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2008年10月30日

窒息事故多発!!

 子どもたちの間で窒息事故が頻発しています。カップ入りのこんにゃくゼリーが問題になっていましたが、今度は学校給食のパンでも起きてしまいました。困ったことです。

 社会的な関心が高まっているということで、先日「中日スポーツ」の方から取材を受けました(電話)。以前、ミニトマトで窒息死してしまったお子さんのことをこの「院長ブログ」に書いていたのが記者の方のお目にとまったようです(3年ほど前になるのですが)。

 窒息事故についての記事が紙面に掲載されました。今日、私のところに掲載紙が送られてきました。けっこう大きな扱いです。ちょっとご紹介しますね。

(「中日スポーツ」2008年10月26日より)

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投稿者 tsukada : 21:28

2008年10月29日

肌寒くなりました

 1週間ほど前までの良いお天気はどこにいったのでしょう。すっかり肌寒くなってきました。

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 近くの公園の景色もしだいに秋が深まってきているよう。遠くの山々はすでに紅葉が進んでいますが、平地も色づいてきました。

 今日は午後から保育園と小学校の健康診断に出かけてきました。その途中、日本海のすぐそばを道路が走っています。お天気が良いととても気持ちが良いのですが、今日は海が大荒れ。雨も降っているので、まるで冬の日本海を見ているようでした。

 自動車のエアコンも暖房に。この秋、初めてのことです。つい先日はクーラーにしていたのがウソのよう。

 新潟でこんなふうですから、北のほうはもう寒いことでしょうね。くれぐれも体調に注意してお過ごし下さい。

投稿者 tsukada : 20:42

2008年10月27日

ゴールは近い?

 この週末は急に肌寒くなりました。日中も気温がさほどあがらず、夜には雨が降って寒いなと感じるほど。暖房をつけたくなる気持ちを抑えていました。

 天候の変わり目・・風邪なども少しずつ多くなってきています。これからは小児科にとってはいよいよ“繁忙期”に入っていきます。インフルエンザ予防接種も先週から始まり、年内はダブルで忙しいことでしょう。

 当院にとってはもう一つ忙しくなる要因があります。「電子カルテ」です。コンピューターを使った“夢の医療機器”ではありますが、使いこなせるまでにはそうとうの労力が必要。機器の設置から2週間近くたちますが、私もようやく使えるようになってきた程度。インストラクターさんのお世話になりっぱなしです。

 来月からは従来の紙カルテから電子カルテに完全移行します。来月といっても、今週土曜にせまっています。残すところあと4日。その間でどれくらい使えるようになるか、ちょっと不安な気持ちもあります。

 「そうとうの労力が必要」と書きましたが、実はそれ以上に感じているのは「体力」の必要性です。小児科医、51歳、もうちょっと頑張りましょう!

投稿者 tsukada : 23:47

2008年10月26日

秋の公園

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 日曜の朝、近くの公園に散歩に出ました。このところ雨で天候が悪かったり、私も忙しくしていたので、愛犬にとっては久しぶりのお出かけです。

 もうすっかり秋の景色。落ち葉や紅葉が目立ってきました。木々の雪囲いがもう始まっていますので、初冬の風景にも見えます。

 これから一雨ごとに寒くなっていくでしょう。あと1か月ほどしたら、雪が見られるかも。冬の準備にそろそろとりかからなくては、という気持ちにもなりました。
 

投稿者 tsukada : 12:11

2008年10月25日

都会の難民

 全国で産婦人科医の減少が問題になっています。とくに地方ではそれが顕著で、病院の産婦人科が閉鎖され、“お産難民”などという言葉も生まれました。

 原因の一つに「都会と地方の格差」も問題にされています。医師が都会に集まり、地方の医師不足がより深刻になっているというものです。

 しかし、その「都会」の真ん中でも産婦人科医の不足が実は深刻だということが、先日のトラブルではっきり分かりました、妊娠中の女性が脳内出血をおこした可能性があり、危険な状態になっているにもかかわらず、受け入れてもらえる病院がなかなか見つからなかったというものです。

