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2006年09月06日

おめでとうございました!

 天皇家お子様が無事お生まれになられたとのこと。前置胎盤のために帝王切開を受けられたということで、心配していました。まずはおめでとうございます。そして、お疲れさまでした。

 男の子だったということで、テレビなどではさっそく「皇位継承3位」などという報道もされています。今の皇室典範では天皇は男子と決まっているので、確かにそうなのでしょうね。でも、生まれたその日に、将来の天皇だと言われたのでは、とうの本人はどんな気持ちでしょう。

 男子だからとはしゃいでいるのは、もし女の子だったらそれほどには嬉しいことではない、ということにはなりませんか? いずれ天皇になるのだから、と喜んでいるということは、普通の赤ちゃんの誕生だったらそれほど喜ぶことではない、ということにはなりませんか? 私が天の邪鬼(あまのじゃく)だからそんなひねくれた見方をしてしまうのでしょうが、でもちょっと気になります。

 男尊女卑がまだ根強く残っている日本の社会がこれから変わっていくため、皇室典範を改正して男性でも女性でも天皇にはなれるとすることは、とても大切なことだと思っていました。残念ながら、天皇家に男子が誕生したために、その議論は当面たなあげになるようですね。天皇の制度がそっせんして男女同権に変わることで、日本全体も新しい価値観に変わっていくきっかけになればいいな、と思っていましたが、そんな機会はもう永遠に来そうにありません。

 もっとも、逆に日本全体がまだまだ古いままでいるところに天皇制だけが変わってしまうと、そのギャップはとても大きいもの。その間に入る「女性天皇」が、そのストレスに押しつぶされてしまうことがおきないか、新たな心配になります。

 そんな意味では、落ち着くところに落ち着くのかもしれません。問題を先送りし、とりあえず今の体制を「まあまあ」と言って取り繕うのも悪くはないかもしれません。・・そんなふうに考えるなんて、私も大人になったものです(-_-)

 ともあれ、小児科医としては、新しい一つに生命が地球上に生まれたことを率直にお祝いしたいと思います。そして、この子が幸せな一生を過ごされることを祈っています。あらためて、おめでとうございました。

投稿者 tsukada : 2006年09月06日 23:16