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2006年10月09日

北朝鮮が核実験

 連休の最後の日、お天気が回復して気持ちよく過ごせました・・午前中までは。お昼のニュースを見て、その気持ちは暗転。何とも不快な気持ちになってしまいました。

 ご承知のように、北朝鮮が今日、地下核実験を行ったということです。その規模はさほど大きくはなく、今回の核実験で直ちに日本が放射能で汚染されることはないのでしょう。その点では、動揺することなく、事態を冷静に見守っていきたいと思っています。

 日本の総理大臣が中国と韓国を訪問するという日を選んでの核実験の実施。そこには、日本などへの強いメッセージが込められています。とくに日本に対しては、下手な動きをするな!という、恫喝といっていいでしょう。まるでヤクザです。

 これで世界からの非難はますます厳しくなり、いっそう孤立した状態になるのは目に見えています。世界がこれだけ反対していた核実験を強行することが、どれほど必要だったのか。何をねらっているのか、何を求めているのか、何がメリットなのか・・良く分かりません。

 分からないのは、ある意味で当然なのだと思います。北朝鮮の独裁者=金正日の基本的な考え方は、私たち普通の人間とは違っているからです。恐怖が支配している独裁国家を作れたということは、普通の人間の、普通の考え方ではできないこと。彼が「人格障害」だからできることなのです。「自己愛性人格障害」と「反社会性人格障害」の2つの側面をもっているのだと思います。

 歴史の中で独裁者として振る舞ってきた支配者には、このタイプが多いようです。ヒットラーはその典型例。日本でもその傾向の見られる政治家は、少なくありません。

 彼らは、他人から注目されることが何よりの快感。それなくしては生きていけないといっていいくらいです。国の指導者になったときにも、同じことをしています。北朝鮮が他の国から相手にされなくなることは、耐えられないのです。できれば、世界の動きが自分と北朝鮮を中心に進んで欲しいと真剣に考えています。それが正しいことでも、悪いことであっても。内容はどうでもいいんです。

 だからなんだかんだと理由をつけて、自分の存在をアピールします。脅すことも平気。犯罪も戦争も、理由付けをするのは得意中の得意。世界から注目を集めることであれば、何でもしてしまいます。周囲から「六者協議に出てこい」と言われていること自体が、実は快感に思っているのかもしれません。風向きが変わって、誰も相手にしてくれなくなってくると、急に「事件」と作り出します。ミサイルの発射も、核実験もそうです。

 それによって、また世界中で北朝鮮のことがニュースで流れる、日本人が北朝鮮のことを怖がっている・・彼にとっては、小躍りするばかいの快感になっていることでしょう。

 北朝鮮は、基本的には中国の手厚い支援がなければやっていけません。日本やアメリカは、もう北朝鮮を直接相手にすることはやめましょう。あとは中国に任せて、ほっておきましょう。すべてのことは、中国を通して行います。経済援助も、人的な交流も。そして拉致問題の解決も。これまで北朝鮮を支援し、独裁国家を維持してきた中国にとっては、北朝鮮のことをきちんと解決することは、絶対に必要なこと。避けて通れません。

 そして、世界から相手にされないことが北朝鮮にとって、金正日にとって、一番辛いことなのです。中国が北朝鮮の未来に責任を持てば、独裁体制を崩壊させる方策を必ずとることでしょう。中国がその決断をしたとき・・金正日は真っ先に逃げていくことでしょう。国民を置き去りにし、国を捨てて。

 往々にして独裁者はそうするものです。何しろ一番かわいいのは自分自身なのですから。国民のため、国のために自分が犠牲になるのはまっぴらご免。それが「自己愛性人格諸害」の最大の特徴です。

 オーム真理教の指導者=麻原彰晃こと松本智津夫もそうでした。アジトに捜索が入ったとき、「信者たちは自分の教えに従っただけだ」と言って、警察の前に進み出てくる姿は見られませんでした。数百万円の金を抱いて、隠し部屋に身を潜めていました。みっともない末路。そのあとの裁判で、罪を認めないどころか、廃人のように振る舞っている姿は、あわれとしかいいようがありません。

 北朝鮮の独裁政治が崩壊するとき、同じような光景を見ることができるように思っています。それが現実になる日は、あんがい近いのかもしれません。

投稿者 tsukada : 2006年10月09日 23:00