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2006年08月01日

三回忌に事故はおきた

 その事故は今から2年前(2004年)の7月29日に発生しました。新潟県横越村(現在は合併して新潟市)の町立プールで、プールの底にある排水口のフタが外れていて、小学校6年生の男児が足を取られて溺れました。救急隊がかけつけ救助しましたが、男の子は2日後の7月31日に亡くなってしまいました。

 昨日はその三回忌にあたる日・・そして、埼玉県でもいたましい事故がおき、女の子の命が奪われてしまいました。わずか2年前の事件(管理者の法的責任が確定しているので事故ではありません)の教訓が、全く生かされていませんでした。

 新潟県内のニュースでは、この男の子の親御さんがインタビューに答えてお話をしていました。我が子の死が無駄にならないよう、同じようなプールでの事故がなくなることを願い、実際に活動もされてきていましたが、またもや事故がおきてしまい、無力感にかられておられるようでした。そして、「私たちの力不足の結果だった」とも。その言葉に胸がつまりました。

 悲しい思いをされてきたご両親に、直接関係のない事故に対して「罪の意識」を感じさせてしまうほど、今回の事故はおきてはいけないことでした。ご両親のお気持ちが痛いほど分かるのですが、でもご自身を責めることはもうしないで下さい。責任を痛感するべきは、プールの管理者であり、行政なのですから。

 今日の報道では、この排水口のフタは針金で止められていたとか。ボルトはなかったという話もでています。いったいどういうことなのでしょう。ボルトでしっかり固定したり、フタを二重にしたりすることなんて、やろうと思えばすぐにできます。経費もほんのわずかです。要は、危機管理に対する認識が皆無だったのです。

 ちなみに、2年前の事故では排水口のフタが最初から固定されていませんでした。ボルトで動かさないようにする工事は、わずか1〜2万円でできたのだそうです! それだけの費用を支出しなかったために、かけがえのない命が失われてしまいました。

 昨日の事故も、数万円の工事費をかけて修繕していれば、完全に防ぐことができたでしょう。日本はそれくらいのお金に困っているのですか? 子どもたちの命を守ることがそんなに面倒がることなのですか?

 やっぱり基本は「心」です。子どもたちが安全で、安心して、楽しく成長することを本当に願う心があれば、こんなばからしい事故がおきるはずはありません。日本が、日本人の心が、そんなにすさんではいないことを、まだ信じていたいです。

投稿者 tsukada : 2006年08月01日 22:27