学の存在意義(僻地勤務する医者を育てるだけでは、僻地医療の解消にはならない)など、大きな問題に直面していました。

 非常に得意な医大だということで、当時マスコミがよく取材に来ていました。中でもNHKはずっと映像をとり続け、特集番組を何度か放送しました。

 私の「お宝映像」はNHKが録画し、全国放送で使ったものです。その映像を久しぶりに(ほぼ30年ぶり!)見て、自分で照れてしまいました。けっこうまじめな学生だったんですね。

 「発掘」の経過はまた後日お話するとして、まずは私の若かりし頃の映像を、どうぞご覧下さい。

「お宝映像」はこちら

投稿者 tsukada : 18:00

2009年02月09日

診察券アート

 医院に“巨大アート”が登場しました。

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 私の顔をパネルに仕上げたのだそうです。当院の保育士さんたちのお手製。ベニヤ板1枚分のとても大きなものです。

 絵の部分は卵の殻で作られています。絵の具で着色し、それをくっつけてあります。立体感ばつぐん。(殻を集めるために、ずいぶん卵を食べたようです)

 下地はプラスチックのカードを並べて作ってあります。これは当院の診察券。昨年秋に電子カルテを導入した際、新しい診察券を作りましたが、そのために不要になったものです。

 以前から使っている診察券がそろそろ足りなくなってきたということで、作ったばかりでした。それも万の単位で、大量に(>_<)

 それが全部ムダになったのですから、いささかへこんでいました。廃棄処分しかないな、と思っていましたが、棄てるにもお金がかかります。何より、新品のカードが一度も役に使われないままゴミになっていくのは、カードに申し訳ない気持ちにもなっていました。

 そこで思いついたのが保育士さんに“有効利用”してもらうこと。どんなことに使って貰うか、決めていたわけではありません。でも職業柄(?)、こういった素材があるといろんなアイデアが出てくるはず。創作意欲もきっとわいてくるでしょう。それを期待して、数万枚のカードを渡しました。

 そして出来た第1号が、この巨大パネルというわけです。こんなふうに作ってくれて、それも診察券をうまく利用してもらえて、とても嬉しいです。

 受付の後ろに飾ってありますので、来院されれば自然と目にとまるでしょう。どうぞごらんになって下さい。

 さて「診察券工作」の第2号は何かな? きっとまたいろいろと考えているでしょうね。楽しみにしていますよ。

投稿者 tsukada : 21:16

2009年02月07日

今週の感染症情報

●インフルエンザ↓
○ウイルス性胃腸炎↑
○水ぼうそう↓
△溶連菌感染症
△マイコプラズマ
×おたふく
×麻疹
×風疹
--------------
 数年ぶりの大流行になったインフルエンザ。今週は113名と、先週の157名より減少しました。峠は越えてきたようです。

 これまではA型が主、今後B型が流行する可能性もあります。ひきつづき注意していて下さい。

 ウイルス性胃腸炎(嘔吐下痢症)は増加傾向。春の終わりまで流行が続くのが例年のパターンです。

投稿者 tsukada : 13:22

2009年02月06日

雷と犬

 今日は曇り時々雨。雪はとうとう降りませんでした。昨日の予報は、外れました。2月上旬といえば冬の中の冬。厳寒のはずなのですが・・。こんなことでいいのかな、と心配になってしまいます。

 夜中は雷が鳴り、いかにも雪が降ってきそうな予感がありました。でも降ってきたのは雨だけ。あの大きな雷はなんだったのかな。

 雷のおかげで私は今日は寝不足ぎみ。真夜中の雷鳴がうらめしいです。なぜ眠れなかったかというと、私が大の雷嫌いだから・・ではありません。むしろけっこう平気です。

 雷に敏感なのは、我が家の愛娘(まなむすめ)。といっても、ワンコのことですが。怖がって大きな声でほえてしまいます。

 別室で寝ているので、一人・・いや一匹にしておくのはかわいそう。それに近所迷惑になります。居間に行き、ソファーで添い寝(^^;) 私が傍らにいたので落ち着いたのか、すやすやと眠りにつきました。

 雷が鳴っていたのは30分ほど。いつのまにか私もそのままソファーで横になっていました。朝までずっと。ぐっすり眠った気持ちになれないのは、ベッドでちゃんと寝なかったからなのでしょう。