 都立墨東病院は受け入れを「断った」病院としてやり玉にあがりました。こういった高度な医療が必要になったときに頼りにできるはずの周産期医療センターに指定されているのですが、産婦人科医は定員を割っていて、週末の当直は医師一人で行っているというのです。

 医療機関が多く、医師も大勢いると思われている都会の真ん中にも、実は“医療過疎”は存在しました。日本の医療体制が、実はどこもかしこもおかしなことだらけなのだということがハッキリしてきました。

 厚生労働大臣と東京都知事の間で、お互いの責任を押しつけ合うようなやりとりもありました。大臣は「都には任せておけない」と言い放ち、知事は「医師不足は国の責任だ」と反論。全く無責任な人たちです。

 マスコミの対応は以前とずいぶん変わってきました。こういったトラブルがあると、「たらい回し」とか「医師のモラルが低下」などと書き立てていたものです。今回はわりと冷静に受け止めています。起きている物事の本質を見ようとする姿勢も感じられます。

 日本の医師不足が根底にあるのは明らかです。その上に専門科や地域による偏在も加わり、「医療崩壊」とも言われるまで事態は深刻になっています。

 医師が不足してきたのは、医師の養成数を少なくしたからです。ここ20年ほどの間で、医学部の定員を削減しました。その“思想的根拠”になったのは「医療費亡国論」です。

 日本の社会構造が変化し、高齢者が増えれば医療費が増える。それが日本経済を疲弊させ、日本を沈没させることになる。医師数が過剰になれば、医療費が増える。これも大問題だ。

 そんな主張をしたのが、厚生省(当時)の役人でした。「医師過剰時代」が社会にとっては悪だというのです。そんな妄言にのったのが大蔵省(当時)でした。医学部の定員を減らせば、文部省(当時)の予算を大幅にカットできる。財政負担が減ることは彼らにはハッピーなこと(国民にとっては迷惑でも関係ありません)。

 そんな恣意的な政策が間違いだったことは、今回のトラブルをみるまでもなく、明らかです。今年になってからは医学部定員を増加させる方向で検討を始めています(実行に移されたとしても効果がでるのは10年以上先のこと。今困っている状況が直ちに改善させるわけではない。財政的な締め付けがあるから、本当に定員増になるか疑わしい。さらに、もし医学生が増えればそれを教える指導医を増やさなくてはいけないために、一時的かもしれないが地方の医師不足はさらにひどくなる可能性がある。・・そんな指摘を、以前の「院長ブログ」の中でもしておきました)

 もし厚生労働大臣が、本当に「医師不足が一番の問題だ」と考えるのなら、現在行われている社会保障費の乱暴な削減をきちんと批判し、その政策を改めさせなければいけません。1年に2,200億円、5年間で1兆1千億円を減らすというメチャクチャな政策のために、日本の医療はすっかり疲れ切っています。

 医者はどんな状況におかれても、目の前に患者さんがおられれば何とかしようとします。医師不足のために、とくに勤務医の労働条件が厳しくても、そんなプロ根性をもって現場を支えています。でも・・いつかそんな“根性論”だけでは通用しなくなる時がきます。燃える尽きてしまう医師もいます。

 厚生労働大臣は今回のトラブルを受けて、「開業医も協力して」事態を解決してほしいと言っていました。開業医は協力できるところはしています。自分の役割を果たすことで精一杯だという状況があるということも知ってほしいです。

 桝添大臣は問題の本質をそらすことが上手のようです。医師不足によるトラブルを、都の責任だと言ってみたり、あたかも開業医が協力しないからいけないのだと言ってみたり。真摯に物事をとらえ、丁寧に解決しようとしているようには見えないのですが。政治家としての資質に問題があるのかもしれません。(もっともそんなことを言ったら、問題にない政治家などいないということかもしれませんが)

PS 今回の報道の中で一つひっかかっていることがあります。妊婦に重大な脳障害が生じた可能性がある・・そうであれば、搬送先は脳外科でしょう。救急病院で直ちに脳手術をしなくてはいけないはず。産科的な管理は従であり、主となるのは脳外科による治療なのでは。産婦人科医が脳出血をおこしている母親の手術ができるわではないからです。紹介先を「高度な周産期医療ができる医療機関」に限定したことが正しかったのか、疑問に思っています。もし脳外科に紹介していたらどうだったでしょうか。結果は同じだったかもしれませんが、少なくとも紹介先はすぐに見つかったのではないかと思います。

