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2007年01月31日

暖冬少雪

 今日で1月が終わります。例年と違って、暖かく、雪のない冬を過ごしているので、どうも季節感覚がしっくりしていません。快適なお天気ではあるのですが、どうもヘンな感じがしています。

 ここ1週間の天気予報を見ても、雪だるまマークのついている日がありますが、さほど積もるというほどではないようですね。このまま2月も雪なしでいってしまいそうです。

 暖冬の影響が雪国にいろんな形でおきています。暖房器具や除雪用具が売れず、冬物の衣料品も在庫ができているそうです。昨シーズンのどか雪の時には、こういった物が不足して大変だったのに、大きな違いです。

 インフルエンザの流行も、多少は始まっているようですが、今のところは大きな規模になってきていません。2月に流行する可能性もありますが、これもシーズンが終わってみないと分かりません。ただ、例年より流行の始まりが遅くなっているのは確かで、これも暖冬の影響なのかもしれません。

 そのおかげか、小児科外来もそれほどの混雑はありません。インフルエンザの流行が本格的になると、パニックのようになってしまいます。このまま落ち着いているといいのですが、どうでしょうか。

 明日からは2月。暖冬とはいえ、冬であることは間違いありません。どうぞ健康に気をつけてお過ごし下さい。

投稿者 tsukada : 23:59

2007年01月30日

ビスタ発売

 米マイクロソフト(MS)は30日、パソコン用新基本ソフト(OS)の「ウィンドウズ・ビスタ」を全世界で発売しました・・でも、私には無縁の世界。パソコンを使い始めて10数年経ちますが、これまで使っていたものは全てアップル社(最近「アップルコンピュータ社」から名前が変わっているそうです)のマッキントッシュだからです。

 マイクロソフトとアップルの根本的な違いは、そのOSだけではありません。マイクロソフトはOSという“ソフト”を作り、“ハード”のパソコンは世界中で多くの会社が作っています。それぞれが工夫し、競争し合っているので、多種多様のパソコンが販売されています。世界のパソコンの95%は、マイクロソフトのOSを使っています。

 対するアップルは、OSだけではなく、パソコン本体も一緒に作り、販売しています。アップルのOSを使っているのは、自分のところ1社だけ。そのために、わずか5%しか使われておらず、少数派をずっと続けています。

 でもアップルの良いところもあります。新しいOSを作っても、それを快適に動かすことのできるパソコンが用意されているので、ユーザーは容易に使いこなすことができます。

 マイクロソフトがいくら新しいOSを作っても、それを軽やかに動かせるようなパソコンを供給するのは、別の会社の役割。そこにミスマッチがあると、せっかくの新しいOSもかえって使い勝手が悪くなってしまいます。

 マイクロソフト社の創業者であるビル・ゲイツは、以前からマックを使用していたというウワサが、マック・ユーザーの中で語られています。もっと高機能のOSを作りたいが、それを軽快に動かす優れたパソコンがなかなかできてこないからだそうです。そして、世界中で使われているパソコンのレベルに合わせたOSにとどめておくことは、アップルのパソコンに遅れをとることになってしまうと、地団駄を踏んだ・・とか、何とか。

 私がマックの“信奉者”になっているからなのかもしれませんが、パソコンのOSはアップルが常に先を行っています。マイクロソフトがウインドウズを出したのが、確か1995年。これによって、モニター画面で見ていることが、そのまま印刷結果に反映されたりするようになりました。それまでは、呪文のような数式などを入力していたので、画期的な出来事でした。しかし、これとてアップルにとっては最初からそうであり、マイクロソフトがアップルのあとを追ってきた形でした。

 今回の新OSも、すでにマックのOSで取り入れられているものが多いようです。また、ビスタを使おうとするユーザーにとっておそらく問題になるのは、パソコンの性能がそれに見合うだけのものであるかどうか、ということでしょう。新しいOSを使うことで、システム全体がより安定し、セキュリティー上もより安全になるのは確かですが、性能の低いパソコンであればその「重さ」が問題になります。いくら新しいことができても、軽快に動いてくれなければ、意味をなしません。

 世界中で新しく売り出されたビスタですが、以前ほどの熱狂はみられていないよう。これから売り出されるパソコンには搭載されるでしょうが、いままでどおりのOSをそのまま使い続けるユーザーにきっと多いことでしょう。

 なにより、自分がパソコンで何をしたいかと考えると、必ずしも最新で、高機能のものが必要だと人たちはかえって少ないかもしれません。一定の仕事ができ、ネットやメールが使えれば、むしろ「軽い」方がいいかも。新しいOSにするかどうか迷っている人がおられれば、そんなことも参考にしてください。

 ついでに、アップル社のマックというパソコンについても、ちょっと目をやってみてください。創業者であり、現在も開発の先頭にたっているスティーブ・ジョブズが、自分の使いたいパソコンだけを世に送り出しています。その使いやすく「美しい」パソコンに出会うと、きっと違った世界のあることを知るとことでしょう。

投稿者 tsukada : 23:54

2007年01月29日

「女性は子どもを生む機械」なのだそうです

 日本の少子化傾向が止まりません。先進国はどこもこの問題を抱えているといわれていますが、日本は突出しているようです。合計特殊出生率(おおむね一人の女性が生涯に生む子どもの数)は日本は過去最低の1.25になり(2005年)、下落傾向は止まっていません。

 日本より少ないのは韓国くらい。そのほかの先進国ではそれほどの傾向ではなく、フランスのように2.005と「2」を上回っているところもでてきました。こういった国では、女性が職業を持ちながら、出産や育児にもしっかり取り組めるような対策がきちんととられているようです。

 昨日の「読売新聞」には、そのフランスのことがレポートされています。月に30万円ほどの産休手当があり、必要に応じて時間を短縮した勤務ができ、お手伝いさんを雇う際の補助もあります。国や企業から手厚く支援され、「仕事の子育ての両立」がうまくできていることが、フランスを“ベビー・ブーム”にしているようです。

 女性が子どもを育てながら働きつづけられれば、労働力不足を解消することにもなります。何より、女性の生き方として、職業を持ち、社会の中で仕事を続けることが、生き甲斐になり、社会全体を活性化させるために大きな役割を果たすでしょう。

 日本が少子化傾向を重大視し、それなりの対策をとってきました。でも、どこか不十分。中途半端で、何かが足りません。児童手当など、子どもを育てるために補助をしていますが、その金額も十分とはいえないようです。働き続けられるようにと、育児休暇や看護・介護休暇制度は作られていますが、労働環境を変えていないので、十分に活用できないままでいます。「絵に描いた餅」です。

 何より、女性にとって仕事を続けることをどうとらえるかという点では、まだまだ考え方は古いと言わざるをえません。「女性は家の中に」「結婚したら退職」。こういった性別による差別は根深いものがあります。

 政府は新たに「少子化対策戦略会議」を設置するそうです。そこで少子化対策の総合的な戦略をたてるのだとか。すでに10年くらい前からエンゼルプランなどの少子化対策や子育て支援を作ってきていますが、その上になお新たな「戦略会議」を作らなくてはいけないということは、これまでの対策が功を奏していないからです。

 この「戦略会議」でもとくに目新しいものはないように思います。むしろ「地域や家族の再生」などの言葉を見かけると、女性は早く結婚し、仕事をせずに子作りと子育てに励め、などという意見が出てきそうで、いやな感じをもっています。

 おりしも子育て支援や労働環境の担当である柳沢厚生労働大臣が、「女性は子どもを産む機械」と言ってのけてしまいました。本人はその不適切さにすぐ気づき、その場で訂正したといっていますが、そうだとしても、普段からそう思っていなければこんな言葉はでてこないものです。むしろ、根本的なものの考え方が、とくに女性に対して封建的であり、差別的であることを暴露しているようなもの。しかし、彼だけが特別なのではなく、おそらくこれが大方の為政者の考え方を代表しているのでしょうね。

 この大臣は年金の担当。少子高齢化で将来の年金財政が大変になるようです。もしかしたら年金の問題があっての発言だったのかもしれません。つまり、少子化対策とは、多くなるお年寄りを支えるために子どもの数を増やすことが主眼なのですね。「少子化対策」の意味合いを、だんだんと分かってきました。

 日本は目先のことしか考えられない、情けない国です。本当の意味での「男女同権」「子育て支援」「少子化対策」は、実現までまだまだ茨の道が続くことでしょう。

投稿者 tsukada : 23:26

2007年01月28日

1月末だというのに

 1月最後の日曜日。いつもの年なら、雪かきに精を出しているはず。でも今年は全くの雪なし。私が生きている中で初めて経験です。ちなみに私の父母に聞いてみましたが、やっぱりこんな年はなかったと言っています。

 お昼間はとても良く晴れていました。まるで5月か6月のようなお天気。いくら「暖冬少雪」だと言っても、こんなに暖かくていいの?? 明日にでも地球が滅亡するんじゃないの?って、まさかそんなことはないでしょうが、でも確実に「地球温暖化」は進んでいるのでしょうね。肌感覚で、そう思ってしまいました。

 先週の日曜に続いて、今日もお天気に誘われてワンちゃんと散歩です。近くの中学校からは、生徒さんたちの元気の良い声が聞こえてきました。サッカーと野球の練習を屋外でしています。

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 こんなこと、いつもならありえないこと。屋外を使えないのは雪国の運動選手の宿命ですが、今年に限っては女神がほほえんでいるのでしょう。写真では分かりにくいかもしれませんが、グラウンドの境界に張られているはずのネットは、雪にそなえて地上に降ろされています。

 野球の練習では、グラウンドの外にいつもはいない球拾いの生徒が何人かいました。その道を通っていこうと思ったのですが、その間は練習が中断しそうだったので、他の道へGo! おじゃましました。

 お天気が良く、私も余裕があったので、ワンちゃんは午前と夕方の2回、お散歩の行きました。そのあとはお風呂にも入ったので、すっかり疲れたようです。

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 ソファーで夢うつつでした(*^_^*)

投稿者 tsukada : 20:33

2007年01月27日

少年たちを殺したのは誰?

