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2006年08月13日

続・元祖「わたぼうし」

 新潟県上越市に昔から伝わっていた防寒具に、「ワタボシ」という名前のものがあります。名前が「わたぼうし」に似ているので、ちょっと興味を持ちました。

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 『思いでほろろん〈上越編〉』(新潟日報事業社刊)に載っていた写真です。左は昭和30年代前半の上越市(当時は高田市)のデパート前での写真。右の女性が肩から背中にかけているのがワタボシです。右の写真は、そのワタボシを作っているところ。写真に添えられた解説には次のように書いてあります。「蚕の繭からとった真綿を染色し、これを何枚も水にひたして丸い枠にはりつけ、だんだん厚くして、型につくりあげ乾燥する。やがて枠を外して周囲を繕い補修する。最後に襟充(えりあて)をつけ、ひもをつけて仕上げる。ワタボシは非常に軽くて暖かいので雪国独特の暖房具だった。(昭和33年)」

 私が生まれたのが昭和32年。その当時は、ワタボシはまだずいぶんと使われていたようです。でも、私にはワタボシについての記憶がありません。子どものころで覚えているのは小学生になったくらいからですから、昭和30年代後半には、もうすたれてしまったのかもしれません。

 解説文にあるとおり、とても軽くて暖かそうです。当時はきっとおしゃれだったんでしょうね。クラシックなショールといった感じです。

 「わたぼうし」と「ワタボシ」。言葉の生い立ちも違いますし、意味している物も違いますが、「暖かく包み込む」という快い響きは共通するものがあります。とくに「わたぼうし病児保育室」は、病気の子どもたちを、その親御さんたちをいつも「暖かく包み込む」ことができていると思っています。

 私のとっての個人的な「元祖わたぼうし」は・・この「ワタボシ」にしておきたいのですが、よろしいでしょうか。

投稿者 tsukada : 2006年08月13日 10:49