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2008年09月22日

フォーラムから

 先日行われた「上越子育てフォーラム」では、講師の筑波大学教授・宮本信也先生よりとても良いお話をお聞きすることができました。

 「発達障害」についての知識も、分かりやすく教えてくださいました。それだけでも多いな意味があるのですが、それ以上に私たちに伝わってくるものがありました。

 先生は小児科医として、今でも外来診療を続け、第一線で子どもたちを見守っておられます。そうだから持つことのできる視点がきっとあるのでしょう。

 たえず目線は子どもたちにおかれています。「学校で困った時(児)にどう対応するか」という副題をつけさせてもらいましたが、本当は一番困っているのは子どもたち自身なんだというのです。大変な思いをしている子どもたちの立場にたち、子どもたちが幸せになるためにはどうすれば良いかと考えるのが、私たち大人や教師の役割であると。

 先生は講演の最後の方で「代弁者」という言葉を使われました。ものを言うことができない子どもたちに代わって、子どもたちの「声」をひろいあげ、それを伝えることをしていかなくてはいけない。

 子どもたちの目線にたち、たえず子どもたちの幸せを望む先生の姿にもっとも感銘を受けました。副題を「学校で困った時(児)にどう対応するか」としてしまったことが、恥ずかしく思えたほどです。

 参加してくださった方は学校の先生方が多かったようです。講演を聴いていただき、何かを感じてくださったことだと思います。そして、きっと学校で発達障害をもつとされる子どもたちも楽しくすごせるような環境づくりに一歩前に進んでくださることと期待しています。

 私自身も小児科医として、宮本先生のお考えを少しでも自分のものとし、子どもたちの幸せのために役立つことができればいいな、などと、さらにその思いを強くしているところです。

 「子どもたちの心」も診療の中の大切なテーマと位置づけ、もっとよい小児医療ができるように取り組んでいこうと決意を新たにしました。

 いつも思うのですが、こういった講演を企画しているのは、本当は自分のためなのかもしれません。日常の仕事や生活につい流されてしまう弱い自分を刺激し、鼓舞し、モチベーションを高めることに役にたっています。それを意識して目的にしているわけではないのですが、一番勉強になってるのは、実は私だと思っています。

投稿者 tsukada : 2008年09月22日 23:33