 実は今もソファーで一緒にいます、愛犬と。私はノートパソコンを持ち出して、この「院長ブログ」を書き、隣でワンコがすやすや。本当に気持ちよさそう。

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 でも今日はここまで。いつまでもソファーにいたら、明日も寝不足で、仕事に差し支えてしまいますから。なまだまだインフルエンザが大流行中。自分の体調管理もきちんとしておかないと。

 では、あとは自分のねぐらに戻ってくださいな。私もベッドに移動しますから。お休みなさい。

投稿者 tsukada : 23:59

2009年02月05日

以前にも

 昨日はある小学校での授業が取りやめになったとお話ししました。インフルエンザ流行によって学級閉鎖になったからです。雪国では、冬場の行事にはこんなリスクが伴うものです。以前にも同じようなことがありました。

 ある保育園での予定されていた講演会が、天候の関係で延期になりました。市内ではありますが、山手にあります。冬の雪も半端ではありません。

 大雪のこの年、講演会の前日から寒気が強くなり、当日は大雪。道路の除雪はちゃんとしていますし、私の自動車は四駆なので、行く気満々だったのですが、園から中止の連絡が入りました。

 講演会は夜なのですが、終わったあと、吹雪の夜道を無事帰ることができなくなるかも・・というのです。「往きはよいよい、帰りは怖い」と。(延期になった講演会は、春になり、雪が消えてから、心おきなく実施されました)

 別な保育園の講演会では、「インフルエンザ流行真っ盛り+真冬の夜」という、最悪コンディションで“強行”したこともありました。このときは、参加者が少なかったように記憶しています。

 年に数回は、こうした講演会などを行っています。依頼があった時には、時間の都合が合えばできるだけお受けしようと思っているからです。いつもは診察室にいて、病気になったお子さんを診ていて、親御さんとお話しできるのは、その病気のことなど、少ししかありません。

 体系だったことをお話しし、子どもたちの体や心の健康作りに役立つようなお話をさせてもらえる機械は、子どもの幸せを望んでいる小児科医としては、とてもうれしいものがあります。

 これまで総計ではどれくらいの講演や講義を行ったことでしょう。数えたことはありませんが、もしかしたら100回を超えているかもしれません。その中で記憶に残っているのは、何かトラブルがあった時のほうです。

 中には私の準備不足で、きちんとしたお話ができなかったというトラブルもあります。もっとこの部分を丁寧に伝えたかった、もっとわかりやすいスライドを作っておけばよかった・・そんな反省はたくさんあります。でも、あまり落ち込まないようにしています。

 反省するのは次に生かすため。全然ダメだった、などと自己否定をしてしまうと、そのまま起き上がれなくなってしまいそう。だから、あんまり反省しないようにしているのです。

 原稿もきちんとは作りません。何を伝えたいか、というアウトラインを決め、その内容にそったスライドを作ります。話はその場勝負。会場の様子を見ながら、話を伝えていきます。

 学会の発表のように、お話する原稿をきちんと作ると、それを読むことが主になりそう。内容としては正しいし、より多くの情報をいれることができるでしょうが、“生きた話”にならないように思ってしまいます。

 多少内容が少なかったり、デコボコがあったりするかもしれませんが、会場の皆さんを見渡しながらお話ししていく方が、うったえる力が大きいのではないかと思います。これからも、そんな「ノー原稿」スタイルで講演や講義、あるいは授業をしていきたいと思います。

 もっとも、塚田の話はちゃんとしていない、などという評判がたつと、だんだんと依頼がこなくなってしまうかもしれません。伝えたい内容そのものは、きちんとしているつもりです。

 形が平均的ではないかもしれませんが、そのあたりはどうぞご理解いただき、あたたかく見守っていてくださいね。

投稿者 tsukada : 23:59

晴天

 今日はとても温かい一日。最高気温が10度近くまでなったそうです。3月中旬の温かさ。周りを見渡しても雪がまったくありません。

 これって、大丈夫? 雪国に雪が降らないと、夏場の水が不足してしまうかも。「暖冬」は「渇水」と裏表の関係なのです。

 でも天気予報では、明日は冬型になるそうです。雪が降るとのことで、春先から一転して冬に逆戻り。といっても、雪が降って当たり前の季節なのですが。

 「雪国なのに雪がない」ことが話題になるのは、雪が降るのが当然だから、ですよね。いずれは「かつて雪国だったところに、雪が降った!」と話題になる時がくるかも。

 夜になり、外は雨になってきました。雷も鳴り始め、どうやら明日は本当に雪になるかも。久しぶりの雪景色を楽しめそうです。

投稿者 tsukada : 23:30

2009年02月04日

学級閉鎖の余波

 インフルエンザ流行に伴って学級閉鎖が多くなっています。インフルエンザは人から人に感染が移っていきます。とくに子どもたちの集団の中で一挙に患者発生が起きてしまいがちです。