投稿者 tsukada : 22:13

2008年10月24日

秋口

 このところ秋晴れの良いお天気が続いていましたが、昨日から雨になっています。これからは一雨毎に秋が深まっていくことでしょう。

 近くの公園では樹木の雪囲いが始まりました。その様子を見ていると、ここが雪国なんだと思い起こします。

 テレビのCMでも冬に備えてのものがいくつか始まっています。雪道用のスタッドレス・タイヤの宣伝がその一つ。凍った道でも確実に止まれるタイヤだと、冬の映像を流しています。

 除雪車のCMは雪国ならではでしょうね。たしか9月ころからもうテレビで流していますが、こんなところで先に季節の移り変わりを感じてしまうのは、私が“メディア漬け”になっているのかな?

 このところ喘息発作をおこしているお子さんがとても多くなりました。大きな発作もみかけます。やっぱり秋口なんだなと思います。

 雨が降ると喘息の子が心配になるのは・・小児科医としての“職業病”かも。

投稿者 tsukada : 23:59

2008年10月21日

初心者

 ここ1週間ほどで電子カルテに少しずつ慣れてきました。操作法はだいたい分かってきましたが、そのスピードは・・カメのよう。早くウサギになりたいものです。

 しばらくは患者さんにご迷惑をおかけしてしまうかもしれませんが、“電子カルテ初心者”に免じてお許し下さい。

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 診察机の前にどんとすえつけられた電子カルテです。左上にご注目を。

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 「初心者マーク」が外れるのは、いつになるかな(^^;)

投稿者 tsukada : 20:35

2008年10月18日

タイピング

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 私の愛用のマウスパッドです。キーボードを使ってもう何年になるでしょう。大昔(?)パソコンの前に「ワープロ」を使ったのが最初。1980年代のこと。歴史は長いですね、もう30年ほどになります。

 でも本格的にタイピングの練習をしたことはありません。最初は人差し指だけでコツコツと。途中から両手の指を使うようになり、画面を見ながらタイピングすることも一応できるようになってきました。自己流なので、タイピングのミスはしょっちゅうです。

 電子カルテを導入することに決めたあと、タイピング練習のソフトを購入。ゲーム感覚で手先の練習をしてみました。

 さてその効果はいかに。・・やっぱりミスはしてしまいそう。そんなときはスヌーピーといっしょに、頭を下げることにしましょう。

投稿者 tsukada : 13:10

2008年10月17日

具合が悪い??

 院長室で私を待っていた愛犬・・ソファーの上に黒いモノが!!

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 ウンチ?・・でも臭いはありません。それなら吐いてしまったのかな? 具合が悪い??

 本人(本犬)は平気な顔をしています。むしろすました顔。近寄ってよく見ると・・

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 バナナの皮でした。そういえば私が昼食のときに残したバナナをテーブルの上に置きっぱなしにしていました。それを食べちゃったんですね。

 どうりですまし顔をしているわけです。美味しい物を食べてさぞ満足なのでしょう(^_-)

 ちゃんと皮をむいて、中だけ食べていました。犬でも美味しいところとそうではないところが区別できるのは、賢いんでしょう。

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 もしかしてダイエットのため? おかしなブームで、最近スーパーで売り切れのときもあるくらい。貴重なバナナを食べられたしまった間抜けな話でした。

投稿者 tsukada : 23:44

2008年10月15日

電子カルテ設置

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 当院に電子カルテがやってきました! 院内の各部署にその端末を設置。診察室にもそなえつけてもらいました。