 先週からインフルエンザの患者さんを少しずつ見かけるようになっています。例年ですと、1月下旬になると一挙に流行するものなのですが、今年はまだ本格的な流行にはなっていないようです。これは新潟だけではなく、どうも全国的な傾向のようです。

 期待としてはこのまま大きな流行にならずにすんでくれればいいと思うのですが、さあどうなるでしょうか。相手はウイルスですから、どんな振る舞い方をするか、誰にも分かりません。今シーズンの流行がさほど大きな規模にならずにすみ可能性もある一方で、これから一挙に大流行する可能性も否定できません。まさに「神のみぞ知る」といった様子です。

 手洗い、うがいなどの励行、あまり人混みにはでかけないこと、十分な睡眠をとって体調を整えておくことなど、インフルエンザに限らないのですが、気をつけていて下さい。

 今週はいろんな事件や出来事がありました。あまりに多くの、そして大きなことがあったので、その一つひとつの内容をもう忘れてしまいそうです。でも、しっかりと記憶にとどめておかなくてはいけないことも多々あるように思います。時間の過ぎ去るのに流されず、ちょっと立ち止まって考えることも、また必要なことでしょう。

 兵庫県宝塚市のカラオケ店で起きた火事で3人の少年が亡くなった事件(事故ではないと思います)が起きたのは20日の夜。ちょうど1週間になります。この間にいろんな事実が明らかになっています。あまりにずさんで、お客さんの命を粗末に扱っていたこのカラオケ店の経営者や店長に、腹が立って仕方ありません。

 最初は倉庫として作られた建物をカラオケ店に改装しても必要な届け出をせず、許可も受けていなかったとのこと。少年たちが亡くなった2階には非常口もなく、部屋の窓はベニヤ板でふさがれ、ひとたび火事が起きれば逃げることができないことは自明のこと。

 わずか数人のアルバイトに店のことをまかせっきりにし、避難訓練はおろか、消化器の使い方もしらなかったとか。今日の報道では、たった1本の消化器しかなかったのに、それもすでに使用済みで、使える消化器は皆無だったようです。調理で油を入れた鍋を何十分も加熱してしまったのが直接の原因であり、担当していたアルバイトの女性が逮捕されていますが、今回の事件で一番問題になるところは、経営者です。きっとその点は警察が調べているのだとは思いますが、よもや、経営者がただ届け出を怠っていたなどというような形式的な問題だけで起訴することのないようにお願いしたいと思います。

 それと同時に、消防局の対応もやはり問題にせざるをえません。経営者の娘婿がこの消防署の職員だったとか、署員がこのカラオケ店を利用していたことがある、などといった報道もあります。お役所らしい「身内に甘い」態度で、この問題にあたることは許されません。

 確か火事の翌日、消防署が行った記者会見で、「届け出がなかったので、カラオケ店であることを知らなかった」「消防としては適正に対応していた」といった内容の話が出ていました。これには驚いたと同時に、怒りがこみ上げてきました。大きな火事があり、そこで3人もの命が奪われています。そんな役人言葉は聞きたくないありません。

 住民の命や健康を守るのが自治体の役割であり、それが火事などであれが消防署の役割です。どこでどのような間違いがあったかは別にして、まずもって自治体や消防署が少年たちの命を助けることができなかったという事実をしっかり見つめるべきですし、それができていれば、最初に出てくる言葉は役割を果たせなかったことへの謝罪や反省の言葉でしょう。

 その上で、何がどう問題だったか、究明していくことになります。今回のように、違法に改築され、適切な届け出がされていない建物について、その情報をどうやって収拾し、その実態を把握し、生命と財産を守れるように指導し改善させていくか、など、解決すべき課題が見えてきます。

 私の医院も一定の面積を超えるということで、防火設備を完備しています。各部屋には火災報知器を設置し、消化器も相当数用意するなど、法の求める基準をクリアしています。そのための費用は数百万円かかっていますし、毎年2回は業者による設備の点検があり(その費用だけで年に数十万円になります)、避難訓練も定期的に行っているところです。

 消防署による指導は事細かいものです。法令に準じてするわけですが、その解釈はやや恣意的なところもあるのか、細かいところで業者の理解と違っていたり、消防署の担当者間でも若干の違いがあるように感じています。ときにはお役所的な対応に振り回されているといった実態もあります。

 そんなふうにしながらも、でも基本的にはきちんと対処できているつもりですし、当院をおとずれる患者さんや保育室にお預かりしている子どもたち、そして職員を火事などの災害からしっかり守ることができています。当院に限らず、ほとんどの事業所などはきっとしっかりとしていることでしょう。

 問題になるのは、消防署の目が届いていない所です。今回の事件で明らかになったように、正規の手続きをしていないところが、実はメチャクチャなことをしている可能性があり、一番危ないわけです。その部分をほったらかしていて、それで消防本来の役割を果たしているとは、言ってほしくありません。

 先にも書いたように、このカラオケ店のことは消防署は知っていたはずです。それを見て見ぬ振りをしていたのが、最大の問題です。多少譲って、消防署の担当者が知らなかったから対応できていなかったとしても、このような違法な事業所のことを把握できないことが問題なのだと言うことを、しっかりと認識してほしいものです。

 この火事のあと、全国でカラオケ店の防火対策がしっかりしているかを査察しているとのこと。それはそれで必要なことですが、もっと必要なことは・・危険きわまりない建物でもほったらかしておける消防署の意識、そしてその利用者の命を守るべきだという当然の責任感が欠如している消防署の体質こそ、緊急に「査察」し、改善すべきことでしょう。

 それができなければ、結局は何も変わらないことになります。若者たちの死も、過去の事実として忘れ去られてしまうのかと思うと、いっそう無念な気持ちがこみ上げてきます。

投稿者 tsukada : 23:58

2007年01月26日

同情できなくなりました

 「納豆ダイエット」を紹介した番組が、ねつ造されたデータによる偏った内容だったことは、いろんな問題を引き起こしています。納豆そのものは何も悪くないのに、どうも納豆も悪者にされかねない様子を見ていると、納豆好きの私にとっては心が痛みます。

 数日前、この「院長ブログ」に、納豆の業界も被害者だと書きましたが、そのあたりも雲行きが怪しくなってきました。今回の“ねつ造番組”を作ることに荷担したわけではなく、番組についての責任があるということではありません。

 番組で納豆を話題にすることを、昨年のうちに納豆業界には先に知らされていたようなのです。一般の方には、当日の番組の中で、ダイエットに関係している食品が納豆のことであることが初めて明かされました。事前のお知らせの中にも、当日の新聞のテレビ欄にも「食品X」とされていたものです。

 納豆業界や流通業界は、かなり詳細な内容を知っていたというのです。番組で紹介された納豆の「正しい食べ方」についてもそうです。番組で取り上げられれば消費が大幅に増えることは十分予想され、業界ではその対応を先にしていたのだとか。

 あるスーパーでは、納豆を新年の特価セールの対象から急きょはずしたという報道もあります。その後に、黙っていてもたくさん売れる物を、先に安く売ってしまう手はないということです。このあたりは、「インサイダー取引」の臭いもしてきます(法的な問題はないのでしょうが、モラルの問題はありそうです)。

 業界にとっては、番組後にいっぱい売れたのは「想定内」だったでしょうが、その売れ方がめちゃくちゃで、売る納豆がなくなってしまうほどだったのは「想定外」だったに違いありません。それが、納豆に対するイメージダウンになりかねないとしたら、皮肉な話でした。

 そんな顛末を知ると、納豆業界に対して持った同情する気持ちが萎えてきました。なんだ、あのテレビ番組を作った人たちと同じことをしてるんじゃないか、と。

 もちろん、納豆を製造している業者さんの全てが悪いことをしたというつもりはありません。同業組合の一部の人や組織だけの問題だった可能性もあります。零細な業者さんが大変なトラブルに巻き込まれているとしたら、本当にお気の毒なことです。

 それにしても、最も大きな問題があるのは、データのねつ造までして番組を作ったテレビ局ですし、それを点検せず、そのまま垂れ流していたキー放送局です。一連の経過については、まだ解明が十分にされたとはいえません。

 他人や他の業界などの黒い部分には熱心に取材し、報道するマスコミです。それなのに、自分のところでおきたことは真っ黒な闇のままにしておくつもりでしょうか。身内に甘いのは、人の世の常なんですね。困ったものです。

投稿者 tsukada : 23:57

2007年01月25日

余計なお世話??