 特別な規定があるわけではないのですが、学級で2割ほどの子どもたちがインフルエンザで休むと学級閉鎖の処置をとっているようです。(学級閉鎖は学校長の判断でおこなわれます)

 それ以上学級内での流行を大きくしないためもありますし、ほかの学級や学年に流行が拡大していかないようにするためでもあります。学校での流行が大きいと、地域での流行も大きくなりかねません。とくに家庭内の乳幼児や高齢者へ感染させる危険性もあります。

 感染の拡大を防ぐためには、流行の兆しがあれば早めに学級閉鎖にした方が良いようです。その期間も、インフルエンザの潜伏期が1〜2日程度ですので、できれば3日以上が理想です。短い期間だと、学級閉鎖より潜伏期が長くなり、学級閉鎖が終わって子どもたちが集まったあとにちょうど発症する患者がでてしまいます。

 でも、学校現場ではなかなか学級閉鎖の対応がうまくできないことも多いようです。決定の時期が遅れて、流行阻止に役立たなかったり、期間が短いために流行がいつまでも続いたりすることもあります。

 学校長は学級閉鎖をどうするか、迷うのでしょうね。授業がないわけですから、学習がどうしても遅れます。流行シーズンが学年末にあたるので、それでなくてもきっと押せ押せ状態。できれば授業日程をこなしていきたい、と思うかもしれません。

 家庭の事情もあります。急に学級閉鎖になった時に対応できない家庭もあるでしょう。専業主婦や祖父母同居の家では大丈夫でしょうが、核家族でお母さんも働いている家では難しいかも。

 そんなことも考えると、校長先生が迷うのもうなずけます。ですが危機管理の基本は時間との戦い。流行を阻止するためには、やはり早めに、かつ大胆に対処することをお願いします。

 ところで「学級閉鎖」の余波が私の身にも降りかかってきました。今日の午後は、ある小学校で6年生に授業をすることになっていたのですが、昨日から学級閉鎖になり、子どもたちが誰も学校にいないという事態に。

 授業の用意もしていたのですが、肩すかしにあいました。来月に日程を変更し、再チャレンジすることになりそうです。

 急にぽっかりとあいたスケジュール帳・・何をすればいいか、困ってしまった私です。時間が空いているとつい仕事で埋めてしまうことが多いので、何もないというのが不安。これはきっと「仕事中毒」の症状なのでしょうね。

投稿者 tsukada : 23:59

学級閉鎖

 市内の小学校などでは学級閉鎖が相次いでいます。インフルエンザ流行によるものです。

 学校での罹患者数や学級閉鎖などの様子はHP上で知ることができます。毎日更新されるので、リアルタイムな情報です。

 インフルエンザの対策は「敵を知る」ことから始まります。今どこでどれくらい患者発生があるかを知れば、ご自分の学校でいつから流行が始まるか、あるいは終わっていくか、ある程度知ることもできます。

 毎年感じていることですが、インフルエンザの流行は生き物のよう。もちろんインフルエンザ・ウイルスは生物ですが、「流行」という全体としての姿も生きているかのごとく振る舞うものです。

 公衆衛生学の一つの手法に、患者発生を地図上に書いていくというものがあります。それも時間を追って入力していきます。インフルエンザの場合には数日単位で見ていくと、流行している地域が次々に移り変わっていく様子が目に見えて分かります。

 ある小学校で流行すると、数日後には隣の学校に“飛び火”します。ジワーっと浸潤するように拡がっていくのです。

 国道などの幹線道路にそって流行が進む様子もよく分かります。“点と線”の結びつき。その後、“拠点”から周囲に拡がっていきます。

 今シーズンの流行が終わったら、学校での発生状況を整理すると、そんな「生き物にようなインフルエンザ流行」の性格がよく分かることでしょう。

 そんな難しいことをしなくても、小児科外来にいるとだいたいの様子が自然と分かります。患者さんの所属をお聞きしているからです。どの小学校の、何年何組で流行し、そこからどの学級に移ってきたか。そんな詳しいことも知ることができます。