 診察室はもちろん私が入力するわけですが、その入力を補助してもらえるよう、パソコンは1台ですがディスプレーとキーボードは2台用意しました。

 “物”としての電子カルテの設置は完了しました。次はその操作を覚えるとき。そして来院者の情報を入力していきます。

 本格稼働まで約半月。明日からはインストラクターの方が来られて、私や職員の“お勉強”をして下さいます。さあどうなるやら。

 新しいモノを目の前にして、楽しさが半分、不安が半分といったところです。

投稿者 tsukada : 20:52

2008年10月14日

今夜は眠れないかも

 当院では電子カルテ導入に向けて準備中。これまで院内のラン配線などの“インフラ”を整備してきました。診察机を新しくしたという話は先日からお伝えしている通りです。

 明日は電子カルテそのものの設置です。コンピューターシステムのサーバーを2台、端末を合計7台、プリンターを3台。さらに予約システムや診察券の発行システムもドッキング。

 今月中は電子カルテの使い方を教えてもらい、11月の稼働を目指します。いよいよ!です。

 使いこなせるかな、という不安もありますが、新しいモノを使えるようになるという嬉しさや、診療スタイルを大幅にグレードアップできるという期待感もあります。

 まるで“遠足の前夜”状態。ドキドキして眠れないかもしれません(^_-)

投稿者 tsukada : 19:58

リニューアル第2弾

 また診察室が変わりました。今回は床の張り替えです。

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 診察机を明るい木目調のものに変えたので、床もそれにあわせた素材に変えてみました。ずいぶん雰囲気が変わったようの思うのですが、いかがでしょう。

 まずはとても明るくなりました。家庭的にも見えますね。これからの冬はおコタツを出して、団らん風に診察するのもいいかも(^^)

 医院の中では待合室は本物の木質フロア。設計の段階から「木」にこだり、設計士さんに無理を通してもらいました。医院の他の部分も全部、木の床にしたかったのですが、妥協してアクリルにしたという経過があります。

 ということで、今回は私の長年の夢(?)を実現する良いチャンス。“木質調”にしました!

 といっても本物の木ではありません。アクリル系なのですが、表面のプリントが木目になっているものを選びました。

 “偽物”ですので安物に見えるといやだな、と思っていたのですが、実際に貼ってもらうとなかなかのものです。表面の加工にエンボス(凹凸)があるのですが、それがいかにも木そのものといった質感を出しています。

 なかなか良い仕事をするものです。

投稿者 tsukada : 15:46

2008年10月13日

訃報

 俳優の峰岸徹さんが一昨日、病気で亡くなられました。65歳でした。心よりお悔やみ申し上げます。

 峰岸さんは昨年春、当地(新潟県上越市)で撮影された映画『絆』に出演されています。郵便局長の役をされましたが、“自宅”として私の拙宅を使っていただきました。

 その際の記念写真がこれです。(峰岸さんのおひげは撮影のためのものです)

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 峰岸さんはスポーツマンで、毎年トライアスロンをされています。この時にも、とても60歳代の方とは思えないパワーを感じました。

 郵便局長は「野田次郎」という名前。私の「塚田次郎」と似ていませんか? これは全くの偶然。先に台本ができていて、監督さんやスタッフがロケ地を探している中で我が家に“白羽の矢”が立ちました。

 撮影は夕方から始まり、深夜まで続きました。その間ずーっと撮影に立ち会わせていただきました。俳優さんは監督のOKがでるまで何度もやり直していましたが、本当に大変な仕事なんだなと思った次第です。

 峰岸さんはけっこうセリフを間違えていました(^^;) 一度セリフを間違えるとその部分にはまってしまうよう。監督さんもスタッフの方も、辛抱強くお付き合いしていました。

 そんな人間味(?)のある峰岸さんと記念写真を撮っていただいたのが、昨年の春のことだと思うと、もうずいぶんと時間がたったような気持ちになります。

 峰岸さんは今年の春に進行した肺ガンが見つかったそうです。もしかしたら“あの時”にはすでにガンになっていたのかもしれません。気づいてあげられたなら・・などと多少思ったりもしました。

 峰岸さんはもう亡くなってしまいました。でも峰岸さんはまだ生きています。いやこれからも永遠に生き続けることでしょう。彼が主演した映画の中で、私たちは峰岸さんに会えることができます。峰岸さんを感じることができます。

