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2007年07月24日

備蓄

 今日はテレビを見ながら、怒りがこみあげてきました。中越沖地震の対応についてのニュースです。

 柏崎市では、災害用に備蓄していた医薬品33種類中22種類が使用期限切れで使えず。体温計や注射器も使えなかったそうです。昨年の点検で気づいて、今年度の予算80万円を計上してけれど、実行する前に地震に見舞われてしまったというのです。

 何とも情けない話。予算に余裕がなくても優先的にまかなわなくてはいけない物。昨年認識していたのに、直ちに改善することをしていなかっただけでも怠慢です。まして、今年度の予算がついているのですから、年度当初にすぐ実行していれば、どれだけ役に立ったことか。こういうのを「後の祭り」というのでしょうね。

 市は昨年点検して期限切れに気づいたと言っているようですが、それがそもそもおかしい。医薬品、食料品、水などはすべて消費期限があります。それを過ぎないように管理するのは、当然のこと。常識以前です。購入時に期限が分かるわけですから、その後の物品入れ替えのための購入計画は自ずとできてくるのです。

 その意味では、災害対策のための備蓄が、ほんとうに災害に役立つものになるようにするという認識が最初からなかったと言っても過言ではないでしょう。いかにも役所仕事です。「仏を作って魂入れず」のようなものかもしれません。

 こんなに早く大地震が来るとは思わなかった、という弁解がましい言葉を良く聞きます。それは言い訳にもならないこと。確かに結果論かもしれませんが、災害に対する備えをするようにと、日頃から住民に「説教」している行政がこんなレベルのことかと、あきれるばかりです。

そのほかでも食料や水などは、実際の必要量をはるかに下回る量しか用意して折らず、住民を災害から守ろうとする意志がほんとうにあったのか、疑わしくなります。

 そんな柏崎市の惨状に輪をかけているのが、隣の刈羽村です。これもある民放のニュースで取り上げたれていたことです。それによれば、ここでは主食や水の備蓄は極端に少なく、副食はゼロだとか。ずいぶんと住民をバカにしたものです。実際に地震当日は役場は全く対応できず、避難所におにぎりと水が到着したのが当日夜。それ以外の人たちへは翌日になってやっとというのです。

 しかし、何よりもあきれるのはインタビューを受けている役場の責任者でした(課長だったかな?)。彼は「最大限の努力をした」「住民にそれほど迷惑をかけてはいない」と言い張ります。

 それに加えて、いざというときには農協に依頼して、倉庫にある米を臨時に回してもらう計画だったとか。でも、当の農協関係者は村の備蓄米と扱われていることを知らされていなかったそうです。地震当日役場から依頼があり、急きょ数百キロの米を提供しましたが、水もガスもない被災地では炊飯することはできず、被災者の口に入ることはありませんでした。

 それでも「最大限のことをした」と言ってしまう役人は、どこをむいて仕事をしているのでしょう。彼は「農協には災害時に米を提供する道義的な責任がある」とまで言い切っています。そんなこと、役場から言われたくはない、というのが、きっと農協の方々の本音でしょうね。

 自分たちでは何も備蓄しておらず、いざという時の対応をあらかじめ協議し、必要なことを依頼しておくこともなく、そして一大事になると「火事場泥棒」のように米を“供出”させるなんて、いったいどの時代の役人たちのすることなのでしょう。

 こんな人たちが住民の税金で仕事をしているなんて思うだけで、怒り心頭に発っします。起きてしまったことはもう変えられないけれど、それを謙虚に反省し、その中から何を変えていくべきかという方針を丁寧に作っていくことをしない限り、いつまでたっても同じことを繰り返すことでしょう。

 これがたった一人の役人の間違った言動だということならまだ救いようがあるかもしれません。この過ちに気づき、役所として猛省するのであれば。でも・・こんな人を管理職に置いておくくらいですから、役所が完全に機能不全に陥っているのかもしれません。今回の中越沖地震は、役人の良心さえも壊してしまったのでしょうか。

投稿者 tsukada : 2007年07月24日 23:47