 昨日の深夜のこと、自宅の周りで男の人がときおり大きな声で何かを叫んでいました。酔っぱらいだろうと思ってそのまま様子を見ていたのですが、場所を変えながら、ときどきその声が聞こえてきます。

 近所迷惑でもありますが、それ以上に寒空の中でもし寝込んでしまえば、凍死ということも起こりえます。そんな心配をしだしたら、そのままにして置くことができなくなりました。

 車に乗って町内をぐるっと回ると、見つけました! 交差点近くの歩道のところでしゃがみ込んでいます。そうとう酔っているよう。40歳くらいの男の人です。

 車を降り、近くによって「大丈夫ですか?」と声をかけると目を覚ましたようで、「・・・・」。何を言っているのか分からないのですが、私を少しにらんだあと(私にはそう思えたのですが)、起き上がり、そして私から遠ざかる方に歩いていきました。相変わらずの千鳥足です。

 もう少し声をかければ良かったかもしれませんが、それも怖くてできず、さりとてそのままにしておくわけにもいかず、しばしの間、その人のあとを車で着いていきました。まるでストーカー?

 10分ぐらいすると、細い路地に入っていきました。道路の反対側にあるスーパーの駐車場に車をとめて見ていましたが、静かになったので、自宅にたどり着いたのだろうなと、安心して私も帰宅しました。

 でもそのあと、またあの叫び声が! やっぱりまだ彷徨しているようです。今度は公園の中から聞こえてきます。我が家の前にはお堀が広がっているので、間違って転落したら一大事! 一瞬、「高田公園のお堀で溺死」という新聞の見出しを想像していまいました。

 あるいは道路で眠ってしまったら、凍死する前に車にひかれてしまうかもしれません。そうなっては、事故を起こしてしまった運転手にとっても悲劇というしかありません。

 そして、その人に私は会っていますし、声も交わしました(意思疎通はできませんでしたが)。もしものことがあったら後味が悪いですし、きちんと対処してあげなかったことを後悔することでしょう。

 もう一度車に乗って人捜しに行くと、案の定、公園の中にいました。お堀の脇の歩道をフラフラです。再度「追尾」を開始。先ほどとは違う方向に進んでいったので、今度こそは自宅を目指しているんだろうな、でも家にたどり着くまでは付き合うしかないな、と思いながら進んでいきますが、途中で方向転換。またまた違う方へ足を進めていきました。

 時計は夜の11時半。彼の「雄叫び」を聞き始めてから1時間は過ぎています。もう限界です。私もこれ以上はお付き合いできそうになりませんし、彼も体力的に限界でしょう。服装は工場の作業服といった軽装ですので、きっと体は冷えきっているにちがいありません。

 警察署に電話をし、保護してもらうよう依頼しました。その電話中に彼を見失いましたが、パトカーを待っている間に例の声がしてきました。やっぱりまだウロウロとしています。警察官がやってきたので、彼のことを「紹介」し、私は家に帰ってきました。

 その後のことは警察からも連絡が入っていませんので分かりませんが、無事彼を家に連れて行ってくれたことでしょう。翌朝、目が覚めたときには、自分が何をしていたのか、覚えていないかもしれません。こうして自分の「足跡」がどこぞのブログに書かれていることも、知ることはないでしょう。

 結果として事件や事故にならずに良かったです。それにしても、彼のことを心配したのは私だけだったのでしょうか。彼は住宅街や公園の中にいましたし、うづくまっている脇を車が何台も通り過ぎていきました。

 もめ事に巻き込まれたくないという気持ちで、家の前や目の前から通り過ぎていくのを待っていたのでしょうか。酔っぱらいに何かあっても、それは自業自得だと考えたのでしょうか。もしかしたら、私が余計なことをしただけなのかも。

 でも、無関心って良くないですよね。他の人のことを心配するって、やっぱり大切なことだと思うのですが、皆さんはどう思われますか?

投稿者 tsukada : 23:59

2007年01月24日

新知事誕生

 ここ数日のニュースでは、宮崎県知事選挙の結果も大きな関心事でした。投票の結果は元タレント(?)のそのまんま東さんが圧勝。有権者の既成政党離れが進んだとか、役人上がりの候補には期待がもてないなど、いろいろなことが言われました。

 選挙の戦い方も話題になりました。タレントとしての知名度が抜群に有利だったことは否めませんが、でも仲間の有名人の応援は断り、自分一人の力で勝負をしました。内容は分かりませんが、それなりのマニフェストを用意しています。マニフェストを作ったのは、候補の中で彼ただ一人だけだったそうです。

 前職が官製談合などの汚職で逮捕された宮崎県。県民のみなさんの心情はさぞ落ち込んでおられたことでしょう。暗い気持ちだったと思います。その意味では、そのまんま東さんを知事にしたいというのは、県政に明るい未来を求めていることの表れだったのだと思います(けっして彼のおでこの話をしているのではありませんよ)。

 でも彼はこれまでのいわゆるタレント候補ではないようです。過去には問題行動も起こしたことがありますが、そこから立ち直り(きっとそうだと思います)、政治や地方自治の勉強をするために大学に入ったくらいですから、それなりにしっかりとしたものを持っているのでしょう。彼なら宮崎県を立て直してくれると思わせるものがあったのだと思います。

 選挙戦の様子をテレビなどで見ただけの薄っぺらい感想になりますが、確かに彼は違いますね。政策についての勉強もしているようですし、それ以上に宮崎県を何とか立て直したいという気概を感じます。思わず応援したくなります。

 「そのまんま東」改め、本名「東国原英夫(ひがしこくばる・ひでお)」知事として、昨日からさっそく宮崎県政のトップとして仕事を始めました。その矢先の鳥インフルエンザによると思われる鶏の大量死。彼のリーダーシップがきちんと発揮されることを願っています。

 そのまんま東さんは1957年生まれの49歳。私と同い年です。今から新しい仕事に取り組み、新しい人生を切り開こうとしていることに、すごい!と感じます。私はこれまでに作ってきた道をそのまま進んでいくだけ。でも、多少は彼を見習って、もう少しパワーアップしてみなくてはいけないな、などと思ってもいます。

投稿者 tsukada : 23:01

2007年01月23日

さあ納豆を食べましょう!

 テレビ番組「あるある大辞典2」が、納豆のダイエット効果についてデータなどを偽造した事件を受けて、この番組は打ち切られることになりました。

 放送にあたっては基本的にウソはいけないわけです。社会的に大きな影響力があることを、放送に携わる人たちはもう一度考え直す必要があります。番組も500回を超えていて、「制度疲労」も起こしていたのかもしれません。この問題を教訓に、新たに出直してほしいと思います。

 でっち上げられた「納豆ブーム」で、一番大変な影響を与えられたのは納豆の製造業者かもしれません。突然におきたブームで、ふだんの数倍の注文が殺到。製造が間に合わず、いくつかのメーカーは全国紙に「お詫び」の広告を出していました。

 その後、増産の体制を作ったころに番組のねつ造が発覚し、今度は一転してキャンセルが相次いだり、注文が急減してしまったり。大量に用意した減量や梱包用品などが山積みになっているとのこと。

 業界にとっては踏んだり蹴ったりだったことでしょう。悪夢のような2週間だったかもしれません。みんなが納豆に関心を寄せてくれたことはありがたいでしょうが、注文に応じきれず、希望しても食べさせてあげられないという事態は、心ある人たちには耐えられないことです。損得の問題を超えています。

 これからどのような形で収束するか、分かりません。元の安定した状態に戻ってくれればいいのですが、“リバウンド”で納豆に対するマイナスのイメージが広がってしまったら大変です。業者さんは泣きたいほどかもしれませんね。

 納豆は悪くはありません。とても美味しいですし、日本人の体質によく合った食品です。みんな、もっと納豆を食べましょう。あの番組で紹介したような多量・頻回の納豆摂取は必要ありませんが、コンスタントに納豆を食べてもらうことは、きっと健康に良いはずです(決して「ダイエット」=体重減少のためではありません)。

 あの番組を作った関西テレビの関係者の皆さん。もちろん、今日も明日も納豆を食べているでしょうね。社長は、データのねつ造はしぶしぶ認めても、番組の結論は間違っていないと強弁したわけですから、率先して毎日納豆を食べていますよね。

 納豆業界に対するお詫びの意味もこめて、もう一度納豆の本当の良さをお知らせする番組を作ってください。そこまですれば、業界のみなさんも¥許してくれるでしょう。

 納豆不足もなくなったことです。私も元のように、毎日納豆を食べることができます。みなさんも大いに納豆を食べましょう!