 峰岸さん、どうぞゆっくり休んでください。大好きなトライアスロンもいっぱい頼んでください。そして、タバコもちょっとだけならOKですよ。

投稿者 tsukada : 11:57

2008年10月11日

100キロマラソン

 今日、当地(新潟県上越市)で「くびき野100キロマラソン」という行事が行われました。市内をぐるっと100キロ走るというタフなスポーツです。

 市内といっても平地だけではありません。むしろ山間部が多く、けっこうきついコースのようです(私は走っていませんので、本当のことは知らないのですが)。

 2年に1回行われるのですが、けっこう全国的に有名のようで、選手も遠くから来られているようです。参加者はしだいに増え、今回は千数百名とのこと。

 朝5時半スタートで、13時間半後の午後7時がゴールのタイムリミットになっています。今回は雨が降り、風も強かったので、いつも以上に厳しい気象条件の中を多くの選手がゴールしていきました。

 私も最後の1時間ほど、ゴール付近で応援してきました。女性の方、ご高齢の方、目が不自由で伴走者といっしょに走っている方などを見かけました。みんな、持てる力を出し尽くし、とても嬉しそうな顔をされていました。

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 この写真は“門限”ギリギリの選手がゴールされた直後です。あと1秒でも遅ければ、時間内に完走できなかったことに。ほんとうに良かったですね。

 これらの選手の中に、当院の女性職員が2名混じっています。いずれも完走。凄いことです。

 必ずしも体調が良いとはいえない中、きっと辛いと感じた時もあったでしょう。でも最後まで走り抜いた彼女たちに拍手です。

 運動嫌いで通していた私ですが、彼女たちの爪の垢でもいただいて、少しは変わらなくてはと思った次第です。

投稿者 tsukada : 20:53

2008年10月10日

診察室をリニューアル

 当院では電子カルテを導入するために準備中。コンピューターシステムは当然ですが、そのための“インフラ”もいろいろと整備しています。

 診察室も模様替えしました。私の“主戦場”です。

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 当院を利用されたことのない方にとっては、この写真を見ても何が変わったか、分からないですよね。答えは・・机が変わりました。

 これまではオーク調のどっしりとした木製机を診察用に使っていました。濃い茶色なので、やや暗め。開業以来17年以上、毎日使っていましたし、まだ壊れたわけでないので、できればそのまま使いたかったのですが。

 電子カルテの端末を使うために机を変える必要ができました。診察机としても使いやすい物を選んだ結果がこれ。天板は薄い色の木目を選んだので、診察室全体の雰囲気も明るくなりました!

 昨日から新しい診察机で診療をしていますが、何だか心も軽くなったよう(^^;)

 来週は電子カルテを設置します。診察室の様子がさらに変わってくるでしょう。また“現場から中継”しますね。

投稿者 tsukada : 11:42

2008年10月09日

こんにゃくゼリー・その後

 子どもやお年寄りに窒息事故を頻発させていたこんにゃくゼリーですが、やっと発売が停止されることになりました。行政が指示した事故防止策を実行することが現段階では不可能だからということです。

 これで危険な食品が出回ることはなくなりそうです。ひとまずは安心。

 でもこれまで市場に出ている製品を回収することはないそうです。最後まで製造を中止しないと居直っていた(?)業者らしい対応です。

 短期間で消費されるでしょうが、その間に新しい“犠牲者”がでないことを祈るのみです。

 もう一つ心配なことがあります。今回の決定が「一時的に製造を中止する」というもの。窒息事故をおこしにくいような商品に改良することができれば、また販売を再開するとしています。

 その時にまた同じ騒動を繰り返さないか、今からもう心配なのです。今回製造を休止するきっかけになった「行政の求める安全基準」がいったいどんなものか分かりません。

 それが完全でなければ、たとえ「基準を満たすようになった」と言われても、本当に安全だとはいえません。行政は最後まで責任をもってやりとげてほしいです。

投稿者 tsukada : 10:14

2008年10月08日

ノーベル賞

 日本人にノーベル賞が与えられるというビッグ・ニュースがありました。新聞社では号外を出すほどのフィーバーぶり。

 昨日は物理学で3人の方が受賞し、今日はまた生物化学の分野でお一人の方の受賞が発表されました。二日続けての“快挙”です。

 物理学での受賞理由はなかなか難解でよく分からないのですが、理論物理学では日本が世界の先頭にたって仕事をしているんだ、ということは良く分かります。本当にすごいことですね。