 流行の規模も分かります。学級閉鎖の情報が、親御さんから教えていただけるからです。それもその日におきた「最新情報」です。

 診療所の中にいて、来院される患者さんを診ているのが主な仕事ですが、インフルエンザ流行時には、地域の中で、地域の方々と一緒に生きている、その中で小児科医としての仕事をしているだ、と実感します。これも「地域医療」の一つのあり方なのでしょう。

 当院に併設している「わたぼうし病児保育室」の様子をみていても、同じことを感じます。ここ数週間は毎日10人以上の子どもたちをお預かりしています。平均は1日あたり8人ほどですので、利用者の多さは子どもたちの健康状態をストレートに反映しています。

 そして利用者の多くはインフルエンザだということも、医院を訪れる子どもたちと同じ。急に熱を出し、ぐったりします。タミフルやリレンザといった薬を使っても、最初に2日ほどは熱があり、つらいもの。そんな具合が悪い子も少なくありません。

 どんな急な依頼にも100%お応えしています。どんなに具合が悪くても、大丈夫(入院が必要な子は別ですが)。「絶対に断らない」というポリシーを開設以来“頑固に”通していますが、それが今のような「非常事態」にも生きています。いや、大変な時だからこそ生きているのだと思います。

 さて、数年ぶりに大流行になったインフルエンザですが、いつ終息してくれることやら。もう数週間は大変でしょう。医院も病児保育室も、最後まで子どもたちのために頑張りこうと思っています。(きっとやり通すことができるでしょう)

投稿者 tsukada : 23:50

2009年02月03日

節分

 今日は節分。わたぼうし病児保育室でも豆まきをして楽しみました。

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 インフルエンザ流行中で多くの子どもたちをお預かりしています。隔離が必要な子どもたちもいるので、みんないっしょというわけにはいきません。グループ分けをして、それぞれの子どもたちが参加できるようにし、楽しんでもらいました。

 病気をして登園できないけれど、でもこういった行事はやっぱり楽しみたいですよね。少しは満足してもらえたかな。

 私は診療にかかりっきりだったので、写真を見せてもらい、みんなの楽しそうな様子をしることができました。疲れ気味の私よりはずっと元気な子もいるみたいです(^^)/ 

投稿者 tsukada : 18:36

2009年02月02日

今日は14時間半連続勤務

 今夜は夜間診療所勤務。毎月第一月曜の夜は私の“指定席”になっています。

 今日は休みあけなので、医院の外来はとても込み合っていました。何割かはインフルエンザの患者さんで、まだまだ流行は下火になりそうにありません。

 夕方までフルに診療してから、また夜のお仕事・・今日はちょっと疲れましたね。

 若い頃は「日勤-当直-日勤」なんて勤務もしていました。36時間連続勤務などというのは、きっと労働基準法に違反しているのでしょうね。それが医者の仕事なんだ!などと思い込んで、眠い目をこすりながらがんばる自分に酔っていたのかも。

 これが他の仕事ではありえないでしょう。飛行機のパイロットが眠くてふらふらになっていたら、危なくて仕方ありません。航空管制官は、連続しての勤務時間は制限されていて、必ず休憩や休日をとらなくては次の勤務に就くことができません。そういう仕組みになっています。

 もしも不眠や過労のためにミスがおきてしまったら・・それが飛行機事故の場合であれば、人的ミスをおこしてしまうような原因を究明し、改善が図られるでしょう。

 でも医療現場では「注意が散漫だった」「医者の不注意だった」などと、個人の責任を問うだけで終わってしまいがち。みなそれそれ注意をしながら、その場その場の仕事をしています。十分な注意が働かないような勤務態勢を問題にすることは、あまり行われていません。

 医療機関で受け入れる患者数もそうです。とくに外来診療では「定員」が決められているわけではないので、原則として来院される患者さんのすべてを受け入れています。医者だけではなく、看護師などのスタッフの労働力に限りがあるにもかかわらず、です。

 それが医療だと思います。困っているときには何としてでも助ける、頑張っちゃ・・そんな「赤ひげ」精神をこれからも大切にしていかなくてはいけないと思っています。

 でも・・あんまり疲れるとどうしても判断ミスがおきてしまいがち。そして時には「燃え尽き症候群」となって、医療の世界から姿を消してしまうこともあるかもしれません。

 そうなってしまったら困るのは最後は患者さんたち、そして住民の人たち。医療を大切にするということは、医療の中で働いている人たちも大切にされることが必要です。

 医療を提供する側と、受ける側のそれそれが、お互いのことを深く思い合うことが一番大切なのだと思います。

 今日はなんだか愚痴っぽくなりました。インフルエンザが大流行する中で、ちょっと疲れたかな。それとも歳?

