« 小児皮膚科 | メイン | 大停電の危機 »

2007年08月21日

馬インフルエンザ

 「馬インフルエンザ」が日本で流行しているとのこと。競走馬の中で感染が広がり、各地で競馬が中止になっています。ファンにとっては一大事でしょう。

 「馬のインフルエンザ」については、私も知りませんでした。調べてみると、けっこう昔から問題になっているようです。これまでも競馬が中止になるような事態が、ヨーロッパなどでも繰り返しているのだそうです。

 症状は人間に似て、咳、鼻水、発熱などの呼吸器症状が主のようですが、全身状態が悪くなることはそれほどなく、それほど重症にはならないようです。そうは言っても、集団発生してしまい、運動させられなくなるので、やはり予防は必要になります。このあたりは、人間と似ています。

 確実な予防法はワクチン接種・・これも人間と同じです。ワクチンは競走馬に義務づけられ、定期的に接種していないと登録を抹消されるのだそうです(この点は馬の方が厳しいよう)。

 ワクチンの効果が限定的なのも似ています。残念ながら予防接種を受けて100%の効果があるわけではないようです。しかし、ワクチンをしていない馬に比べて発症率は低くなることも分かっています。

 「鳥インフルエンザ」の発生がこの春はさかんに報道されていました。鶏などがインフルエンザにかかると、ずいぶんと死んでしまうようです。致死率が高いという意味でも問題ですが、もう一つ心配なことがあります。それは鳥のインフルエンザ・ウイルスが変異して人に対して感染を起こし、そして人間の間での流行につながらないか、という点です。これが「新型インフルエンザ」です。

 馬インフルエンザが同じように人へも悪さをしては困るのですが、幸いそのような問題は指摘されていません。馬のインフルエンザは馬の間だけで感染をしているのだそうです。少しほっとしました。

 馬のインフルエンザを心配していましたが、私たち人間のインフルエンザのことも忘れないようにしなくてはいけません。毎年秋の終わりから真冬、そして春先にかけて流行します。流行の規模の大小はあっても、流行しない年はまずありません。

 人間のインフルエンザの予防も、まずはワクチン接種が基本。流行が始まってからワクチンを受けてももう遅いので、先回りしておく必要があります。例年、10月下旬から始めますが、ぜひ年内にはすませておいてほしいとお願いをしています。

 毎日猛暑に悩まされていますが、もうインフルエンザ予防接種のお話をしなくてはいけない時期にもなっています。当院も例年と同じように、今年もインフルエンザ予防接種の体制を作りました。10月22日スタートです。

 来月4日からは、その予約を受け付け始めます。まだまだ先のことと思われるかもしれませんが、早めに対応されますようお願いします。

投稿者 tsukada : 2007年08月21日 18:16