 物理学者には二通りいるのだそうです。静かに物事を深く考えて、世界のあらゆる物質や現象を統一的に説明できる理論を追い求める「理論物理学者」と、実験を繰り返して、その解釈を通して物理学を深めていく「実験物理学者」と。

 日本は伝統的に理論物理学が得意なのだそうですが、それは戦後の貧乏な状況から研究が始まったからだとか。物理学の実験というと、ときにはものすごく巨大で特殊な施設や装置が必要になりますが、そのための研究資金が少ない。どちらかといえば欧米の研究は、潤沢な資金を使って行うことが多かったのかもしれません。

 もっとも“経済大国”になったあとの日本でも、基礎研究に対しての予算は十分とはいえず、あいかわらず理論物理学が日本の中心なのだとしたら、それはそれでさみしい気持ちにもなります。

 私の大学時代のことを少し思い出しました。基礎教養の中で物理学も多少勉強をさせてもらいました。教授はいかにも「理論物理学者」。きちっと背広を着て、デスクの前に座っていることが多く、いつも何かを考えている様子でした。

 理学系の学者というといつも白衣を着て、実験室で何かの“物”と格闘しているというイメージがあったのですが、教授は違いました。ちょっと近寄りがたいオーラを出しているかのよう。(私が勉強嫌いで、教室を避けていただけなのかもしれませんが)

 いずれにしてもノーベル賞をいただけるなんて、やっぱりすごいこと。受賞の決まった方々も大喜びしていましたね。そして直接には関係がない私たちが喜んでいるのですから、このノーベル賞には一種独特の意味合いがありそうです。

 研究の中身を理解することはなかなかできませんが、それぞれが取り組んでこられた研究が世界で超一流のものであり、歴史上とても大切なものだということが認められたというのがノーベル賞の意味合いなのだと思います。そして、同じ日本人としてそんな人達を誇りに思えるというのが、やはりノーベル賞のすごいところなのでしょう。

 受賞されることになった先生方、本当におめでとうございます!

投稿者 tsukada : 23:59

2008年10月06日

ER

 今日の読売新聞朝刊のトップ記事は「ER」について。「あらゆる急患を受け入れて診療」するというERが日本でも全国で150施設に作られ、「たらい回し」防止に役立っているというものです。

 そもそも「ER」が何だか分からないとお話が通じないですね。英語で「Emergency Room」。訳せば「緊急治療室」とか「救命救急室」になるでしょう。

 ふつう病院というと、専門科が多くあって、それぞれが外来診療や入院治療をし、外科系では手術もしています。しかし「急患」は必ずしもそのワクに収まりません。

 とくに時間外の救急患者は、それぞれの専門科が担当していたのでは通常の業務に支障を来しかねません。各科持ち回りで当直をするわけですが、それでは“担当外”“専門外”の患者を診療しなくてはいけなくなります。

 そんな状況から生まれたのがERという形態です。専門科が決まっている患者以外のすべての急患を受け入れます。内科的なものも外科的なものも。外傷治療では腹部外科、胸部外科、整形外科など専門科を問いません。もちろん内科的な病気も同じく、何でも来い!という体制。

 年齢も関係なし。子どもも大人も、そして高齢者も。ときには産科と同じく出産だって。ERは病院のマルチスーパースターなのです!

