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2007年07月10日

断水

 昨日のこと。医院を含めて、その周辺一帯が突然の断水しました。午後1時ころで、ちょうどお昼休みだったので、直接患者さんに影響がなかったのは幸いでした。

 当院は、断水(+停電)の時での水洗トイレが使用できるように工夫してあります。数年前に作っておいたのですが、その初めての出番! はりきって稼働させました。

 水洗トイレは、通常は水道水を使っているわけですが(飲める水を使うのは、考えてみればもったいない話かも)、断水すると水が流せなくなります。そんな時のために地下水をくみ上げるようにしてあります。(さらに停電してもモーターを回せるように、自家発電装置も持っています。)

 地下水は、もともと冬の融雪用に掘ってあるもの。雪の降る数か月しか使っていなかったのですが、それを転用しました。トイレのある部屋の屋根裏に200リットルのタンクを置き、そこに地下水をくみ上げます。それを便器ごとに設置した専用の蛇口で水槽に流して使うという方法です。

 そんな災害用トイレのデビュー! でも、使用できるようにした直後に、市の水道局が簡易タンクを設置してくれて、全館の水道が不自由なく使えるようになりました。その結果、実際の使用までには至りませんでした。(ちょっと残念?)

 そんな光景を、朝日新聞の記者の方が取材されました。今日の紙面に出ていましたので、ご紹介します。

20070709.jpg

 当院に関わる箇所は次のように書かれています。

「昼休みだった小児科病院(注:正しくは小児科医院)には市の給水車が駆けつけ、病院内の水道管に接続して院内の飲用水を確保した。同病院では中越地震後の増築の際、井戸を掘って災害時のトイレ用の水を確保し、飲用水もペットボトルを100本用意していたという。」

 数時間で完全復旧しましたので、大きな混乱はありませんでした。それでも、いざという時にも小児医療を継続して行うことができることが改めて確認できましたし、この地域の方々のお役に立つことができることを再認識できました(もし夜も断水が続くようなら、夜間も医院を解放してトイレを使ってもらえるよう、町内会長さんに申し入れました)。

 こういった設備の出番がないことが一番良いには決まっていますが、でも「備えあれば憂いなし」。決して無駄なことではないのだと、つくづく実感しました。

投稿者 tsukada : 2007年07月10日 11:21