投稿者 tsukada : 20:59

2007年01月22日

講演会のご案内

 環境と人に優しい家造りをめざしている「『チャコの家』の仲間たち」という団体の主催で、講演会を開くことになりました。お近くの方は、ぜひいらっしゃってください。

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★【第1部】「チャコの家」の健康セミナー
★【第2部】「子どもたちに健康と幸せを」〜今、私たちがしなくてはいけないこと〜
       塚田こども医院・塚田次郎
★2月18日(日)午後1:30〜3:30
★国民年金健康センター上越(上越市大字大日字木舟34-5)
★入場無料(事前の申し込みが必要・・下欄)
★主催:「チャコの家」の仲間たち 協賛:東北電力(株)・(株)エルク
★参加方法:時善意お申し込み下さい。住所・代表者のお名前・電話番号・参加人数をハガキ・電話・FAX・メールのいずれかの方法でお知らせ下さい。(先着順、申込期限2月9日)
★お申し込み先:
 「チャコの家」の仲間たち事務局((株)保坂屋内)
  〒942-0062上越市松村新田大字大道25-1
  TEL025-543-1323 FAX025-543-2806
  E-mail:info@hosakaya.co.jp
(株)エルク上越営業所
  〒943-0833上越市大町2-2-24
  TEL025-525-9727 FAX025-525-9724
  E-mail:info-jouetu@elc-i.co.jp

投稿者 tsukada : 12:39

2007年01月21日

今年もトラブル

 大学入試センター試験が終わりました。全国の受験生のみなさん、ご苦労様でした。一段落ですね。

 でもこれで終わったわけではありません。本番はむしろこれから。それぞれの志望大学での二次試験が待っています。目標や夢に向かって、最後まであきらめずに頑張り抜いてください。

 今年もまた、英語のリスニングでトラブルがありました。その多くは、昨年と同じく器械の異常のようです。今年は万全の対策を施したというわりには、あまり変わっていなかったようです。

 昨年もこの「院長ブログ」でさかんに吠えましたが、基本的に今のやり方には無理があります。それぞれの受験生に携帯型の器械を渡す方法のこと。50数万個の器械のすべてから故障や異常をなくすることは、技術的に不可能でしょう。1台の例外もあってはいけないのです。

 その前提条件がおかしいのです。器械のトラブルをゼロに近づけることは必要ですが、どんなにしてもゼロにはならないだろうということも、また事実。それを前提にした上で、どのようなシステムを作るべきか、最初のところから議論をするべきです。(そもそもセンター試験にリスニングが必要なのか、そのところから疑問ですが)

 器械のトラブルを少なくする条件の一つは、器械が少ないこともあるでしょう。品質管理を徹底すべき器械の数が少なければ、より精度の高い品質管理ができるというもの。たとえば受験会場(教室)ごとに一つの再生装置を置き、そこから書く受験生の机まで配線をする方法です。どれくらいの数が必要か・・一クラスに受験生が100人いるとすると5千台ほどでしょう。それくらいなら、器械の動作を完全に近い状態にしておくことができるのではないでしょうか。

 そして、その教室にいる全員が同じ条件で一斉に聞くことができますし、試験官もいっしょにモニターできるので、器械のトラブルをリアルタイムに把握することができます。もし再生装置に異常があれば、その教室の受験生全員を、別の予備の再生装置を使ってやり直せばいいわけですから、不公平な取り扱いになる可能性はより少なくなります。

 また、その再生装置と室内の配線は繰り返し使えます。初期投資はある程度必要ですが、数年間はそれを維持するだけですみます。経済的にもお安いこと、間違いないでしょう。少なくも毎年数十万台の再生装置を使い捨てに近い状態にするという、壮大なムダはなくなります(受験生がもらっても、仕方ないことだと思うのですが)。

 私はそんな「提案」を昨年もこの「院長ブログ」でしています。今年もまた同じことを書いているのは、ちょっと抵抗があるのですが、でも同じ間違いを繰り返しているように思えて仕方ないので、あえて書きました。来年に向けて、この「提案」が生かされるといいのですが・・。

 誰か、文部科学省か大学入試センターの偉い方にちゃんと意見してくださらないでしょうか。来年もまた、私が同じことを書かないですむためにも。

投稿者 tsukada : 22:09

作られた納豆ブーム

 「納豆ダイエット」が大変なことになっています。2週間前のテレビ番組「あるある大辞典2」が納豆の効果を紹介し、その後、日本中が燃え上がるほどの「納豆ブーム」になっていましたが、番組で使われた実験データなどがねつ造だったというのです。

 なんとなくそんな予感もしていました。番組そのものを見ていないのではっきりと言うことができませんでしたが、納豆を食べるだけで体重減少になる、なんてありえない話です。基本は摂取カロリーと消費カロリーの差であり、前者を後者より少なくすればやせていきます。逆であれば太ります。単純な原理を忘れていませんか?

 そもそもこういった情報番組は、厳密な意味で科学的ではないことがよくあります。少数の人たちの試みて、こういった傾向があったという程度の内容がほとんど。あらかじめ「結論」があって、それに合うように“実験”結果を紹介していくという手法です。

 この番組を作っている放送会社の社長が記者会見しましたが、データのねつ造などについて、なかなか認めなかったそうです。記者から厳しく追及され、一部のデータがねつ造されたものであることは認めたものの、番組全体は正しいものだとする主張は譲らなかったようです。

 現在の手法は、「数字」を使うことで、そのテーマが科学的に実証されたことだと思わせようとしています。そうすることで、視聴者がもっともなことだと受け入れやすくなることを知っているからです。

 しかし、それは「科学的な装い」をしているだけで、本当に科学的ではありません。結論が先にあり、それに合うデータだけをくっつけているだけだからです。

 そんな番組の作り方を知っているからこそ、この社長は「全体としては間違っていない」と言い放っているのでしょう。二重の意味合いで、視聴者を欺いていることに、気づいていてはいないようです。

 私たちの側にも問題はありそうです。ただテレビで紹介されたというだけで、それを真実だと考えてしまう傾向は、あまりに単純すぎませんか? 疑ってかかることや、自分で調べたり、考えたりすることを、ちゃんとしていますか?

 今回の「作られた納豆ブーム」は、私たちがもつ危うく、脆い面をあぶり出しす結果にもなりました。データをねつ造した放送局も問題ですが、それを真に受けた多くの人たちも、自分の問題としてもとらえてみて欲しいと思います。

投稿者 tsukada : 20:50

快晴!

 先週の「週間天気予報」では、雪も降るとされていた今日の日曜ですが、みごとな快晴になりました。

 どうしてこうも外れるのでしょう。お天気が良くなったのですから、文句を言うべきではないのですが、大雪に埋もれているはずのこの季節に、こんなに晴れた空を見ると、これでいいのだろうか、と心配になります。

 「暖冬少雪」は、雪国の暮らしにはとてもうれしいことではありますが、降るべきときに降らないと、あとでそのお返しがきそうです。夏の水不足が、今からもう心配になってしまいます。どうなんでしょうか。

 それはそうと、こんな良いお天気に家にこもっているのはもったいないこと。愛犬を連れて、ゆっくりと散歩を楽しんできました。歩いていると、少し汗ばんでくるほどでした。

20070121

 近くの公園での写真です。やっぱり、とても真冬の写真には思えませんね。でも正真正銘、今日撮った写真です。

 雪がないのに、「雪囲い」をされている植栽がかわいそうに見えてきます。このまま春になってしまう・・なんてことは、ないと思いますが、それも何だか分からなくなってきました。

投稿者 tsukada : 14:38

2007年01月19日

受験シーズン幕開け

 明日は「大寒」というのに、雪がまったく見あたりません。昨夜は雪という予報でしたが、それもはずれ。今夜は“晴れ”のようで、明朝は放射冷却現象のために気温が下がりそうです。そうすると「大寒」というのも、はずれてはいないことになりますが、雪国の人間の感覚としては、やはりヘンな感じです。

