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2008年02月20日

 インフルエンザ流行が2週間ほど前をピークに、今は減少傾向です。期間が多少前後してはいるでしょうが、これは全国的にも同じ傾向かと思います。

 お子さんがインフルエンザにかかってしまったり、もしかしたら親御さんもいっしょに寝込んだりしてしてしまったご家庭も多かったことでしょう。“一家全滅”なんてこともあったかもしれませんね。インフルエンザが下火に向かい、ようやく安心できるようになったところかも。

 でも油断はできません。今回はおそらくはAソ連型単独による流行のようなので、今後A香港型やB型の流行がやってくるかもしれません。第2波、第3波も警戒が必要なのは、まるで津波のようです。

 冬場に多いのはインフルエンザだけではありません。ウイルス性胃腸炎(嘔吐下痢症)は昨年の秋に大流行したあと、1月はやや少なかったのですが、先週くらいからまた増えているような印象です。インフルエンザが少なくなったために目立っているのかもしれませんが、流行が続いているのは事実です。春先まで発生が続くことの多い感染症です。引き続きご注意を。

 その他にも溶連菌感染症、RSウイルスによる急性細気管支炎、マイコプラズマ感染症(気管支炎)などもそうとう発生しています。

 もしかしたら小児科外来は、インフルエンザ流行時よりも混雑するかも。患者数ではインフルエンザは爆発的に多く、迅速検査の“手間”はありますが、治療は抗インフルエンザ薬(タミフルやリレンザ)の投薬ですみます。ところが胃腸炎や気管支炎などでは、どうしても点滴治療が必要になることあります。一人あたりの時間や“手間”は、インフルエンザよりもずっと多いわけです。

 当院では点滴のできるベッドを10台ほど用意していますが、朝から夕方までその全てがフル稼働といった日も少なくありません。以前であれば入院しなければ治療できなかった病気も多いのですが、今ではけっこう外来治療ですませることができるようになりました。

 小児科外来の風景は様変わり。各種の検査や点滴治療は当たり前。それを行う看護師や検査技師などのスタッフも多数必要になり、“人海戦術”で治療にあたっています。点滴治療も半日ほどかけて行う子もいますし、連日通ってもらう場合もあります。中にはほとんど入院しているのと同じ治療内容のことも。

 一日中バタバタとしているのが小児科外来の日常。そして今は子どもたちがいろんな感染症にかかりやすい季節で、いわば“繁忙期”。大変さはありますが、それだけ小児科医や小児医療が必要とされ、期待されているのだと思って頑張っています。

 私はもうすぐ51歳になりますが、こんな毎日をまだしばらくは続けることになりそうです。子どもたちのことを思うと、まだ頑張れそうです。

 毎日出会う子どもたからもらえる元気が、私のエネルギーになっているのでしょう。小児科冥利に尽きる話です。

投稿者 tsukada : 2008年02月20日 23:59