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2007年03月13日

水泳パンツにご用心

 開業小児科も、ときどき勉強をしています。今日は地域の小児科医の集まり。定期的に集まって、病気のことを学んだり、予防接種や医療制度について情報を共有したりしています。

 こういった会は「参加することに意義あり」。他の先生方の話を聞いているだけで、ずいぶんと役に立つものです。いわば「耳学問」。

 今日の演題の中で、興味深いものがいくつかありました。その一つが「海水パンツのインナーメッシュによる小児陰茎部皮膚損傷」でした。海水パンツのはいた男の子のペニスが、メッシュの穴の中に皮膚が入り込み、大きく浮腫んでしまったというものです。

 メッシュの大きさが問題のようです。2、3ミリ以上の大きさがあると、そこに皮膚が入り込んでしまい、その“根っこ”の部分を締め付けてしまうというのが、このトラブルの機序のようです。

 2年ほど前にユニクロが、販売した男子用水泳パンツを回収したことがありました。その原因が、この問題だったようです。そのほかのメーカーも同じような事故を抱えていたとのこと。そのため、最近は穴の小さなものをインナーに使うようになり、新しい水泳パンツでは、こういったトラブルは起きてはいないようです。

 しかし、以前に発売したものや、外国から輸入されたものの中には、危険性のあるものが残っているようです。お子さんの水泳パンツについて、大丈夫な物かどうか、一度確認してみてください。

 こういった問題が起きていることを、私自身は知りませんでした。私の不勉強のためかもしれないのですが、国やマスコミできちんと取り上げて、一般の消費者や、治療が必要になったときに担当する小児科医などにその情報が伝えられていないようにも思います。

 商品にトラブルがあったとき、その商品を回収したり、直して新しい商品を開発することも大切です。そして、その情報を適切に開示し、広く知らせることもより大切になってくることなのでしょう。これからの社会のあり方を示しているようにも思いました。

※他にも大切な内容がありましたので、明日以降の「院長ブログ」でさらにご紹介することにします。

投稿者 tsukada : 2007年03月13日 22:12