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2006年12月16日

猛威

 感染性胃腸炎の流行が全国でさらに拡大しているようです。ニュースを見ると、各地で集団発生している様子がよく分かります。

 当院のある新潟県でも同じ。市内のいくつかの保育園では、園児と保育士らが嘔吐や下痢などの症状がでて、保健所の指導で登園を自粛してもらう処置をとっています。

 これは実質的には「休園」なのですが、何だからまどろっこしい表現ですね。学校なら校長の判断で「学級閉鎖」や「休校」にできるのに・・。それは、保育園は基本的に休園することができないことになっているのです。

 学校は文部科学省が所管するところですが、教育機関であるために、必ず子どもを預からなくてはいけないということではありません。学校側の必要に応じて、休みの体制をとることができます。幼稚園も同じで、やはり「休園」にすることができます。

 しかし、保育園は「保育に欠ける児童を預かる施設」であり、親の都合が優先されることになっています。園の都合でお休みにすることは難しいというわけです。所管も厚生労働省です。

 同じ幼児を預かる施設に保育園と幼稚園があるわけで、その隔たりが長い間手つかずになってきました。縦割り行政の典型かもしれません。子どもたちのためにどうすればいいのか、といった議論よりも、役所の既得権益を守ったり、役人の権限を温存することが優先される状態は、日本ではまだまだ強いのですね。

 長い間、幼保一元化が課題とされながら、そのままになってきましたが、最近になって、保育園と幼稚園の両方の性格を併せ持った「こども園」を作ることができるようになりました。都会を中心に、保育園に希望しても入れない「待機児童」をなくそうというのがその一つの目的のようなのですが、幼稚園でも小さな乳幼児を預かることができるようになるようです。

 しかし、現在の保育園と幼稚園が一体になるわけではありません。役所がその壁を取り払って、子どもたちのために一緒になって仕事をしていこう、などというわけでもありません。旧態依然とした部分はそのままで、ちっとも変化なし。むしろ、2つに分かれている幼児保育・教育を、そのまま温存し、固定化するためにやっているのかと思えてしまいます。

 感染性胃腸炎の話から飛んでしまいましたが、なにげないニュースではあるのですが、日本のもつおかしな制度が顔を見せているのを、黙ってやりすごすことができず、つい言及してしまいました。

 ともあれ、感染性胃腸炎が子どもたちを中心に大流行してるわけで、一日も早く終息してくれることを願っています。

投稿者 tsukada : 2006年12月16日 23:38