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2007年02月10日

段ボールはどこへ?

 昨日のニュース。東京で起きた妹殺害事件で、重要な証拠品を“捨てて”しまったと報じられました。重大な事件でしたし、関心も高かったので、唖然としてしまいました。

 凶器とされる木刀、その後遺体を切断したとされるのこぎりなどが入っていたとのこと。鑑定に出すために段ボール箱に入れておいたところ、ゴミと一緒に捨てられたとか。それも逮捕からわずか3日以内におきた“事件”だったようです。

 にわかには信じられないことです。事件の立証のための最重要な証拠品。ロッカーに入れて保管するという内規があるのだそうですが、それを無視して床にそのままおいていたとのこと。警察の中ではいつものことなのかもしれませんが、普通の人には想像できません。

 段ボールには、何も書かれていなかったのでしょうか。事件名も書くのが普通なのかとも思うのですが、“普通”が通じない人たちのようですから、そんな面倒なことはしなかったのかもしれませんね。でも、せめて「証拠品」とか「重要」とか書いてあれば、その表示を見ながら、それを捨ててしまうことは、ないように思うのですが・・(それも普通の人とは感覚が違うのかもしれません)。

 捨てたらしいというのも、何だかハッキリしていないよう。きっとそうだろうという“推測”です。誰かが段ボール箱を持ち出したわけですよね。部外の人が入ることなど、ありえないこと。警察の関係者しかありえないわけですから、誰がいつ箱を持ち出し、それをどこに持って行ったのかという経過がどうして不明なのでしょう。分かりません。

 1月4日の逮捕とともに証拠を押収。7日午後に紛失が発覚。前日の6日にゴミと一緒に廃棄したらしいとのこと。そこから“捜索”を始めたとしたら、前日のことがどうして分からないのか、ますます不可思議です。

 直接関係した人は特定されているのかどうかも分かりませんが、箱の行方を探し出すことができなかったのは、ますます解せません。廃棄物の処理の方法は決まっているわけですよね。署内にゴミ集積場があるはずですし、特定の業者が委託を受けて回収しているはず。そこをたどっていけば、容易に探し出すことができそうなものです。

 仮にすでに処分されたとしても、それが埋め立てなどであればそのまま残っているでしょう。焼却処分だとしても、金属部分は残っている可能性があります。分別処理などのために中を開けていれば、その中身の異常さに気づきそうなものです。

 日本の警察は検挙率が高く、捜査能力は高いと言われてきました。それなのに、こんな大切な証拠品を粗末に扱ってしまったり、その後の“捜索”でも見つけだすことができないなんて、その能力を疑ってしまいます。

 ところで、この紛失事件を公表したのは、1か月以上も経ってからでした。この間、探し続けていた・・などということでもなさそうです。すぐに“公開捜査”をしていれば、どこかで見つかったかもしれませんよね。やっぱり隠したかったのでしょう、最低レベルの不祥事ですから。

 それとも、外部者が入り込んで、事件の重要な証拠を隠滅した!? そんな荒唐無稽のことは、ないでしょうね。

 心配なのは、裁判への影響です。証拠がなければ、犯人を有罪にできなくなります。物証は重要です。まあ、その点は大丈夫かも。日本は証拠がなくても、本人の“自供”とか、周囲の“状況証拠”だけで簡単に有罪にできてしまうようですから。本当は怖いことなですが。

投稿者 tsukada : 2007年02月10日 19:09