 でも、明日と明後日は大学入試センター試験になっていますので、お天気の良いことはけっこうなこと。いよいよ大学入試も佳境に入りますが、この季節は一年で一番厳しい気候です。大学入試に取り組む受験生にとっては、精神的にも肉体的にも厳しいわけですから、天候が良いのは、せめてもの救いでしょうか。

 センター試験といえば、昨年は英語のリスニングが導入され、受験生に渡された器械のトラブルが続出した「事件」を思い出します。悪夢のような思いをした受験生もいたことでしょうね。今年は器械を作り直したりして、万全の対応をしたということですが、大丈夫でしょうか。心配です。

 器械の問題だけでなく、試験会場の監督官の「人的なトラブル」を指摘する意見もあるようです。普段は大学の教官をしている方々が、臨時に監督官をするわけです。一年に一度だけの仕事。今回初めてする人もいるでしょう。慣れない仕事に、間違いはつきものです。

 ましてやリスニングの器械は、けっして一般的なものではありません。受験生だけではなく、監督官も不慣れなもの。何かトラブルがあったときに、その対応を冷静に、スムーズに、的確に行うことができるか、心配してしまいます。

 昨年の例では、器械のトラブルを訴えた受験生への対応が悪く、その受験生に不要な負担をかけてしまったり、監督官の慌てる様子をみたり、騒がしい雰囲気で、周囲の受験が集中できなくなるなどの問題も引き起こしたようです。

 ある新聞には「人災」と書いてありました。そんな事態が、今年はおきないことを、受験生とその親御さんの代わりに切に願っています。

 全国で数十万人が受験するセンター試験。受験生がそれぞれの実力を遺憾なく発揮できることを祈っています。頑張れ、受験生!!

投稿者 tsukada : 23:59

2007年01月18日

日本人の特性?

 昨日に続いて「納豆ブーム」の話です。このTV番組は、こういった「ダイエットネタ」を繰り返して放送しています。それぞれのテーマは、それなりに効果があるのでしょうし、間違ったことを言っているのではないと思います。

 でも、「これが最高」といった方法が次ぎ次ぎに出てくると、いったいどれが本当に一番良いのか、分からなくなります。テレビ的な話題作りをしているだけなのかも・・などと、疑り深くなってしまいます。

 おそらくは、どの方法もそれなりの効果があるのでしょうね。そして、ただ一つの方法というのはなく、いろんなことをしながら、健康になっていくように気をつけていくことが必要なのでしょう。

 そもそも「ダイエット」という言葉も怪しいものです。直訳すれば「食事」ですから、多くの日本人がイメージする「食事による体重減少」とは意味合いが違います。体重も適度な範囲に中にあるのがいいのであり、ただやせればいい、体重を落とせばいい、というものではないはず。

 若い女性たちに多いようですが、過度にやせすぎてしまっていたり、そうなるように誤った食生活を送ったりしていることもまた問題になっています。やせすぎることで生理が不順になったり、無月経になることもあるようですが、もしそこまでなっている場合には、生命の危険を体が感じている証拠。緊急事態なのです。

 芸能人やモデルには、やはりやせすぎている人たちが多いですね。医者としては「病気かも」と疑うような人もいます。そんな人たちを一般の若い女性が“モデル”にしてはいけないということで、フランスではやせすぎているモデルさんはショーなどで使ってはいけないことになったとか。

 話はそれましたが、大昔からいろんな「ダイエット法」がブームになっては、また消えていったりしてきました。健康法についてもそうです。その中には大切なものもあったかもしれませんが、どうしてこんなものが?といったヘンなのもありました。消えていって良かったと思える物も。

 多くの方が使ったり、試したりしてブームになったからといって、それが正しいわけではありません。個人差もありますが、ただ物珍しさだけで話題になったのかもしれません。新しい方法や物が提案されているわけですが、それが本当に効果があるのか、あるいはそもそも体重を減らしたり、やせたりする必要があるのか、それを使うことで悪い影響はないのか、などといったことを、マスコミから流れてくる情報を鵜呑みにすることなく、自分たちでしっかりと考えるようにしてほしいものです。

 一つのことがブームになると、みんながそこに群がり、大騒ぎをしたがります。それだけの価値があるのかどうか、たまには疑ってみることも、大切なのだと思います。

 みんなが行っている、みんなが持っている・・自分一人だけがそうしないと、とても不安になるのが日本人の特性のようです。自分の判断基準をしっかりもち、みんなと違ったってちっともかまわないじゃないと、みんなが思ってくれれば、日本ももっと生きやすい社会になるような気がしています。どんなものでしょうか。

投稿者 tsukada : 22:59

2007年01月17日

納豆ブーム

 ここ1週間ほど、納豆がスーパーから消えていました。ご承知のとおり、先週のある番組で納豆がダイエットに良いと放送され、それ以来、日本中で納豆ブームがおきていたものです。買い物に行っても、納豆の棚はガラッとしていました。

 私は納豆がわりと好き。朝は日本食のときが多く、だいたいは納豆を食べています。別に納豆依存症(?)ではありませんので、食べられない日があっても体がおかしくなるわけではありません。でも、やっぱりどこかに物足りなさを感じています。

 今日は久しぶりに買い求めることができました。別のスーパーに行ったからか、それとも少しブームが下火になったからか。また明日から納豆生活に戻ることができます。

 納豆は健康食品だとは言われています。日本人は基本的には「農耕民族」ですから、乳製品を消化し、それを栄養として利用するのは不得手。私もそうですが、牛乳などを摂ると、お腹が悪くなります。

 発酵製品は胃腸に良いようだということで、ヨーグルトなどが勧められていますが、やはり日本人にはあまり向かないかも。そうだとすると、大豆から作られた発酵性品である納豆は、日本人にとっては優れた健康製品である可能性があります(本当にそうだと実証されたわけではありません)。

 くだんの番組を私は見ていないので、納豆がダイエットに良いという根拠も分かりませんし、どのような食べ方や量が良いのかもしりませんが、これだけのブームになるようですから、そうとう「体に良い」という印象を与えてはいたのでしょうね。マスコミの影響は恐るべし、です。

 でも一言申し上げておきますが、毎日のように納豆を食べている私にとって、それほどダイエットになっているわけでもありませんし、健康な体でいるというわけでもありません。納豆効果というものが本当にあるのかどうか、よく分かりません。

 昔の話を一つ思い出しました。私が小児科医に成り立ての頃、幼児の偏食の相談をつけたことがあります。その子は白米と納豆しか食べないというのです(牛乳は飲んでいました)。離乳食の途中からそうなってしまい、保育園に入園してからも昼食がみんなと一緒にとれないとのこと。私も多少関わりましたが、なかなか頑固で、やはり他の物が食べてくれません。

 あんまり無理強いするのも良くないし、親御さんもこのことで疲れてしまっていたので、最後には「それだけで元気にしているのだから、まあいいんじゃない」と、さじを投げたようなかっこうになりました。小児科医があきらめてはいけないのかもしれませんが、本人や家族の心理的な悪影響のほうが心配になるくらいで、逆に本人は見た目には健康そのもの。

 極端な偏食をしていても、けっこう体は元気にしているものだな、人間の体はなかなか丈夫にできているものだな、などとヘンに納得したり、小児科医として新しい知識(?)を得たりしたことがありました。

 人間は基本的には「雑食」です。よく「バランスの良い食生活を」と言われますが、何でも食べるのが一番。納豆だけが良いわけではなく、納豆も含めていろんな物を食するのが一番いいことです。

 ところで、あの納豆しか食べられない子はどうしたかな? あのあともずっと納豆ばかりの生活をしているのかな? もしそうだったら、彼にとって今は「食糧難」になっているかも・・。

投稿者 tsukada : 21:53

2007年01月16日

上越子育てフォーラム講師が決まりました

 第3回上越子育てフォーラム(塚田こども医院主催)の講師が決定いたしました。さまざまなオランティア活動でご活躍中の細川佳代子さんです。「世界の子どもにワクチンを」日本委員会の代表もされています。

 期日は7月7日(土)午後。上越市民プラザ大会議室で行う予定です(昨年までの会場とは変わります)。詳細は決まり次第お伝えします。

20070116.JPG

【参考】細川 佳代子(ほそかわ かよこ)さん
1942年生まれ、神奈川県出身。上智大学英文科卒。民間企業から派遣され欧州各国に駐在。71年細川護煕氏と結婚、夫の政治活動を支える一方で様々なボランティア活動に参加。94年スペシャルオリンピックス日本設立、理事長に就任。現在名誉会長。
「世界の子どもにワクチンを」日本委員会代表もつとめている。

投稿者 tsukada : 10:12

2007年01月15日

インフルエンザ発生!