 でも今夜ゆっくり休めば(休めれば)明日はまた元気になれるはずですから、ご心配なく。

投稿者 tsukada : 22:30

2009年02月01日

2月に入りました

 今日から2月。このところ毎日慌ただしくしていたら、もう1月が終わってしまいました。

 忙しさの原因の一番はインフルエンザの流行です。ここ数年で最大規模の流行が当地にもおきています。全国的な動向とほとんど同じです。

 園や学校で始まった流行が地域全体に拡大中。まだまだ患者数は増えていいそうです。

 もしかしたら子どもたちの間での流行が頭打ちになっても、その後、成人やお年寄りに患者発生が広がっていくでしょう。小児科が一段落したあと、内科の患者さんが増加しそうです。

 今の私の予測では2月中旬まではこのまま推移し、その後下火に向かうのでは、と思っています。あと2週間ほどが峠でしょう。これはではA型が主でしたが、その後B型が発生する傾向があるので、完全に終息するのはさらに時間がかかり、3月いっぱいになるのでは。

 このパターンは、冬場のインフルエンザ流行で最も多いものです。今シーズンは流行開始が12月上旬と、例年より早かったですが、“本体”の流行はきっちり例年の“お手本”のような振る舞いをしています。

 こんな教科書的な流行でも現場ではあたふたしています。もしも・・新型インフルエンザが発生し、流行し始めたらいったいどうなるか・・想像をぜっするものがあります。

 医療機関としての機能をまっとうすることが危機管理の基本だと思って入るのですが、「新型インフルエンザ流行時の対応マニュアル」ではどうもそうではないようです。

 発生が始まったばかりで患者が少数のときには、地域内で指定された「特定医療機関」(大病院)のみが対応することになっています。完全に隔離し、集中治療をします。

 ところがいったん流行が拡大し、患者数がどんどん増えてきたら、大病院は新型インフルエンザに対して通常の診療はしません。命に関わるような重症な患者のみを受け入れます。

 では、新型インフルエンザにかかった普通の患者さんはどこに行けばいいのか・・「どこにも行くな」というのです。家庭から外にでてはいけない。それは他の人にうつしてしまうから。

 私たちのような一般の医療機関は新型インフルエンザの患者さんを診療してはいけないのだそうです。流行の初期でも、流行中でも。患者さんを受け入れると、病医院内で感染を拡げてしまうから、というのがその理由です。

 マニュアルでは地域内に「発熱センター」のようなものを作れと提言しています。休日診療所のようなところで、新型インフルエンザらしい、発熱している患者さんを専門に診ます。そこで“振り分け”をします。重症であれば大病院へ、軽少であれば自宅待機を指示。

 患者さんの流れ図を書くともっともらしい絵になるのですが、でも“絵に描いた餅”になりはしないかと懸念しています。いったい誰がその「発熱センター」に勤務するのか。流行時には自分の診療所で仕事するのが精一杯でしょう。いやそれも危ういかもしれません。医者自身が印型インフルエンザでダウンしているかもしれませんし、職員の何割かは罹患して終業できない状態にきっとなっているでしょう。

 流行時には外出を控えるように政府は言っています。患者でなくても、家でひっそりしているのが一番だと。数日分の食料などを確保しておくようにとの指示もあります。(なにやら“2000年問題”の時と同じニオイがしていますが)

 その指示に従えば、医療機関だけ職員を仕事につかせるわけにはいかないことになります。こんなところも、絵空事だと思えてしまうゆえんです。

 いずれやってくるだろう「新型インフルエンザのパンデミック(世界的な規模での一挙の流行)」では、いったいどうなってしまうのか、誰も正確なことは分かりません。

 従来のインフルエンザ流行だけでも毎日慌てふためいているのですから、新型インフルエンザが流行したら・・ハングアップするしかないかもしれません。でも・・やっぱりみんな、がんばっちゃうだろうな。そんな“遺伝子”を、医者はみんな持っているようですから。

投稿者 tsukada : 23:04