 医学・医療にとてつもなく広い知識と技術が必要とされます。そして“緊急”の患者さんを受け持つのですから、彼ら(彼女ら)のウデは生命を左右することもあるわけですから、「広く」かつ「深く」でなければいけません。そして「瞬発力」。一刻を争う事態でも、冷静に、そして瞬時に判断し、治療を遂行します。

 そんなERはもっぱら欧米で作られ、制度化されてきました。もともとは各診療科の「専門医」を作って、その集合体として病院を組織してきました。しかし専門医だけでは、一般の患者さんのニーズに必ずしも応えられないことが分かり、専門医制度の隙間を埋める形で「ER」が作られてきた・・私の理解では、そんな経過でできてきたものだと思っています。

 では日本ではどうかというと・・読売新聞が指摘している通り、ちゃんとした制度になっていません。厚生労働省が病院の一部としてERという診療科を認めていない。専門医制度の中で、ER専門医を特別に養成するプログラムが作られてはいない。一部では始まっているけれど、まま“継子(ままこ)”扱いなのです。

 こんなところにも、日本という国が一度作ったものをなかなか変えたがらないという保守的な性格を強くもっていると感じさせます。国民にとって必要があり、良いことならドンドンと取り入れていこう、とは素直には考えられないのですね。

 あたかも鎖国時代が長く続いた江戸末期のよう。開国か攘夷かでもめ、国内で戦争を始めてしまう。日本の外のことを知ることのなく、日本の将来のことを真剣に考えようともしない。ただこれまで続いてきたものが変わったり、なくなってしまうことを脅威に感じ、それだけで冷静さを失い、まっとうな価値判断を放棄してしまう。

 話をもとに戻しますが、こんなERがもっと普及すれば、医療をめぐる環境はずいぶん変わるかもしれません。

 ちなみに今日は同名のテレビドラマがNHKで放送される日です。私が大好きなアメリカのドラマです。先週から始まっているのがシーズン13。1年に1シーズンずつですから、もう13年目ということですよね。ずいぶんと長く続いているのですね。

 ERに勤務するインターン(研修医)やレジデント(指導医)たちの物語。最初のことのスタッフはもうほとんどいなくなってしまいました。一番大好きだったのが小児科医のダグ。まだ無名(?)だったジョージ・クルーニーが演じていました。同じ小児科医ということもありますが、なんといってもクールでかっこいい。まるで自分を見ているよう!?

 彼は急に売れっ子になり、ERの収録と平行してスパーダーマンの主人公を演じていた時期もありました。そしてとうとうERを“卒業”していきました。もう一度帰ってこないものかと、新しいシーズンが始まるたびに期待をしていたものです。

 一番出演が長かったのはカーターという研修医でしょう。シーズン12もまだ活躍していましたので。ERに登場した当時は医学校を卒業したばかりの青年医師。困難な事態にぶつかりながら、しだいに技術をみがき、精神的にもたくましくなっていきます。私自身の研修医時代にも重ね合わせながら、カーター医師の成長ぶりを見守ってきたのかもしれません。

 そんな思いが重なるERの最新シリーズが先週から毎週月曜に放送。ぜったいに見逃す訳にはいきません。今日も楽しみに一日を過ごしていました。(夜間診療所という“ミニER”も苦になりませんよ)

 話は今日の読売新聞から始まりましたが・・あれはNHKの番宣だった!? まさか、そんなことはないですよね。

追加:ERはアメリカではシーズン14まですでに放映され、次のシーズン15が最終になるのだそうです。今のシリーズを含めるとあと3シーズンで終わってしまう。その最後の日を思うと、今から悲しい気持ちになります。それまでに小児科医ダグがまた復帰してくれないかな。看護師のハサウェにも会いたいし。その二人の間にできた子どもは元気にしているかな。もう大きくなったかな。・・妄想はどんどん膨らみます(- -)

投稿者 tsukada : 22:10

2008年10月03日

こんにゃくゼリー

 先日、こんにゃくゼリーを食べた幼児が死亡したというニュースがありました。ここ10数年で17人目だということです。

 こんにゃくゼリーは硬くて弾力性もあるので、喉に詰まらせやすいという“内容の問題”を持っています。さらに小さなカップに入れてあるので、容器から吸い込みながら取り出すことになるという“容器の問題”も持っています。

 私も以前、実際に食べてみたことがあります。商品によって違いはありますが、簡単には噛みきれないものも。もしもこれを喉に詰まらせたら、私でも自力では出せないだろう、と実感したものです。