 雪国というのに雪がありません。今日のお昼間は太陽も出て、ポカポカ。気持ちいいですね、こんな日は。明日からは1月も後半になるというのに、こんなことでいいのか、心配になります。「雪国」の名前を返上しなくてはいけないかもしれませんね。

 その暖冬が関係しているのか、先週まではインフルエンザの発生がほとんどありませんでした。でも今日、当院で今シーズン第一号となるインフルエンザの患者さんが出ました。先週土曜からの発症で、園での集団発生はないようで、どこで感染を受けたのか分かりません。

 これからインフルエンザが流行することは確かでしょう。でも、それがいつからどのように始まるかは分かりません。先週から3学期が始まっていますが、だいたい2週間ほどするといろんな感染症が増えてくるような印象があります。今週か来週には、インフルエンザの流行が始まりそうな予感がしているのですが、どうでしょう・・。

 こんな予想はあたらないほうがいいに決まっています。うがい、手洗いなどをきちんと行って、できるだけ予防しましょう。そして、園や学校での発生の情報に十分に注意をしていて下さい。

投稿者 tsukada : 23:59

2007年01月14日

雪国のもう一つの悩み

 今年は本当に「暖冬少雪」になっています。いつものことですが、気象庁の予想は眉につばをつけて聞いていますが(どうして長期予報があたらないのだろう?)、でもこの冬は今のところは大当たり!です。

 雪深い(はず)のここ新潟県上越市(高田)では、昨日から冬型のお天気になり、空から白いものが降ってきていました。でもその量は多くありません。地面を少し白くしたくらい。積雪では3センチくらいだったでしょうか。それも今朝まで。今日の昼間は曇りで、時々は太陽も姿を現していました。

 これが本当に1月半ばの気候なのか?という感じです。でも、こんなお天気がここ10年以上も続いています。時には多めに雪が降るときもあります。以前は「例外的に少雪」だったのが、近年は「例外的に多く降った」というような言い方になってきています。

 雪の量だけではなく、質もそうです。以前は1月の中旬といえば、一年で一番を競うような寒波がやってきていました。気温がとても低いので、雪はさらさらとしています。「乾燥した雪」と表現すると、雪国の人にはよく分かると思いますが、暖かいところに住んでいる方には分かりますでしょうか? 冷たすぎるので、体についてもすぐには溶けてきません。コートはいつまでの濡れてこないのです。

 でも、今の雪は違います。水分が多く、ベチョベチョ。外套につくと、すぐに布地に張り付き、吸収されていきます。家の中に入ると、白いものはついておらず、雨の中を歩いてきたかのように、ただ水を含んでいるだけ。それだけ気温が高めで、雪までが寒さを忘れているかのようです。

 雪国でも生活も変わりました。昔は(私が小さかった頃までは)冬には外で遊べないもの。鉄道などは止まるのが普通で、何日も食料が入ってこないことがよくありました。学校の行き帰りは、生死をかけるくらいの道のり。小さな子どもだからそう思ったのかもしれませんが、でも、もしかしたら学校にたどり着かないかも、家に帰って来れないかもしれない、なんて思いながら、自分の身長以上に高く積もった雪の上を進んでいったものです。

 でも、今はそうではありません。雪道でも普通に自動車も、そしてバイクや自転車も通れます。外遊びもできます。まして、命の危険を感じることも、おそらくないでしょう。雪国の生活にとっては、それはいいことにちがいないことです。

 でも、それがもしも「地球温暖化」と関係しているとしたら、あまり歓迎すべきこととはいえません。うがった見方ではありますが、暖冬少雪を歓迎することは、時代の求めることに逆行している!などと言われかねません。

 本当のところはどうなんでしょう。個人的な過ごしやすさと、地球全体の環境とをどう調和させればいいか、悩むところです。

投稿者 tsukada : 21:23

2007年01月12日

朗報

 ローカルな話題ですが、新潟県の医療費補助制度が大幅に改善されることになりそうです。これは泉田知事が発表したことですが、乳幼児医療費助成制度の「入院」の対象年齢を、現行の「4歳未満」から「小学校卒業まで」に引き上げるのだそうです。

 現在の助成制度は、新潟県としては入院が四歳未満、通院は3歳未満が対象。入・通院ともに対象年齢を就学前までとする都道府県が多く、新潟県は全国最下位レベル。それでは不十分といういうことで、それぞれの市町村が「上乗せ」をしているのが現状ですが、そのために市町村格差がとても大きく、新潟県の中が凸凹だらけでした。市町村の独自の上乗せですから、その財源は全額市町村負担。県民だけではなく、市町村の「不満」もそうとう大きかったです。

 今回の引き上げは、ういぶんと思い切った案です。これで入院の対象年齢は「中学校卒業まで」の神奈川県に次ぎ、全国2番目となるとのこと。頑張りましたね!

 でも、その予算額を聞いたらもう一度ビックリ。1億5千万円、あるいは2億円だそうです。それって、そんなに大きな額ではないですよね。それくらいでできるのなら、どうして今まで「全国最下位」を頑張って(?)維持していたのか、不思議なくらいです。もうすぐ知事選があるから??

 今回の改正案にすっぽり抜けているのが、外来通院の補助です。入院費用は一人ひとりの負担額は大きいですが、それほどたびたびあることではありません。通院はほとんど全部の子どもたちに関係してきます。風邪に始まってさまざまな病気やケガ。とくに集団生活に入った直後は、ほとんど毎月のように小児科を受診することになるでしょう。その意味では、広く関係しているのは、通院の補助の方です。

 通院については、3歳未満までしか補助しない状態を、そのまま続けようというつもりなのでしょうか。入院補助の対象年齢を思い切って引き上げようというわけですから、ますます貧弱さが際だってきます。バランスのとれた政策とは言い難いでしょう。

 新潟県の制度が全国最下位といわれているのは、「対象年齢」だけではありません。0歳を除いて「所得制限」がありますし、窓口での親御さんの「自己負担」もあります(通院では1回につき530円、月4回まで)。これらの「三重苦」をどう改善していくのか、そのトータルの方向性がまだ見えてきません。

 今回の知事の発言が、選挙目当てのハデなアドバルーンではないことを願っています。県民のための、地について議論をしていきましょう。

投稿者 tsukada : 23:58

2007年01月11日

モラルを失った人たち

 このところ、政治家の事務所経費が問題になっています。本来家賃の発生しない議員会館に事務所を置きながら、年間で数千万円もの「事務所費」を計上しているという問題です。

 他の事務所の経費を付け替えたり、飲食費などの費用を「事務所費」にしたりしているようです。「事務所費」は領収書の添付が必要ないということなので、「知られたくない金」はここに入れてしまっているのでしょう。そのためにすでに大臣を辞めた人がいるくらいですから、政治家としてはその資格にかかわる重要な問題です。

 現職の大臣でも、数人が問題視されています。例えば文部科学大臣の伊吹氏は飲食費を含めていることを認めています。それだけですでに法令違反。さらに、内容を明らかにせよというマスコミからも求めに対しては「法律上、内容を開示しない内容しない経費なので、法律に順守しているとしか言えない。聞かれ始めたら(答えるのに)収拾がつかなくなる」と答えているそうです(今日の新聞報道から)。

 おかしなことを言う人です。法令では「事務所費」については領収書をつけなくても良いといっているだけで、その内容を明らかにしてはいけない、などとはあり得ない話。正しい会計をしているのであれば、どうしてその内容を明らかにできないのでしょう。やはりやましいことがあるのだと、推測せざるをえないですよね。

 「収拾がつかなくなる」とはいったいどういったことでしょう。会計の資料をきちんと公開すれば、伊吹氏についてはそれで終わりでしょう(氏の言っているように、正しい処理をしているのなら)。おそらく問題にしたいのは、自分が会計内容を公開するという「前例」を作ってしまったら、他の議員に迷惑をかけてしまうことをおそれているのでしょう。同じようなことをしている議員が多数いることを知っているから、そんなかばうような発言をしているのだと思います。

 これが私たち民間人であればどうでしょう。個人事業でも法人でも、その経理の内容をはっきりさせないですむ、などということはありません。年に一回は税務署に会計を報告します。その中には細かな内容は添付しないけれど、会計資料は5年間の保存が義務づけられ、税務当局から求めがあれば、それを全て提示することになっています。

 もし内容を明らかにできないものがあれば、それは経費として認められないでしょう。「使途不明金」として、その分に対しても法人税が課されますし、それが所得隠しなど、悪質なものとみなされれば重加算税も払わされるかもしれません。(企業の意図的な「使途不明金」は、政治家に渡っているのだと思っていますが、どうなんでしょう)

 民間と違って、政治家にはとても甘い制度ですね。何しろ自分たちで法律を作っているのですから、こんなずるいことは平気でできるのでしょう。

 政治家は普通の国民や、普通の企業よりももっと高貴なモラルを求められるものだと、私は思いますが、そんなのは絵に描いた餅なのでしょうか。最初から求めてはいけないものなのでしょう。政治家を十把一絡げにしてはいけないのかもしれませんが、イヤな人たちを見てしまったようで、後味が悪いです。

 もっとも、日本中でモラルの喪失が問題になっています。そんな国も代表者たちですから、モラルを持ち合わせていなくて当たり前なのかもしれません。せめて私たちは、国会議員の姿を見て、我が身を振り返ってみましょう。そして「政治家のようにだけはなりたくない」と思うことも大切だと思います。

投稿者 tsukada : 21:20

2007年01月09日

クリスマスの贈り物

 このところ、なぜか水ぼうそう(水痘)にかかったお子さんを多く見かけます。どうも冬場には多くなるようですね。それほど大きな流行ではないのですが、昨年の秋くらいから少しずつ発生しだし、だんだんと多くなってきたような印象です。

 水ぼうそう(水痘)にはワクチンがあります。あらかじめ接種をしておけば、かからないか、かかっても軽くすみます。残念ながら任意接種になっているために、費用は全額自費になります。そのためか、あまり受ける方が多くないのが実情です。

 アメリカでも任意接種ですが、子どもたちをできるだけ感染症から守ろうという意識が強いようで、7〜8割ほどの子どもたちは接種を受けているとのこと。そのために、アメリカでは水ぼうそうの発生がそうとう少なくなったと報告されています。

 水ぼうそうには特効薬とも言える抗ウイルス薬があります。それが使えるようになってから、水ぼうそうは軽くすむようになりました。それでも、1週間が半分程度の3、4日ほど、治るのにかかります。その間は登園・登校ができません。共働きのご家庭などのことを考えると、やはりあらかじめワクチン接種を受けておくほうが良いでしょう。それが子育てにおける「危機管理」です。

 ちなみに、水ぼうそうワクチンは世界で初めて、日本で開発されたものです。それが日本の子どもたちのために役立てられていない現状は、残念の一言に尽きます。

 水ぼうそうの潜伏期はちょうど2週間。例えば今日(1月9日)、水ぼうそうの患者さんと接触して感染を受けたとすると、今から2週間先の今月23日ころに症状が出始めることでしょう(柔らかい水ぶくれが皮膚のあちこちに出てきます)。

 今日はわりと水ぼうそうのお子さんが多く、みな、この連休中に発症したお子さんたちです。感染を受けたのが2週間前だとすると、12月24日か25日。ちょうどクリスマスのころ。

 もしかしたら、サンタクロースのプレゼントだったのかも。そんなことを話したら、患者さんのお母さんに笑われました(^_^;)

投稿者 tsukada : 22:37

2007年01月08日

日本は「会社主義」

 税金はできれば払いたくないと思うのは、心情でしょう。「脱税」は違法行為ですし、してはいけませんが、何かうまい方法があって、税金を安くすませる「節税」ができるのであれば、できれば取り入れたいと思うものです。

 よく野球選手が、自分の会社を作っているという話を聞きます。日本では「会社」のほうが個人よりも税額が少なくなるようなのです。

 ある大手予備校の方からお聞きした話です。そこでは講師はそれぞれの会社を作って、その会社との間で契約を結んでいるのだそうです。雇用関係にはなく、講師の給与や待遇などを心配する必要はないとのこと。

 生徒たちから人気があって、教え方のうまい講師はよりたくさんの授業を受け持ちます。それはその講師の作っている会社とそのような契約をすることになります。

 もし、人気のない講師で、予備校側がもう授業を持ってもらわなくていいと判断したら、その講師の会社と契約を更新しなければ、それだけですみます。これが個人として予備校に雇われている関係であれば、「解雇」するわけですから、経営者側にはそうとうハードルが高いのですが、「会社」との契約ですから、煩わしいことはありません。

 でも、この講師にしてみると、長期にわたる安定した関係ではなく、とても不安定な境遇です。直接雇用しているのは自分で作っている会社ですから、その経営も、予備校との契約が切れてしまえば、それで収入はなくなります。

 予備校から直接雇用されているのであれば、ある程度身分は安定しますし、何かトラブルがあったときにも、被雇用者として補償されるでしょう。病気やケガなど、業務上のことであれば労災扱いになったり、休業手当などもあります。

 しかし、会社を通しての関係では、それらはなくなります。自分の会社が自分を雇っているようにもみえますが、おそらくは「事業主」として会社を作っているでしょうから、失業保険も労災保険も関係ありません。契約が切れて収入がなくなったら、その後を保障するものは何もないのです。

 一時の「節税」だけから判断したのでは、果たしてどちらの方法が良いのか、分かりません。個々の野球選手や予備校講師にとっては、会社を作った方が有利だったという人も出ているでしょう。でも、全体として考えると、こういった制度を上手に利用しているのは、経営者側だといえるのではないでしょうか。

 こんな話をしたのは、「ホワイトカラー・エグゼンプション」にも、同じような危険性があるからです。管理職の会社員に対して、残業代を支払わなくても良くするだけではなく、その働き方についても自己責任を求めるということは、実態としては、それぞれが自分の会社を持つようなものではないか、と思うのです。

 病気をしようが、ケガをしようが、それも全部自己責任。業績が悪くなれば、その責任をとって解雇するのも簡単になるでしょう。何しろ「結果を出す」ことだけが、その人の評価の基準になるのですから。

 与党の中でも、こんな制度を導入したら、サラリーマンから支持をえられないという意見が出始めています。今年の夏前には参議院選挙があるから、それまではそっとしておいて、その後、どんと国会に出すつもりのようです。そんな子どもだましのような手には、乗りませんよ!

(追伸)今日は新潟県の小児救急電話相談事業のお当番日でした。休日の夜7時〜10時に、子どもたちの急病やけがなどで、親御さんが心配な時はどうぞ電話をしてみて下さい、という事業です。まずは担当の看護師が電話にでて、ご相談を受けます。それで解決する場合が多いのですが、看護師がさらに小児科医のアドバイスが必要だと思ったときに、それを受ける役割です。県内全体で数十名の小児科医が担当しています。1年ほど前から始まり、私は今日で確か4回目。何件かの問い合わせがあり、看護師に指示をしました。さきほどそれも終了。あとは連休明けになる明日の診療に備えて、ゆっくり休ませてもらいます。

投稿者 tsukada : 22:13

2007年01月07日

ホワイトカラー・エグゼンプションについて

 「ホワイトカラー・エグゼンプション」(white collar exemption、ホワイトカラー労働時間規制適用免除制度)について、昨日の「院長ブログ」に引き続き、お話をします。

 用語の説明を先にしますが、「ホワイトカラー(white collar)」とは背広を着て仕事をする人たちをイメージしますが、ここではいわゆる管理職のことをさします。そのホワイトカラー労働者に対する労働時間規制を適用免除(exempt)することが、今回導入されようとしている制度です。

 大きな会社組織の中で、部下を多数もち、仕事を自分なりの裁量で大いに行うことができる人たちは、週40時間の労働時間制度は必要ないでしょう。でも、大多数の労働者は上からの指示や命令の中で仕事をしているのであり、自分なりの働き方を自分で決めることなど、できるはずがありません。

 実はすでに「管理職」になると時間外手当は出さないのが通例になっています。これらの人たちは、実質上すでに「ホワイトカラー・エグゼンプション」が適応されていることになります。

 今回、国や雇用者側が導入しようとしているのは、「管理職」以外の普通の労働者に対しても適応したいということです。原案通りに導入されると、産業界全体で11兆円もの人件費が削減されるというのです。それって、あんまりじゃないですか!