 日本で商品化された食べ物ですが、海外では不評。窒息事故の可能性があるからです。すでに欧米では輸入や発売が禁止されているとか。

 こんな危険な商品を、日本ではどうして禁止できないのでしょう。不思議です。

 メーカーは、すでに「子どもや老人は食べないこと」と大きく表示しているのだから責任はないと言っています。まるで食べる方が悪いと言わんばかり。

 いくら包装に注意書きを書き込んでも、それが守られていないという実態があるわけですから、「注意書き」は意味をなしていません。もし意味があるとしたら、事故がおきた時にメーカーとしてすべきことをしていたという言い訳ができるという点だけでしょう。

 この点が逆に問題を大きくし、長びかせていることに気づかなくてはいけません。つまり「注意書き」があるために、本来すべき規制=製造または販売の中止がなされず、日本の社会では大手をふって流通されているのです。

 昨年だったでしょうか、同様な事件をめぐって民事裁判がありました。結果はご家族の方との和解が成立し、賠償をしています。この時にも思ったことですが、和解の条件に金銭的なものだけではなく、こんにゃくゼリーの製造・販売を中止するとの一文をいれてほしかった。そうすれば、あとに続く被害は食い止められたのに。

 アメリカの民事裁判ではときに桁外れに高額な賠償金を命じられることがあります。「懲罰的賠償金」という言い方をしていたと思うのですが、訴えられた企業がそれ以上“悪事”を働かないようにするためにとられる処置です。

 日本にもそのような制度があれば、企業も社会的責任をまっとうしようとするのではないか、とも思います。日本では来年夏から刑事事件については裁判員制度が導入されますが(その是非については私なりの意見もあり、取り上げたいと思っています)、民事事件についても一般の国民の意見が大いに取り入れられるような制度になっていかないものでしょうか。

 さらに司法や行政の問題があります。欧米では一般の国民を保護するために必要な法律がすぐに制定され、動き出せるのに、日本では遅々と進みません。こんにゃくゼリーの問題でも、厚生労働省と経済産業省のそれぞれが担当ではないといって逃げ回っています。

 先に無責任辞任をした福田元首相の、ほとんど唯一といっていい“業績”である「消費者庁」の構想が実現すれば、この問題も早急に解決されるかもしれません(官僚たちの縄張り意識は猛烈であり、そう簡単ではないでしょうね)。

 でも行政組織だけの問題ではありません。国会は何をしているの!? 法律を作るのは国会の仕事。その法律にのっとって仕事をするのが行政の本来の姿のはず。今はどんなふうになっていますか??

 確かに省庁が法律を制定しているわけではなく、国会がやってはいます。でも法案のほとんどは行政が用意したもの。それを“審議”し、“採決”しているだけ。これでは国会議員としての仕事は十分とはいえません。

 自ら法案を作り、それを議論し、法律を作っていく・・それこそが国会のあるべき姿であり、国会議員の本分であるはず。行政庁が動かないし、動けないのであれば、法律を作って動かせばいい。それだけの話です。

 こんにゃくゼリーについては製造・販売を禁止する法律をすぐに作って、さっと国会で決めてみてはどうですか。その実行を、例えば厚生労働省の担当とすると法律に書き込めば、役人は動かざるをえなくなります。

 霞が関も永田町も、自分たちのためだけに仕事をしている。国民のためにという視点はないのでしょう。ほんとうに困った国です、この国は。

投稿者 tsukada : 22:02

2008年10月01日

10月

 今日から10月。今年も残すところ3か月・・そう思うと、時の流れの速さを感じます。

 このところ肌寒い日も多くなりました。先月の中旬くらいまではタオルケットだけで十分だったのに、お布団をちゃんとかけないと朝方目が覚めます。早起きをするにはそれもいいかもしれませんが、でも寝不足になりそう。

 一日の中でも寒暖の差が大きくなっています。当地では今日のお昼間はけっこう暑いくらい。自家用車で外出していましたが、日差しがきつくて冷房をかけていました。

 そうはいっても、これから次第に秋が深まっていくことでしょう。外来では風邪ひきさんなどもだんだん増えてきました。喘息発作をおこしている子も少なくありません。ぞうぞ体調に気をつけてお過ごし下さい。

 「こども通信」今月号をHP上にもアップしました。どうぞお読み下さい。

投稿者 tsukada : 23:59