 政府案では、年収400万円以上の労働者を対象とすると書いてあります(それ以外の要素もありますが)。恐ろしいことです。ごく一部の「上流サラリーマン」だけが対象だと思ったら、大間違いです。年収400万円は、普通の会社員ならだいたい対象になってしまうでしょう。

 また、この制度が適応されると、もし過労死したり、オーバーワークから体調を崩しても、それは本人の責任とされかねません。自分の裁量で働き方を決めているのだから、健康管理も自己責任なのだと。

 形式的には労働時間や休日は自分で決めることになるでしょうが、仕事の内容や業務量は自分で勝手に決められるものではありません。それなのに、本人に健康上のトラブルが生じたときには、会社は知らないという態度をとるとしたら、それは卑怯です。

 今の日本でも、すでに「管理職」を巡って、その乱用が問題になっています。医療関係でとく目立つようなのですが、病院の勤務医を全部「管理職」にしてしまうところがあります(研修医などは除く)。外科医であれば、夜間や休日に緊急の手術があっても、「管理職」であるために、時間外手当を支給する必要がありません。正規の勤務時間内から始まった手術がどんなに長びいて、夜中になっても同じです(難しい手術は10時間を超えることもよくあります)。小児科や内科医も同じように、夜や休みの日に働いても、何も手当がありません。

 こういった制度を導入し、医師の人件費を安くしようとしている病院はしだいに増えているそうです。そこでは、次第に勤務医の疲弊と、意欲の減退、そして一部には燃え尽き症候群に陥る例も出てきていると報告されています。こうしたことが横行すれば、最終的には患者さんや地域の皆さんがきちんとした医療を受けられなくなるという不利益をこうむることになってしまいます。きわめてゆゆしき問題です。

 今の日本でも「管理職」という“称号”を与えれば、こういったことが「合法的に」可能です。もし「ホワイトカラー・エグゼンプション」制度が導入されれば、管理職以外の普通の労働者へも同じような働き方と賃金の支払い方がなされていくことでしょう。

 そんなふうに考えると、「ホワイトカラー・エグゼンプション」はきわめて恐ろしい制度です。

 日本は今は好景気なのだそうです。なかなかそれが実感できないわけですが、景気の良いのは大企業だけ。そんな企業に対しては、さらに減税案を用意し、個人の所得はすでにそうとうの増税を行い、これからももっと税金を多く取ろうとしています。それに加えて、この「ホワイトカラー・エグゼンプション」制度の導入しようとしているのは、働く者を大切にしているとは、とても言えません。むしろ、虐げているとさえ思えます。

 政府は日本をどんな国にしたいのですか? この先が見えてきません。

投稿者 tsukada : 19:49

2007年01月06日

残業代ゼロが少子化対策!?

 今、一部のサラリーマンの残業代をゼロにしようという制度の導入が議論されています。アメリカなどですでに実施されている「ホワイトカラー・エグゼンプション」というのがそれです。

 ホワイトカラーとは、白い襟のこと(カラーは襟=collarで、色=colorではありません)。白いワイシャツにネクタイをしめているような、いわゆる会社員という意味合いがあります(知的労働)。ちなみにホワイトカラーではない人たちは「ブルーカラー」と呼ばれ、青い作業服を着ている人たちで、単純労働をしています。

 ブルーカラーと呼ばれる労働者は、主に働く時間によって賃金が決まります。基本の労働時間を上回る時間外労働があれば、その時間によって割増賃金が支払われます。それに対してホワイトカラーは、基本的には労働時間は関係なく賃金が決まります。「年俸制」というのはその一つ。ブルーカラーに相当する時間外手当はありません。

 日本はこれまではブルーカラーと同じ制度しかありませんでした。労働者は労働時間などの労働条件は法律で決められ、時間外手当の支給も全ての労働者が対象になっています。(実際には支給すべき時間外手当を支給しないサービス残業も横行していますし、労働者の過労死も大きな社会問題になっています。)

 経営者側からの提案で、日本でもアメリカと同じような制度を導入しようというのが議論になっています。ホワイトカラーと呼ばれる人たちは、自分の労働時間は働き方を自分で決めて、経営者はその人の業績をもとに賃金を支払おうというものです。

 この制度については、さっそく労働者側から猛反対の意見が出されています。今でも残業代がきちんと支払われていないのに、これではまるまる労働者のただ働きになるのではないか。勤務時間などを法律で決めないわけですから、過労死は減るどころか、ますます増えてしまうのではないか。私自身も、この制度が今の日本では、有害な側面があまりに多いと思っています。(詳しくはまた別のときに触れてみたいと思います。)

 今日、お話をしたいのは、安部首相の発言です。この制度が導入は「少子化対策にもなる」と言ったというのです。朝日新聞は次のように伝えています。

<安倍首相は5日、一定条件下で会社員の残業代をゼロにする「ホワイトカラー・エグゼンプション」の導入について「日本人は少し働き過ぎじゃないかという感じを持っている方も多いのではないか」と述べ、労働時間短縮につながるとの見方を示した。さらに「(労働時間短縮の結果で増えることになる)家で過ごす時間は、例えば少子化(対策)にとっても必要。ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)を見直していくべきだ」とも述べ、出生率増加にも役立つという考えを示した。首相官邸で記者団の質問に答えた。/首相は「家で家族そろって食卓を囲む時間はもっと必要ではないかと思う」と指摘。長く働くほど残業手当がもらえる仕組みを変えれば、労働者が働く時間を弾力的に決められ、結果として家で過ごす時間も増えると解釈しているようだ。>

 日本人が働きすぎだというのは、確かにそうかもしれません。でもそれは平均的なことで、実はアメリカやヨーロッパの一部の人たちはもっと労働時間が長いのです。それがホワイトカラーと呼ばれ、主に年俸制で働いている人たちです。「ホワイトカラー・エグゼンプション」を導入することが、労働時間の短縮になるという根拠は、ありません。

 また、時間外手当がでる今の制度があるから、職場にいつまでも残っていて、なかなか家庭に帰らない、という意味合いにも聞こえてくる発言です。そんなことが言えるのは、普通に働いたことがないのでしょうね。まるで、帰れるのに帰らない労働者が悪いみたいな言い方。一生懸命働いている人たちが聞いたら、怒り出しますよ。

 日本が世界で類をみないほどの少子化社会になっていて、「少子化対策」は国家的な大きな課題です。ですが、それを「ホワイトカラー・エグゼンプション」と結びつけるのは、あまりに安直であり、物事を深く考えていないのだな、と思ってしまいます。

 労働時間が長く、家庭で過ごす時間が短い・・それが一般的に、家庭を持つ人たちにとって良いことではないでしょう。家庭を大切にし、家族と過ごす時間がたっぷりあったほうが良いことに、異論はありません。ですが、それを単純に「少子化対策」としてしまうことには、問題があります。単純に、家族と一緒にいる時間が長ければ、それで子どもが多く生まれるのですか?

 以前、ニューヨークで数日間に及ぶ大停電がありました。その翌年、子どもの出生数が増えたというのは、事実のようです。電気のつかない家の中で、長い夜を過ごすことが、子作りに役に立ったという、笑い話のような出来事です。

 まさか安部首相の頭の中には、こんな事態が描かれているのではないでしょうね。次は、「少子化対策として、夜は停電にするのが望ましい」などと発言するのではないでしょうね。

 首相は、結局は経営者側の提案を後押ししているだけのこと。とってつけたような「賛成意見」も、お役人からの入れ知恵なのでは。自分できちんと考えることって、大切ですよ。

投稿者 tsukada : 20:01

2007年01月05日

ウイルス性胃腸炎は一段落

 子どもたちの間では、昨年末まではウイルス性胃腸炎(嘔吐下痢症)が大流行。12月は毎日おおぜいの子どもたちが、吐いたり下痢をしたりして、外来を訪れました。

 吐きそうなお子さんにはビニール袋を持っていてもらうのですが、待合室を除くと、ビニール袋を手にした青白い顔の子どもたちがたくさんいました。(アンパンではないですよ←アンパンなんて、知らない人が多いでしょうが)

 年末年始の休みが入って、昨日からの外来では、この胃腸炎がだいぶ少なくなったような印象です。ある程度長めの休みがあると、子どもたちの中での感染症の流行は、一段落することがよくあります。

 もちろん、まだなくなったわけでもありませんし、これからまた流行がぶり返してくるかもしれません。明日からの連休はまた大きな低気圧が日本列島を襲い、冬型の気候がぐんと厳しくなるとのこと。来週からは園や学校が再開し、また集団生活が始まります。油断は禁物。

 今月はおそらくインフルエンザの流行が始まることでしょう。すでに患者さんは少しずつ出ているという報告が、各地から寄せられています。当院ではまだ確認していませんし、今の段階ではまだ散発的ですが、イヤな足音が聞こえてくるようです。こちらもご用心を!

投稿者 tsukada : 22:48

2007年01月04日

仕事始め

 今日は仕事始め。やはり多くの子どもたちが診療に来られました。年末年始のお休みの間中、具合の悪かった子もいました。休日などの診療体制は、急患診療所があるといってもやはり十分とはいえません。親御さんもきっと不安な気持ちで過ごされていたことでしょう。

 年末年始のお休みの期間中、子どもたちをめぐってイヤな事件や事故が目立ったような気がします。ふだん以上にテレビでニュースを見る時間が長かったからかもしれませんが・・。新しい年のスタートにしては、あまり良い気持ちがしませんでした。

 今年こそ子どもたちがより幸せになることを願っています。今年一年、この「院長ブログ」も、引き続きお付き合い下さい。

投稿者 tsukada : 23:56

2007年01月03日

謹賀新年

 新年明けまして、おめでとうございます。

 お正月はいかがお過ごしだったでしょうか。全国的にまあまあの良いお天気だったようですね。新潟もあまり雪のない新年でした。

 お正月休みは今日まで。明日から診療を始めます。今年も一年、どうぞよろしくお願いいたします。

投稿者 tsukada : 21:46